みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
20.《ネタバレ》 山、都。月の三つの世界があり 山は少年時代のたいせつな思い出 すがりたい過去 都は大人になってからの現実 日々のくらし 月は死の世界 運命 月は穢れのない平穏の世界 天女「清らかな月の都お戻りになれば そのように心ざわめくこともなく この地の穢れも拭い去れましょう」 姫「汚れてなんかいないわ 喜びも悲しみも この地に生きる物はみんな彩りに満ちて 鳥、虫、獣、草木、花、人の情けを」 雪の上でゆきだおれた時に月の世界を思い出している。 月の迎えは、来迎そのものである。 良かれと思ってしたことが姫には受け入れられず、 再起を待つ草の芽を見て都の生活を受け入れる。 そのくせ庭に山を見立てた庭園を造り心をなぐさめる。 貴公子の死を知り自分の行為をのろい 「私もみんなニセモノだ」と庭園を壊す。 山(捨て丸)への憧れと、都(親)を捨てきれない束縛。 媼だけはその苦悩を知り密かに山へ連れて行く。 捨て丸に出会った姫は「しあわせになれた」と告げて二人空を飛ぶ。 満月を前にして姫は抗しきれず彼の前から姿を消す。 捨て丸にも妻子を持っている現実がある。それなりに受け入れて子を抱く。 本当に姫と逃げるつもりなどはない。 (おそらく姫はそれに気づいてしまった) 来迎までの出来事には決着というものが無く 結局はかみしめるしかない それらを含めて、いまわの際には愛着を持って思い出すということか。 死を見据えて作ったような作品。 帝の入内要請を断る姫の台詞「おとうさまが位に就いたのを見届けて死にます」 帝から逃れようとして月を呼んだ。 月に戻るということは現世からの離脱すなわち死 誰のものにもならない(すてまるの元に行きたかった)ということを守り抜いた結果がこれである 翁が姫と山に居続けていたら、すてまると結ばれ、月に戻されることもなかったのだろうか。 生きている実感。 かぐや姫がどうしてそこまで頑ななのか、理解にくるしむ。 月の住人ゆえの感じ方か。 まとまらずすみません。 【pige】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 22:13:03) 19.《ネタバレ》 この映画はストーリーを楽しむというよりは映像を見て凄い。美しく幻想的な世界観を見て楽しむ映画である。まるで本当に竹取物語の世界の中へ入り込む様だと思うぐらいの美しい映像に圧倒させられる。その美しい映像は初めて溝口健二監督の映画を見た時の様な驚きと一緒で、ただただその美しい映像を見て、凄い。凄いと見るのが正しい。高畑勲監督の作品全てに共通する人間だけでなく動物、昆虫に対しても優しさを感じることができる。空を飛ぶ鳥、木の枝に舞う蜂、かぐや姫が嬉しそうに桜の木の下で身体全体で喜びを表現して踊る姿は人間の感情のが全てを見せてくれている。捨丸が殴られているのを見て、泣きくずれるかぐや姫の切なさ、人間の生命、生まれてきた以上は必ず向かえる死、別れ、日本人なら誰でも知っている竹取物語、かぐや姫の姿を通して訴え掛ける作品として見応え十分です。高畑勲監督、もっと評価されていいし、評価されるべきだと声に出して言いたい。最後にもう少しだけ!宮本信子のナレーションを聞いてると、あまちゃんが見たくなる。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2018-04-08 10:52:30)(良:2票) 18.日本画は「描かない」余白に大きな意味を込めて、空間の「遠さ」や「広がり」などを表現し、それが日本画独特の美しさや詩情を生み出す事がある。という言葉を聞いたことがある。 この映画における余白の使い方を観て、ふとその言葉が浮かんだ。余白を使うことにより、物語の寓話性もより高まっている。 そして、色彩表現の豊かさ、濃淡の綿密さ、曖昧な色の表現がそのままこの物語が言わんとする、人間が持つ一つの言葉では言い表せない心の機微の尊さ、良い事も悪い事も含めて美しい人生というのを表現していると思った。 そして日本人に根付いている、四季に寄り添い生活を共にするという美徳も、美しいアニメーションを通して改めて感じることが出来た。 この映画における色彩による映像表現は、CGアニメや実写では、現時点では到達していない域に達していると思う。そして、これこそが世界に誇れる日本のアニメーションの凄さであると思った。 宮崎駿、高畑勲という二人の監督の違ったベクトルの集大成、生き様を「風立ちぬ」そしてこの「かぐや姫の物語」で見せてもらうことができた事が幸せだと思った。 【ちゃじじ】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-03-01 23:14:17) 17.《ネタバレ》 「月に帰る」とは「自殺」の暗喩なのか? と、この作品を観てはじめて考えました。この世界にいたくない=この世を去る。あの世には思い出も持って行けないでしょうしね。日本最古の物語で、しかも日本最古のSFで、もし本当に自殺の物語だったら、その比喩表現の感性があの時代にあったというのは凄いことだなと思う。考えてみればオチは『コクーン』に近いのかも。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-01-29 17:20:53)(良:1票) 16.《ネタバレ》 「ジブリの新作は高畑勲で『かぐや姫』だぁ?おいおい大丈夫かよ?」…大変申し訳なかったです。素晴らしかったです。 絵巻物を思わせるような独特の作画も、この映画全体に流れる“お伽噺の空気”の表現としてグッドでした。 そして自分も昔から知っている『かぐや姫』の物語ですから、もちろん最後に月からのお迎えが来ることは分かっているワケです。 かつての映画化でモロにUFOが登場して失笑を買ったりしていたコトを覚えている身としては「どんなのが来るんだろう?」とドキドキしていたら、やってきたのが凶暴なまでの優雅さと冷酷さを体現した“あの世軍団”…非暴力という名の暴力というか「うわ、コイツら絶対俺たちのコトを虫ケラぐいらにしか思ってないだろうな~」と思わせる怖さを出していました。 そして捨丸兄ちゃん…女房子供いるのに姫との逃避行に即答…しかも最終的には「夢か…」と子供を肩車…うーん…苦い…。 “やさしいおじいちゃん”だった翁が権力欲に取りつかれて俗物になっていく様子(しかも瞳キラキラ)も怖かったです…。 気になったのは…物語の中で延々とこの世の醜さにブルブルしていた姫が、何故そこまでこの世に残りたかったのがちょっと俺には分かりにくかったコトかなぁ…。そしてラストは“ただの月のショット”で終わってヨカッタのに…。「ああ!もったいない!」と俺には思えてしまいました。 あと個人的には…クライマックスで、姫の最大のマブダチ?だった女童(ちょっと萌w)の“ナギナタで待機、からのワンパク大行進”に、ちょっとオジサンは涙腺やられました…。←涙腺ユルすぎ(笑) 【幻覚@蛇プニョ】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-11-29 07:36:50)(良:2票) 15.《ネタバレ》 高畑勲監督の本当に久しぶりとなる新作。「竹取物語」は以前にも市川崑監督が沢口靖子主演で映画化しているが、こちらはあの映画のようなSF色はなく、ファンタジックな印象の強い映画になっている。それに、娯楽性よりも芸術性の高さを感じさせる作風はこれまでのジブリ作品ではあまり見られなかったような気がして、こんなジブリ作品もいいなと思った。高畑監督の前作「ホーホケキョ、となりの山田くん」でも水彩画のような画風が印象的だったのだが、本作でもその水彩画のような画風で作られていて、その優しいタッチが本作の雰囲気にとてもマッチしていて美しかった。ストーリーは原作の「竹取物語」から大きく逸脱することなく、忠実に進んでいくが、それが何か懐かしい。かぐや姫の視点から描いたことにより、深みが出て、そのことで、きちんと見ごたえのある映画になっているのがいい。山では優しかった翁が都に出てきたとたんに欲が出て、見栄を張るというふうに変貌を遂げたり(本人はかぐや姫の幸福のためと言っているが、あまりそんなふうには見えない。)するのは見ていてリアルだし、かぐや姫に求婚する男たちも今見るとどこか支配欲に満ちているというふうに見えるのは自分の見方が変わったせいだろうか。本作ではかぐや姫が地球に来た理由が描かれていて、これを見るとこのかぐや姫がとても純粋無垢な女性であることが分かるし、そんな彼女が帝に求婚されたときに思わず「月に帰りたい」と願ったのもその純粋さをこれ以上奪われたくないという思いからだろう。汚らわしいものもあるが、それと同時に素晴らしいものもこの世界にはあるということを知っているかぐや姫は帰りたくないと言って涙を流す。かぐや姫の心理描写がうまく、ついかぐや姫に感情移入して見てしまうし、昔読んだ絵本などを後年に思い返してみるとクライマックスの展開が少し唐突に感じる部分ではあったのだが、これならじゅうぶん納得がいく展開だ。迎えに来た者たちにそのことを訴えるかぐや姫(途中で羽衣を着せられるのが無情。)や、自分たちも連れて行ってくれと懇願する翁と媼の姿が切なく、今までさんざ知ってる話のラストシーンにも関わらず、思わず泣きそうになってしまった。高畑監督が東映時代から企画していて、ようやく実現した映画だと聞くが、それに見合う出来の傑作になっていて、間違いなく高畑監督の代表作の一本になる映画だと思う。それからもう少し、いつもファンタジックな映画を作る宮崎駿監督が「風立ちぬ」でリアル路線の映画を作ったのに対して、ジブリでは「火垂るの墓」などリアル路線の映画の多い高畑監督がファンタジー路線で映画を作っているのは面白いなと思った。 【イニシャルK】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-09-23 17:15:19)(良:1票) 14.《ネタバレ》 ◆水彩画の如く色彩豊かな四季のように、時には生き生きと、時には激しく、感情を揺さぶられた。建前と見栄で成り立った都の高官のエゴに笑いを誘われつつも、生の歓びと逞しさに満ち溢れた山間との落差を際立たせる。女を所有物とみなす都の男とかぐや姫を幸せにさせたいが余りその価値観に従った翁とは対照的に、金や権力に執着せず田畑に勤しむ媼とかつての素朴な生活に目を輝かせるかぐや姫との対比が、理想主義vs現実主義という、現代の男女の価値観の違いにも通じるものがある。◆都の苦悩も悲しみもない月で地球に憧れることは果てして罪なのか? ちょっとしたエゴで周りを傷付き狂わせたかぐや姫は存在するだけで罪なのか? 生きている以上、周囲との摩擦は避けられず、息苦しさと生き辛さを感じるのは、人の業であり罪そのものだろう。誰もが自分勝手だから悶え苦しむ。◆避けられない結末、空気を読まない極楽な曲調で連れて帰っていく月の一行。天の羽衣を着せられ、記憶(=地上での人生)をかき消されたかぐや姫は死んだように見えた。それでも残酷で醜悪な世界だとしても、己が無力だとしても、生きているだけでも結構悪くないもんさ、と諦めにも似た希望が感じられるのは80近い高畑勲の集大成そのものかもしれない。 【Cinecdocke】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 21:31:18) 13.《ネタバレ》 高畑勲監督ごめんなさい。 完全に食わず嫌いでした! アニメでは長尺の部類のはずなんだけど、最初から最後までイッキに観れました。 色彩や躍動感がハンパなく、新しい表現方法に挑戦ている点も素晴らしかった。 【ろにまさ】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-04-29 15:29:43) 12.子どもの頃見た絵本とお話の世界が映像によって再現されるすばらしい映画だ。竹から生まれ月へ旅立っていくストーリーはもちろんのこと、求婚者たちに無理難題を課して結婚を断るのも原作通り、それどころか捨丸という架空の人物を作り出しいっそう物語を発展させている。また翁と媼や子供たちを周囲に置くことによって、幼いかぐや姫の成長が見られるのだが、この辺では昔テレビで見た高畑監督のアルプスの少女ハイジを思い出す。後半のかぐや姫の苦悩も胸に迫るものがあり、童話やアニメの世界以上のものとなっている。ただ月からの迎え一行がマッチしていないように感じられたのが残念。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-03-19 08:27:23) 11.《ネタバレ》 期待していなかったので度胆をぬかれました。近年稀にみる素晴らしい作品です。エンターテイメント性はないから本当に「アニメ」という媒体を通して人々に「伝えたい」という情熱だけで制作されたのだろう。「利益の為の映画」が山のように作り出される昨今、奇跡のような作品。これは完全に「大人のアニメーション」。「13歳で結婚、14歳で出産。恋はまだ知らない」という言葉に代表されるような女性差別の世界の現状を実感していたり、ある程度の人生経験がないと胸に迫るものが少ないないかもしれない。少し大人になると知るのです。自分が心が壊れるような悲劇を経験したとしても、空は青く、四季は巡り、桜は咲き、地球は回る。自分の悲劇に共感するように空が赤く染まることはない。変わる事なくそこにあり、私たちを包み込む(故郷のように)だからこそ、また立ち上げれる。「なんてことはない」のだと。かぐや姫の愛した人の情熱とそれを包みこむ自然の美しさを今の人間はどうしているのか?女性の物語、というだけでなく、蕾のまま枯れる桜が出現し、500年以上分解されない毒を作り出して垂れ流す現代に問いかけてみる事が必要かもしれない。 捨丸ですが赤ちゃんが「父ちゃん」と言っているだけで父のいない親戚の子がそう呼んでいるだけかも? かと言って捨丸といっしょになって幸せになれたとは思えない。竹の子は誰のものにもなりたくない筈と思う。月の衣をまとった途端「忘れる」のは原作にも書かれているようで。何百年も前から「忘却」の意味は変わらないのですね。 【果月】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-03-14 01:21:40)(良:1票) 10.物語、美術、音楽、演出の足並みの揃い方が、既存のアニメ作品としての常軌から完全に脱している。 高畑勲のアニメ製作に対する至高の情熱に、畏敬の念を感じざるを得ない。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-02-13 02:32:02) 9.《ネタバレ》 すごく良かったですね~。ラストなんて、うるっときちゃいました。「竹取物語」をアニメ化すると聞いたときは、なんで今頃?とか、長編に出来るの?なんて思ったものですが、アメリカのアカデミー賞にもノミネートされましたし、文化発信の役割を見事に果たしてますね。そして竹取物語を、一人の女性のラブストーリーとして、見事なまでに脚色してある。竹取物語は俗世の愚かさみたいなものを描いた話と感じてたけど、本作は5人の男たちが宝物を探してくるエピソードとか、なんか微笑ましいというか笑えるんですよね。全体的に嫌味がないというのかな、ラストのかぐや姫のセリフを見ても、人は愚かで困った生き物だけど、それも含めて総じて人は素晴らしいのよ、みたいな、そういう賛歌を感じました。姫が疾走するシーンもタッチが変わって印象的。音楽も素晴らしかった。傑作と言ってもいい出来です。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-01-20 23:19:05) 8.《ネタバレ》 観終わった後、精神的に大変疲れました。 物語終盤にかぐや姫が、「私、捨丸兄ちゃんとならずっといられたかも」という言葉に対して、「それは絶対にあり得ない」と感じたからです。それは、「人生は時間に限りがあり、かつ自分がこうしたいことが必ずしも叶うわけではない」からです。 物語中盤、かぐや姫は貴族的な生活を始めましたが、徐々に疎ましく感じていきます。自分はこうしたい、またはこんなことしたくないのに、「姫様はそういうことをするべきではありません」「姫様はこれぐらいのことができて当たり前です」などと強要され、貴族の姫君としての教育を受けさせられます。最終的には、帝からの求愛に対し、これ以上ない嫌悪感を抱き、「この世になんていたくない」と思ってしまい、そしてそう思ったことが、月へ戻らねばならない、というきっかけになってしまいました。 では、「私、捨丸にいちゃんとならずっといられた」場合だったらどうでしょうか。捨丸一家の暮らしは貧しく、椀を作るための木がなくなれば、新たな生活の場所を探さねばなりません。一度、都でかぐや姫と捨丸が再会した時には、捨丸はその日の糧を得るために、仲間とともに盗みをしなければならないほど困窮した状況でした。 そのような捨丸とともに生活をしていたらどう感じるでしょうか。一生懸命、椀を作りながら生きていこうとしているのにもかかわらず、盗みを働いてしまうほど困窮してしまうこともある。そんな生活で、かぐや姫が「こんなにいいお椀をつくっているのに、なぜこんなに苦しいの?不公平だよ!おかしいよ!」などと感じるかもしれません。そしてもしそう感じたとしたら、「こんな理不尽な世界になんていたくない」と心で叫ぶこともあると思います。 結果として、かぐや姫はどのような生活であっても、「この世にいたくない」と感じてしまい、月に帰らざるを得ない。それに気づかない(気づくことができない)かぐや姫は、哀れとしか言いようがありません。 このように、人間の逃れられない「定め」というものを、映画で、ここまでありありと見せつける必要があったのか、という事にとらわれてしまい、観終わった後、非常に疲れてしまいました。 【たかmk2】さん [試写会(邦画)] 8点(2014-04-02 00:06:56) 7.《ネタバレ》 あの「かぐや姫」の物語がこんなにも心を揺さぶる話だったのか・・と 最近涙もろくなった私はボロボロと涙と風邪気味の鼻水を(汚くてスミマセン;) 垂れるにまかせエンドロールを眺めていました。 描きこんでいない?だからこそ良い意味でのザラザラ感が素晴らしい映像。 声優さんじゃないのに翁媼をはじめとするさすがの役者さん達の声の表情が 一体になって画面に引きずり込みます。 最後の場面のみ、月と菩薩?で、あの音楽??と違和感が残りましたが、 観て数日経った後でもあの調べだけが耳に残って・・印象的だったのかも;です。 高畑監督ありがとう!! 【AKO】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-27 11:31:19) 6.《ネタバレ》 かぐや姫が今風の顔立ちだがそれは監督の狙いだとわかる。かごや姫の生活が現代の女性の悩みと同じだと言いたいのだろう。そしてジブリお得意の偽善エコ暮らしのすすめ。 ちょっと「おもいでぽろぽろ」を思い出す。 捨丸兄ちゃんと最後駆け落ちしそうになるが、あんた先「自分はみんなを不幸にした」と落ち込んでいたじゃないか、全然反省してないじゃん。これが罪なの。 確かに映像は凄い、マンガ昔話なら15分で終わってしまう話を2時間以上かけても飽きずに見る事ができた。 ラストはどうなるのだろう、昔見た市川昆監督、沢口靖子主演の「竹取物語」の悪夢が蘇る、迎えに来た仏様の音楽が全く空気を読んでいないのが笑えて怖かった。かごや姫も最後はじけて踊りながら帰って行けばよかった。 かごや姫は宇宙人でなく黄泉の国から来た人なにね。 最後「2001年宇宙の旅」を意識したのか月に浮かぶ赤ん坊の姿に興醒めだ。このカットを見せられたのが罰なのか・・・。 【こねこねこ】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-16 22:19:26) 5.《ネタバレ》 あまりにも原作通りで、あの高校の教科書で読んだ竹取物語まんまで。もうちょっとストーリーを少しだけでいいからずらしてほしかったようにも思いました。でも、この原作のストーリーまんまなのに、肉付けだけでここまで面白くできるのはすごいです。キャラクター造形がしっかりしていて。音楽もすばらしくて。最後のエレクトリカルパレードもすごくて。恐怖ですよ仏様が。怖かったなあ。 【コダマ】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-10 00:39:12) 4.《ネタバレ》 内田吐夢の原案というのがまず面白い。内田吐夢というとどんな地味な題材もダイナミックかつ面白くしてしまうキング・ヴィダーのような名匠でした。「土」なんか農村の様子を延々と撮るような内容で「誰がどう考えても売れない」題材をヒットさせてしまいました。流石に「かぐや姫」はアイデアが斜め過ぎて没になってしまったようですが、そこに目を付けた高畑監督。 五年の歳月を駆けた作画の動きは流石です。今回の「竹取物語」は何故彼女が竹の中にいたのか?何故彼女は月からやってきた?などなど古典で語られなかったテーマについて新しい視点で描いていきます。 そうテーマは斬新で良かったのですが・・・いかんせんヒロインの性格が面倒くさい。 言いたい事があるならストレートに言えばいいのに・・・物凄く遠し、だけどズケズケとした物言い。解ったからハッキリ言ってくれよ・・・少くとも多くの人間を言葉で振り回す彼女は「罪な女」です。彼女を竹の中に閉じ込めた月の両親も真っ青です。 いやー高畑監督は良い意味でマジの「キチガイ」です。富野由悠季監督でもここまで狂ってません。「トトロ」で盛り上げておいて「火垂る」でハートフルボッコのリバーブロー・・・まともな人間がこんな凄い映画を作れる筈がありません(褒めてます)。 かなり長さを感じましたが、中々の作品でした。 【すかあふえいす】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-12-31 19:57:22) 3.《ネタバレ》 山の子どもたちが歌っていたわらべ歌は、こういう続きがありました。 「人の情けを育みて、まつとし聞かば、今帰り来む」 「まつとし聞かば今帰り来む」は百人一首にも取られた歌です。 それは「本当に私を待ってくれるのならば、いつでもそこに帰ってきます」という別れの際の名残惜しさをうたったものであり、いなくなった者が戻ってくるよう願うおまじないの歌でもあったそうです。 歌は、月の使者からかぐや姫へのメッセージでもあったのかもしれませんし、 かぐや姫が月の使者へあてたものかもしれませんし、 月に帰還した女性が地球にあてたものだったのかもしれません。 また、姫に求婚をした5人があげた宝物とは、それぞれ「ツバメの子安貝」「龍の首の玉」「火ネズミの皮」「蓬莱の玉の枝」「仏の御石の鉢」でしたが、これがわらべ歌の「鳥、虫、けもの、草木、花」という歌詞と対応しているのです。 「鳥→ツバメ、虫→蛇、転じて龍のこと、けもの→火ネズミ、草木→玉の枝、花→鉢」というように・・・ これも、5人の言った宝物が「ニセモノ」であることの皮肉のように感じます。 「水車よ回れ」という歌詞には、輪廻転生の意味がこめられているのでしょう。 また、捨丸には奥さんも子どももいるのに、そのことを完全に忘れて姫とともに逃げようとしたことに違和感がありましたが、これが「夢」であれば納得できます。夢は、その人の願望や欲望が現れ、現実の出来事とは断絶されたものなのですから。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-12-16 10:36:35) 2.《ネタバレ》 溝口健二の「雨月物語」を見た後と同じ気分になった映画です。元々誰もが知っているベタすぎる題材を、徹底的に作り込んだ映画。恥ずかしながら原作は中学の授業で冒頭だけ、あとはあらすじしか知らなかったので、幸か不幸かとても面白かったです(他のサイトでは原作を読んでいる人から「冒涜だ!」とまで批判されていたので・・・)。ストーリー自体は、斬新な設定や奇をてらった展開はなく、とてもストレート。けど、あらすじだけならそれこそ「×分で分かる古典文学あらすじ」的な本で済ませればいいワケで、この映画はあらすじや絵本からは抜け落ちてしまう部分をとても丁寧に描いていたと思います。何から何まで全部説明してくれるワケではないので、まだ消化しきれてない部分もありますが、ただ単に庶民の生活や自然はこそが美しい、貴族の生活は醜いというようなステレオタイプには描かれていないと思います。姫が地球を去っていく時に、地球の人々を俯瞰で見つめるカットには、身分の差こそあれ人々がみな平等に描かれていたと思います。全部ひっくるめて人間です、って感じでしょうか。 【ゆうろう】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-27 10:00:10) 1.日本人なら誰もが知っている竹取物語。それを高畑勲が作るとどうなるのか興味津々でしたが、今を生きる大切さを改めて伝えられた感じ。生きていればあらゆる困難が待ち受けるが、それに抗って精一杯力いっぱい生きろ!と。小さな頃に読んだり見たりした物語をより深く理解できた気がします。現役僧侶という変わった経歴の二階堂和美さんの作詞作曲の主題歌『いのちの記憶』は優しく強く語りかける歌い方で生きる歓びを歌い上げていて凄く良かったです。歌詞を読んでいると情景が浮かぶし余韻に浸れますね。水彩画や昔から伝わるや絵巻物のような画でそのまま動かしているのは他のアニメとは一線を画しておりインパクト大。登場人物の表情が豊かで優しく力強く、虫や草花、野山の木々など繊細で美しく描かれていて圧倒されるほど素晴らしい。キャストはジブリお得意の俳優メインですが一切の違和感なく物語に入り込めました。この作品に係わった人は作り上げた事を誇っていいと思います。海外にもぜひ持って行って日本のアニメの奥深さを広めて欲しいですね。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-26 21:12:26)
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