みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
8.《ネタバレ》 夕子の言葉『みんな自分に都合の良いように言う』は、なにも赤星の取材対象者に限った話ではありません。彼女自身は元より、物語上『謎解き』に該当する城野の回顧文にさえ当てはまります。嘘偽りだけでなく、自身すら気づかない改編もあるでしょう。事実を認定することは出来ても、それが真実とは限りません(だから「真実はいつもひとつ!」と能天気に断言する探偵さんにモヤるんですけど)。斯くもあやふやな『真実』が流通しているのが実態です。こうなると『信じたいものを信じる』のもアリな気がしますが、おめおめ騙されるのも癪な話。少しでも真実を見極めたいのが人情です。この際大切なのは自分の頭で判断すること。権威、宗教、思想等の『ものさし』を機械的に利用するのは要注意です。これらもまた『自分に都合の良いように言う』の例外ではありません。城野父のように『世論』という『ものさし』に踊らされぬために。疑問を持つこと、反省すること、広い世界を知こと。意識して自らに負荷をかけ、健全な心身を保つことが、後悔しない明日に繋がると考えます。人間、楽に慣れるとロクなことがありませんから。おっと、今日も日課のウォーキングに出かけなければ。 SNSと対比されるのが、アンとダイアナによる灯交信でした。情報量、スピード、伝搬力、どれをとっても蝋燭の火と比べるべくもありません。ただ、唯一勝る点があるとすれば、それは「相手を思いやる心」なのでしょう。ここに居る。あなたを気にかけている。それだけのメッセージで救われる命もあります。「昔は良かった」とは思いませんし、進んだ文明の針を戻すことも出来ません。SNSに限らず、包丁だろうが、原子力だろうが、あらゆるテクノロジーの基本は同じ『諸刃の剣』です。私たちに出来るのは『正しい目的』で使用すること。危険性を知ること。トラブルの対処法を身に付けておく事も肝要であります。主人公に降りかかった災難は、今や交通事故と同じ。いつ誰が被害者だけでなく加害者になっても可笑しくありません。ラスト赤星が城野に轢かれかけたのはそういう意味。SNSに規制をかけることも必要ですが、それ以上に使用法の教育が重要なのは言うまでもありません。本事件を『他山の石』としない手はありません。 ネットの声やマスコミにより『世論』が形作られていく過程は、私たちが経験している日常と相違なく、十分なリアリティと恐怖をもって物語に望めました。そんな観客の思いを受け止める当事者・城野美姫を演じたのが井上真央さん。証言者ごとに『城野美姫』は姿を変え、実体を掴ませません。この演じ分けはお見事でしたし、美人女優が平凡・地味女を演じる違和感がまるで無かった事にも驚きました。演技派女優の実力を思い知りました。『八日目の蝉』を越えて、本作を井上真央さんの代表作としても良い気がします。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 8点(2020-10-10 17:23:40)(良:1票) 7.ミステリーとしては説得力に欠けるオチだったけど、構成が斬新で面白かった。 嘘の証言に踊らされるマスコミやネットの反応に対する描写が辛辣で良かった。 自分はそっち側の人間じゃないよって優越感に浸れる。 逆に真実の物語は心温まる展開で、ちょっと感動しましたよ。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-03-14 18:36:27) 6.私的には、久々の日本映画の当たりを見たという感じ。非常に良くできており、なおかつ出演陣もなかなかいいメンバーが揃っている。また、ストーリーもさることながら、現代人たち、ネットメディア、マスコミといろいろな物を皮肉っており、情報社会に踊らされる今の世の中に警笛を鳴らしている映画である。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-09-08 13:22:22) 5.よくできた映画。製作者のセンスの良さを感じました。観終わったあとにいやな感じが残りませんでした。 【えぴおう】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-20 09:18:15) 4.《ネタバレ》 井上真央につきます。同世代のアイドル女優たちがイケメン男子を相手に恋愛ラブストーリーをやっているなかで、彼女の選んだ選択 それは今回のこの地味な女の役です。幸薄メイクに哀しい表情、そして冴えない表情、火曜サスペンス劇場でもないのに殺人犯の濡れ衣着せられ惨めな役の部分を一人で背負込んでしまったこんな役。まるで歳相応のかわいらしさをアピール出来なかったこんな役を選び挑む彼女の女優魂に拍手をあげたい。さすが子役上がりの経験値。そして最後、バカちん綾野剛に天罰くだって終わるところは誰もが望んだ事であって こちら観てる側からしたら気持ちよくジ・エンドしてくれる。 【3737】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-11-10 20:20:14)(良:1票) 3.《ネタバレ》 とにかく井上真央の百面相爆発の映画 こんなにうまい女優だったっけ 実は主演作は「綱引いちゃった!」しか見た事がなくて、こんなに色々な顔が出来る女優だとは思わなかったので驚いた したたかな殺人者から世間知らずの純情娘までシームレスで表情を変えて行く演技は見事 物語は冒頭からいかにもなクズディレクターの綾野剛がワイドショーのキワモノ情報を求めて事件を取材していく様子がそれなりにリアルで引き込まれる 取材したビデオがミヤネ屋風のワイドショーになって偏った報道にされて行く感じはよく出来ている どうせならまんまミヤネ屋を持ち込めばもっとリアルだったのにって思った 途中途中に差し挟まれるツイッターのコメントが、めまぐるしくていささかウザイが、リアルな現代の情報網を見せる そのツィートは常にいい加減で相手を非難するか、あくまでも自己享楽的でいちいちイラッとさせる ツィートが現代の軽薄さを演出するが、ポスターや予告編がいかにもスマホが鍵な感じのビジュアルなのにさほど意味が無かった ポスターは明らかにステマ これも流行の情報網の活用か 被取材者の言う事が言葉通りではなく、徐々に事実が覆って行く過程は面白いが、主人公の綾野剛が謎にせまるわけではなく、そこだけがヒロインの井上真央の独白に依る所は物語としては非常に弱い 前半に物語に謎を持たせておいて、実は真相はこうだった的な事がヒロインの独白で解決するのはドラマとしてはなんのこっちゃである 推理ドラマの様な展開を期待したら裏切られる 監督の中村義洋はひと捻りしたオチの映画はなかなかうまくて、この映画もその亜流だとおもったが、さらに探偵物のようなひと捻りが欲しかった 途中「ほんとにあった! 呪いのビデオ」の演出家らしいモキュメンタリーホラーのような展開があったり、ヒロインのパートはいきなりのファンタジーな作りで、バリエーション豊富で尚かつバラエティー感があって飽きさせない ラストのドンデン返しはマジシャンが自身でネタをばらすがごとく「あーそうなんだ」って思っただけでカタルシスが無い これは主人公が徐々に真相に迫る話にしたら傑作になったんじゃなかろうか 「アヒルと鴨」のドンデン返しと「ポテチ」の泣ける展開を合わせた良品ではある 菜々緒のお尻が4分の1程度拝めるのも吉(笑) 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-10-10 18:48:33) 2.《ネタバレ》 いつもながら切れ味鋭い中村監督の手腕。観ていて安心できる(?)傑作サスペンス。ただ真犯人の動機の弱さと殺害計画の杜撰さが気になるところ。綾野剛はまるで地でやっているかのようなヌメリ感ある演技で出色の出来。惜しむらくは「地味なOL」という設定ならば、もっと主人公のキャスティングを考えたほうが良かったのでは…。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-04-14 14:17:44) 1.《ネタバレ》 本作はネット炎上がテーマだそうですが、実のところネット炎上よりも人間はいかに自分に都合良く記憶をねじ曲げて語るかの方が真のテーマです。さまざまな証言者が登場するが、本当に真実を語っているのは1人だけ。あとはみんな嘘を語っているか、あるいはディティールを改ざんして語っています。それを恣意的に編集すればどんなストーリーもでっち上げが可能だと言う事ですね。中盤の同僚のセリフ「これ、みんなほんとの事言ってるんですかねぇ」が全てと言っても良いです。今も昔もイジメは変わらない、ネットも現実世界もみんな無責任な事しか言わない、そんな中で城野の心に唯一届いたのがロウソクの光と言うのはいささか出来過ぎだとは思うけど、それなりに感動させてもらいました。唯一、難点を上げるとすれば、井上真央はどんな地味化粧をしても美人である事は覆い隠しようもないですね。いい役者さんだけどね、うん。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-03-29 16:36:31)
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