みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
41.《ネタバレ》 超久しぶりに再見。やはり大傑作だと思います。かつて原作も読みましたが、この作品は小説より映画のほうが圧倒的にクオリティが高いと思います。(小説における和賀は、超音波で殺人を試みるとかいう、超絶奇人変人として描かれていてドン引きした覚えがあります。) たしかに、前半でたまたま加藤剛と同じ列車に乗り合わせるとか、島田陽子が列車から布片を捨てる様子をたまたま乗り合わせた記者が記事にして、それをたまたま読んだ森田健作が鋭すぎる直感を働かせるとか、「たまたま」が過ぎる場面もあります。 しかし秀逸なのはやはり終盤、「宿命」の叙情的な音楽とともに展開する父子の旅の場面でしょう。日本の美しい四季の風景と、その中で見せられる人間の醜さと、文字どおり掃き溜めに鶴のように現れる緒形拳。そして最終盤にトドメのような加藤嘉の嗚咽。もう涙なしには見られません。これらの場面さえあれば、「たまたま」が多くても、ストーリーが少々強引でも許せる感じがします。結局、主役はあくまでも丹波哲郎ですが、終盤にしか登場しない加藤嘉と緒形拳の印象ばかりが残っています。 とは言うものの、和賀はこれだけ父親の愛情と駐在さんの善意を注がれながら、なぜか冷徹で残忍な大人に成長してしまったわけで。物語としては少々納得しにくいかな。あの純朴な少年はどこへ行ったんだと。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2024-04-27 03:20:41)(良:1票) 40.そういや、今日は成人式か…。 早朝から時間があったんでBlu-rayの映画を探索。 けど、エンターテインメント系の気分じゃなかったんでコレに。 ――砂の器(1974年) いやー、前から観ようとは思ってたんだけど…うん。 実は20年以上も、ずーっと観ないままだった。 でも、アレだアレ! この作品は名作だから情報だけは嫌でも入って来る。 映画の本を検索しても評価が高いってのが「う~ん」と思って観る気を後回しにしてた。 昔、レーザーディスクを集めてた時も、表紙を見て「どういう話なんだろう?」と頭の中で勝手に物語を描いてた。 そして、今回観たことで、パッケージの「旅をする2人」の意味も、ようやく理解できた。 ちょっと脇道的だけど、長年謎だった事がひとつ紐解けて、何故か嬉しい。 しかし、日本映画には本当に疎い…俺。 でも、この作品は超絶に素晴らしい。 人間模様を克明に描いているのは理解できた。 ――監督は、野村芳太郎。 若干、本作は「鬼畜」に内容が似てるのは、まぁ…うん。 同じ、原作者の松本清張だし、監督も一緒なので仕方ないかも知れん。 さて、大量の映画を創ってた野村監督。 調べると、色々と強烈なフックの映画ばっかだね…。 1977年には「八甲田山」とか「八つ墓村」…後に強烈にインパクトのあった(ある意味”裏:砂の器”)1978年の「鬼畜」…1980年には「震える舌」でのトラウマ級の戦慄を家庭内で見せてくれた。 事件の舞台は、いま俺が棲んでいる「蒲田」だったり。 否が応でも今の蒲田と見比べて、全然違う風景(当たり前)に軽い衝撃を受ける。 そりゃそうだ…この作品が1874年だもんなぁ。 砂の器は、何度かTVドラマ化もしてるけど「いつか映画で観るだろう」と思ってスルーしてた。 けど、「モノ創りの方法」も自分なりに分かって来て、更に「年を喰った」り、「それなりの人生経験」をしなきゃ分からない箇所も多い気がする。 原作が松本清張の作品って、そういうのが多い気がするね。 映画のテーマは「親と子の愛」…そして「宿命」だ。 俺的には、本作は当時の風景が素晴らしく描かれてるため「旅」の気分を味わった。 ある意味、映画でそれらの経験を得るってのも嬉しいし、貴重だろう。 * * * さぁーて、成人を迎えた者よ。 君らが「新しい領域」に向かう時、きっと親や大人たちは祝福するだろう。 それは、二度と戻らない時間だし凄く素晴らしい。 ただ、成功とは「新しい領域」と、外に向かう事だけじゃない。 俺は君たちに、「親への愛と足元の幸せ」を自覚して欲しい。 例えるなら「世界を知りたい!」と思って海外に行くのではなく、日本の素晴らしい場所を自身に刻んで欲しいのだ。 それは、家の近隣の街でも構わない。 例えば……俺は兵庫県に住んでいた。 色んな海外を観て経験を得て来たが…実は、京都や奈良を旅した事は、ほぼ無いと言っていい。 ――夢に出る前に、己をよく知る。 己の目的も、出来る事や出来ない事、したくない事、など。 それを知ってから旅立っても、俺は遅くないと思う。 己を愛せ。 そして、己の宿命に気付け。 旅立ちは、それからでも遅くない。 心と想いを充実させれば…うん。 君らの身体は砂の器じゃない。 漆喰を塗ったように強くなる。 . 【映画の奴隷】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2023-01-09 15:40:17) 39.《ネタバレ》 これは原作を見事に映画として消化しきった例。だいたい、あの原作の「○○で殺害を企てる」なんていう設定を無くしただけでも大きな功績です(あんな殺害方法があり得るなら、私などいくつ命があっても足りん)。 とかいうのは別としても、時系列を変化させたり、複数の事象を同時並行で描いたり、(捜査会議、演奏会、回想)映画らしい構成がもたらすダイナミズムと緊張感は無類のものがあります。 前半はひたすら地道な捜査、それに並行してある人物の人となりが、描かれます。コツコツと捜査の足を伸ばし、日本各地に出没する、丹波哲郎。このロケにつぐロケがあればこそ、ついに真相を掴んだときの感慨も、ひとしおとなります。ひたすら鉄道を駆使して、津々浦々。その意味では鉄道映画の側面もあって、あまり関係なさそうな島田陽子ですら、倒れるのは踏切のそば。 映画は、尺を大きく残した段階で真相解明に移りますが、そこでギアを上げて、壮大な親子の苦難へと物語を転じます。しかしここでも、別れのシーンではしっかり、鉄道が登場したりして。 このパートでは、捜査員は語り手、聞き手に徹し、加害者の生い立ちが中心に描かれる一方、被害者の姿もそこでは生身の人間として活き活きと描かれており、映画前半の段階では被害者もまた、伝聞の中に出てくるだけのボンヤリとした存在に過ぎなかったことに気づかされます。 クライマックスで流れる「宿命」という曲、冒頭から本気モード全開で、最初からこれだけ盛り上げたら、一体どうやって音楽を締めくくるんだろう、と少し心配になってきますが、そこは映像と音の饗宴。見事に映画を、締めくくるのでした。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-03-28 12:34:55)(良:3票) 38.暗い過去を背負うため殺人を犯してしまう天才音楽家の宿命を主題とする人間ドラマであり親子の物語である。 捜査が難航し、迷官入りかと思われる殺人事件を二人の刑事が執念で追及する。美しい日本の四季の風景を織り交ぜながら捜査の過程を叙情豊かに描く。特に日本海沿岸の荒涼たる冬の風景が親子の心情と重なり印象深い。 父の難病により故郷を追われ、親子は巡礼に旅立つ。行く先々で迫害され過酷な運命に翻弄される父子の絆・愛の強さが描かれる。その後の離別から息子(和賀)が犯罪を犯すに至る経緯は、宿命から逃れられない親子の姿を映すとともに人間の業の深さが表される。音楽家として名を成し、良家との婚姻を控え前途洋々たる和賀は、ハンセン病の父親の存在を隠すために恩人・三木を殺す。動機として弱いが、差別を受けた者にしかわからない苦悩が和賀を犯行に追い詰めたと考えられよう。 終盤、和賀の指揮によるコンサート会場での演奏シーン。ピアノ協奏曲「宿命」は、まさしく彼の芸術家としての高揚感・まばゆい未来への渇望と、対照的に暗い過去を抱える複雑な内面を表現するものであった。 人権にも関わる深く重いテーマを描き、美しい映像と圧倒的な音楽の力で情緒に訴える手法だが、後味は悪くない。 【風小僧】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-01-10 12:46:36)(良:1票) 37.《ネタバレ》 重い映画だな 40年前の映画だが時代の重さというか当時の人間性の重さと言うか、今ではまったくなじみの無いハンセン病やら、生きるという事自体が非常にディープに描かれている 生きる為に親子で旅をすると言う事自体が今ではあり得ないので非常に重い 流れる親子の背景にある当時の日本の田野やら里山が強烈に美しい 傑作小説を映画化するお手本の様な映画 複雑な組み立て方を廃して物語の流れを字幕で説明する等小説的で、映画作りとしては反則な手法でもあり、説明的な手法が嫌いな人は鼻につくだろう 物語が殺人事件を追う刑事と、成功してスポットライトを浴びる音楽家と平行して描かれていて、後半にいたるまでこの二つの話が交差する事が無いのが映画の作り方としては面白みがない ミステリーとしては、最初から犯人が誰だかはっきりわかってる作りになっていてそこは不満が残る しかし後半の一時間をほぼ解明篇として、推理小説で名探偵が最後の謎解きをするがごとく、犯人の生い立ちにまで迫った刑事の独白を、オーケストラのピアノコンチェルトに乗せてほぼセリフ無しで描くのは斬新だった 美しい日本の風景の中を親子で延々と歩き、出会った巡査のてらいの無い良い人振りが限りなく悲哀を呼ぶ エンディングも余りに直球で面白みに欠けるがしかたがないのか 宿命という重い言葉が比較的軽々しく使われていてそこも気になった 当時はまだまだ可憐な島田陽子が貧相な乳房をさらすが、芝居がどうしようもなく大根で完全に見せ損になっている 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-02-05 02:25:51) 36.すんごい大作だった 特典まで観てたら朝の4時半・・・・・ 最初は眠たいものの 30分もしたら集中して観させるストーリー展開がすごい ただ ラストの音楽が僕の趣味じゃないのと そもそもお金のかかったものが苦手な僕には好みでない まぁ ラストの音楽も含めて 『昭和』がさらなる古典として懐かしむことになったとき 価値が膨れ上がりそーな映画 ハリウッドとかお金がかかったのが好きな人には 日本人のお金の使い方を楽しむのにいいのでないかな 大作は苦手だけど ただただ 日本の四季と 加藤嘉に泣かされた 昔のじじばばの演技にはよく泣かされる 職人的役者魂を感じて フィルムを越えて泣かされてるよーに思う 【おでんの卵】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-10-09 04:34:50) 35.《ネタバレ》 初見。前半部分の事件の真相に一歩一歩近づく展開と、今西・吉村、両人の実直な人柄は原作通りで丹波・森田の意外な好演に驚きます。後半部分、重きを置いた親子の苦難の描写に、数年前のハンセン病訴訟控訴断念のニュースの際の原告のお一人が語られた「ようやく人間になれました」が思い浮かびます。 同じ風景でも悲しい時にはとても綺麗に見えます。流浪の親子を包む風景の美しさが残酷でした。 巡査の行為も誤った国策にたった上でのもので息子にとって善意だったのか。息子が隔離されてはならぬとの思いが言わせた「知らん」 陰険な用心深さで目標に突き進む者を肯定出来ませんが、そうさせた背景の人間ドラマが際立っている本作は原作以上の仕上がりでした。 【The Grey Heron】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-10-31 01:24:17) 34.あの親子の苦労が、何とも言えない。刑事ものとしても、最高傑作である事は間違いない。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-16 22:57:54) 33.《ネタバレ》 始まって約2時間、あまりに地味な捜査の積み重ねに、2回レンタルし、最後まで見れずに挫折、3回目にして、ついにこの映画を名作足らしめているであろう、コンサートシーンにたどり着いた。日本映画史に残る所以もうなずけました。ストーリーと音がこれだけシンクロしている映画は当時、画期的な挑戦であったろうと思います。映画的表現というものを堪能しました。脚本、編集、作曲をすりあわせる苦労は並大抵ではなかったでしょう。日本映画の先達たちに敬意を表してこの点数です。それにしても過酷な運命です。 【どっぐす】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-15 23:11:14) 32.公開当時、私は8歳。母に連れられて(一人で留守番させられないという理由だけだろうけど。)見に行きました。当時の私には映画の内容などわかるはずありませんが、となりの母が、鼻水が滝のように流れても気にとめず、大声で嗚咽していた姿があまりにも強烈、恐怖すら覚えるほどだったことをよく覚えています。30年以上経って、私も年だけはとりました。この映画もあらためて見直しました。当時の母のように恐ろしい形相で泣くほどでもありませんが、加藤嘉氏の「わしゃぁ知らん!」は一生忘れられない名場面。ちょっとだけ泣きました。 【longsleeper21】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-03-20 16:17:29) 31.最後の15分にすべてがつまっている。音楽と親子の映像。やはり、父と子は引き離されてはいけなかったのだな。みんながいい演技をしている。前半と後半の雰囲気の変わり方が、フロムダスクティルドーン並みに違う。観て良かったと思える映画。 【Michael.K】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-02-25 15:04:10) 30.《ネタバレ》 泣ければいいってもんでもないでしょうが、さすがにこれは泣きました。加藤嘉のあの腹の底から搾り出すような慟哭シーンには胸を揺さぶられます。一件の地味な殺人事件から人の抱える業、日本社会の暗部が浮き上がってくるプロットは見事の一言。終盤の音楽とともに犯人の過去、刑事たちの捜査をつなげてみせる演出もほんとうに上手かった。久しぶりにとても見応えのある、重厚な人間ドラマを観た気がします。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-22 23:24:25) 29.どうしてあんな天才音楽家になれるの?? 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-06-26 20:57:32) 28.《ネタバレ》 いま観終わりました。素晴らしい作品ですね。 日本社会の暗部とでも言うのでしょうか。 この映画では「らい予防法」や日本におけるらい病患者の国家的な囲い込みについて何も描かれていません。 と、言うよりこの映画を作った製作者側が意図的に描かなかった。 1974年当時これを描けば即発禁に成ったでしょう。だからこういう手法を取ったと思われます、 明治以降この法律によってらい病が発覚した者は強制的に隔離所へ隔離され男性は強制断種(去勢) 女性はもし妊娠していた場合強制的に中絶させられました。 これは当時患者保護と国家保全の為の善意であるとされました。 また60年以上も前にハンセン病(らい病)特効薬(プロミン)が発見されて患者を隔離する必要すら無かったのに 日本政府はなんと平成8年(1996年)に到るまでまでこの「らい予防法」を撤廃しなかった。 それは明治以降行われてきた余りにも酷い隔離収容所の実体が戦後明るみに成るのを 厚生省を初めとした政府官僚が恐れたからです。 だから戦前からの患者がほぼ死に絶えてしまった1996年にやっと初めて実体が公に成った。 ですが明治期以降の酷い虐待が行われていた隔離所の具体的な実体については今となってはもう殆ど分かりません。 この映画に出て来る刑事や警察官は実に誠実で正義感に溢れています。 またらい病に苦しむ親子を助けた三木という警察官は非常に親切で面倒見が良い。 しかし裏を返せばこの警察官の善意により諸国を放浪していたらい病患者が囲い込まれ 強制的に惨い隔離所へ送り込まれたのです。 10歳の子供が自ら嘘を言い戸籍を消し生きている父親に会えなかったのはなぜか? 尋ねてきた警察官に別れて以来待ち望んでいた息子を知らないと言わざろえなかったのは何故か? それは戦後もらい予防法により患者の家族や親類に到るまで調べられもし発病の疑いが有れば 即隔離所へ送られていたからです。らい病の潜伏期間は長い人で数十年に及ぶので患者の家族や親類は回りの人間からはもちろんの事 当局による監視まで有ったそうです。 だから製作者側は殊更に正義の警察官を強調し警察官の行った善意で戦後体制を皮肉った。 映倫の許認可を出す人間はどういう気持ちでこの映画を見たのでしょう。 ともかくそれがこの映画におけるもう1つの真意でも有ります。 【一般人】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-04-19 23:52:50)(良:2票) 27.《ネタバレ》 何十年という気の遠くなる期間を経て、成長したわが子の写真を見た千代吉の「アアァァァッ」という叫びほどに親子の愛や、断絶の悲しみ、孤独が伝わってきたシーンはありませんでした。どんなに素晴らしい音楽でも、どんなに味わい深い丹波哲郎の語り口でも、どんなに四季を交えた美しい親子の旅の回想シーンであっても、千代吉のお腹からえぐりだすような魂の叫びほどには、多くのことを語らなかったように思います。 【もりたろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-31 20:50:01) 26.《ネタバレ》 丹波さんの演技に泣きました。やはり素晴らしい役者さんですよね。Gメン見て育った世代としては、やっぱり丹波さん素敵♪って思ってしまいます。私ごとですが、中学・高校がクリスチャンスクールで、毎年、救ライ週間というものがあり、献金などを行っていた関係から、ハンセン病に対する社会の冷たい目や隔離問題について、かなり前から理解があったほうです。ですので、この作品を見てすべてに納得が行きました。テレビ版もチラッと見ましたが、映画の方が断然良いです! 【ゆみっきぃ♪】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-07-29 23:22:18) 25.これは中学の時友人と観にいきました。当時はハンセン氏病に関する知識はなかったから「宿命」という言葉がなにを意味するのかわからなかった。でもやっぱり泣けたなあ。その後原作を読み、消し去ってしまいたい重く辛い過去がどういうものだったのかが理解できた時、胸が痛くなったわね。邦画はほとんど観ないのですが、邦画で感動したのは?と聞かれれば「砂の器」を間違いなく挙げます。余談ですが、それまで加藤剛ってテレビでは善玉役しか見たことなかったから、ちょっと意外に感じましたね。 【envy】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-06-26 00:57:08) 24.この映画わかんねすぎ。と言うわけで原作を読んだのだが、それでもわからなかった(原作は原作として完成されていた)。何で和賀は殺しをしなきゃならなかったのか、その動機が俺には全然わからない。殺されたお巡りさんはすごく良い人で描かれていて、むしろ和賀にとってみれば恩人のような存在にも関わらず殺してしまったのだから何が何やら・・・普通にこんなのニュースになったら和賀は快楽殺人者としか思えないじゃないか。こんな風に思うのはきっと俺が知らないからに違いない、この病気、そしてこの病気に対する差別と言うものが当時どれだけ酷かったのか、それはその時代生きていない俺には到底理解出来ないものだ。そんな時代の人間じゃないからこそ「会えばいいじゃん、親子共に再会すれば良いじゃん」なんて軽々しく思えるのだと思う。その時代が進み医学が発達し、治せるようになったのに・・・おかげでこの映画の意味が理解出来ないなんて皮肉だ。 【taron】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-15 21:33:33) 23.《ネタバレ》 約30年ぶりにこの映画を観た。 初見は今は無き渋谷パンテオンで、学校(高校)の学校全体での映画鑑賞行事として観た。シルエットで見えた島田洋子の小振りな胸に歓声が上がった。 この映画では、役者の誰もが若い。嗚呼、昭和という時代よ!。 其れはさておき・・・。記憶というモノは曖昧で、何故かこの映画のオープニングで子供時代の英良が海辺で「砂の器」を造っていたと思っていた。 実際に、そのシーンはオープニングにあり「砂の器」は水と風に崩れていくシーンが光る海をバックに長廻しされていた様に覚えていた・・・。その記憶が強い。何故なのだろう? きっと、当時、高校生の自分の感性でこの作品の全体印象をそう捉えていたからなのだろうか?あらゆる努力を施しても、風化と浸食には致し方ない、いや受け入れななければならなかった人間の「宿命」という作品テーマを、記憶の中にワンショットしてイメージしたのだろうか?? それにしても島田洋子の胸は「昭和」だった・・・。 【crushersyu】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-01-13 23:57:57) 22.《ネタバレ》 昔観た時は、ウルウルだったんだけど、今観ると、子連れで加藤嘉が出身村を出る話のところに無理がある。田舎の村は、先祖伝来何世代にわたり人間関係をつくっている場所でよそ者は、ハンセン病患者であろうとなかろうと残酷に追い立てられるのは仕方が無い。居座られるとその村の秩序・静謐が脅かされるからだ。秀夫が緒方拳巡査の家を出るのは、秀夫が頭のいい子だとして考えると、やはり父親がハンセン病患者だと知られている訳だから、巡査の村には安心していられないだろう。大阪の街に新しい生活の場を求めたのは、彼が父と別れ身軽になったのも影響していると思う。つまり、秀夫は病気の父が心配で加藤嘉のワガママ(息子と別れたくない)に付き合っていたのだと思う。 【Waffe】さん 8点(2004-12-28 01:38:50)
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