みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
13.《ネタバレ》 『永い言い訳』 観た後にストンと落ちた感がある良いタイトルだと思いました。 突然妻を亡くした幸夫(=本木雅弘さん)は、いっときから妻との関係も疎遠になっていて、妻の予定や友人関係も亡くなってようやく知るような状態だった。バス事故の遺族会にて、同じくバス事故で亡くなった妻の学生時代からの友人の夫、大宮陽一(=竹原ピストルさん)と知り合う。トラック運転手の大宮には二人の幼い子どもがいて、ふと幸夫は大宮がいない間の子どもたちの面倒を買ってでる。というストーリー。 まさに「罪悪感の払拭」「言い訳」として始めたんであろうこの子育てが、思いがけなく楽しいものになります。最初はぎこちない関係だった幸夫と子どもたちなのですが、とまどいながらも共に時間を過ごしてくれる幸夫にどんどん気持ちを開いていきます。幸夫は幸夫で妻の夏子(=深津絵里さん)との間にはいなかった子どもに対して、子育て経験のなさが逆に良かったのか、不器用にしかししっかり寄り添って接することで彼らとの関係を築いていきました。 そんな幸夫と子どもたちの温かいホームドラマのような空気がストーリー全体を包み込みます。長男の受験、長女の世話、大宮の葛藤・苦しみ、そして幸夫の贖罪や偏屈性がそこに散りばめられていますが、どれも共感できたり改めて自分でも考えさせられるものでした。 自分もあまり人と深く共感できる人間ではありません。周囲の人がみんな興奮していたり泣いていたりするような状況でもどこか他人事のようにしか感じられない自分に戸惑うこともよくあります。その度に自分が人として終わってるんじゃないかと思ってしまったりもしますが、何となくそういうところで幸夫に共感してしまいました。 、 原作の著者と監督が同じ人、ということを人に教えてもらい興味深いと思いまずは映画から鑑賞させていただきました。 次は借りてきた原作を読んでいこうと思います。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-28 10:44:31) 12.《ネタバレ》 主人公の幸夫が結構クズな描かれ方なのでこのまま追い込まれていくのかと思ったら 贖罪と言わんばかりに献身的に子供の世話を始める。 しかも結構良い事言うし子供の心掴んでるし。 しまいには竹原に説教して立ち直らせてるし。 いつ黒木華が出てきて暴露するのかとドキドキしながら観てた。 結局自分から自白してようやくああ、ドロドロの修羅場にはならんのかと安心したw しかし黒木華が後半いっさい出てこなかったのが不完全燃焼気味かな。 不倫の代償を支払ってスッキリさせて欲しかったけどかえって嘘くさくなって駄作になってたかも。 いろいろ書いたけどかなりいい作品でした。 今上映中の「すばらしき世界」も興味沸いた。 近所の上映終了してて残念。 【Dry-man】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-04-18 21:42:50) 11.《ネタバレ》 見終わった後に、題名がじんわりと響いていく。主人公は子供たちと触れ合う中で、「言い訳」の心を保っていたが、それも未送信のメールによって破壊される。最後は、このメールがきっと回収されると思っていましたが、されないとは・・・いい意味で裏切られました。陽一くんもキレそうでキレなくて、本当に真っすぐな感じが良かった。事故の後、トラックで帰る父子を見送る時、ようやくやめるんです。「言い訳」を。いずれにしても、本木雅弘はすばらしかった。さすがです。 【ラグ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2019-05-05 01:34:16) 10.現代の日本映画の真髄、そんな作品。 観ていて辛いというか不快な面もあるが、それは自分自身のそういった部分と向き合っていると感じる。 最後まで観たとして何らかの救いがあるわけではない。ハッピーエンドとも言い難い。でも、これが人生だし、これからも続く人生を感じる。 小品の印象はあるが、素晴らしい。 【simple】さん [インターネット(邦画)] 8点(2018-08-18 20:47:11) 9.《ネタバレ》 突然妻を亡くした作家の物語。 なかなかのクズっぷりを本木さんが好演。 ネチネチ言う男。不倫する男。エゴサーチする男。子供を疎ましく思う男。ひとの関係を詮索する男。 そりゃあ、まーいろいろと。 それに対してのピストルさん。 見事なキャスティング! その風貌と何を考えてるかわからない感じ、 とにもかくにもどう着地するのか、先がわからない中、 みなさんのたしかな演技で物語にどっぷり。 永い言い訳。 見事なタイトル。 是枝監督の作品のような家族を描く部分。 女性を美しく撮る部分。 見応えのある映像に身を任せられる良作でした。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-05-13 14:15:23) 8.《ネタバレ》 主人公のサチオはなかなかのダメ男で、基本はそのダメっぷりを軽く苦笑しながら観る感じなのに、終わってみたら久々に心の奥にズドンと来ました。自分は子どももいるし浮気もしてないけど、なんだか主人公の境遇というか心情には妙にシンクロしてしまう部分があり、笑いながら背筋が寒いというか、ブラックだけどじんわり染みわたるというか、まさに泣き笑って怖がるという、最高の映画体験でした。今回はモチーフ的には是枝裕和監督の作品に近くて、『そして父になる』あたりとは共通部分も多いし、子役が登場するシーンはまるで是枝作品のよう(とくに妹ちゃんは、いかにも是枝映画に出てきそうな感じでした)。個人的には、主人公とお兄ちゃんのちょっとした言葉やしぐさは、本当に自分のなかの「何か」を見ているようでいたたまれない気持ちになるし、2人の「交流」に安易な救いを見出さない突き放した感じも、西川さんらしくていい。ただ、唯一残念だったのは、終わり方かなあ。『ゆれる』のスパっとした切れ味を知っている身としては、終幕が少しダラダラしてしまったのは残念。あの二度目の散髪シーンで終わってもよかったかな。まあ、最後の受賞パーティのシーンのおかげで、いろんな本編中の伏線も回収した上に大宮家のその後をちゃんと見ることができて「安心」して映画を終われたというのはあるし、あそこがなかったら確実に個人的トラウマ映画の仲間入りだったけど(笑)。 【ころりさん】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-02-04 14:17:56) 7.《ネタバレ》 自分を肯定できない男幸夫の物語。 (それにしてもなんて皮肉な名前だろう。) どんなに他人を愛そうとしても、一定の距離に踏み入ると自分から距離を設けてしまう。 幸夫を置いて行って、 真平くんが父・陽一のトラックに乗り去って行くシーン。 幸夫の後ろ姿を見ていてどうしようもないぐらい虚しくなってしまった。 幸夫が始めて夏子の死と対面する最後のシーンでも、 結局、夏子も幸夫も愛し合っていないことが作品の途中で判明しているから、 何も解決していないのだ。(そもそもこの作品には解決するべき問題自体がないのかもしれない。) 幸夫の明るい未来が全く見えない。 人間の胸の一番奥底を抉り出す作品でした。 個人的にはこういう作品が大好きだ。 【鈴木】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-12-30 17:26:10) 6.久しぶりに大人な日本映画を見た気がします。冒頭の事故を除いて大きな事件が起きるわけではないし、派手なスーパーマンも登場しないし、「これでもか」と言わんばかりに有名な役者を揃えているわけでもありません。あくまでも、主人公の微妙な心象の変化を丁寧に描いているだけですが、それが心地いい。それに主人公とは対照的な、竹原ピストルの無骨な存在感が際立っています。私小説的な映画、といったところでしょうか。 しかし公開当時、けっこう宣伝していたと思うのですが、ここのレビュー数が少ないのは意外。 【眉山】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-12-29 23:14:48) 5.《ネタバレ》 面白い。そして良い!最初は、日本版「チョコレートドーナツ」かと思ってた。奥さんを亡くした二人の男が、なんか本木君なんかもうゲイっぽくて疑似家族みたいに見えたから。子役がいいね。かなり異質なおじさんの存在を、軽く自然体で受け入れてる。そのやりとりがもう絶妙で。巧いなぁと感心して観てた。でもラストまで来ると泣けてきてね。これは数々の巨匠たちの名作を超えてるよと思った時に、はたと気がついた。そうか!男の映画監督が創る「空っぽ」人間たちの織りなす数々の名画は、女性から見れば、「永い言い訳」に過ぎないんだと思ったわけ。やられた~って感じを受けたなぁ。西川美和は、「蛇イチゴ」の時から、切れ味のある監督だなぁと思ってた。その後、色々試行錯誤繰り返してたみたいだけど、ここに来て、また初期の切れ味を思い出させるような、名作を創り上げた。大体、男を描くなら女性が創る方が有利なんだけど、それでも見事だよね。もう一度言います。面白い。そして良い! 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-07-08 04:58:02) 4.久しぶりに"日本映画"を観賞しました。ハリウッドにも流行りの日本アニメにもヨーロッパの監督にもとれない、日本人による日本映画。叙情的な映像や間に頼りすぎることのない画。分かりやすくて観やすい展開と脚本。季節の移り変わりや、髪が伸びていく様で表現されるゆっくりとした時間の流れ。役者さんたちと向き合いながら丁寧に映画を撮っていることが伝わってくる。観終わってからも続く映画の余韻。良い映画ってこういう余韻を残してくれるんだった、と久しぶりに思い出した。 【kaneko】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-06-12 06:16:14) 3.とても良質な映画。 役者に安定感があり、是枝譲りの子役の自然さもあり 心地いい空気感漂う映画。 結婚している人、子供がいる人によりオススメな映画。 【aimihcimuim】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-05-28 07:22:57) 2.主人公 幸夫 の “ クズ ” っぷりに、怒りを覚えながら、鑑賞.. 幸夫 の言動、精神構造が、まったく理解できない..あり得ない..ほんと、クズ を絵に描いたような、クズ .. 西川美和 監督(脚本)ということで、ダークな問題作連発の監督らしい、そして女性らしい目線で、物語が描かれ..なかなか斬新で楽しませてくれる..繰り広げられる、エピソードも、なにげに 深い.. ただ、ツッコミどころが散見される(そこが減点ポイント)..いくつか挙げてみる、■ 夏子の友人の旦那、陽一 が、お人好しで、かなりアホ..なのに、どうして子供の 真平(長男) は、あんなに頭が良く賢いの? 母親が秀才? そんな風には見えない..言っとくけど、トンビは鷹を産まないからね! 妹は聞き分けがなく気分屋でワガママ..だれに似たんだ? ■ 幸夫 はなぜ急に 真平 に興味を持ち、優しく接するのか..子供嫌いのようにしか見えないのに、唐突すぎる..罪の意識? 家族ごっこ? 真平と気が合う? 自分の境遇と重なる? う~ん 分からん..必然性、説得力に欠ける..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-05-26 22:32:28) 1.《ネタバレ》 本木雅弘の髪型の変化、季節の移り変わりのショットや子供たちの成長が画面を通して提示され、映画の中での時の流れや人の変化というものを実感させる。 その中で、夏の夕暮れに幼い妹が団地の庭でしゃがみ込み、力尽きていく蝉を見つめているシーンなどがさりげなく不意を衝く。 是枝的?子供たちの素晴らしい表情の捉え方、大人と共演する際のフレーミング・アングル・高さなど、子供の視点に対する配慮の細やかさも伝わる。 冒頭の散髪シーンの鏡、シャボン玉、坂道と自転車など、それぞれドラマに意味を為しつつ、なにより映画の見せ場として落とし込まれているのがいい。 16mmフィルム独特の粒子感覚は夏の海などで特に見事な効果を出している。 宵の列車のシーンにかかる『オンブラ・マイ・フ』も技あり、である。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-10-18 23:59:35)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS