みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
16.《ネタバレ》 原作『あなたの人生の物語』既読。 胸が踊るような"未知との遭遇"物語で、いわゆる「ハードSF」の部類になると思います。世界観は『ソラリス』を彷彿とさせ、決して『マーズ・アタック』みたいなことにはなりません。 小説版のあとがきに、「この話は、物理学の変性原理に対する興味から生まれた。」とあるように、小説に現れるワード自体がとても難解で、結論も明示されてはいないので理解が追いつかないというレビューも見受けられました。これらが小説の"味"でもあると思うのですが、読みにくいところだとも思います。その言葉足らずな点を、この映画は見事に補って映像化しているため、とても分かりやすいです。特に映画に何度も挿入される白昼夢のような映像は、映画ではミスリードの効果も果たし、終盤で霧が晴れるように次々と謎が解ける展開は素晴らしいと思いました。(原作にはない「軍事的要素」が、個人的に好みではありませんが。) お気に入りのシーンは、言語が少しずつ解明されてコミュニケーションが進む段階で、イアン(ジェレミー・レナー)が歩く姿を見てエイリアンたちも歩いて見せるシーンです。見逃してしまいそうなほど小さなワンシーンですが、とても微笑ましくて好きです。(ここは小説にもあります) また、ヴィルヌーヴ監督はグリーンスクリーンの前で役者に演じさせることが嫌いだということなので、宇宙船に飛び降りるシーンは必見です。 気になった点としては、映画ではエイリアンたちの呼び名を「アボットとコステロ」と名付けたことです。ご承知の通りアメリカでは名の知れたコメディアンの名前ですが、必然性が感じられませんでした。原作でラズベリーとフラッパーとなっており、これは彼らが発する言葉の音韻をイメージさせる名前だと思うのでなぜ変えてしまったのかなと。 ※追記 宇宙船の姿が「ばかうけ」に似てるといわれていますが、実際に監督は「あの宇宙船は"ばかうけ"から影響を受けている」とインタビューで答えているので、たとえ後付だったとしても監督公認のようです。笑 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-14 15:38:43)(良:1票) 15.《ネタバレ》 SF大作っぽいパッケージ写真に反して、内容はなかなか地味なので、賛否別れそうな印象です。でも個人的には輪っかのような言語が印象的で、扱うテーマも新鮮で、凡百のSFとは一線を隔している思いました。乱暴にまとめると、やい人類、ゼロサムゲームを続けてるといい加減にっちもさっちもいかなくなるぞ、とエイリアンが登場する。エイリアンは時間軸を超越した存在で、その言語を学ぶと、人間も過去、未来、現在を同時に生きる存在になる。そうなると人間は、じたばたせずにただ事象を静かに受け入れ、愛する生物に進化する。といったところでしょうか。我々も歳を取ってくると、人生でどうにもならないことは、そういうあたわりなのだ、と受け入れるようになりますが、この映画に描かれるテーマは、そういったものの究極形ではないかと思いました。 【54dayo】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2021-05-01 09:34:46) 14.《ネタバレ》 先日「チコちゃんに叱られる!」で「国によって言葉が違うのはなぜ?」という質問があって「大事なものがバラバラだったから」というのが答えになってました。これに則ると時制のないエイリアンにとっては時間は大事なものではないという事になります。他方、時制のある言語を使う生物は時間が大事であり、それは究極の所は「生と死」に関連するからでしょう。主人公は「未来の記憶」を(予知ではなく)想起しますが、それも所詮は自分が生きている時間の話であり3000年後の世界を想起できるわけではありません。認識は言語による制約を受けますが、そもそも生物は時間の制約を受けます。時間は直線的なのか円環的なのか、そもそも時間は実在するのかといった議論には決着はつかないでしょうが、「<私>が存在し<今>生きている」という事だけは確実なので、過去がどうであろうと未来がどうであろうと<今>の<私>を生きるしかありません。「未来の記憶」を想起可能なスーパー主人公にその覚悟が生じたのかどうかがちょっと曖昧だったのと、エイリアンの寿命はよくわかりませんが(相方がもうすぐ死ぬと発言しているので不死身ではない)、3000年後の苦難を気にしているという点で「バリバリの時間概念(マクタガートのA系列認識)持ってるじゃん!」というツッコミになってしまうのが難点。やはりああいう生物としての「形」を持ってしまうと(ちなみに「チコちゃんに叱られる!」では「なんで火星人はタコなの?」というのもやってました)、やはり時間を超越するのは不可能であり、過去も現在も未来もないのは時間を創出した神だけなのかもしれません(つまり神は<今>を認識する事はできません。という点において全知全能ではないという事になります)。言語哲学や時間論を中心に『未知との遭遇』的な他者論(音階でコミュニケーションしたスピルバーグの方が潔くて感動的だとは思います)や出生前診断を連想させる生命倫理の問題(妻は産む派で夫は中絶派なんでしょう)、さらには国際政治等々まで色々と盛り込み過ぎな気もしますが、その分色々と考えさせられる問題提起のある壮大な作品だとは思います。 【東京50km圏道路地図】さん [地上波(字幕)] 8点(2021-02-22 15:59:07)(良:1票) 13.評価が分かれる可能性が高い映画。自分は高く評価したい。 特に最後に感じる哀しさは新しい。今を大切に生きる、ということを別の視点で描いただけでも興味深い。 【simple】さん [地上波(字幕)] 8点(2021-02-11 22:26:39) 12.《ネタバレ》 ちょっと難解な部分もあるが、楽しめた。 海の中にいるタコやイカを見ると知性を感じることがある。もしかするとこの作品の発想はそういうところから来たのかもしれない。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-03-24 21:42:46) 11.いわゆるハードSFになるのかな?こういうSF好きです。全体的な違和感が後半ですっきりさせられます。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-25 10:24:07) 10.《ネタバレ》 巨大宇宙船、タコ型地球外生命体、そして“未来の記憶”。トラディショナルなTHE・SF映画の体裁です。ストーリーは“異星人との意思疎通”にほぼ終始するという極めて地味な展開ながらも、情感たっぷりのヒューマンドラマを孕み、見応は十分でした。最終的には親子愛という普遍的なテーマに落とし込むあたりも、王道中の王道のSF作品。個人的な好みで言えば『コンタクト』や『インターステラ―』と甲乙付けがたい傑作SFとの認識です。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2018-03-20 19:59:44) 9.《ネタバレ》 あまり風呂敷を広げすぎずに、宇宙人とのコミニュケーションに話を絞っているのが他の映画との違いが顕著で面白かったです。まだ見終わった所で話の内容を整理出来ていないのですが、亡くなった子供の話は元々映画本編の時間軸よりも未来の話でこれから救うって話なのかな?未来予知から未来を変えていく力を与えられたみたいですが、ありえない未来の出来事(中国の電話番号をゲットなど)から未来を変えていくというのはご都合主義的でやや腑に落ちない感じ。まあ他の漫画やアニメでも同じような展開は何度も見たことありますけど笑 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2018-02-21 11:31:22) 8.《ネタバレ》 めちゃくちゃに綺麗な映像と、説明台詞のほとんどない静かな展開というドゥニ・ヴィルヌーヴ節全開の作品であり、もはや環境映像と化していることからやたらと眠気を誘われました。また、チマチマと作業をする数人の科学者と、宇宙人への即時攻撃を主張し始める軍部という構図はこの手の映画ではありがちなのですが、人類との間の科学力の差が圧倒的であり、どの程度の反撃を仕掛けてくるのかの予想も立てられない宇宙人相手に最初の一撃を繰り出すなんてことを主張する軍人がいるとは思えず、この辺りでもテンションが下がってしまいました。 ただし、ラストでネタばらしをされると、なんちゅー素晴らしい映画なんだろうかと評価が反転しました。未来と過去が同居し、因果関係が失われた人物の主観が見事に表現されているし、冒頭から挿入されてきた主人公のドラマの断片がここで見事に整合することの気持ち良さも相当なものでした。また、多くを語らないヴィルヌーヴの作風が本作には欠かせなかったこともネタばらしの後で判明し、映画を最後まで見ることって大事だなと思い知らされました。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-01-05 20:09:17) 7.《ネタバレ》 自分の中ではSFらしいSF。 活劇ばかりがSFではないとおもう。最後に至るものがご都合主義という人もいるだろうがそれがフィクション。 この暗いトーンも面白い。 【午後こう】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-06-19 15:02:36) 6.《ネタバレ》 日本語吹替で上映している所がないか探し、無いと判って仕方なく最寄の映画館に入ったのだけど、エイリアンとのコンタクトがテーマだから、まず原語で観てほしいということかと今になって理解した。 波乱万丈ハラハラドキドキ要素がほとんど無いので「ID4」や「SW」「ST」が好きという人には多分向かない。「未知との遭遇」「コンタクト」「インターステラー」よりもっと地味。正直自分も上映中何回か眠くなった。寝不足という言い訳はしない。だがファーストコンタクトテーマを扱った作品としてはとても誠実だと思う。世界の反応、たとえば暴動に走る市民とか、カルト教団が集団自殺するとかニュース映像として間接的に見せることで世界はひとつなんて簡単に言っちゃいけないことを思い知らされる。最近ハリウッドには中華資本が入ってきてキャストにも反映されているのが何かゴリ押しぽくてイヤなのだけど、この物語に登場する中国の将軍にはそういう匂いがしなかった。話の流れから、大国が世界規模の事件に無関係でいられるはずが無いし、むしろ何でもアメリカだけで解決してきたような今までのハリウッド映画が不自然だった。 主人公ルイーズの娘:ハンナの出生時や幼少期、ティーンエイジャー期、そして最期の時とあちこちに時間が飛ぶ(実は思い出ではない)一方で、エイリアンの来訪目的を知る交渉も世界的緊迫の中猶予が無くなってくるさまが変わるがわる描かれる。最後に来訪者がもたらした力が何か判った時、ルイーズがこの先つらいこと、悲しいことが待っていることを承知でその人生を選ぶ切なさにため息をついた。 エイミー・アダムスは「魔法にかけられて」、ジェレミー・レナーは「ゴースト・プロトコル」で初めて観たものだから、抑制の効いた演技が個人的に新鮮だった。原作未読だが、多分原作ファンを裏切ってはいない、と思う。こんなSF映画もあっていい。というか、結構好き。 但し、ちゃんと眠ってから観ることをお勧めする。 【rinzou】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-06-12 17:43:55) 5.《ネタバレ》 地球という小さな箱で考えると一番知能があるのは人間なので、知能が高い宇宙人をイメージすると人型になる だからあえて今回の異星人はタコ型なんだろう、一目で「コンタクトが難しそう」と理解できる。 人間には発音できない異星人の言語は理解が不可能だ、であれば異星人も同じく人間の言葉を理解できない。 お互いが理解を深めるための時間がとても面白かった 時空を飛べて、重力も操れてもコミュニケーション能力が低い異星人がいてもいいと思う 自分の異星人のイメージを大きく崩さないといけない映画だと思う。 「カンガルー」の話は都市伝説としても信じてしまった。 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-05-31 12:46:42) 4.ヴィルヌーブ作品、大好きです。この映画も他作品と同様のテーマを持っていました。エイミー・アダムス演じる主人公の達成感と無情感が、ものすごく心の芯に響きます。それと、あまり注目されていないようですが、音楽がとても良かったです。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-05-26 23:08:50) 3.《ネタバレ》 大筋はかつての名作「コンタクト」を彷彿させます。ストーリーもさることながら、特にロケーション設定がそっくりなので、A・アダムスの姿に懐かしいJ・フォスターの勇姿が思い出されて仕方がなかったです。そしてホアキン・フェニックス、まさかのサプライズ出演! と思ったらこっちは別の人でしたね (よく似ていること笑) 様々な解釈ができるとても欲張りな映画でしたが、その分多次元的な "メッセージ" に溢れた映画ではあると思いました。それは普遍的な家族へ "愛" であり、国や人種を越えた地球上の同胞に呼びかける "友好心" であり、もちろん未知なる地球外生命体に対する "知的探究心" でもある。物語の中で時間の概念がなくなり、過去・現在・未来の位置感覚が曖昧になるということ。白状するが、その時点で私の凡庸な頭脳では物語の全容理解が難しく。宇宙人の足、このイカ型の造形は娘ハンナのおもちゃを連想させるが、それならなぜルイーズ以外の者たちにも同じ造形に見えたの? などなど考えれば考えるほど、物語全ての整合はかなり複雑です。でもどうせ言語というツールに乏しい話だし、それならいっそのこと難解すぎる宇宙人のメッセージも含めて、この映画は人それぞれの解釈・想像力で楽しみたいところ。狭くて逼迫した宇宙船の中の緊張感から一転、広大な大高原の中で抱擁し合うラストの場面、これは対比が効いていてあまりにも美しい。始めから終わりまで途切れることなく、こんなにも想像力を刺激してやまない映画に出会えたことに心から感謝したい。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-05-24 23:46:51)(良:1票) 2.《ネタバレ》 なかなか深みのあるSF映画です。異星人とのコンタクトが(表面上の)テーマのSFですが、インディペンデンス・デイのようなエイリアンとのドンパチは全くありません。言語学者の主人公がエイリアンとの交流役になり、彼らの言語を解明してゆく過程がストーリーのメインとなります。主人公は時々娘との思い出をフラッシュバックするのですが、その都度エイリアンの言語解明に繋がる場面が思い出されます。勘のいい人は娘との「過去の」思い出に現在の問題を解決するキーワードがことごとく出てくることを不思議に思うでしょう。実はそれが主人公がエイリアンとの交流で手に入れる「あるもの」と繋がってくるのですが・・・。とても良い映画だと感じました。2回見ると2回目は初回と全く違った感想を持つでしょう。個人的に不満点を挙げるならば、テーマが分散されていてちょっとわかりにくいかな、という印象を受けました。異種生命との交流がテーマなのか、家族のあり方みたいなものがテーマなのか・・・再度見ると自分にももっとわかってくるのかもしれませんが。最後に、エイリアンの声とも宇宙船が発する音とも似ている環境音のようなBGMが素晴らしいです。 【MASS】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-05-21 20:58:07)(良:1票) 1.《ネタバレ》 「灼熱の魂」以降この監督の作品はチェックしているが、観る者を引きつける画力と構成力は本作でも健在。地球外生命体に対峙するという題材でありながら、テーマは常に主人公の内面に置かれている。彼らが彼女に提供した「武器」の持つ意味とは…愛娘の誕生や成長など、幸せであるはずの瞬間に見せるエイミー・アダムスの影のある表情が、その重みを感じさせる。 【wood】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-05-21 09:52:29)
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