みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 Winnyが齎した功罪がわかり易く描かれていたように思う。 裁判をどう戦っていくかの過程も面白く映画としてよく出来ている。 でも、いちばん盛り上がるはずの無罪判決をカットして葬儀のシーンになったのには驚いた。 無罪という最も大切な結果を役者の演技ではなく当時のニュース映像を使って伝えたのは、これはフィクションではなく本当にあった出来事だという強いメッセージのように感じた。 【もとや】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-09-09 19:34:12) 3.《ネタバレ》 ファイル共有ソフト「winny」の開発者が著作権法違反幇助の容疑により逮捕されたwinny事件をテーマにした作品。ファイルのダウンロードという身近に感じられる行為が、著作権などの知的財産の侵害だけにとどまらず、社会が抱える闇を暴いてしまうような、思いもよらないほどの大きな影響を及ぼしたことに興味がそそられ、作品に引き込まれ、楽しむことができました。著作権の侵害を阻止すること自体は、知的創作的活動を活性化するためにとても重要なことですが、そもそも親告罪である著作権侵害を、警察が躍起になって、開発者の逮捕にまで至ったのは何故なのか?前述のような高邁な目的と警察とは無縁であろうことを考慮すると、警察内部のwinny利用が内部情報の漏洩をもたらしたことから、とんでもないものをつくりやがってという報復、および、この調子で警察の闇が暴かれたらたまったもんじゃないという予防措置または見せしめのためのターゲットにしたのでは?というようなことを強烈に匂わせた作品となっています(実際に悪さをしたのはwinnyではなくウィルス、またはウィルスをダウンロードした警察内部の不届きものなわけでw このことが、むしろ逆ギレ魂に火をつけてしまったのかも知れませんw)。これまでの警察の醜聞や組織としての行動パターンなどを考慮すると、実際そんなところなんだろうなと思わせる説得力しかないところが、困ったものだなと┐(´д`)┌。警察の中の人間の問題というよりは、警察というシステムの設計の問題なのだと思いますが(システムが一定の傾向の人間を集めやすい、排除しやすいことも含めて)、手に余る問題なので、ここでこれ以上の深入りはしません。裁判対決ものの作品に仕立てるにあたって、もちろん脚色も多くあると思いますが、ことさらわざとらしくドラマチックにしたてるような力みは感じられず、開発者と弁護団の交流を丁寧に描いていたのは好感が持てました。 【camuson】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-09-06 18:38:13) 2.winny事件の顛末を知れた学びのある映画だったと思う。 科学者の、それがどう使われるかの葛藤問題は、これから先も永遠に続くのだろうと思う。 【へまち】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-06-09 21:36:23) 1.ある時、TikTokのフィードに流れてきたショート動画で、「金子勇」という天才プログラマーの存在を知った。それは本当につい先日のことで、恥ずかしながら私はその時までこの人物のことをまるで知らなかったし、彼が生み出した「Winny」というソフトウェアがもたらした功罪を、まったく理解していなかった。 この一個人の「無知」と「無関心」も、本作で描き出される“不世出の天才プログラマー”の運命を狂わせた一因なのではないかと、映画を観終えて数日経った今、思いを巡らせる。 本作は、ある理由もあり、ことさらに自分自身の無知と無関心に対して、痛烈に突き刺さる作品だった。 本作では主人公である金子勇氏の「Winny事件」と並行して、同時期に発覚した愛媛県警の裏金問題と、その告発者となった現職警官の苦悩が描かれている。 ちょうどこの時代に、私は地元(愛媛県)の放送局でカメラアシスタントのアルバイトをしていて、本作で吉岡秀隆が演じた警察官・仙波敏郎氏の自宅での取材に同行したことがあった。 そして、取材を担当していた記者やカメラマンの無責任な陰口を聞きつつも、特に何の感情も持たずに、仏壇に線香をあげる現職警官の厳つい横顔を見ていた自分自身の姿がフラッシュバックと共に蘇った。 そう、本作で描かれた事件の一端は、まさに自分の目の前でも繰り広げられていたのだ。 もっと言えば、私自身、Winnyそのものではなかったと思うが、類似するファイル交換ソフトを興味本位で利用して映像や音楽のダウンロードを試してみたこともある。 何が言いたいのかというと、無自覚で無知な大衆の一人であった私は、自分が目の当たりにしている物事の本質を何も分かっていなくて、それを理解しようともせず、ただ漠然と事件を眺めていたのだ。 無論、当時20代前半のフリーターだった私が、何ができた、こうすべきだったとおこがましいことを言うつもりはない。ただ、これらの事件に対する世間のスタンスは、学歴や職種、ステータスに関係なく、ほぼ同じようなものだったのではないかと思う。つまり、社会全体が、無知で無関心だったのだ。 “事件”に対して、大衆の一人ひとりが無知を恐れずに、ソフトウェア開発の本質をもっと正しく理解しようとして、自分たちの社会にとって何が有益で、何が不利益なのかということをもっと積極的に関心を示していたとしたら、国家権力による一方的な横暴は結果的に起こり得なかったのではないか。 劇中、主人公本人の台詞の中でも表現されていたが、時代に対して、このソフトウェアの開発が早すぎたのか、遅すぎたのか。もしくは、日本の社会そのものがあまりにも“時代遅れ”だったのか。 今この瞬間も、「捏造」という言葉があいも変わらず飛び交い、そのあまりにも酷い体たらくぶりに辟易してしまうこの国のあり方に対して、この映画が提示する批評性は、辛辣に突き刺さる意義深いものだったと思う。 アメリカなどでは、こういう現実社会の事件を取り扱った作品は極めて豊富で、何か題材となり得る事件が 起きたならば間髪入れずに映画化してしまうけれど、日本映画でこの手の作品が、しっかりと娯楽性を保ちながら製作されたことは稀だし、とても喜ばしい。 主演の東出昌大は、実在の天才プログラマーを見事に演じきっていたと思う。 裁判中でありながら、溢れ出るアイデアのあまりプログラミングに没頭してしまう主人公の姿は、ソフトウェア開発者としての彼の純粋な姿を雄弁に表していた。 だからこそ、その貴重な時間と機会を奪ってしまったこの事件の顛末は、何も体質が変わっていない社会に対して改めて重くのしかかる。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-04-07 23:33:20)
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