みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 オリジナル未見。 元部下の女性と対峙するウイリアムズにカズオ・イシグロらしさを感じるところ。 これまで生きてきた中で、やりきった事、やり遂げた事が何一つ無い、ままで死にたくない。 身につまされました。 ビル・ナイを筆頭にキャスト全員が心に余韻が残る秀作です。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-07-09 09:12:07)(良:1票) 2.《ネタバレ》 黒澤の『生きる』を洗練した感じではある。『生きる』のモチーフはちゃんと引き継がれている。違いがあるとすれば、主役のビル・ナイに志村喬のような切羽詰まった感じがなかったこと、途中で元部下の女性に決定的に気味悪がられたりもしない。 黒澤版『生きる』後半のあのグタグタした葬儀の後の喧々諤々は、列車内の率直なやり取りに変わっている。実は、私が『生きる』で一番感銘したのは葬儀の後のグダグダの喧々諤々なのである。それが黒澤らしさでもあった。 イシグロらしさは何だったのかなと、『浮世の画家』『日の名残り』『夜想曲集』を思い浮かべる。特別な境遇にある人間が彼らの理路によって普遍を語りながら、全く普遍的な共有感が見いだせないような、それでいて、共有の欠落感に共有感を感じてしまうような不思議な感覚。そんな捻くれた感じは完全に抑えられていたように思う。 黒澤らしいある種の分かり易い社会的グダグダ感をより捻れたニンゲン的グダグダへと昇華できればもっと面白かったかなと。でも、率直に素直に感動はした。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 8点(2024-04-30 22:24:15) 1.《ネタバレ》 大筋は、意外なホドにほぼ原作どおりのリメイクとなっていて、特に前半は細かい演出に至るまでかなり完コピに近い…と言っても好い感じですかね。ただ、原作の日守新一にあたる新人職員が冒頭から配置されて居て我々は彼の視点で主人公の様子を観てゆけばよいという形式になっていたり、また小田切みきにあたる役の女性も(原作では中盤に出番が集中していたトコロ)全編に渡ってより多くの役割を果たす様になっていたり、その辺を踏まえると、全体的に分り易さや感情移入の容易さとゆーのは増されていたかな、とも思います。もう一点、尺が短くなっているのはテンポを全体的に少し上げている、というコトの他に、後半のお葬式のシーンが(やはり)大幅に簡略化されていたから、だと思うのですが、原作ではこの部分は(作品における)社会批判・官僚主義への批判といった側面が強く出ているシーンだったと思うので、だからこのリメイクではその側面は若干薄まっていて⇒よりシンプルなヒューマニズムの描き出しの方にごく注力している…という様にも見えますかね。 もう一点、大きな違いとしてはやはり、志村喬とビル・ナイそのものの「キャラ」の違い…かと思ったりもします。どっちも役人ですが、日本人とイギリス人だと畢竟だいぶ雰囲気自体が違うとも思いますし、更にビル・ナイは、どーしたって多少「カッコ好い」のですよね。。まァある種、ゆーて他の部分(≒お話の内容的なコト)はほぼ原作どおり⇒変えても小手先のコトで済んだのだケドも、もし主人公のキャラまで全く同じにしてしまうとなると、ソレは志村喬vsビル・ナイの「真っ向勝負」というコトになる……もし、私がビル・ナイだったならば、ソレは流石にちょっと避けたいかな…(いくら何でも少し「分が好くない」かな…)なんて思ったりもしましたですね。 重ねて、描かれるモノ自体は全く同じ=ごく普遍的な価値観・ヒューマニズムであり、だからソレ自体は寸分も変わっていないと断言できるという作品です。ただ、重ね重ねこのリメイクの方が(種々の側面で)シンプルに「観易い」とは言えるか、とも思うのですね。ソコで、個人的にはどちらを先に観ても(コレも別に)変わりは無いかとも思うのですよ⇒私としては更に、作品の評点自体も両作品とも同じになる、というコトですね。寧ろ、とにかくとりあえず、もし観ていないならばドッチでも好いから早く観た方が好い…とは強く言っておきたいトコロですケドね⇒コレは、この作品は、映画としてはなる早で=なんなら一番最初に観た方が好いヤツだと、昔から信じて已まないってコトでありますね。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 8点(2023-04-05 23:09:18)(良:1票)
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