みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 エグいホラー仕立てだけど、現在に通じる問題をたくさん内包していて唸ってしまった。娘を窒息させる毒母、ヤングケアラーの問題、夢を追いきれない構造的な不自由さ。 ラストのパールの長広舌に圧倒されるという感想を多く見るけれど、わたしは母ルースのキレた場面に身がすくんだ。これでもかと娘にぶつける酷い言葉。自分の人生の怨念を吐き散らかすその姿。パールはモンスターになってしまったけれど、そうなったのは母親のせいではないのか。綿々と呪いの言葉を浴びせられてパールは壊れた。一部の母親はなぜ自分の重荷を娘も背負うべきと思うのか。 一昔前のテクニカラーを意識した鮮やかすぎる色彩も毒々しい。ロートルファンなら卒倒しそうな「オズの魔法使い」の悪趣味なパクリ。 ミア・ゴスの怪演は一度見たら忘れられない。内気で素朴なパールの外皮を破るようにして、内側から鬱屈した狂気がほとばしる。その憑かれたような表情。そもそもミアの薄眉顔が怖い顔立ちというのもある。 締めのロングショットもつらすぎる。ああいう引きつった笑みは被虐児童にもよく見る痛々しさ。「どうしてわたしを嫌うの?」と母に問うたパールのその台詞が悲しくて胸に刺さった。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-30 16:15:35)(良:1票) 2.《ネタバレ》 彼女の名は、パール。1910年代のアメリカ南部の寂れた田舎町で、貧しい生活を送る農家の一人娘だ。激しい恋愛の末に結婚した夫は現在、ヨーロッパの戦線に従軍中でもう長いこと顔も見ていない。数年前に発作を起こし全身麻痺の後遺症が残った父親を献身的に介護しながら、保守的で気難しい母親と鬱屈した毎日を送っている。そんな彼女のささやかな楽しみは、たまに町でミュージカル映画を観ること。夢のようなそんな世界に憧れるパールは、いつか自分も華やかな表舞台に立つことを夢見ている。だが、ヒステリックで厳格な母親はそんなパールに厳しく当たるばかり。息がつまるような現実に次第に爆発しそうな感情を募らせてゆくパール。そんな中、次代のミュージカルスターを発掘するためのオーディションが町の教会で開かれることを知った彼女は……。謎の老夫婦にひたすら殺されまくる若者たちを描いたスプラッターホラーの怪作『X』。そこに登場するシリアルキラー老婆の約60年前の若かりし日を描いたという本作、さして観る気はなかったのだけど、自分の一推しそばかす美少女ミア・ゴスちゃんが再び主演を務めているということで今回鑑賞。前作は、とにかく全編これでもかってくらいの悪趣味エログロ描写の連続とあまりの内容のなさに自分はまったく嵌まれませんでした。でも、続編となる本作は、確かに悪趣味は悪趣味なのだけど、その悪趣味具合が今回は自分の好みにバッチリ嵌まっていて普通に面白かった!いやぁ良いですね~、この悪趣味さ。まず、主人公パールの理想と現実とのギャップが悪趣味。全身まひで喋れない父親とヒステリー爆発な母親と薄暗ーい部屋の中でトウモロコシメインの晩御飯を食べるシーンなんてもうやんなっちゃいますわ。んで、パールが何かやらかしそうな周りの設定が悪趣味。前作に引き続き登場の裏の池に住むワニちゃんがもうヤダ。久々に男に口説かれたパールが畑の案山子に跨って悶々解消するとこなんか見てらんない。何の根拠もなくオーディションに合格すると信じたパールが、いざ本番で披露するタコ踊りなんてもはや監督の悪意しか感じません(笑)。そして、満を持して暴走するパールのイカレっぷりが悪趣味。大火傷を負った母親のゾンビ顔も悪趣味だし、一部始終を見ている全身麻痺の父親が何も出来ずただ見てるだけというのをただ観客に見せるだけというとこも悪趣味。極めつけは最後の〝ディナー〟。メインディッシュがまさかのあのウジ虫だらけの腐った豚の肉とか、もはや悪趣味の極み!!!!!でも、この悪趣味さが終盤心地良くなってる自分がいました。それはやはり、ミア・ゴス演じるこの主人公が存外に魅力的だったからでしょうね。女と言うだけで家庭に縛られることを余儀なくされたこの時代、精一杯自分らしく生きようともがいたある女性の生き様を極めて悪趣味に描いた逸品。脚本も担当したミア・ゴスの熱演も相俟って、なかなか見応えのある悪趣味映画の秀作でありました。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-08-13 10:08:00) 1.《ネタバレ》 3連休の日曜日に観たのは、これ。 ――Pearl/パール (2022) いや、最初は(いま)読んでいる「パール判事の東京裁判本」から、その類の政治映画かな?と思ってたが、全く関係ないと理解し汗顔の至り……ンなワキャねーわな。 でも、機会があれば読んで欲しいけど……そこはそことして。 まず、映画のスタイルが凄く素晴らしい。 やっぱり、この手の映画を観ると、何故か脳裏に浮かぶのは「悪魔のいけにえ」だ。 その佇まい、語源化が難しい――”あの雰囲気” 全てが異様な、あの映画だが…どこまでこの映画にも独自のオーラを持っているか?…そこが気になる。 恐怖と、あまりにも救われない狂気。 そのさまに、つい俺自身に「笑い」まで出てくる始末。 独自の雰囲気は、ある! 彼女の「行為」はともかく、だ。 どこまで彼女を理解してあげられるか?が視聴する各自に問われるだろう。 いま「多様性が必須」と言われる時代だが、映画として見る事が出来ても……俺に、きっと彼女”パール”を理解など出来ないだろうな……マジで。 ――愛されたかった。 ――ただ愛されたく、理解されたかった。 ――だが、嘘を瞬時にして見抜く彼女の洞察力。 なので、最後のシーンはとても悲しく映る。 クリエイターとしては相当に感動する作品だけど… ただ、切ない…そして怖い。 行為はともかく、パールのような女性は実在する。 行為はともかく…だ。 そして、映画のフォーマット。 そこは設定やシナリオだけじゃなく、フォントと演出にまで徹底されていた。 働いてるゲーム業界では、昔から徹底してる会社はあったのだが、此処まで細かく指定されてるのは珍しい気がする。 いや、もっとさり気なく表現してた作品も多いかも知れないけど。 そして、前編の「X/エックス」があると分かったので、Amazonでポチッた。 まだまだパールを探求できそうだ。 超恐いけど…彼女は。 . 【映画の奴隷】さん [映画館(字幕)] 8点(2023-07-20 05:46:52)
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