みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
2.パリの街並みを背景に、香りの持つ魔法のような力や、その奥深さを感じさせる映画だ。 香りは単なる嗅覚の刺激じゃなく、見る者の心をそっと撫でるような存在に昇華されてる。 映画全体に漂うパリのエレガンスは、どこか懐かしくも新鮮。 石畳の路地や歴史を感じさせる建物の間から、ふと香る花々やカフェのコーヒーの香りが、 まるで視覚と嗅覚がシンクロしてるかのよう。 映像の隅々にまでこだわりが感じられて、パリの情緒がじわじわと心にしみる。 調香師という職業の魅力は、単に美しい香水を生み出すだけじゃない。 街中に漂う様々な匂い―革製品の風合い、木々の温もり、さらには時には不快な地域一体の臭いまで―を、 一つのハーモニーに仕立て上げるその繊細な技術と情熱を浮き彫りにしてる。 匂いが持つ奥行きと、そこに込められた匠の魂を感じさせ、香りそのものが生きているみたいな印象を受ける。 そんな香りのマジックをモチーフに人間関係の香りのハーモニーが始まるのだ。 作品の魅力は、香りの世界で知り合った主人公たちの関係性。 調香師としての高い技術が道しるべとなり、 互いに影響し合いながら成長していく姿が、何気ない日常の中に潜む温かさを映し出してる。 香りが象徴するように、二人の個性や感性が混ざり合い、 新たな可能性を生み出すプロセスは、見る者に静かだけど力強い感動を与える。 映画を通して伝わるのは、忙しい現代人にも見落としがちなコミュニケーションを 香りの調合のように再認識させる力だ。 映画が終わった後、ふと立ち止まってみたくなるような、そんな不思議な余韻が残る。 香りに包まれたパリの物語、ぜひその世界に浸ってみてほしい。 【そくらてつこ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2025-03-10 02:33:59) 1.《ネタバレ》 大人の人生が交錯する話を描くなら、やっぱりフランス映画はすごく巧い。人生への考察が深くてそして本作は優しい。品があって上質なのでした。アンヌの着用しているコートのように。 エマニュエル・ドゥヴォスが頑固な芸術家(調香師)を演じているのだけどこれがまた見事に‶取り扱い面倒な人”で。じろっと人を見る目線とか冷たく反論するその口元とか、さすが大御所女優の演技力です。その頑なさが彼女にとっては防御たる鎧と気付いてからは、どんどん親しみを覚えていきました。 運転手ギヨームの人生についても丹念な描きっぷり。娘の共同親権を得るために奮闘する姿は健気そのもの。世の父親にありがちな、ティーンの娘の気持ちを正確に量ることができなくて失敗したりする姿には、笑っちゃうけど泣けました。ユニコーンついてるトレーナーは着ないですって。(なんでこんな良い奴が離婚沙汰になるのかしらという疑問はちょっと湧きますね) 人生の挫折を乗り越えて新たな局面に進むとき、一緒に力と思いやりを分かち合える人が側にいるのってほんとに僥倖なこと。観た後はこちらにも幸せな気分を分けてもらえました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-02-26 22:31:07)
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