みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
7.《ネタバレ》 この映画は、戦争映画としては低予算だけどサミュエル・フラーが手掛けた作品ではもっともバジェットがかけられているみたいです。これもプロデューサーであるロジャー・コーマンの弟ジーンの手腕の成せるわざでしょう。ほとんど全編がイスラエルでロケされていてイスラエルが魔改造したスーパーシャーマン戦車をイスラエル軍から調達してドイツ戦車として登場させています。もちろんそれらしい雰囲気は皆無ですけど、この戦車は近くで見るととても元がシャーマン戦車とは思えない重厚さ、映画で使われるのは珍しいので貴重です。 この映画は、じっさいに第一歩兵師団にカメラマンとして従軍したサミュエル・フラーの経験をもとにしたオリジナル脚本の映画化で(中盤では従軍カメラマン役でフラー本人がカメオ出演しています)、たとえとしてはヘンかもしれないけど言わば戦争映画版ロードムービーという感じです。この師団にアメリカ参戦時に所属して終戦まで生き残れば北アフリカとヨーロッパを巡る旅を経験したことになるわけです。主役はもちろんザ・軍曹とも言うべきリー・マーヴィンなわけですが、相方みたいな位置づけでドイツ軍にもシュレーダーというナチスに凝り固まった下士官がいて、つねに同じ戦場で相まみえていたというのが面白い。まあ思想的なことや国籍は違うけど、マーヴィン軍曹もシュレーダーみたいに殺しはしないけど部下には必要あらばかなり非情になれる男ではあります。前大戦でのトラウマをシュレーダーの命を救うことで克服するラストは、ここにこそフラー脚本の妙が凝縮されていると思います。 戦車の中での出産や精神病院でのエピソードそして強制収容所での哀しい別れなど、随所にフラーらしさが見られるストーリーテリングでした。血なまぐさいシーンもあるけれど、不思議な詩情に満ちた戦争映画だったと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-12 23:49:24) 6.《ネタバレ》 タイトルと同様、中身も戦争映画にしては地味でした。しかし、それがかえってリアルでいい。幸いにして本物の戦場は知りませんが、緊張あり弛緩あり、だいたいこんな感じだったのかなあという気がします。それに、ラストの皮肉も効いてます。戦闘中か停戦合意かによって、瀕死の敵兵を殺すか救うかが決まる。哀しいような笑えるような。 願わくば、ほぼ同時期に派手で〝スター〟な戦争も疑似体験したマーク・ハミルに、両者の違いを聞いてみたいところです。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-04 02:10:57) 5.第2次大戦下のヨーロッパを転戦していく、軍曹と4人の兵士。なぜか彼らはうまく生き残り、残ったら残ったで次の戦線へと送られてしまう。とりわけ優秀という訳でもなく、特にお互い支え合うというでもなく。リー・マーヴィン演じる軍曹、第一次大戦の生き残りである歴戦の強者で、頼りになる親分肌、と思いきや、ノルマンジー上陸などでは非情な一面も見せたり。4人の若者が生き残れたのもおよそ運が良かっただけ、代わりに大勢の補充兵が死んでいく。 しかし映画はあえてそれを皮肉だと声高に叫ぶことはしなくって、戦闘の壮絶さと、その合間のホノボノ感をそのまま提示してみせる。そこに皮肉を感じてもよし、単純に彼らへの愛着を感じてもよし。ただし、軍曹には、ラストで特大の皮肉が突きつけられます。このヒト、役名もただ「軍曹」という、名もなき男。ちょいと気の毒にもなったり。 何もかもが起こりうる、一言で言い表せない世界、それが戦場、っていうところでしょうか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-10 03:27:40) 4.かなり昔に1度観たきりなので記憶が多少とんでいるが、素晴らしい作品なのは間違いない。M・ハミルが出てなかったら未公開になっていたかも知れないなぁ。当時の私のオタクノートによると...「主演男優賞リー・マーヴィン」て書いてある。な、何の賞???? 【nizam】さん 8点(2004-03-27 16:47:28) 3.人はいつか死ぬ。今日生き残ったのは偶然だと実感する。だから自分が今やるべきことをせいいっぱいやる。そんな映画だとおもう。 【やな太郎】さん 8点(2003-06-01 01:50:08) 2.けして出来の良い映画じゃないけど、だから故に変なリアリティがありましたよね。マーク・ハミルの成長が著しいと感じました。【Y-N】さんも書いてますけど、ホントに表情が良いですよ。 【奥州亭三景】さん 8点(2002-10-18 22:49:16) 1.まさかこの作品がDVD化されていたとは知らなかった。しかもウィンドー・ショッピングさながら、初めて入ったCD&DVDショップで見つけた時には、これを買うためにここに呼ばれたんだろうかと、本気で思った。日本で、それもTVでオン・エアされた時には、マーク・ハミルが出ているから見てみよ、という程度の気持ちで観た作品で、実際、第2次大戦の戦争映画としては、「史上最大の作戦」や「遠すぎた橋」に比べれば小粒の感を免れない。ただ、設定が「鬼軍曹と四銃士」といった斥候小隊の作戦行動が基本で、大規模な作戦行動だけを主眼に置かず、サミュエル・フラー監督自身の軍隊経験を元に描かれたというだけに、妙に心に残る映画である。目当てのマーク・ハミルは、漫画を描くのが得意な、腕はいいが臆病な射撃手という役を、実に達者に演じている。リー・マービンの鬼軍曹ぶりはさすがというものだが、随所に見るハミルの表情が、いい。最初の作戦行動で敵兵を撃てずに、「人は殺せません」と言ったハミルが、戦時下でいっぱしの兵士面のなっていく過程は、改めて観ると、むしろ胸が痛む。時々の作戦行動をサラサラと流して描きながら、兵士は歯車どころか消耗品だというメッセージは、綺麗事を交えないだけに痛烈である。録画したビデオは15年以上の歳月で劣化していた為、このDVDとの出会いは、本当に「呼ばれたのかなぁ」という気分だ。 【Y-N】さん 8点(2002-09-22 22:45:36)(良:2票)
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