みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
11.《ネタバレ》 シリーズ11作目。ようやく、タイトルの意味が通じる内容の作品登場。 忘れな草の花言葉は「真実の愛」。またリリー(ユリ)の花言葉は「純粋」。 寅が散財して買ったおもちゃのピアノが、タコ社長のうっかり一言のせいで、一気に価値のないものになった時の空気の変わりようが、また絶妙だったわ。必死にピアノをフォローするおいちゃんと博。おばちゃんは奥で魚屋に電話「なんか、お刺し身ある?え?タコだけ~?」最高のタイミングで鐘の音がゴーン…まぁここからいつもの修羅場になるんだけど、間の取り方が、上手いなぁ。 そして舞台は網走です。山田洋次×網走と言えば『幸福の黄色いハンカチ』。個人的には健さんが食堂でビールを飲むシーンと並び、本作の網走の港は名シーンだと思います。二人たたずむ寅とリリー。夜汽車から見る明かりの話。この時の寅次郎の手。指には下品な金の指輪。そしてリリーの足の赤いペディキュア。同様に赤いマニキュアの指先にはセブンスター。二人がカタギじゃないことを一枚の画で観せる。そして海に出る父と見送る子たちを、寅とリリーの対岸に置く辺り、綿密に計算したのではなく、自然とそうなったんだろうな。美しい。山田洋次と網走はよっぽど相性が良いのかな。 今までとは違うタイプのマドンナのリリー。中学で家を飛び出てフーテン暮らしという、同じ境遇のリリーに、寅もさぞシンパシーを感じたことでしょう。酔ってとらやに来たリリーをなだめる寅。「昼間みんな働いて、疲れて寝てるんだ。ここはカタギの家なんだぜ?」こんな格好いい大人な寅を、旅先でなくとらやで観られるなんて。 寅を大人の男として信頼して、子供のようにワガママを言えるリリー。そうか登だ。登の女版がリリーなんだわ。先の話をチラッと調べたらやっぱり。前作を最後に登はしばらく出て来なくなります。メッチャ残念。 一方リリーが結婚して、寿司屋の女将になったのは急展開。今までの作品同様、マドンナは寅のそばから離れて終わるんだけど、1作限りではあまりに勿体ないマドンナだったからなぁ。さて次回はどんなカタチで登場するのかな? 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-08-09 22:39:05) 10.子供の頃父に連れて行ってもらった怪獣映画でよく併映していた寅さん。 90歳になったその父と50年ぶりに見た映画「お帰り寅さん」を見てからもう一回 見始めた寅さんシリーズ。 とりあえず何から見たらいいかわからなかったので、 知識ゼロからの寅さん入門という本を読んで、50作近くあって 全部おんなじと思っていたら色とりどりなんでびっくり。 まずはお帰り寅さんの柱になっていた リリーさん四部作から見ることにしました。 四部作?の一作目。 二代目おいちゃん(松村達雄さん)の「バカだね〜、あいつは」がツボです。 次は四部作の第二作の相合い傘をみようと思います。 始めから古い。だから今も古びない。映画を観る楽しみが増えました。 【NOBUK】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-03-08 18:14:22) 9.《ネタバレ》 歴代マドンナNo.1の呼び声高い、リリー松岡・浅丘ルリ子の登場回。美しいことももちろんだが、寅さんと一番心通っていたマドンナなのだろう。物語も他作に見られるような、前半の寅の騒動とマドンナの話との断絶感が薄く、綺麗にまとまっている。 ただ、あれだけ独り身の女の不幸感を醸していたのに、最後にあっさり旦那と店を構える展開に、腰砕けの感あり。 ちなみに、この二人を見ていると、(もちろん歌のほうが後発だが)中島みゆきの『二人は』という曲を思い出してしまう。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-05-15 19:52:11) 8.《ネタバレ》 本シリーズではある意味「異色」といえるキャラクターの登場、浅丘ルリ子さん演じる、そうリリーです。今までのマドンナはいわば良識ある賢女でした(過去の恋愛トークはおかしくもいとおしい、とても観客心をくすぐるニクイ演出ですね)。しかし本作のリリーはかなり寅さんに寄った、いや、部分的にはそれ以上なものです。夜、酔ったリリーがとらやを訪れる。あの寅さんが「ここは堅気の家だからみんな寝てるんだ」とリリーをなだめる。いままでの本シリーズではこんな場面は無かった(と思う)。初めて寅さんのキャラクターの何かを上回った瞬間を感じました。どうも聞くところによると山田監督的に意図していなかったようなのですが、寅さんとリリーという偶然的な組み合わせに何か不思議な力が働きこのような特別な作品が出来上がったのではないかと。観終わった後今そのような気がしてイマス 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-02-03 22:56:07)(良:1票) 7.山田洋次の女性の好みは時代劇三部作に起用した女優を見ても良く分る。宮澤えり、松たかこ、壇れい。それ以降の作品の主演には再三吉永小百合を起用しているところをみてもいわゆる清純派である。しかし、清純派というのは寅さんのマドンナにはイマイチ違和感があるというのが見る側の気持ちではないか。八千草薫のような例外はあるが、男はつらいよ当初からあった違和感はそこにある。その中で浅丘ルリ子を起用した。浅丘ルリ子に関して山田洋次は全くのノーマークで共同脚本家の朝間義隆の提案で面接し起用を決めたらしい。山田洋次の好みの女優ではなかったのか、起用は決めたもののストーリー的には山田洋次のヤル気の無さが気になる作品となった。しかしストーリのしょぼさなんて払拭する浅丘ルリ子と寅さんの相性の良さが目立った作品になった。渥美清は監督の好みではない女優を相手に水を得た魚のように生き生きしている。監督の当初の意図とは別に役者同士の化学反応が起き別の魅力的な場面が出来た作品となった。山田洋次の好みの女優と寅さんと相性の良い女優は違うということが分かったのは浅丘ルリ子のプロ意識のお陰とも言える。山田洋次もそれに気づいたのか、浅丘ルリ子起用の次作にヤル気を見せてくれた。 【rosebud】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-19 10:59:11)(良:1票) 6.このシリーズでは旅先の風景シーンがいつも素晴らしく、本作も北海道の広さなど見事なものの、今回心に残るのは、東京のリリーがらみの二つの情景だ。母との場、それとリリーが立ち去った部屋のうつろさ、まるで北海道の広さの対照物のような狭さ・暗さがザックリ心に染み入り、こういうシーンがあるせいで、作品はぐんと深まる。「俺たちアブクみたいなもんだ」とかっこよく詠嘆しながらも、寅には北海道まで迎えに来てくれる身内がいた。身内がいるっていいものだ、と思わせておいて、後段になって、リリーの身内=母が登場し、金をねだる。リリーが悪態をつき、言い返すか何かしてくれればまだいいのに、ここで母に泣かれる。このベトベトした「身内」というもののやりきれなさが、五反田(?)の高架下や濁った川が画面を埋める狭苦しさと重なる。明るいとらやの人たち全員に拮抗する暗さをこの母(利根はる恵)は一人で持ち、ワンシーンだけなのにこれまでの母娘の軋轢の長い歴史をしっかりと示した。あと寅がリリーの去った部屋を訪れるシーンもいい。彼女の内面を語ってくるすさんだ室内。別の部屋の住人がこわごわ応対する。かたぎの住人にとっては、女に逃げられたやくざのヒモにしか見えない寅なのだ。アブクみたいなリリーと寅、「とらや=身内」という背景を除いてしまうと、寅もこの荒廃した情景にふさわしいという現実を一瞬のうちに見せたシーンだった。ヒロシが憧れる「広いところを旅する気ままな暮らし」の後ろには、こんな部屋が隠れている。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-14 09:58:33)(良:1票) 5.《ネタバレ》 深夜に酔って虎屋に来たリリーが、別れ際に見せた涙は切ない。 おばちゃんの言うとおり、寅はリリーを追っかけていかなくちゃ・・・ リリーにしてみれば、寅が追っかけてきてくれないというもどかしさ。 寅さんは、やっぱり私と違って幸せ者、私なんかと違うんだわ、というところか。 切ない。 気になったのは、博が幼稚園から帰ってくる満男をあまりかわいがらないこと。もう少し満男を笑顔で迎えるような演技があっていいのではないかと思った。もしかして自分の父親との関係のトラウマ?そんな深い話ではないですよね。 【karik】さん [インターネット(字幕)] 8点(2013-04-15 23:00:08) 4.《ネタバレ》 ○リバイバル上映にて再鑑賞。○リリー初登場の作品。やはり他とは異なる雰囲気がリリーだけでなく、作品全体から伝わってくる。○寅と家族、リリーと母の対比、北海道の広大なロケーション、リリーの狭くて暗い部屋の対比等、短いシーンに映画らしい演出が光る。○リリーのキャラも良い。快活で男勝り、孤独で寂しがりな一面もあり、洋風な顔立ちとメイクに、スッと通る美声と来る。○また特徴的なのは、そんな酔ったリリーを寅さんが常識的な対応するシーン。今までのシリーズであまり見られなかった。○そんな異色作だからこそ、惜しむべくはリリーがあっさり結婚している(シーンがある)ということ。手紙のシーンくらいであっさり済ましても良かった(なんなら手紙もなしで、さくらとおばちゃんに「リリーさんどうしてるかね」くらいの会話だけでも良かった。)。○とは言え、歴代マドンナの話や、ピアノ騒動など見所満載。 【TOSHI】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-08-22 23:43:07) 3.本作以降、最終作までの4作品の中で別れと再会を繰り返すことになる寅さんとリリー。そんな2人の最初の別れ。「じゃあ、またどっかで会おっ!」「ああ、ニッポンのどこかでな」2人のこんな台詞がいいですね。様々な性格、事情のあるマドンナが登場しましたが、こんな台詞が似合うのはやっぱり、寅さんと同じく渡り鳥であるリリーだけです。「相合い傘」でもそうですが、この二人には北海道が似合う。夜汽車が似合う。とらやの2階で隣同士の部屋で「寅さ~ん」「あいよ」とやり取りし合う二人。月のきれいな夜空に響く二人の声。本作のお気に入りのシーンです。寅さんとリリー、この二人の間にしかない空気はやはりいいですね。そんなシリーズ第11作はリリー初登場の記念すべき作品です。 【とらや】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-14 20:53:13)(良:2票) 2. 浅丘ルリ子「リリー」第1弾。 マドンナの設定を寅さんと同じような性格にした山田監督のセンスは凄いと思う。 単純な展開かもしれないが、当時、娯楽映画を期待して映画館へ足を運ぶ人たちにとっては、この作品は充分満足できたのではないだろうか? 今回、浅岡ルリ子がマドンナ役を演じた作品を4作品連続して鑑賞したが、私にとっては本作が一番であった。 二人は似ているようで、生い立ちは全く違う。 そこに胸を詰まらせるセンチメンタリズムを感じずにいられなかった。 90分程度で、これほどの映画を作ってしまう山田洋次監督、一番油が乗っていた時期である。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-07-08 00:52:15) 1.ラストがいかにもとって付けたような終わり方(リリーの唐突な結婚)になってしまったのは、シリーズを続ける為の措置としてはやむを得ない事情だったと解釈します。リリー登場作には必ずといっていいほど流れるリリカルな「リリーのテーマ」(←勝手に命名)が俺は大好きです!上野駅でさくらが寅さんのお財布に幾らかの札束を無言で入れてあげるシーンがこの作品の中じゃ一番の泣かせのツボ。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-25 11:13:29)
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