みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
121.《ネタバレ》 ごめんなさい普通に楽しめちゃいました^^原作を読んで、決して和製「逃亡者」ではない、とわかっていたからかもしれません。 原作でも何度も繰り返される「もう、詰んでる」という台詞……。そう、実際にもし巨大な陰謀に巻き込まれたら、一般人は勝てない。間違ってもその陰謀を暴くことなんて出来ない。要するにこの作品は、負けが決まっている勝負に叩き込まれて、それでもまだ、もっともマシな負け方を目指してあがく男の物語なのです。その中で、過去の人のつながり……学生時代の友人、恋人や職場の仲間、そして家族の「信頼」が主人公を助ける。そこが僕にとって、この映画の何よりの肝。 だから、ストーリーのさまざまな不自然さ(森田の不合理な役回り、完全にご都合主義のキルオ、オンボロ放置自動車がバッテリー交換と給油だけで自在に動きだす不自然さetc)は瑣末な問題としてあまり気になりませんでした。 そしてだからこそラストシークエンスで、見事逃げ切った主人公の、助けてくれた人々に対する彼なりの粋な「お礼」と、かつての恋人からもらった最大級の賞賛に「よかったな」とホロリとさせられたのです。 【大鉄人28号】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-20 13:26:58)(良:5票) 120.《ネタバレ》 ビックリするほどつまらなかった。並行世界的な別の政治体系の日本、だとしてもアレはないし、昼間に銃をぶっぱなしても平気でいられる世界ならば、そのことを説明するべき。ご都合主義の連続だが、全く説得力がないために映画らしい面白さを感じることが出来ない。偽物のマンホールの軽量蓋が大量に有って、街中にあふれる捜索隊の目を盗んで花火を設置?アホか。 原作もこんなに阿呆なのか?ちびっこ向けのファンタジー小説でもあり得ないわ。 【まめ】さん [地上波(邦画)] 2点(2013-04-09 13:15:57)(良:3票) 119.《ネタバレ》 あまり期待してなかったというか、予備知識がほとんどない状態で見たのだが、典型的な巻き込まれ型サスペンスで最初からテンポもよく、展開もスピーディーで伏線の張り方や回収の仕方もうまく娯楽映画としてなかなか面白かった。中村義洋監督はこの前見た「白ゆき姫殺人事件」でもそうだったのだが、本作でも真犯人は誰という方よりも、濡れ衣を着せられた主人公・青柳(堺雅人)がいかに逃げるかに重きを置いていて、(単に原作がそうなっているだけかも知れないが。)そこがけっこう面白いし、最後まで真犯人を明らかにしないのもこの手の作品だとずいぶん思い切った印象があり、コレにモヤモヤする人もいそうだが、本作については真意がそこではないので別に違和感は感じないし、これでいいと思う。それに見終わった後、結局犯人は誰だったんだろうと想像してみるのも楽しい。よく考えたら重いテーマなのだが、全体的に軽いつくりでリアリティもなく、漫画チックな感じがミスマッチな感じがするのだが、そんなに気にならなかった。後半部分はちょっとご都合主義的すぎたかなという気がしないでもないがギリギリ許容範囲というところで突っ込みながらもそれも含めて楽しんでいた。ファーストシーンがラストにというのはいかにも映画的で良いなあ。整形して別人として生きていかなければならなくなった青柳を思うと少し切ない気持ちになるんだけど。出演者に関しては堺雅人と竹内結子は去年「真田丸」でずっと見ていたので少し引きずってしまうかもと思っていたのだが、よぎることもなく見れたのでちょっと安心した。ほかの出演者たちも概ね好演しているが、中でも通り魔・キルオを演じる濱田岳が良い味を出していて印象に残る。「はじまりのみち」の便利屋役も良かったが、やはり最近の若手俳優の中ではわりと好きな役者だ。あと、青柳を追う刑事を香川照之が演じていて「鍵泥棒のメソッド」を思い出していたら、青柳の整形後の姿を演じていたのは滝藤賢一。「半沢直樹」は見ていないのだが、思わず少し見てみたいと思ってしまった。中村監督の映画を見るのはまだ2本目で、伊坂幸太郎原作の映画を見るのも本作が初めてだったのだが、このコンビの映画は何本かあるようなので、この中村、伊坂コンビのほかの映画も見たいと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-05-03 00:49:59)(良:2票) 118.話の展開といいラストといいかなりご都合主義なところもあるが、そこはそれ映画だもの。ということで許せなくもない範囲で、もともと正当派サスペンスとしてのカタルシスを求めていないせいか、ラストまで素直に楽しめた。フィクションだからこそ面白かったのは、謎の多い本作の中でもダントツに謎すぎるキャラクターのキルオの存在。あとお父さんと習字のエピソードがいい。てな感じでところどころに「もう一度観たい!」と思わせる好きなシーンが散りばめられている点で自分にとっては貴重な娯楽作品。それにしても堺雅人のあのやるせない笑顔はこういう巻き込まれ系悲劇によく似合う。 【lady wolf】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-01-14 01:11:07)(良:2票) 117.《ネタバレ》 とりあえずタイトルに関しては 「それ言いたいだけやろ」としか。 見てて恥ずかしくなるぐらいに関係ない。 大好きなんだろうけどね、ビートルズが。 何もしていないのに犯人にされてしまう、という設定だけが良く 途中まで面白かったが最後がダメすぎる。 広げた風呂敷を畳まずに終わらせてしまった。 これ最後どうなるの、と思わせた所まではいいが 最後どうにもならないまま終わるのであれば誰にでもできる。 (原作がちゃんとした終わり方なら読みたいが) 途中まで7点、ラスト減点2で甘口の5点。 4点にしてもいいぐらいに最後がダメダメ。 【虎王】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-03-26 17:46:31)(良:2票) 116.《ネタバレ》 なんだか思わせぶりな展開のくせに 終わりはこれ? なんか引っ張るだけ引っ張って これかぃ?? 「君が昔の友達なら、俺は最新の友達だよ」「ロックだ」「俺の方が付き合い長えんだよ!」 心に響くいい言葉があるだけに 何も解決していない結末に大いに不満 おまけに あんだけ放置の車がアッサリ動いちゃうのは頂けない(絶対エンジン掛んないし、あの草むらから出ることは不可能と思う) すごく面白かったとこと残念なポイントが多いちょっと不思議感ありの作品 この雰囲気は独特のものがあり、なかなかのものでゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-02-24 10:36:16)(良:2票) 115.《ネタバレ》 思ってたのと全然違った!!もちろんいい意味で。「ビックリした?」 うん!ビックリしたよ!! すっげえよ! 超興奮だよ!! ダンボールの「伊達政宗の顔」の使い方とか細かいところが本当に丁寧に作られているところに、まず感心。大外刈り、花火、カローラの歌、「よくできました」などなど、アイテムの効果的な絡め方に脱帽。回想シーンへの切り替え方も抜群。また、テンポ感、緩急のつけかたが神業的で、音楽を聴いているように気持ちいい。映像もすばらしく、冷たさ、暖かさ、など体に伝わってくるものが強烈。それに、登場人物のセリフの言い方がひとつひとつ全部カンペキ。「犯人に仕立て上げられて逃げる」というプロットはあくまでこの映画を進行させるためのダミー。荒唐無稽なおとぎ話の上に、滅茶苦茶リアルな「ほんとうの物語」をのっけた名作です。そうです。僕らは、こういう世の中を、こういうふうに生きている。「正々堂々と? その先言ってみなよ」のセリフが、胸に突き刺さります。 【コウモリ】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-11-09 23:28:37)(良:2票) 114.《ネタバレ》 原作は「このミステリーが凄い!2009年度版」で1位という作品の映画化。 他にも本屋大賞、山本周五郎賞といったタイトルも。 個人的な観念をいえば、犯人の出てこないミステリーはミステリーと認めない。 だから、俺はゴールデンスランバーはミステリーとは認めない。 そういった意味で言わせてもらえば「このミステリーが凄い!」に加わった審査員の目は節穴と断言する。 だが、一方でこの作品は犯人が明らかにされていなくても面白い。 台詞回し一つとっても、エンディングで一つ一つ伏線を回収していくのも面白い。 ちょっとわざとらしい気もするけど、面白かったのは事実。 頭の良い読者(視聴者)の方なら、犯人は明言しなくたってわかるでしょ? まるで、そう言いたいか、いや、むしろこのスタンスなのが鼻につく。 なぜなら俺は頭が悪いので、今回ほどわざとらしく演出してくれれば、まだついていけるが、この手の手法が流行りだしたら大半のミステリー作品には今後ついていけなくなってしまう。 伊藤四朗演じるお父さんが、インタビューで「息子はやっていない」と堂々たるインタビューを受けるシーンが一番泣きそうだった。 痴漢は死ね。 結局、この作品が書きたかったのは謎解きでも、主人公の苦悩でもなく、 知り合いに犯罪者(容疑者)が出た場合、周りの人間がどんだけ信じてあげられるかってところなのかな。だとしたら、とても良い本だ。 痴漢は死ね。 ちょっとした悪戯心で痴漢されてないのに、痴漢にしたてようとする女はもっと死ね。 そんなことを思いながら男たちは今日も万歳しながら電車に乗るんだろうな。 【バニーボーイ】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-10-09 13:44:25)(良:2票) 113.《ネタバレ》 伊坂氏の小説は読んだことはないが、映画は『陽気なギャングが~』『死神の精度』『重力ピエロ』とコレの4本を観た。が、まあ面白いかな、と思えたのはファンタジーの『死神の~』のみ。あとは“がっかり映画”だった。いずれもファンには「原作に近い」との好評を得ているから、私には伊坂氏の物語自体が合わないのだろうが、それはリアリティの無さと、目に余るご都合主義ゆえだ。彼の物語は話を進めるための無理とゴリ押しに満ちている。 小説とは、いかに奇麗に嘘を吐くかであって、土台となる設定がリアルであってこそ嘘が映える。時代や状況、登場人物の設定、事件の事由の設定などがリアルでなければ、その上に嘘を並べても、それは小説ではなく御伽噺だ。鬼の平蔵が馬ではなくパトカーで捕り物現場に駆け付けたら、それはもうギャグでしかない。一方、桃太郎に「桃から子供が産まれる訳ねぇだろ!」とツッこむ人もいない。小説と御伽噺は似て非なる物だ。 さて、この映画、設定からしてもう無茶苦茶。青柳にとって、国家権力の陰謀が敵になるが、昼日中のファミレスの駐車場や他人の家の庭先でショットガンを撃ちまくる永島敏行を見て完全に脱力した。なのに団地では、主人公に写メを撮る人々を指させて「撮影されてるぞ!」と血路を開かせる。映画としての演出も、柄本明に「下水には雨水管と汚水管があってね…」と、なんと3回も語らせる意味が分からん。 ご都合主義も凄い。終盤に仙台の街中で上がる花火。えっ、何時そんなにセットしたの? たった二人で? 費用は何千万? ファンタジーなら許すがサスペンスでそれは無いよね。また、恐らくは10年以上放置されていただろう車がバッテリーを変えただけで走り出す? さらに全く別人になる整形? 何時の時代の話? これって未来SF? そんなことが出来たら福田和子も市橋達也も捕まってないって。 最大の泣き所は、結局、なぜ首相は殺されたのか、陰謀がどんな物か、目的、首謀者、実行者などが全く解明されない。ワケも分からずただ逃げ回って、最後は何とか生き延びました、ってだけの話のどこを見ろというのだろう。 曲が「ゴールデンスランバー」である必要も無いよね。吉岡秀隆がさも意味ありげに歌詞を訳すが、映画を見る限り、べつに「ザ・ロング・アンド・ワインディングロード」でも「レット・イット・ビー」でも良かったンぢゃね? 【TERRA】さん [地上波(邦画)] 3点(2011-10-03 12:48:55)(良:2票) 112.《ネタバレ》 青柳にとっては、アイドルを助けたことが運のツキでした。いや遡れば、宅配のバイト、大外刈り、ファーストフード同好会、全てが間違いだったのかも。こんなネガティブな運命論が頭を過ぎるほど、主人公が追い込まれた状況は絶望的でした。でも彼のピンチを救ったのも、これらの経験。オセロのコマが裏返るように、個々のマイナスがプラスに転じていきます。胸を熱くしました。晴子の「だと思った」。父親の「ちゃちゃっと逃げろ」。その一言で救われる。青柳と晴子はリアルタイムで言葉を交わす事はありません。でも友情という絆で繋がっていました。このことが数々の奇跡を生みます。しかしご都合主義だとは思いません。そう観客を納得させる仕掛けが施されていると感じます。以心伝心のカローラの件は、「自分も思い出していれば向こうも思い出してる」という轟の言葉で補足されているし、打ち上げ花火も初キスのエピソードが無ければ出なかったアイデア。そもそも轟さんをロッキーと呼べる信頼関係を築いていた事に意味があります。礎のある奇跡は大歓迎。では、キルオはどうでしょう。彼は助っ人として、突如青柳の前に現れました。その後の動きも神出鬼没。何故こんな芸当が出来たのか。ショットガン男と因縁があること、劇中一般人を殺めていないことから、「通り魔」という肩書きの信憑性が疑われます。彼もまた別件のオズワルドではなかったか。キルオも当局と戦っていたのなら、その立ち回りに説明がつきます。世間に顔が売れていた青柳が生贄に選ばれた妥当性も含め、全編を通して“説得力”を感じさせる脚本でした。エンターテイメントでは、リアリティより価値があると考えます。結末も秀逸です。青柳は手足を失う大事故に遭遇したようなもの。以前と変わらぬ生活を望むのは無理な話。この結末で最善です。彼と仲間の勝負手が、未来を手繰り寄せたのです。「長引かせると厄介だ」そう思わせたことが値千金。当局にとっての安全策、“代替による早期幕引き”を引き出せたのだから。人生は思い通りには行きません。打ちのめされる事もある。そんなとき、どう振舞うかでその人の値打ちが決まります。満点じゃなくても花マルは貰える。「たいへんよくできました」。青柳にはこの人生を誇って欲しい。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-12-15 17:50:50)(良:2票) 111.《ネタバレ》 「オレに残された最後の武器は、人を信じることだ」っていうセリフが、違和感なく聞けたのだから、いい作品でしょう。堺雅人氏は、不思議な俳優さんです。あの困ってるのか、笑ってるのか、泣いているのか分からない顔を見るたび、なんか勇気づけられます。あと、伊東四朗氏もいいですね。TVタレントの方が映画に出ると、瞬間、物語から意識がずれてしまう傾向(バラエティ番組での彼らの立ち位置などに思いをはせてしまう)がワタシにはあるのですが、伊東氏にはそれがない。いつも映画の中に溶け込んでいます。取材レポーターに、「おまえ、名を名乗れ!」ってシーンは良かった。かっこいい。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-10-30 07:37:50)(良:2票) 110.《ネタバレ》 原作は未読です。まず堺雅人の主人公のとぼけた、人のいい役は良かったです。展開も次から次へと起こるので退屈はしませんでした。特に総理暗殺の前後の下りはなかなかで『これは期待できるぞ』と思いました。しかし釈然としないものも残りました。まず通り魔少年の行動と挙動の物語上の不自然さ・・それまではこの映画の現実社会は我々の現実社会と同じリアルさとして描かれていたと感じましたが、彼の登場で『あれ?同じじゃないの?この映画独自の特殊な現実世界?』と感じるほど違和感がありました。一種のコメディとして割り切らないと肯定出来ません。しかも、怪しい男が白昼の込み入った街中で堂々とショットガンを乱射するという異常な出来事がその後の展開で一切、触れてませんし(あっもしかして情報操作?じゃあそれも描けよ)・・その上、逃走中の主人公に数々の人が手を差し伸べて事態を切り抜けますが、その描き方が唐突で雑!柄本明の自称『裏稼業』のじいさんの遣い方は、ちょっとあまりにも都合良過ぎでしょう。そして最大のなんじゃこりゃ?はクライマックスです。主人公がテレビカメラの前で投降しますが、良く考えますと事態解決に関しては『何の意味もなかった』ですね。だってあれによって結局は陰謀が明るみにも出ませんし、別に陰謀側に一矢を報いた(長島敏行の役が死んでも痛くも痒くもないでしょう)訳でもなく主人公は疑いは何も晴れず、そのまま犯人として逃走し、身代わりが死体となって陰謀側は何らダメージは食らってません。花火のシーンの派手さと何かいい雰囲気に一瞬、ごまかされましたけど。やはり陰謀側の描写があまりに少なかったのも問題ですね、ですからサスペンスとしての緊迫感はいまひとつ希薄です。主人公周りの描写含めた『美しい過去、交友関係』と陰謀側の残酷な思惑がくっきり対比出来たら、より深みが増したのでは?と思いました。一つの例ですが長島敏行のイカれたいいキャラや通り魔少年がいるんですから、そこの異常性をクローズアップしてバイオレンスものとして針を振り切れれば、多少の違和感も吹っ飛ばせたと思うのですが・・そういう面での思いっきりもバランスも悪いので彼らのような特殊キャラがこの映画で大して成り立たず、浮いているんです。悪くはないですけど、とにかくあらゆる面での『雑』さがこの映画の足を引っ張っていると思います。もったいない、本当にもったいない。 【まりん】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-02-13 15:18:34)(良:2票) 109.《ネタバレ》 原作未読。原作は面白いと聞いており、ストーリーは面白いと言わざるを得ない。特徴のあるキャラクターが多数おり、それぞれが活きたキャラクターとなっている点も評価したい。しかし、本作中にあるような「たいへんよくできました」という評価はしにくく、「よくがんばりました」というところか。 冒頭の首相暗殺及び警官の突然発砲からグイグイストーリーに引き込まされるが、肝心の終盤に従い、だんだんと失速していったような気がする。いつ捕まってもおかしくない、いつ殺されてもおかしくないという緊張感や、這いつくばっても逃げてやるという気迫、真相はいったい何なんだというような不気味さが若干薄れており、少々ヌルい空気感も漂っていたところがマイナスというところか(監督のテイストなのでこの点を評価する者もいるとは思うが)。 やや現実離れした部分に関しては許容できるレベル。本作のリアリティと非リアリティのバランスはそれほど問題なく感じられるのではないか。訳の分からないキャラクターの登場や訳の分からない展開になっても、クエスチョンマークが付くようなことにはならず、あれはあれで比較的良い味付けになったと思われる。 ただ、本作にとって必要不可欠な“大学時代の回想シーン”だが、そのウエイトがやや重すぎたかもしれない。もちろん、青柳の一人のチカラで逃げ切れるわけではなくて、3人の助けや彼を“信頼”してくれた者たちのおかげである。“花火”“壊れかけのクルマ”“大外刈り”といった青春時代の思い出によって彼は救われる結果になり、それらを有効に描くためには“大学時代の回想シーン”をじっくり描き込む必要があるという流れは分かる。 時間を掛けて、“大学時代の回想シーン”を一生懸命に描いているが、結局のところ現代版に対する“伏線”に用いられているだけのような気がしてならない。 そのようなことをぐだぐだと描くよりも、4人が繋いで渡したビートルズの“ゴールデンスランバー”が入ったIpodというキーアイテムが彼の命を救ったということをもっと印象的に描いた方がよかったような気がする。 ビートルズの“ゴールデンスランバー”という曲が4人にとっての“絆”のような存在ならば、その“絆”が深く響くように端的な仕上がりにした方がよいか。 “友情”を描いておきながら、“友情”がガチッと描かれた仕上がりにできていないところがもったいない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-01-31 20:57:04)(良:2票) 108.原作との違いや後半の都合のいい流れなど突っ込みどころは多々あるが、これはこれで大変おもしろかった。冒頭のシーンが最後になってなるほどとわかるのが何と言っても良い。永島敏行がいきなり銃をぶっ放したのにはびっくり、日本じゃないのかと疑ったけど。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-04-16 11:28:13)(良:1票) 107.《ネタバレ》 いわゆる巻き込まれ型サスペンス映画で面白くなかった事がない。というぐらいこのジャンルにはずれは少ないですね。 その理由を考えるに、まず主人公が無実だということを観客だけが知っている点だろう。窮地に立たされる主人公をどうしたって応援したくなるものだ。 この映画でも主人公は例によって無実の罪を着せられ、冒頭から逃げまくることになる。その過程はスピーディーであり、テンポよく進むので全く飽きさせる事はないだろう。しかし、残念なのは終盤に進むにつれ、段々粗が見えてくる所だ。何故あんなに都合良く主人公を助ける人物が続出するのか。いつの間に花火を用意したのか。目立ちすぎる車。警察間抜けすぎじゃない?などなど、あげればキリがないが、この手の映画の肝は如何に主人公に感情移入させるかだと思うので、その点においては成功してるんじゃないだろうか。堺雅人の演技が素晴らしく、最後まで目が離せなかった。 最後に、管理人さんの真似して私も伏線を一つ。 ・犯人のニュースの後に流れるVTRで白と黒のツートンカラーの猿。小猿は”白い”→犯人はシロ という事かなと思ったんですけどどうでしょう。違ってたら御免なさい(^_^;) 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-11-21 17:45:07)(良:1票) 106.がっつりネタバレします。 半沢直樹を見た後に、堺雅人の映画を見たくなったので この映画を見ました。 なので、ラストらへんの配役に凄いびっくりしました(笑) 全体的にですが伏線を上手く回収してたように思えます。 犯人は明らかになってないですけど、 動機から考えると、副首相あたりが怪しかったですけどどうなんですかね。 この映画は犯人を探すのではなく どのように逃走するか。って所を重きを置いて見ると 面白かったです。 ラストらへんで、世話になった人たちに 存在をその人しか分からない方法で伝えるあたりはぐっときました。 ※劇団ひとりは忘れられてましたが ロックの人も最初嵌めた人かと思いましたが 結果いい人だったんですね。 で、見終わった時に、最後殺された偽物の青柳は誰なんだろう。って思いましたけど 監視カメラに写ってた、本当の偽物で 事件を解決する為にって考えるとすっきりしました。 多分、吉岡秀隆みたく債務者なんでしょうね。(多分相武紗季も) 全体的に役者陣ががんばっていたと思いますが 中でもキルオ役の彼が好きです(金八先生でも良いなって思ってました) なお、エンディング後、主人公が生きていく為には 誰かの代わりになるような事が必要になると思いますが(ひょっとして偽主人公なんだろうか) その辺りの疑問点はおそらく原作で解決するのかと思うので 原作を読みたいなぁ。って思う映画でした。 ※あと、キルオがパトカーに突っ込んだ経緯とか ↓伏線まとめました ・ラジコンヘリ→部屋にも沢山のラジコンヘリ(候補が他にもいた?) ・劇団ひとりからの電話の雑音→盗聴 ・相武紗季に声をかけられたネカフェ→キルオに会う ・主人公の鈍感具合→吉岡くんとの会話の真意に気づくまで→キルオが通り魔に気づくまで ・冒頭で効いていたi-Pod→劇団ひとりが竹内優子に→守ってくれる ・バス停で偶然あった男女→携帯の位置偽装に協力 ・轟屋→ラストらへんのトラック ・子供の「帰ってこなくて良い」→ピーマン→キューリ ・白衣のキルオ→撃たれていたのを隠すため ・電話で劇団ひとりが「先輩」→昔を思い出した時の車の中での説明(意味があるときだけ付ける) ・カローラのCM→オートバックス ・逆探知する為に30秒待つようにの指示→後半助けてくれる警察官のアドバイス ・やったのかどうか→吉岡くん→劇団ひとり→ロックの人→ゲーム→整形 ・昔思い出せなかった猿の名前→テレビのニュース ・ボタンを押すときに親指を立てて押す→最初とラストシーン ・親子の家で服借りる→ラストシーン ・最初のシーンで子供が母に一瞬はんこを押す仕草→ラストシーン ・学生時代にカローラがバッテリ切れで動かないー→竹内結子が交換 ・冒頭の睡眠薬(はめる為)→キルオの睡眠薬(休ませる為) ・花火に気を取られてキスを見れなかった→逃げる所 ・東京に行った花火屋の息子→後を継ぐ ・ニセのマンホール→ビビる息子 ・麻酔銃→実際は実弾 ・痴漢は死ね→ラストシーン ・昔助けたアイドル→逃げた後 ・手術前と全然似てない整形(キルオ・アイドル)→主人公本人 ・よくできましたのマークと、大変よくできましたのマーク→マンホールとラストシーン ・今度あったらキャバ嬢との浮気を告げ口する→ラストシーン ・監視カメラに写っていた偽物→最後殺される ・大外刈→アイドルを助ける→主人公たちが現代でも使用 ・冒頭の通り魔が「びっくりした?」と言う→ネカフェ→自分が死ぬときに「びっくりした」 ・主人公の整形前と整形後→半沢直樹 【シネマレビュー管理人】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-11-18 01:25:13)(良:1票) 105.最初は確かに緊張感のあるサスペンスだったけど、話が進むにつれ、どんどんグダグダに。 もはやチープな青春ロードムービー。 「旅の途中で出会った人々の親切が身にしみました~」的な。 特にカローラの件にはまいった。悪い意味で。 この話のあと、最後まで見続けるのは、かなり苦痛だった。 役者さんはみんな頑張ってたと思うよ。 でも、お話がこんなにテキトーじゃ、役者さんが気の毒。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 3点(2012-11-24 00:54:17)(良:1票) 104.序盤の展開では、逃げながら巨悪をあぶりだす「逃亡者」的なストーリーを期待したのですが、さにあらず、逃げ続けること自体を描きたかったようですね。おかげで主人公をオズワルドに仕立てた連中には一矢も報いないままで消化不良気味です。それに、いくら主人公が圧倒的不利な状況にあるとはいえ、ご都合主義な助っ人登場が何回もありため息が出ました。香川氏を始めとする陰謀者側の話の通じなさは不気味でよかったと思います。チョイ役でしたが、伊東四朗氏のマスコミ批判も的を射ていたですね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-11-04 01:57:08)(良:1票) 103.《ネタバレ》 「アヒルと鴨」は自分のベスト10に入る作品、フィッシュストーリーもまあまあ好き、重力ピエロもそこそこなんである程期待して見たが…… まず他の作品で感じられたような嬉しい意外感がまるでなし。花火とか「ああ、そう来たか」位のレベルだし。それからテーマもあやふやですよね。多分どんな境遇になっても、人と人との間に結ばれる信頼関係だと思うんだけれど、どうしてそんなものが通り魔とか初対面の人との間に結ばれる?全く無関係の人間を殺す人間がたまたま自分の味方してくれたから信頼関係とかw。それから細かいところのいい加減さ。皆さんのレビュー見てて感じたんだけれど、「ファンタジー」って決して、適当さ、いい加減さのエキュスキューズにはならないんじゃないかな?現実の世界と違った別の世界をきちんと作り上げるのがファンタジーだと思われ。(ロードオブザリングとか紅の豚を観て、いい加減とか適当とか思わないでしょ?) 何年もあってない元恋人同士が、ほぼ同時に一台の車のことを思い出すのは、ある種のファンタジーとしてありかなと。しかし、何年も放置してあった自動車がバッテリー代えただけで動き出すとか?何にも説明なしにそんなことがあり得たらほとんどルールの何にもない適当な世界じゃないですか?何か所も何か所も検問の前で急に引き返す、異常にボロな車に警察が気がつかないのも以下同文。 あと、これを言っちゃ原作にも映画にもアンフェアかもしれないけれど、残念ながら現在から考えれれば「権力」の描き方が粗雑でリアリティに欠けますね。 既得勢力に不都合な政治家が表れれば、何も爆殺しなくてもいくらでも抹殺されてしまう現在から見れば。(例えば、ありもしない汚職事件で検察庁に犯罪を捏造させ、全マスコミあげてその人物が不潔極まりない人物であるような情報操作とか、原発全廃に真剣に取り組んだ総理大臣を、これまた全マスコミ上げて馬鹿、無知、無能扱いして引きずり落とすとか) あまりに現実の権力が巧みなだけに、爆殺して犯人を適当な民間人に押し付けるとか、たるくてたるくて。 フィクションが現実に負けてちゃダメですね。 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-01 20:32:19)(良:1票) 102.《ネタバレ》 「原作伊坂&監督中村」タッグの3作目。前作の『アヒルと鴨』『フィッシュストーリー』では、映画の“ヒネリ具合”を語られるコトが多かった中村監督ですが、今回はサスペンス&アクション映画としてキッチリと作りながらも、ユーモア、ヒューマン、巧みな伏線とその爽快な回収…いわゆる“伊坂節”もキッチリと押さえてあって大満足。これはもう「原作伊坂&監督中村」は鉄板と言っても良いでしょうね。 そして…このタッグはどうやら俺の涙腺との相性もバッチリのようで(笑)途中までも何度かヤバイ瞬間を耐えたンですが、エピローグでの“習字”“チクリ”“スタンプ”で涙腺は大崩壊(笑)。途中までは「9点ぐらいかな~」と思っていたのですが、この結果に迷わず10点! おわかりいただけただろうか…?(笑) 【幻覚@蛇プニョ】さん [DVD(邦画)] 10点(2012-06-25 19:18:59)(良:1票)
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