みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
30.《ネタバレ》 他人とひとつ屋根の下で暮らすんだから潤滑油として多少のうわべも必要だろうしそれが本当の自分ではないとか言うんだったら、じゃあ本当の自分って何って思う。 人格や個性って他人との関係の数だけ多面的に成り立っていて、 たとえば家族、友達、恋人、同僚。それぞれの関係において見せる自分は同じではないはず。 すべてひっくるめた総体としての自分はあっても 個々の関係においてはそれぞれ意識的、無意識的にも使い分けてるもんだと思う。 原作を読むと登場人物たちの内面を説明した上で、それぞれの関係の妙と危うさを描いている。それを外から俯瞰するのが部屋主の直輝で、5人の共同生活の群像が、 「実在」しない道化たちのパレードに見えたという話。 映画では今どきの若者の人間関係として描いているからピントがズレてしまっている。 キャスティングがいいので原作の雰囲気だけは伝わってきた。 【michell】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-04-09 08:59:05)(良:3票) 29.《ネタバレ》 ぼーっと観ていると流れて行ってしまうような薄味のストーリーなんだけど、不思議と引き込まれました。居候を含めてマンションの一室に同居している5人の男女は表面的には見えにくい傷や弱みを持っている。一方でその傷の中味を見せ、一方でお互いに侵食しない関係性を見せる。都市生活の基本である表層の付き合いと匿名性が、同居している者同士の中でも成立している。テーマはその距離感で、何気なく重たいことを言ってます。どこが良かったか明確に言えないんだけど放っておけず、珍しく2回見直した作品でした。タイトルの「パレード」だけど、行進する面子と観客の間にはその場を共有していること以外に必然がありません。場は賑やかでも、他人の関係性の中で距離を取って眺めているのがパレードです。都市生活者はたとえ同居人であっても、パレードの主体であり、客体である。原作は読んでいないので自信ありませんが、そんな意味なのかなと思いました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-06-23 21:38:43)(良:2票) 28.《ネタバレ》 そもそも群像劇は好きじゃないんです。じゃあ見るなよって話ですが、予備知識無しで見たものですから、見るまで知らなかったのです。 1人1人のエピソードの紹介。それがつながってゆくのかと思いきや、そうでもない。みんなそれぞれ全く違う人生。でも同じ部屋に住んでいる。同じ部屋という共通項のみで世界が交わっている。その感覚だけは共有できた気がします。 一番のサプライズは、やはり直輝。5人のなかで最も安定した職業に就き、最も頼りになる存在。そんな彼が最も深い闇を抱えていたという事実。ですが観ている私たちに衝撃を与えたのはそこではありません。直輝が通り魔殺人をしているってことを、他の住人がなんとなく知っていたという事実。泣き崩れる直輝に対し、なぜ泣いているのかを誰も聞かない。なぜなら直輝が泣いている理由をみんな知っているから。未来の『直輝、あんたも伊豆行くでしょ。』の台詞と4人の視線には戦慄が走ります。 あんたがどんな闇を抱えていようが、こっちの世界には関係ない。ここはチャットルームであり掲示板だからと。舞台は現実でもその中身は匿名性の高い仮想空間なんでしょうか。 直輝はもはや勝手にパレードを抜けることは許されないのかもしれません。残りのメンバーにはパレードを抜ける自由があるが、直輝にはその自由が存在しないように感じられました。それって警察に捕まることより恐ろしいことなんじゃないでしょうか。 いや、冷静に考えれば直輝の通り魔を黙認しながら普通の生活送ったり、直輝に人生相談している事実が一番怖えーよ。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 5点(2021-06-03 02:07:24)(良:1票) 27.《ネタバレ》 これは久々に「怖い」と思わされた映画です。 正直に言うと、終盤までは退屈で仕方ない。 夜の遊園地にて、女性が子供時代のトラウマを語るシーンの演出なんかはベタベタで、話の途中で相手の男が目を瞑っているのに気が付き「何だ、寝ちゃったのか」と呟く件なんて、もう観ているコッチが恥ずかしくなるくらい。 だた、このシーンにて「途中で寝ちゃった」はずの男性が、そっと目を開き、寝た振りをしていた事が明かされるのですよね。 (出会って間もないのに、いきなりヘビーな話されて困ったから、聞かなかった事にしたのかな……)と、軽く受け流していたのですが、まさかそれがラストの伏線とは、恐れ入りました。 連続通り魔の犯人が、ルームシェアしている若者達四人の中にいる事は、大体予見出来る範囲内だと思います。 その正体が、藤原竜也演じる直輝であったという点についても「一人だけ夜中に出歩いていて、アリバイが無い」という事を鑑みれば、意外とは言えない。 衝撃的な犯行シーンに差し掛かっても、観客であるこちらとしては(まぁ、そうだろうなぁ)という感じで、然程驚きは無かったのですが、そんな風に心が緩んだ隙を突くようにして、映画は「本当に怖い」ラストシーンに流れ込むのです。 偶々犯行を目撃してしまった、新たな入居者のサトル。 諦めきった表情で「警察に突き出される事」「自分を慕っていた同居人の皆にも犯行がバレてしまう事」を覚悟する直輝に対し、サトルは事も無げに、こう言い放ってみせる。 「もう、みんな知ってんじゃないの?」 この一言にはもう、完全に直輝と心境がシンクロしてしまって、心底から吃驚。 そして、何故知っているのに止めなかったのか、その理由が既に作中で明かされていた事に気付いて、二度驚く訳です。 恐らく彼らは「重い話を聞く事」が「面倒臭い」のだと思います。 だからトラウマを抱えた女性を相手にしても、寝た振りをしてやり過ごす。 同情したり、慰めたり、励ましたり、怒ったり、一緒に泣いてみせたりするのは、疲れるし、やりたくない。 同居人が殺人犯じゃないかと勘付いても、それが確定してしまったら面倒なので、踏み込まない。 観客が知りたいと願う「犯行の動機」に関しても、一切詮索したりはしない。 自分にとって「都合の良い人物」「皆の頼れる最年長者」でありさえすればいいという、怠惰な利己主義。 作中で長い時間を掛けて、彼らは「問題を抱えているけど、基本的には良い奴ら」として描かれていただけに、その衝撃は凄かったですね。 そんな人間関係の中で、直輝だけが一方的に「重い話を打ち明けられる事」が多い。 しかし、直輝にとっての悩みである「自分が殺人犯である事」は、誰にも打ち明けられない。 信頼出来る人格者として扱われている為、仲間から打ち明けられた秘密を、他の仲間に話す事も無い。 あまりにも便利な相談役。 だからこそ、他の住人にとっては直輝が必要だったのでしょう。 ラストシーンにて、泣き崩れる直輝に「皆で旅行に出掛けよう」と誘う一同の、冷たい表情。 そこからは、親しみに見せかけた究極の無関心というか「大切なのはアンタがどういう人間なのかじゃなくて、アンタが私の仲間として役に立ってくれるかどうかだ」という要求が窺い知れて、本当に背筋が寒くなりました。 日常にて何気なく使われる「空気を読めよ」という言葉なんかも、本質的には彼らの要求と同じではないかと思えたりして、何ともやりきれない。 全編に亘って楽しめる内容とは言い難いのですが、とにかくラストの衝撃に関しては、折り紙付き。 こういった事が起こり得るからこそ、途中まで退屈な映画でも、最後まで諦めずに観なきゃいけないんだな……と、再確認させてくれました。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-07-03 07:34:31)(良:1票) 26.《ネタバレ》 うーん、これはちょっと残念な映画だなー。僕は吉田修一の原作本の大ファンだから、ここまで忠実に映像化してくれた監督の手腕には敬意を表するのだけど、一つだけ(そしてもっとも重要な部分が)原作の意図から離れてしまっていると思う。それはリビングの〝暗さ〟。あの原作が表したかったことって、あの同居人たちが誰もが心に鬱屈したものを感じながら、それでもリビングに集まればみんな何事もなかったかのようにまるでアメリカのホームドラマのように明るく振舞うという、ネット上のSNSや掲示板のある種のメタファーのようなものだと個人的に思っているので、やっぱりリビングはもっとやり過ぎなくらい明るく撮って欲しかった。そうしたらあのラストシーンが(原作と同じように)もっと映えたはずなのに。残念。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-05-03 15:06:49)(良:1票) 25.見終わった後に色々と考えさせられる作品。しかし、共感できるかどうかは個人の経験によると思うので、人を選ぶ作品かもしれない。上辺だけの付き合い、ぬるま湯に浸かっているような心地よさとそこから脱しようとする葛藤、人には多面性があり、誰もが知っている面など存在しないということ…そのようなテーマを“リアルっぽく”描こうとした作品。 【Sugarbetter】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-02-12 00:17:51)(良:1票) 24.《ネタバレ》 「キサラギ」のような一室で謎解きをしていく展開なのかと思いきや・・・当て外れ。 退屈なシーンも多いし、共感できるようなキャラもいないし、希薄な人間関係を描きたいのか?でも、その割に人生相談もしたりしてるけど、連続殺人犯だということは誰も問題視しない・・・「この部屋はチャットや掲示版(良質な)」というセリフがこの映画の全てで、「掲示版に素晴らしい文章を書き込んでたって、その人の本質までは絶対わからないし、それを読んだ方は自分の都合のいい解釈をする。人間はそうやって、いいとこ取りで生きてる」「だから、(この良質な)掲示板を荒らさないで(面倒な話題は持ち込まないでよ)」と言いたかったのかな、と解釈しておくが、やっぱりイマイチな作品でした。 【より】さん [DVD(邦画)] 3点(2010-10-09 11:51:17)(良:1票) 23.《ネタバレ》 「誰が犯人か」みたいなのは、ワリと最初の方で判り易い伏線が出てくるので、謎解きが重要ではなくて、だけど、実はそんな事はみんな気付いてる、ってところがポイントで。この映画で描かれる1つのコミュニティは、各々が「自分にとって都合のいい存在」である事が大前提で結びついています。相手の見えない部分、闇の部分は、だけど自分に対して害を成さない限りは無関係、どうでもいいと。共生関係にある様に見えながら、絶望的な断絶状態にある、個人主義が行き着いた先は、閉ざされた個と、形はどうであれ「繋がっている」実感から生まれる安心感。その繋がりが、たとえ脆弱なものであっても、偽りや打算が編み出したものであっても、それを「絆」と信じて生きるしかない、そしてそこに自覚がありながら決して変化を望まないところに、この映画の深い深い闇があります。一人一人をケーキのように切り分ける構成には疑問が残りましたが(登場人物が相互作用でラストに向かってドラマの流れを作り出さず、映画すらもあくまでバラバラと切れている状態)、現代に生きる人の心の闇を上手く滲み出させた映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-03-09 16:55:50)(良:1票) 22.《ネタバレ》 今の日本に、映画的な普通の映画が撮れる監督がいたなんて。すごいぞ行定! 【以下激バレ】 その部屋には一見人生に接点のなさげな4人がなぜか共同生活している。親密といえる距離感を共有する一方で厄介を避けるための曖昧なルールがあり彼らはクールなふりをしつづけなければならない。例えば良介は友人が死んだと聞かされてもその部屋では泣かない。外部の女の部屋で泣く。互いに弱みを見せない(非難されない)生活はそこそこに楽しい。だがそこにはおのずと非現実感が生じる。通り魔のニュースを淡々と流し続けるテレビ。その画面の「こちら側」にいるということのみが唯一、この部屋での出来事が現実に他ならないということを示しているかのようだ。 …といったようなことを描出した前半は誠に雰囲気よく進み、私は目茶苦茶興奮して満点をつけてやろうかと思ったほどだった。しかしパチンコシーンあたりからやや失速。未来はベタなトラウマ告白よりイラストレーターとしてのヘタレぶりを描いたほうがよかったと思うし、尾行シーンは背後で覗き見する藤原の顔が端正すぎてまるでギャグ漫画だ。隣室の占い師を訪れた政治家による応援演説など、現実と虚構の錯綜による浮遊感を出そうとする試みはあるが成功してないと思う。 一番惜しいと思うのはラスト。ちょっと唐突すぎ。まず通り魔というのは何かに不適合な人物が行うというイメージが個人的にはあり、英語を話せるような会社員がやることとは思えない。「何でも自分に頼ってくるのがウザかった」ってのが動機というのではあまりに弱い。また「もうみんな知ってる」というサトルの台詞も唐突で説得力を欠く。なんでこの辺りの伏線を入れなかったのか。 オーラス、帰らないと言っていた筈の良助や未来や中絶直後の琴美までが部屋にいて何事もなかったように彼を出迎える。直樹は泣き崩れる。ここで4人が浴びせた冷たい視線は、「ルール守れよ」という意味である。それはわかる。わかって慄然とする人も中にはいるだろうが、しかし彼は殺人者なのであって、まかり間違えば殺される可能性もあるのであって、無問題に付すというのはいくらなんでも無理があると思う。ああ惜しい。もうひとひねりあれば。 「部屋はネット上のつきあいの暗喩であり、あなたが何気なくチャットなどしている相手は実は殺人者なのかも」といったところへ何とか結論持っていけなかったかな。また字数超過だ 【アンギラス】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-03-06 22:07:30)(良:1票) 21.冒頭で2度も通り魔事件のニュースが流れたから、この中に犯人がいるのは容易にわかる。でも、特別な伏線もなく、意味のないサブストーリーが多いので、見ていて正直ダルい。 【クロエ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-12-26 04:12:35) 20.《ネタバレ》 結末に納得のいくような伏線もないためなんとも煮え切らない感じ。世にも奇妙な物語的なフェイドアウトで終わるため最後にタモリが出てくればおおそういうことか(どういうことだ)と無理矢理納得できた気もする。これは藤原竜也以外の人物はみんな空想の人物なのではと深読みしてしまいたくなります。まあ結末には納得いかないですが、出てる俳優陣は粒ぞろいなので安心して見れましたし落ち着いた雰囲気で楽しく見れたので満足です。 【映画大好きっ子】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-04-07 23:33:21) 19.演出に7点。非常に息苦しくて不快な映画でした。私はそれなりにこれまでの人間関係に満足しています。人間関係に対する嫌なイメージを膨らませるのはやめて下さい。迷惑です。 【エウロパ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-08-17 12:55:46) 18.《ネタバレ》 雰囲気は良かった。でも、みんな伊原がやったことだと気づいているってエンディングと中盤でのサトルが犯人かも?っていう疑いのやりとりがなんだか不整合でしっくりこない。いまいちピンとこない作品でした。 【フラミンゴ】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-07-29 05:39:50) 17.人付き合いは現代の付き合い方をうまく描けているけど、結論に至る過程が断面的でダラダラした感じを受けた。 【たこちゅう】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-11-28 19:00:26) 16.苦手な藤原竜也さんが私に初めて見せた普通の演技。『下妻物語』の深キョンのヤンキー演技くらい意外でビックリした。お話もなかなかでしたよ。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 6点(2012-07-18 01:08:36) 15.マンションに男女4人で共同生活。一見親密そうに見えますが、『この場所を荒らすような厄介な問題を持ち込まない』という暗黙のルールが成り立っているのでお互いに一歩引いたアンバランスで奇妙な関係が築き上げられています。これは現代の若者の人間関係を描いていて、共感してしまった人は“危ない”らしいです。どうやら私は…“危ない”らしい… 【nyaramero】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-05-07 10:52:00) 14.《ネタバレ》 藤原が犯人であることを、実はみんな分かっている、ということが垣間見える伏線があったのだろうか。そういう伏線の違和感が欲しかった。あと、もうすこしエロが欲しかった。 【no_the_war】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-01-26 19:09:58) 13.《ネタバレ》 全体的な雰囲気、脚本もよかったと思います。 演者のそこはかとない悲しみも伝わってきて…。 ただ最後の衝撃は必要だったかなぁ? 物語の結末なんだから、そりゃぁ必要なんでしょうけど、あのエピソードの正体。 『衝撃』はこの映画のテーマには必要ないんじゃないかな。 ある種の娯楽感が余計な方に作用しちゃったかな。 【ろにまさ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-11-11 01:47:33) 12.吉田修一の映画化という比較では悪人よりはマシかな。肝は登場人物の各々のズレなんだが、原作を知った上で見るとギリギリ表現できているかな?というレベルで、何も知らない人が見たらどうなんだろうなという疑問はある。映画ではどうしてもシーンというか場が共有されてしまうので、劇中の台詞にあるように、映画そのものがチャット・掲示板化してしまう。そもそもズレてたらストーリーにならないし。まあ映画化には悪人以上に不向きな作品だと思うが、なんとか脚本化したという感じ。役者の演技は総じて平坦かな。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-10-23 11:30:17) 11.《ネタバレ》 お!これはなかなか面白い。あの「セカチュウ」の監督ということで、全然期待してなかったんだけど、こんなのも撮れるんですねえ。見直しました。引き込まれる冒頭部から、薄ら寒くなるラストシーンまで、一見無秩序のように見える様々なプロットが、実は見事に1本の線でつながっている・・・。貫地谷しほりと小出恵介の二人の芝居のうまさが、物語を引っ張っていってます。朝本浩文の音楽もかっこいい! 【コウモリ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-10-23 01:21:45)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS