みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
26.《ネタバレ》 恐ろしくて恐ろしくて身の置き所無く感じられる辛い2時間だった。 以下は鑑賞中の気持ちの推移。 ・・あ?何言ってんのこの子。しかもこの園長やばい。専門家もやばい。園長、話聞きなさいよ。子どもは嘘つかないだ?つくわ。どうしよう立証できる術がないじゃないか。ちょっと、息子に暴力ふるうのやめなさいよどこが友人だ(怒)。なんだこの肉屋訴えてやるこんなとこで金輪際買い物しない(激怒)うわああ犬が。酷すぎる。なんなんだお前たちはあっ。 と、取り乱すワタシよりミケルセンはよほど冷静で、ぎりぎりの精神状態で理性的に良く耐えた。あの女児に怒りをぶつけることもしなかった。実に成熟した大人ぶりを憔悴した表情とともに見事に演じている。 人の世の恐ろしさを見せ付けられて気が休まらなかった。しかし、もしも自分がこの女児の親だったらルーカスを100%信じられるだろうかと考えると暗澹となった。・・さてどうしたら良いのだろう。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-09 17:48:19)(良:4票) 25.《ネタバレ》 ≪なぜ、少女は嘘をついたのか?≫ というキャッチコピーではあるが、それよりも、≪なぜ、誰も聞く耳を持つ者がいなかったのか?≫ というほうがしっくりくる悲劇。 だが答えは見えている。彼の弁明の仕方がまずいのである事は見ていて分かろう そこが見ていてもどかしさを誘う悔し素晴らしいところなんですが。とにかく彼は危険回避と対処の仕方が相当にまずかった。自分だけでなしに自分以外の息子の信用やら尊厳までも守らなければならないのだから もっと迅速に危険を察知し上手く立ち回るべきであったと思えます。ただ、彼はクララという幼女を一切責める事がなかった。そこに人間として理性が守られてた瞬間だと感じた。結果、事件解決したとして村びと集合してたんですが、自分はあの集合メンツの中に こいつだけは絶対に許せないだろと思う輩が一人いた 肉屋のデブだ。奴だけは軽く許しちゃいけない 今後仲間として関わってゆくならば、あ奴のキチンとした謝罪を受けない限りは付き合い無理だ あの集合の場所に当たり前のように普通に居た事がとても腹立たしく思える。そしてルーカス、安堵してはイケナイ 友が過ちを認めて寄り添ってくれるようになったなら、後は第三者のくせして彼の家に投石して来た者、愛犬ファニーの命を奪った者を追求して口を吐かせてきっちり謝罪をさせるか復讐すべきだ 自分だったら、あの人間たちが何も無かったかの如く近くに存在する事を見過ごせない。ただそのいくつかの件で該当者が複数現れたとしたならば、それはそれで面倒臭いし、再び人間不信に陥り気が滅入ってこようから、出来ればその人間は(投石してきた者、犬の命を奪った者、最後に自分に向けて銃を発砲してきた者は)セットで同一人物の犯行であったと願いたくたまう。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-05-13 18:56:23)(良:3票) 24.《ネタバレ》 ややっ。マッツ・ミケルセンって007カジノロワイヤルでしか見たことなかったけどいい役者ですな。 協会で訴えるシーンは迫真の演技です。 子供は嘘をつかないとう謎の固定概念で事実確認をすることも無く閉鎖的な田舎町で一方的に犯罪者扱い。 孤立し、精神的にも肉体的にも追い込まれてしまう。人間の陰湿な気持ち悪さが存分に出てた。 感情移入という部分では久々に怒りが込み上げてくる、冤罪系って弱いんだよね。 無実を晴らすシーンがもう少し欲しかったかな。思ってたよりもずっといい映画だったけど惜しい。 【mighty guard】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-26 22:49:36)(良:3票) 23.《ネタバレ》 男女平等意識の強い北欧において、数少ない「男の本分」たる鹿狩りのイメージが度々登場したり、クララの父は長男にばかり目をかけて娘は部屋で大人しくしていればいいと考える家父長制の権化のような人物だったり、主人公が放り込まれるのは女性だけの職場だったりと、作品の至る所に男女の対立構造が見て取れます。さらに、主人公を追い込んだものは何だったのか、救ったものは何だったのかという点までを考慮すれば、本作の裏テーマはジェンダー問題ではないかと思います。。。 また、「男性から見た女性の姿」の表現も、本作の特徴となっています。疑惑を知った時の園長先生やクララの母親の反応がそれなのですが、感覚的に受け付けないと判断した時点で、いかなる弁解にも耳を貸さなくなるあの態度。主人公の言葉が耳に入ることすら汚らわしいと言わんばかりに園庭を逃げ回る園長先生の姿は滑稽でしたが、男性であれば、人生のうちで一度や二度は似たような目に遭わされたことがあるのではないでしょうか。粗野な男も悪いのですが、聞く耳を持たなくなった時の女性の頑なさには手強いものがあります。さらには、主人公が息子に会うことを徹底的に妨害する元妻の存在など、本作には、監督が女性に対して抱える恐怖心や反感というものが随所に見て取れます。。。 センセーショナルな内容である上に、上記の通り監督の個人的な女性観が全体を貫いていることから、本企画は独りよがりの内容になってしまうリスクを多分に孕んでいたと言えるのですが、その点を抜群の構成力で乗り切ったという点には感心しました。例えば事件の発端部分。【恋心を拒否されて、女の子が小さな嘘をつく→園長先生は、管理者としての責任からセラピストを呼ぶ→セラピストは、性的虐待があったという先入観から少女に対して誘導尋問を行う→専門家によるお墨付きを得たことで、架空の犯罪が事実として一人歩きをはじめる】。主人公は、事件発覚後の数日間は自宅待機を命じられており、初動段階で誤解を解消する機会を得られなかったという細かい動きまでよく考えられており、まったく隙がありません。事件の解決部分にしても、教会という舞台を選択して加害者と被害者以外のオーディエンス(神を含む)を多数配置したことで、「この環境であれば、主人公の熱弁は聞き入れられるだろう」という説得力を持たせています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-10 02:42:25)(良:3票) 22.《ネタバレ》 児童に性的虐待をしたというあらぬ疑いをかけられた男の話。ずっしり&ぞくっとくるデンマーク映画。 「子供は嘘つかない」と、決めつけている大人こそが子供の言葉にマトモに向き合っていないという皮肉。なんとなく発した悪態が独り歩きし、当事者の二人には、弁明の機会は与えられない。 たとえ、無罪になっても疑念だけは残り続ける恐怖。デンマーク版「それでもボクはやってない」か。 子供に虐待する人間は、生きている価値はないと私も思う。だから善良な市民が、男を断罪したくなる気持ちもわからなくは、ない。しかし、罰を与えるのは司法であり、真実は誰にも分からない。第三者からの情報だけで、正義漢ぶって、一方的に私刑を行うような行為も許してはいけない。無抵抗な容疑者に正義の名のもとに石を投げる第三者の行為は、醜すぎる。(ネット上ではよく観られる光景だが…) それ以上に、ワンコに手を出した奴は、全力で吊るし上げるべきだ!! 【すべから】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-04-29 13:14:16)(良:3票) 21.本作はデンマーク産の映画で、話されているのもデンマーク語(一部英語もあり)です。 デンマークという国の特色として、手厚い医療や教育などのサービスが行き届いていることがあります(資金は高額な税金によるものなのですが)。 その「世界一幸せ」と称される国の一区画で「子どもが大人に性的虐待をされた」という事実は、人々にとっては憎むべき、廃絶すべき対象でしょう。 事実、デンマークでは1997年に男性の幼稚園教諭が幼稚園児に性的な虐待を行って逮捕されたという事件が発生しています。 その後、デンマークでは幼児教育に携わる男の先生が、非常に少なくなったそうです。 おぞましい事件が発生すれば、大人たちはそれをコミュニティから除外し、蔑み、二度とこんな事件が起こらないようにする・・・それは確かに致し方のない、当然のことだと思います しかし、この映画の主人公は全くの無実なのです。 彼に対する仕打ちはとても理不尽で、恐ろしいものでした。 肉体的にも精神的にも主人公が追い詰められているのを観るのは、とても辛いものがありました。 この映画で恐ろしかったのは、大人が子どもの嘘を信じる過程です。 嘘をついた女の子の証言には変なところもあるし、女の子自身も大変なことになっていることに気づき嘘を告白したりもします。 しかし、それでも大人は女の子のことばをとことん信じようとするのです。 それは「性的虐待」というタブーに触れる、とても具体的に言いにくい出来事であることも原因です。 そして、母親が女の子に「優しいことば」をかけてあげるシーンに、自分はゾッとしました。 これを言ってしまえば、もう真実のことばは母親には届かないと、絶望的な気分になったのです。 下手なホラー映画よりも恐怖を感じた作品でした。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-04-22 00:50:38)(良:3票) 20.《ネタバレ》 テーマの重さと普遍性からしても、好みの問題とは別にすべての人が「見ないといけない作品」。過不足のない脚本と演出、マッツ・ミケルセンの安定した確かな演技が、その存在意義を力強く支えている。皮肉を込めた邦題も秀逸。●脚本が最も優れているのは、紛争発生後早期の段階で、少女からあれは嘘だったという告白をさせ、それをあっさりと潰していること。こうなると、もはや最初の誤りを訂正できる人は誰もいなくなり、周囲はいっそうヒートアップし、本人自身ももはや何が本当なのか分からなくなってきて、結局、最初の供述を維持する以外には選択がなくなってしまう(主人公宅訪問のシーンと、主人公の息子との対峙シーンで、それが的確に表されている)。これは供述心理学にも合致した展開であり、作品のリアリティの確保に貢献しています。●さて、この件ではテオがルーカスの長年の友人というバックグラウンドがあったので、幸運にも解決の途がありましたが、相互にさしたる面識もない社会の実際の事件では、はたしてどうなるのでしょうか? 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-16 00:50:46)(良:2票) 19.《ネタバレ》 素晴らしい映画。冤罪の恐ろしさを感じます。 ラストは逆光で見えませんでしたが、多分クララのお兄ちゃんでしょう 最後のパーティーの場面で、テオの奥さんがいなかった所にリアルさを感じました。 【pillows】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-06-03 02:40:02)(良:2票) 18.《ネタバレ》 善意の勘違い人間が一番始末に終えない。 子どもの嘘を真に受けて、無実の男の人生や家族をメチャクチャにしてしまう。 特別なストーリーではなかったが、誰にでも起こりうることだけに身につまされる。 邦画では『それでも僕はやってない』に誰にでも起こりうる冤罪の恐ろしさを感じさせられたが、本作はさらにインパクトが強い。 誤った情報に扇動されて、その思い込みによる「正しい」信念に基づく攻撃的行為は、本人に悪意の自覚がないだけにタチが悪い。 園児を守ろうとした園長や園長に依頼された専門家が、ルーカスを犯人と決め付けていく過程がリアル。 専門家の誘導尋問にかかれば子どもの口から聞きたい答えを引き出すのは簡単だ。 ルーカスの冤罪が親友のテオの娘クララによって生じたことから、人間関係が一変してしまう。 親は子どもの言うことを信じるもの。 でも、子どもは嘘をつかないなんて幻想でしかない。 それでも遅まきながら、テオがボロボロになったルーカスの訴えに耳を傾けたのが救い。 ただ、一度思い込んでしまうとその考えに固執してしまう人もいる。 狩りの最中にルーカスを狙った銃口が憎悪の根深さを感じさせる。 真実は一つのはずだが、それを見極めるのは難しい。 ここでは性的虐待という濡れ衣を大人が着せられていたが、現実の世界では大人が性的虐待をしながら自己保身で否認しているケースの方が多いだろう。 だから、訴えられたほうがやっぱり疑われてしまう。 監視カメラが街中に設置される時代になったが、「神の目」のようにどこであろうと真実だけを映し出すカメラがあればいいのに。 この映画を観ると、そんなありえない空想を抱いてしまう。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-03-23 14:12:17)(良:2票) 17.《ネタバレ》 幼稚園児の感情の赴くままに発した嘘は先生を嵌めようとする意志が微塵もない他愛ないもの。(この子の不気味さは特筆もの)司法が冷静な判断を下したにもかかわらず、専門家達の無能で誤った裁きと赤の他人達の浅はかで陰湿な制裁に血管がブチ切れそうでした。逃げ出さずぐっと耐える先生の漢の姿が実ったハッピーエンドと思いきやの結末は、人が感情だけで人を裁こうとする空恐ろしさを見せつけます。 血圧の乱高下が甚だしい二度と観ようと思わない作品。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-17 00:48:30)(良:2票) 16.《ネタバレ》 日常に潜む不合理を描いた秀作。 温厚で物静かな性格のルーカス(マッツ・ミケルセン)が、ある日突然冤罪という悲劇に見舞われる。 きっかけはほんの些細な出来事。子供の小さな乙女ゴコロ。。 映画冒頭に、デンマークには「子供と酔っ払いは嘘をつかない」ということわざがある、というテロップが流れるのですが、そういう前提があるからこそ驚くほどあっさりとクララの「嘘」が真実として受け入れられてしまった、ということを事前に教えてくれているわけですね。このことを知らないと、ただただ園長の対応に怒りしか感じず、見るのが苦痛になりそうですし。 視聴者は当然ながらマッツに感情移入して見ていると思いますが、冷静に園長の立場に立ってみれば、子供が突然あんなことを言い出して、それがもし事実だったら大事件ですから、慎重にならざるを得ない気持ちも分かります。やり過ぎ感は否めませんが。 そんなこんなで、エンデイングまで見ていくと、この映画がただの冤罪映画ではないことに気付きます。さらに、原題がデンマーク語で『Jagten』(英題:The Hunt)であることを思い出し、狩猟とは、、、何の罪もないルーカスが突然逮捕されることへのメタファーなのではないかと思い至ります。意外に奥が深いストーリーなのではないか、、と。 なお、この映画はデンマーク版アカデミー賞を受賞、さらにマッツは「主演男優賞」を受賞しています。実生活でも善きパパである彼は、"普通の父親"役もとても良く似合います。唸りたくなるような迫真の演技をぜひご堪能あれ。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-03 18:09:40)(良:1票) 15.《ネタバレ》 愛犬が殺されたことで完全ハッピーエンドの希望は絶たれたが、せめて白黒はっきりつけて欲しいと。結果はありがちなグレー。グレーは疲れる。作品としては正しいのであろうがグレーは疲れるのです。ルーカスは強いルーカスは負けないルーカスはイカレない。イカレていくのは村人である。私はルーカスを応援した。 【i borg】さん [地上波(字幕)] 6点(2015-05-03 14:24:36)(良:1票) 14.《ネタバレ》 怖いなぁ…。怖さゆえ、もう二度と観ることはないと思うけど、良い映画だった。ルーカスと同じ苦しみの中にいる冤罪被害者は世界中にたくさんいるはずで、彼らの叫びを代弁したかのような重苦しい空気が胸にのしかかる。そしてルーカスと同じくらい気に掛かるクララのこと。誰が悪いかと言えばそりゃクララが悪い。が、この嘘がどんな結果を招くのか4~5歳の少女に分かるわけもなく、また彼女なりに罪の意識を感じ、なんとかしようとしていたのも事実…。しかし大人は相手にしてくれない。これほどのトラウマを抱えたまま育ったらどうなるんだろう…。何か残り続ける気はするんだよな…。ルーカスにしても疑う奴は疑い続ける。人生では取り返しのつかないことも多々ある。そんな社会に生きていることを思い知らされる。その中でどうやって生きていくのか…。と、いろいろ考えさせられる映画だった。でもこれだけは言わなきゃならない 「犬に罪は無い」。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-11-28 18:16:39)(良:1票) 13.《ネタバレ》 まず劇中の園長に関して、知性によらず嫌悪感だけで全否定に至るような態度は知的生物たる人類の一員として恥ずかしい。責任者として児童と保護者に申し訳ないという思いで頭が一杯なのか、客観的にどうすべきかが全く見えていないらしいのも組織の管理者としては不適格である。自分の感情処理が最優先になっているにもかかわらず、本人は他人のためと思っているのだろうから始末が悪い。さらに周辺を動員して攻撃対象を孤立させるやり方は卑劣で悪辣であり、これも当人の本性が表に出たのだろうと思われる。これで責任感が強く良心的な人物などと思われているとすれば腹立たしい。 また児童の父親は、要は自分の子が嘘つき扱いされたことに反発したのだろうから主人公の訴え方はかなりまずい。せっかく直接話す機会が得られたのだから、淡々と経過を説明してあとは判断を任せればよかっただろう。親馬鹿はまだ仕方ないとしても、主人公までが感情に訴えるしか能がないのでは全く共感できず、こいつはバカかと呆れるだけである。なお主人公の支援者も基本的には情で動いていたように見えており、その点では対立勢力と同類と思われる。客観的な視点の持てる人物が劇中にいない(裁判所を除く)のは見ていて非常に苛立たしい。 そのほか自分の罪悪感を他人に転嫁して憎悪するタイプの人間もいたかも知れないが、何にせよ大多数の周辺住民は、特に切実な動機もなく自分なりの検証もせず態度保留するわけでもなく単に付和雷同で叩いていただけと思われる。日本の映画なら“これだから田舎は困る”で終わってしまいそうな話だが、外国映画のため素直に普遍的な問題として受け取ってもらえるのは幸いである。 以上、どうせ人間というのはこの程度のものであり、理性的な話が通用するなどと考えない方がいいのは世界共通のことらしい。こんな世の中に生きているよりも、おれはやってない、お前ら全員呪ってやる、と叫んで衆人環視の前で自決して果てれば、関係者全員に一生残る心の傷を負わせて復讐できるだろうが、ただし主人公には息子がいるのでそういう破滅的なことはできないわけである。 なお点数は個人的趣味の問題であまり高くできないが、客観的な評価としてはここの平均点(自分のを除く)に納得する。ストーリーが初めから主人公を追い込む方向で組まれているのは制作側の都合優先に思われなくもないが、映像が美しいのは印象に残った。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-06-11 20:28:33)(良:1票) 12.《ネタバレ》 子供と酔っ払いは決して嘘を吐かない――。離婚して愛する息子と離れ離れに暮らしている保育士ルーカスだったが、それでも小さな村の中で仲の良い親友たちに恵まれ、同僚の素敵な女性とも恋仲になり、職場の保育園でも素直で純粋な子供たちに囲まれ、ささやかながらも幸せな生活を謳歌していた。そう、想像力豊かな女の子クララが、些細な嘘を吐いてしまうまでは。突然、幼児への性的虐待を疑われたルーカス、それまでのささやかな幸せに満ちた彼の生活は瞬く間に一変してしまう。仕事を首になり、村人たちから侮蔑の目で見られ、信じていた親友からも絶交され、さらには愛する息子との同居計画も白紙に…。少女の些細な嘘から、絶望のどん底へと墜ちてしまう、一人の男の苦難の遍歴を淡々と描いた痛切な人間ドラマ。いやー、暗かったっすね~。見れば見るほど気が滅入ってしまう暗鬱なストーリーなのですが、そんな人生の落とし穴がかなりリアルに描かれているため、決して他人事とは思えず最後まで惹き込まれました。それにしても、人間って何処まで愚かで残酷になれる生き物なのでしょう。独善的な正義を振りかざし、一人の男を何処までも追い込んでいく園長やスーパーの店員の姿を見ていると、あらためてそう思います(何の罪もない飼い犬にまで手を出すなんて!)。もし、僕が同じような状況に追い込まれたらきっと心が折れて自殺しちゃいますよ、こんな悲惨な現実。それでも必死に生き続け、ときには自暴自棄に陥りながらも、少しずつ信頼を取り戻していくルーカスの姿に、最後は一縷の希望を感じ取ることが出来ました。とっても暗いですけど、なかなかの良作だと思います。お薦め。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-26 10:52:34)(良:1票) 11.《ネタバレ》 下手なホラーより怖い。 園長とか店員とかムカついてしょうがないけど、そう思い込んだならああなるのは当然か。作り話ではなく現実の世界でも充分ありえそうだと思えるのが恐ろしい。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-01-27 14:44:59)(良:1票) 10.《ネタバレ》 社会と人間のどうしようもないバグ。その暴き出し方が見事でありえぐい。明日どっちの立場になるのか予想もつかない。ほとんどの人物が大きく間違ってはいないように見えるだけに余計に悲しい。 【ほとはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-10-12 12:12:13) 9.《ネタバレ》 映画として非常に完成度が高く、見ごたえがあります。 相手が児童であれば、男女問わず誰にでも起こりうる事案。とても強いメッセージ性をはらむ作品。 犯罪というものは、たとえ無罪と司法が結論づけても、容疑をかけられただけで世間とは切り離されてしまうものなのですね。 しかも、いつ、どこで、自分に容疑がかかるのか。この映画を見る限り、交通事故より予測が難しいと思いました。 自然災害であれば、みんな人生が一変してしまいますが、冤罪は自分ひとりだけが人生を狂わされます。比較できるものではありませんが、よほど辛いかもしれません。 最後まで目が釘付けになったのは久しぶりです。本来であれば9点、もしくは10点の価値のある映画かもしれません。 ですが、私にとって映画は娯楽であり、エンターテイメント。やはり映画という媒体を使う以上、あやふやな結末はちょっと受け入れがたいものがあります。 ラスト10分、場面が切り替わり、突然の祝賀ムード。祝ってもらっているのはルーカスの息子ですが、ルーカスが住民から受け入れらているのが伝わってきます。あれ?容疑は晴れたのか?でもテオの奥さんはいないし。しかもあろうことか銃で狙撃されるルーカス。 ・・・・・もしかして住民たちのルーカスへの疑惑は晴れていないんじゃ・・・。月日が経ったようだから、そろそろ許してやるかみたいな?う~ん、わからん。その結論を見ている私たちのご想像にお任せしちゃっているのだとしたら、そーゆースタンスは好きじゃない。 事の発端となったクララ。先入観で住民を扇動した園長。誘導尋問をした園長の知人。おそらくクララの狂言であろうことに最後気付いたにもかかわらず、それを住民たちに打ち明けてはいないであろうテオ。その妻。犬を殺し、窓に石を投げた人間。スーパーの店長。スーパーでルーカスを蹴り、缶をぶつけルーカスに怪我をさせた若いにーちゃん。 このひとたちみーんなに、罰を与えるか、涙ながらの謝罪をさせないと、私のような人間は全然すっきりできないのです。 ルーカス、あんたも最初から全力で否定しなさいよ。 なにかってーと、『あなたはどう思う?』のスタンス。それやってる人のスタンスだから!自分から疑われるよーなことしなさんな。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-06-08 04:14:26) 8.《ネタバレ》 冬の田舎町の風景、森林の風景などの映像美が注目だ。とくに雪が降り始めたシーンはみどころ。日本の田舎と変わりのない、濃密な人間関係の田舎町。隣人の合鍵を預かっていたり、隣人の食器棚から勝手に食器を出したり。成人の儀式として猟銃の保持が許され狩りができるようになるというのはなんか猟奇的な伝説めいているが。そんななか、冤罪をかぶせられた人間が村八分にされる。が、息子の名付け親らが常に味方でいてくれるのは救われる。息子や、親友と娘の間で苦悩する男の心理をよく描いている。やった証拠もなければやっていない証拠もない中、最後に仲間が全員無実を信じて主人公を受け入れてくれているのは、そんなに簡単にいくのかという感じだ。ラストシーンでは、主人公が射殺されるのではないかと焦った。が、わざとはずして撃ったのだろう。窓ガラスを割られたり、飼い犬を殺されたり、商店で暴行を受けたり、森で狙撃されたり、すべて犯罪行為であり、警察に通報すべきだが、こんな狭い町では、警察も村八分の一端を担ぐのだろうか。 【エンボ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-18 14:40:59) 7.思ったよりもさらに重厚なテーマを持った映画。 冤罪の恐ろしさもあるが、主人公の頑固なまでの誠実さも気になった。自分を疑うものは全て悪で許せない、という感情がとても強くてそれが逆にもどかしい面が多かった。 この作品が描く集団心理、特に大人のそれによる正義感の怖さは十分に感じられる。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-23 21:46:50)
【点数情報】
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