みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
181.《ネタバレ》 生と死。暴力と愛。様々な感情の間で男の心が揺れ動いているのがヒシヒシと伝わってきます。伝えたいことだけを描こうとする北野監督の想いが随所からうかがえます。無駄な説明もないのにストーリーがわかり、その波に乗っかっている人間たちの感情も台詞があれほど少ないのに恐ろしいほど伝わってきます。その演出力、あるいは脚本の無駄のなさに感動しました。全ての台詞、行動、カットに意味を持たせ、そして最後に繋げていく。素晴らしかったです。男は誰かを守るために拳を上げ、そして時に引き金を引く。その一方では、自分を犠牲にしてまで他人を包もうとしている。男の優しさとそれとは真逆の部分が強いがゆえに一方が際立つ。その方法は様々なところから伺えました。静けさが多くあるからこそ、音楽が際立ち、また台詞が際立つ。また死があるからこそ、何気ない行動、すなわち生きている時間が重く感じられ、さらにラストでの女の二言が、それまで一切何も語らなかったが故に際立ったと思います。その一つ一つに、全てが集約されているような気がしてなりません。多くの登場人物たちの心の葛藤が素晴らしく、その一人一人に感情移入できてしまうその一人一人の重要性にもまた感動しました。やはり北野監督は凄い人だと心から思います。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-22 00:20:01)(良:3票) 180.《ネタバレ》 ラストなんて始めから分かっていた。ラストの数カットの運びは予想すら出来た。それでも魅せてしまう。予定調和的に終始する緩慢な自殺の物語、その一瞬のあだ花の姿に見とれた。夜空を染める一瞬の苛烈と、その後の清廉。浄化。昇華。 【ひのと】さん 10点(2004-02-02 21:14:07)(良:3票) 179.《ネタバレ》 子供を失った悲しみ、これが映画の底流にあって、その胸を裂くような辛さを感じなければ、この映画の味わいは分からない。あとの不幸は、追加。花火を見上げる親子の絵、絵自体がいかにも子供のお絵かき、マンションにとめてあった三輪車、それを片付ける元刑事、しかし、小さな子供の靴はちらっと見るだけ。お寺の鐘に来た子供、元刑事は妻が思い出して辛い思いをするのだろうなとわざとオチャラケて鐘を鳴らす。最後の凧揚げの女の子は、二人が本当に見たかった光景。元刑事も傷ついてはいるが、妻の方は絶望している。その絶望を埋めるべく、静かに(妻がいないところで)荒れ狂い、妻に優しくする夫。夫の心を知っている妻。だから、「ありがとう、ごめんね」と言う。私達は二人の愛の形を静かに味わうしかない 【K-Young】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-04-05 12:03:56)(良:2票) 178.《ネタバレ》 ずっと台詞のない岸本加世子さんが最後に二言だけ言葉を発したとき、私の涙腺は崩壊したのでした。傑作です。 【藤堂直己】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-10-02 17:17:26)(良:2票) 177.《ネタバレ》 花火は刹那に散る。けれど人が散るのは簡単ではない。生きている限り、しがらみとか世間とか、そういったものが厭でも周りを取り囲む。そういうモノゴトから少しずつ離れていく主人公の姿が、悲しくて、うらやましかった。 最後の銃声は、あれは花火を打ち上げた音だったのかもしれない。 【小塚】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2006-12-26 12:54:10)(良:2票) 176.こんなんで評価されるようじゃどうしようもないですね。これだけ一般受けが賛否両論なのにテレビで北野映画をまともに批判する人がいないのはなぜなんでしょう?この作品は全く見どころなし、人を殺すシーンが多すぎる。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2006-08-31 12:48:40)(良:1票) (笑:1票) 175.【STING大好き】さん の言われるようにこの作品には日本の美というのが大きなテーマとして存在する。寺の鐘の音、蛍、雪、桜、花火そして寡黙な男と一途な愛が終始、今では感じることの少なくなった日本の美を感じさせる。そしてまたまた【STING大好き】さん の言われるように撮影や編集の際の巧妙な仕掛け(映画を作るうえでのいろいろな技術)が映像の美として、そして一本の映画としてホントに楽しませてくれる。特に無声映画における音楽のように、会話の無い画面に久石譲の緩急つけた音楽が各シーンに色を付け説得力あるシーンにしているのがいい。確かに、劇中に描かれる絵はいいが、病院や金融屋の事務所、喫茶店などやたらとバックにこれでもかと絵があるのはあざとく感じます。肝心のストーリーのテーマは、「ありがとう ごめんね」この言葉に集約されてるように思います。 人間、ひとりでは生きていけない。青い空に響く2発の銃声、花火だったらいいのに...。 エンドロールの間、そんなふうに思っていました。 【R&A】さん 9点(2003-10-15 13:18:18)(良:2票) 174.あくまでも私個人の感性とは全く合わないです。いい所を探そうと努力したのですが、見つかりませんでした。(この映画が好きな人には申し訳ないです、、、。)つまみ枝豆なんてコントみたいな喋り方だし、とにかく登場人物のセリフが下手すぎて、ぎこちない。怪我をした刑事が書く絵まで自分(北野武)の絵を使って、自分の才能を世間に認めさせようって感じがする。やっぱり「北野武」よりも「ビートたけし」の方がいい。文化人になろうとしないで欲しいなぁ。いっその事ドタバタB級オゲレツコメディーでも撮ってくれた方がいいかも。 【kazoo】さん 0点(2002-04-24 10:42:59)(良:2票) 173.《ネタバレ》 台詞とストーリーを出来るだけ削ぎ落として、暴力と、小ネタのギャグと、監督自身の絵をモンタージュ的に重ねていき仕上げている作品で、それらから何かを感じ取れている人が高評価を付けているのだろうが、ほぼ何も感じられず、理解も出来ない残念な私にとっては魅力的な作品にはならなかったです。 リズムをわざと外し間延びさせるような編集も心地良くないし、映像的に印象に残るシーンも特に有りませんでした。 悪い意味でギミックや手法にばかり意識がいってしまい作品に入り込む事が出来ませんでした。 正直、嫌味ではなく本作を理解できる人を羨ましく思ますが、その反面、その理解は監督の意図しているものだと自信を持って答えられる人(特に映画評論家)はどのくらい居るのかと思ってしまいました。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-04-20 04:25:58)(良:1票) 172.《ネタバレ》 北野武の映画は、北野が出ない「キッズ・リターン」とか「あの夏、一番静かな海」みたいな映画の方が好きなんだけど、北野が監督・主演で唯一好きなのがこの「HANA-BI」だ。 北野のファンの中には「“ソナチネ”のような鋭利なものが無くなり、優しさばかり溢れている」という人もいる事だろう。 だが、俺は優しさと冷たい暴力が共存するようなこの映画が好きだ。 「ソナチネ」や「あの夏、一番静かな海」の蒼き海の美しさ、「その男、凶暴につき」の孤独な警官の物語。 まず、武が多くを語らないのが良い。 劇中で咲き乱れる花、花、花。 火花のように散る血、血、血。 少しかすめただけでも噴出すような真っ赤な血液。 特に劇中の北野が演じる警官は、すぐに爆発して散ってしまいそうな存在だ。 夜空に打ち上げられ、一瞬美しく咲き乱れ、消えていく花火のように。 子も失い病の妻を気遣う警官。 妻が死んだら自分はどうするか。生き続けるか、それとも・・・。 そんな時に、同僚が撃たれ彼は部下と共に犯人を追う。 駅の売店で犯人を見つけ、捕まえようとする北野。 揉み合いになり、犯人が放つ拳は爆弾の起爆剤を押すように口から血を噴出させる。 たけしだったら自分の足ごと犯人を撃ち抜いていただろう。静かな怒りが主人公を動かす。 警官をやめ、ヤクザのような黒装束とサングラスで身を包む北野。 「銀行強盗やろうと思ってよ」なんて嘘か本当か解らないジョークを飛ばす。これが有言実行なんだから恐ろしい。 “ナイフ”の場面でアクションを影だけで演出するのが面白い。 そのナイフを相手がパッと両手で受け取るのなんか思わず笑ってしまった。 妻の治療費のため、そして残された部下のためにヤクザ相手に独りで立ち回るのだ。 終盤の怒涛の如き流れも、静かな空気が肌を刺す。 偶然出会った少女に、主人公は亡き子供の面影を見たのだろうか。 胴体だけ先に行き、残った両手もまた後を追う・・・。 ラストの海を見ながら「ごめんね」と呟く妻と静かに過ごすシーンが印象的だ。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-12-20 20:14:27)(良:1票) 171.《ネタバレ》 最初の方は北野監督にしては台詞が多いんじゃないかと思っていたのですが、例えば、タケシさん演じる刑事の子供が亡くなってしまったことや、奥さんが不治の病であること、大杉漣さん演じる元相棒が自殺を計ったことなどは、筋立としては重要であっても映画としては面白くも何とも無いから台詞で観客に説明するように簡単に処理しているのでしょう。ここで見せたいのは夫婦の肖像であり、その部分はえらく無口であってもケーキを使ってその仲をみせたりするのは実に見事だと思います。道中でも同様にどことなく物悲しさを感じさせながらギャグをかましていき、その果てに寡黙な岸本加世子さんの刃物よりも鋭くグッサリ突き刺さるような台詞が用意されているのですから堪りません。 それと寺島進さんが追跡者として追ってくるのも移動感が増していて良いです。たとえ彼らが追いつかなくとも北野監督の映画で浜辺で少女が無邪気に遊んでいたらそこはもう天国みたいな所で、紛れも無く終着駅なんですがね。 …ただ、絵の部分に関しては少々くどい感じも受けました。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-27 18:43:37)(良:1票) 170.相変わらずちょっと大袈裟な久石譲の音楽と、しつこい劇中画は少し気になるが、基本的に静かな映画であり、その静けさと同居し得ているバイオレンスシーンが鮮烈。 ストーリーの筋は絶望的であるのに、夫婦間のシーンはとても微笑ましく、時に挟まれるコミカルなシーンも浮いていない。 他人といるときは無表情で心ここにあらず。敵と認識した相手には容赦も躊躇もない徹底的な暴力を振るう。そんな男が奥さんに見せる表情がとても優しく温かい。 ここまで極端でないにしても、残酷さと愛情と悲しみは誰しもが併せ持っている物であると思うし、生きている限り死は人間の永遠のテーマであるわけで、好き嫌いはあるにしろ、どっかしらで共感できる部分があると思います。 ポジティブとかネガティブだとかそういうレベルの話でクドクドと語らせない、こういう冷静なタッチで描かれた作品はとても好きです。たけしの哀愁はやはり特異。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-09 01:28:11)(良:1票) 169.大切なものが少ないと、こんな風に自分を切り離していける。花火の命は短い。でも花火はそんな事は考えていない。ただ轟音とともに打ち上がり、鮮烈に散る。残された方は目に焼きつくまま花火を忘れない。いい映画だと思いました。 【まりんこ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-01-12 18:13:18)(良:1票) 168.たけしの絵の展覧会映画な部分がちょっとしんどい。絵はよーできてるけど、絵を見たい気分ちゃうかったし。自分の映画やから、一生もんやし後世にも残るし、だからいれておきたい映像はみんないれとくって感じがせんでもない。俺、芸術肌ちゃうからわからんけど。俺が監督やったらそー思うな~って気持ちがなんとなく、この映画観ててわいてきたから。でも、一人より二人のほうが時には淋しく見えるってのが良く出てる。特に二人の距離が近いほど、淋しく物悲しい。たけしの映画はいつも物悲しい。死を身近に感じる物悲しさがいつも漂ってる。この感覚、酔えるときと、無理な時がある。無理な時に、たけしの映画を観るとやっぱしんどい。元気になりたい時に絶望的な歌を聞ききたくないのと一緒。それだけ影響力があるってことやね。あと、笑える部分は油断してたので声を出してわらってしまった 【なにわ君】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-17 10:05:08)(良:1票) 167.テーマは、日本的伝統である「心中」なのだろうと思いました。、、、、もちろん、最近でも、病気を苦にしての心中、将来を悲観しての心中というのは、珍しくはありません。しかし、そうした心中は、片方は、身体的にも社会的にも健在なのですから、ある意味では責任の放棄で、同情の余地はあっても、美しくはありません。、、、、、この映画で追求されているのは、美しい愛の形としての、それ以外に選択の余地はないような心中。、、、、西刑事は、妻が不治の病であることを知らされた瞬間から、心中を心に決めたのでしょう。ただし、美しく、不可避の心中を図るためには、自分の死も必然となるようにしなければなりません。そのために彼が選択したのは、自らの社会的な生の抹殺。彼が弾痕を打ち込む犯人やヤクザは、自らの社会的存在でもあり、だから、彼が弾痕を打ち込むほどに、彼の社会的生命は砕かれ、ともに死を迎える存在として、彼は妻に近づくことができるのでしょう。、、、、、、、、、、どうしてもわからないのは、「ありがとう、ごめんね」の「ごめんね」がどうして必要であったのかということ。そして、西刑事は、そこまで愛する妻を一発目で本当に撃てたのか、ということです。、、、、、最後の娘の表情からして、二発とも空に向けて撃ったということはなさそうです。二発目は確実に自分に撃っているでしょう。では一発目は、、、?、、、その答えは、それぞれの見る人が理想とする愛の形によって決まるのかもしれませんね。 【王の七つの森】さん 9点(2004-11-29 13:47:33)(良:1票) 166.《ネタバレ》 北野映画は、ドラマ作りをしようとすると失敗する傾向にあると思います。メインは西の退職後なので、ああいった構成になったのでしょうが、わかりづらいフラッシュバックでした。病院で、中年の鍛えられていない体をさらす西、これは観せるべきでなかった。それまでの、そしてその後の西の強さが、嘘に見えてしまいました。ラストに登場する実娘は、幼くしてなくなった子供を彷彿させなければらないのに、成長し過ぎ。もっと幼い子役を使えばいいのにと思いました。その子の前で、銃声を鳴らせるべきでもなかった。話に落ちを着けたかったのでしょうが、しつこいです。ヴェネチア受賞の最大の功労者は、西の妻を演じた岸本加世子でしょう。薄幸の婦人を、リアルに演じていました。ラストまで一言も喋らせなかった北野も、やはり非凡な監督に違いありません。 【DONGYAOS】さん 6点(2004-06-18 07:49:16)(良:1票) 165.無理に批判や絶賛することなく、観ればいいと思います。どうも、過去の作品のしがらみに囚われているように思いました。 【マックロウ】さん 5点(2004-06-15 15:39:21)(良:1票) 164.8.☆様と同意見です。人の目をつぶしたり、妻を射殺したりするのは、本人にとって必然性があることなんだろうから、とやかく言っても始まりませんが、やったらやり返されることもあるという発想がまったく欠落しているように思います。きっちり借金を返済してケジメをつけてから死んでいく男の美学を描きたかったのかも知れませんが、それだって銀行から盗んだ金です。まあ、勝者の美学に貫かれたこの映画に意義をとなえればとなえるほど、自分が敗者のような気分になってくるので、このへんでやめておきましょう。 【水の上のハイウェイ】さん 5点(2004-03-16 19:57:10)(良:1票) 163.《ネタバレ》 「ありがとう。ごめんね」この二言で、張り詰めていた静が一気に感情の激流の渦に変わり、涙が止まりませんでした。たまに観るのですが、私としては珍しくスルメ的な一本です。未だに色々な味が出続けています。 【じふぶき】さん 9点(2004-02-02 14:50:31)(良:1票) 162.《ネタバレ》 邪魔なものを全て振り払って妻への愛に突き進む西刑事。妻子に逃げられ、感情のはけ口をひたすら絵に求め描き続ける堀部刑事。この二人の感情の流れが映像からばしばし伝わってくる、すごい映画。一方で愛する者(西夫妻の場合の子供、堀部刑事の場合の妻子)を失った悲しみが主調低音として流れる。そしてところどころに挿入される笑いの優しさ。驚くほど純粋な感情の映画。久石譲のメロディも、見事にマッチしている。エンディング曲はさながら二人へのレクイエムか。 【アイカワ】さん 10点(2003-11-05 19:03:05)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS