みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
27.《ネタバレ》 千石規子さん超当たり役です。ダラけたようなナメたような喋り方が味わい深い。三船敏郎さんはクライマックスの怒涛の長廻しのモノローグが感動的。あの場面の撮影のときは黒澤監督もカメラマンももらい泣きして涙を流しながら撮影したのだそうです。そんなエピソードも頷ける感動的な場面でした。 【藤堂直己】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-02-12 03:20:22)(良:1票) (笑:1票) 26.《ネタバレ》 いかに最近のドラマや映画、小説、アニメが、売上げだの視聴率だのに振り回されて視聴者や読者に媚びているかがわかる。こんなにも力強く、ストイックでヒューマニズムを貫いた作品は久しぶりだ。自己犠牲が偽善的でダサいという風潮がいつから定着してしまったのか。確かに藤崎が婚約者に一切事情を話さないのは彼女にとってはやりきれないだろうが、寡黙で不器用な性格だからこそ人間臭くて、見る者をじれさせるのだ。明日結婚するという恋人を、よくぞ手をつけずに帰したと思う。看護婦の峰岸に肉薄して感情をぶちまけたとき、その怒りや悲しみが見事に彼女に「伝染」したシーンは鳥肌が立った。感情という目に見えないエネルギーが相手(峰岸)に乗り移るさまは、三船の気迫あってこそだ。また昨今の軽いドラマにあるように、秘密を知った者が軽々しく他へ漏らさないことも、抑えが効いていてすばらしい。黒沢作品は、いたる所で舞台劇さながらの生の迫力を感じるシーンがある。視聴年齢を重ねるたびに、作品の深さがわかるようになってきた。 【tony】さん [DVD(邦画)] 10点(2012-04-05 00:38:54)(良:1票) 25.《ネタバレ》 軍医が戦地で染された梅毒菌と「静かに闘う」というお話でした。それを婚約者にも明かせず医師を続ける三船の高潔がテーマのようです。静かに闘う相手はスピロヘータ菌であると同時に自らの性欲でもある。悶々です。でも、婚約者の人生を思うが故に明かせないという理屈はあまりに相手をバカにしてますね。情報を開示したうえで婚約者にも選択権を与えないと、彼女の人生にしこりが残ります。さすがに半世紀以上前の作品で、そのあたりの思考経路に隔たりを覚えます。ちょっと調べましたが、スピロヘータ菌は初期に処置しないと現代でも治りにくいみたいです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-10-31 03:28:03)(良:1票) 24.黒澤の中でわたしのベスト。そもそもわたしはクロサワの時代劇よりも現代劇のほうが断然、好き。話は単純だし、思いっきり勧善懲悪的なんだけど、そんなことはどうでもいい。この強引さこそ、クロサワの魅力。そして「皮膚感覚」にうったえてくる表現力の圧倒的強さ。『野良犬』の蒸し暑さも、この最初のシーンの野戦病院の砂ボコリと息苦しさも、皮膚をとおして感覚に迫ってくる。それから、クロサワ映画では、物語を強引に形づくる登場人物の顔立ちや輪郭がすごく強いです。三船敏郎の顔も、志村喬の顔も、まるで鉛筆でくっきり描いたみたいに線が強い。関係ないけど、『生きる』のときの志村喬の顔なんて、ほとんど手塚治虫のマンガみたいだったし(~~;; 。 【まいか】さん 9点(2004-03-19 14:50:32)(良:1票) 23.医者としての使命、一人の男としての欲求。 その葛藤が克明に伝わってくる。 一方で黒澤は男女の恋愛を描くのは苦手とみえる。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-11 20:22:37) 22.《ネタバレ》 黒澤監督の医者映画第2弾。 今回は理性対欲望という、男なら非常に共感の多い映画だ。 こんな映画は平成になっても映画を観続けた自分が、未だかつてお目にかかってない。 でも文学では頻繁に取り上げられる題材だ。 黒澤監督は分かりやすく、話にダレがなく、一気に見せてくるので、楽しみやすい。 看護婦の千石規子が魅力たっぷり。 どこか有働アナに似ている。 さわやかなラストに救われる。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2018-05-09 07:49:53) 21.《ネタバレ》 三船敏郎って人は、こういった物静かで知的な男性を演じても上手いんだなぁ……と、再確認。 ただ、野性味の強い人物を演じた際に受ける「凄い」という印象に比べると、やや薄味な「上手い」という印象になってしまったのが、寂しいところでしょうか。 本作の白眉としては、やはり「主人公の恭二が看護婦を相手に、心情を吐露する場面」が挙げられますね。 それまで溜めに溜め込んだ想いを、一気に爆発させた感があり、圧倒されました。 徹底的に善人であり続けた彼が「破廉恥な男の、穢れた血液」と言い捨てて、椅子を蹴り付ける様も、衝撃的。 そんな人間らしい感情の発露も、すぐに収まって、再び元の「献身的な医者」に戻る姿には、感服の念を抱くと同時に、何処か物悲しさすらも感じられて、非常に味わい深い名場面となっていました。 その後、梅毒の恐ろしさを更に思い知らせるように、あるいは観客の溜飲を下げるかのように「主人公に病原体を感染させた元凶」に罰が当たる展開になったりもする訳ですが、これに関しては、正直蛇足にも思えましたね。 勿論、こういったシーンがあるからこそ、エンタメとして成立するのだという事は理解出来るし「観客の望むものを提供する」という目線を持ち合わせている辺りが黒澤監督の凄さだとは思うのですが、いくら何でも「主人公の目の前で、彼を不幸にした元凶が更に不幸になる」というのは、都合が良過ぎるんじゃないかなと。 そもそも、彼と再会したのも、彼の妻を担当する事になったのも偶然な訳だから「破滅するのを見せ付ける為に、わざわざ再登場させたのだ」という強すぎる作為を感じてしまい、今一つノリ切れませんでした。 観客としては、最後まで婚約者の女性に真実を明かさなかったという主人公の選択に対しても、疑問符を抱かずにはいられない訳ですが、これに関してはラストシーンにて 「アイツはね、ただ自分より不幸な人間の傍で、希望を取り戻そうとしているだけですよ」 と主人公の父に語らせる形で、彼を全肯定せずに終わってみせた為、さほど気にならず。 推測になるのですが、彼の選択は「彼女を思いやっての事」という理由だけでなく「愛する人に、自分が梅毒であると知られたくない」という自尊心も大きく作用していたように感じられるのですよね。 本当に彼女の幸せだけを考えるなら、やはり告白すべきだったと思いますし、それが出来なかったのは何故かと考えると、どうしてもそんな結論になってしまいます。 つまり、彼女に告白しなかった事を自らの「罪」として考えているからこそ、罪滅ぼしの為に「聖者」と呼ばれるような、献身的な医者になれたのじゃないかな、と思う次第です。 「人間って、俯いて歩いたらダメですよ。ちゃんと胸を張って、上を向いて」 という励ましの言葉は、看護婦さんに対する優しさだけでなく、主人公が自らに言い聞かせる気持ちもあったがゆえに、生まれた代物なのでしょうね。 全体的に暗い雰囲気の映画であった中で、最後は前向きな、希望を感じさせるメッセージと共に完結してくれた辺りは、何やら救われる思いがしました。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-09-15 21:18:30) 20.《ネタバレ》 本格的な医療ドラマ。 黒澤が大映時代に撮った映画はハズレが多いが、この「静かなる決闘」はかなりの力作。 医療ヒューマニズムは「赤ひげ」にも受け継がれる。 “音”の映画。雨音、車、ガラスの割れる、人々の叫び、叫び、叫び、「リンゴの唄」の音。 この映画の“決闘”とは、病との、己自身との闘い、対照的な二人の男たちの対比を描いた闘い。 雨と不協和音から始まるオープニング、第二次大戦下へ。 野戦病院、疲れ切った医者たち。雨の音が緊張を持続させる。 静かな三船。戦場ではまだ梅毒の兆候が出ない。 戦場から帰った戦後、愛するが故に結婚を諦めるしかない苦しみ。立ち聞きしてしまった衝撃。壁で踊る女の絵のヌード、花。 酒瓶を振り回そうとするのを止める一瞬。酒瓶を投げようとするのを女の悲鳴が止める。中の酒を震える手で注ぎ溢れさせる。この時から男の破滅は予告されていた。 ハーモニカの音色で笑顔になる人々の表情。欲望を爆発させる三船の一人語り。ドン引きして泣くしかない千石規子。 廊下で対峙する二人の男。看護婦のビンタに力のない反応。ガラスをブチ割り、絶望に沈む姿。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-15 22:48:48) 19.原作が演劇だけに無駄のないしっかりとした構成で、梅毒を扱っていることもとても画期的だ。ただ主人公に三船敏郎を配したのはどうだったのだろうか。堅い雰囲気はどうもイメージ的に合わないように思う。それに比べ看護婦峯岸るいを演じる千石規子には好感が持てる。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-05-26 22:01:43) 18.《ネタバレ》 三船敏郎さん演じる正義感燃える医師と千石規子さん演じる見習い看護師の5分近い長回しセリフのやりとりには圧巻でした。 梅毒って怖かったんですね。 感想が書きづらい映画ですが見ごたえ十分です。 西部劇みたいなタイトルで誤解されそうですね。 【クロエ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-06 02:54:58) 17.感染症という題材とともに、一人の医師の苦悩と葛藤を描いたヒューマニズム溢れた作品。 ストーリーの内容を顧みれば、「静かなる決闘」はとてもいいタイトルだと思うし、 主人公の誠実なキャラもいいんだけど、三船はちょっと激情型のイメージが強く、 多少の違和感を覚えてしまう。それでも映像演出面において目を見張るシーンが用意され、 黒澤の真骨頂は十分伝わるのではないかと。主人公のキャラと相反する看護婦役、 千石規子の好演が光る佳作。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-06-22 08:24:15) 16.《ネタバレ》 軍医の藤崎は野戦病院での手術中に誤まって梅毒に感染した。手袋を途中で脱いでおり、明らかな医療過誤である。婚約者美佐緒と6年間も婚約しているが結婚の意思はない。結婚すれば梅毒が感染ってしまう。それでも真実を言えないのは、もうすぐ完治するではなかというかすかな希望があり、事実をありのままに美佐緒の性格からすれば「いつまででも待ちます」と言うに決まっているからだ。結局父が真相を知り、婚約は破棄する。女性を抱きたくても抱けない懊悩。藤崎は病気と同時に良心とも戦っている。◆長い婚約の理由が知りたい。戦時中は子孫繁栄を第一とし、出征が決まってからあわてて結婚することも珍しくない。五年間も出征していたのか。◆藤崎はどうして梅毒のことを父親に話さなかったのかということ。二人は同じ医者どうしでもある。適格なアドバイスが受けられた筈だ。又それだけひた隠しにしているのに、見習い看護婦峯岸には治療薬を注射している姿を隠さない。二人が話す声を父親が立ち聞いて、初めて知れた。不自然である。藤崎が本当に誠実ならば婚約者に真実を話すだろう。 ◆藤崎の苦悩は察してあまりある。恋愛の末、結婚と考えていたら戦争にとられ、結果若い身空で梅毒もち。終戦で帰ってきても、結婚どころか、完治するまで性交渉は出来ない。完治もいついなるかわからない。しかし彼は医者という職業に身をおいていることで救われる。自分を不幸だと思うが、周囲に彼が助けなければならない患者が常にいるからだ。人を救う職業の人は高潔になる傾向がある。◆藤崎と対照的に描かれるのが中田。梅毒の感染源だ。中田は藤崎のアドバイスを無視して、療養に努めず、結婚。妻は感染し、死産となった。死児見せられて正気を失う。◆峰岸はダンサーだったが、客の子を孕む。男には逃げられ、堕胎する金もなく、自殺未遂。藤崎にひろわれ、看護婦見習い。最初は人生に幻滅していたが、藤崎の生き方に心酔。子供を育て、看護婦になる道を選ぶ。◆主題としては、不運にして不幸を背負った場合に真の人間性が問われるということ。良心に則って人間として正しい道を進むのか、自棄を起し、堕落の道を進むのか。藤崎は前者であり、結果として峰岸を立ち直らせた。後者は中田であり、妻も子も健康も失った。美佐緒も不幸だが、結婚が決まり希望がある。ヒューマニスト黒澤監督の面目躍如。ただ演出が大人しく、弾けていない。 【よしのぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-10-02 22:08:20) 15. ところどころ心に残るシーンがあります。ですが、最後まで見て「あー、よかった」という感じにはなりませんでした。うーん、残念。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-23 19:22:53) 14.《ネタバレ》 映画の出だしは黒澤作品らしいベトベトした重たい画面で、期待は高まったが、話が進むにつれて、あまりにも変化の少ない画面作りに監督手抜きしてるんじゃないのと思ってしまった。 また、三船敏郎のイメージとあまりにもミスマッチな役柄で、準主役の志村喬と千石規子だけがイメージ通り頑張ってる感じ。 それ以外の脇役陣も、大映映画だからだろうが、存在感がなく魅力に欠け、主人公三船の違和感のみが強調されてしまった。 シナリオ的には若くてギラギラした風貌の主人公が静かに葛藤するということで、当時は三船敏郎がドンピシャと判断したのだろうが、その後の映画で築いた三船敏郎のイメージでこの映画を観ると、ちょっと違うだろう思ってしまう。 三船を使うなら、もっと躍動感があってギラギラした展開、絵作りにすべきだし、シナリオ重視なら、もっと落ち着いた役者を使うべきだったと思う。 シナリオも含めて映画として全然駄作ではないのだが、「黒澤-三船の映画」という目で見ると名作とは言いがたく、まだ三船の可能性を探っている段階の試験的作品で、この路線はダメだと勉強した作品ではないだろうか。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-04 03:50:02) 13.後半の力強い展開は黒澤映画ならでは。 三船の演技は素晴らしいのだが、妙な美徳を押し付けられている気がするからか、どうも感情移入出来ない。 むしろ峰岸看護婦の心の成長の描き方もとても素晴らしく、主役よりずっと人間らしい彼女に深く感情移入出来た。 小ネタですが、タバコの火を譲り合うシーンがとても好きです。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-02-21 22:54:45) 12.《ネタバレ》 黒澤明映画には珍しい駄作。そういう意味では貴重な作品かも。 面白くない最大の原因は、主人公のヒューマニズムが空回りしている。そもそもね、6年も待ってくれた婚約者に「病気になったから結婚できない」とちゃんと説明しなきゃダメだよね。説明できない理由も意味不明。これでは主人公の苦悩に共感できない。 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(邦画)] 4点(2010-01-10 16:13:31) 11.すこし単調だったです。 【ホットチョコレート】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-09-27 10:09:24) 10.《ネタバレ》 西部劇の邦題のようなタイトルだが日本映画である。戦時中の野戦病院で患者に梅毒をうつされた若き医者を描いた黒澤明監督の初期作。冒頭の大雨の降らせ方や野戦病院の暑苦しい雰囲気などはいかにも黒澤監督らしい描写で、主人公の医者を演じる三船の「赤ひげ」とは違う渋みがかっていない若さや「酔いどれ天使」に続いて医者を演じる父親役の志村喬の味わいのある演技も良かった。が、三条美紀演じる主人公の婚約者が何も知らされないまま別れてしまうのはちょっとかわいそうすぎる気がする。黒澤監督は基本的に男性的な作風の監督であるが、女性の心情とかそういうものを描くのは苦手なことがはっきり分かってしまった感じがして、ここはもう少し女性の心理描写のうまい監督だったらとつい考えてしまった。でも、昔は黒澤作品大好きだっただけにやっぱりこれは自分の映画の好みの変化によって思うことかもしれない。ただ峯岸看護婦役の千石規子はすごく良かったので彼女に1点プラスの6点。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-21 23:42:38) 9.《ネタバレ》 いくら治らないにしてもわがまま過ぎ。気持ちは分からなくもないが、婚約者がかわいそう。一方見習い看護婦の女性は良かった。あと、何を言っているか分からないので、他の黒沢映画のように字幕が欲しかった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-06-24 11:04:06) 8.まぁ結婚できない理由を言いたくても言えない恭二の気持ちも分からんではないけど、やっぱあれじゃあ婚約者が可哀想では? で、引くなら引くで、後になってから看護婦にグチグチ泣き言いうんじゃねぇよ!って思っちゃいます。結構湿っぽい映画ですが(終始雨か雪まで降ってるし)、あのダンサー崩れの見習い看護婦がいい感じに全体のバランスをとっていたような気がします。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-04-05 12:18:42)
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