みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.《ネタバレ》 さあ、いよいよ、これでラストとなるこの第6部は梶の美千子への想いが今まで以上に悲しく描かれている。何としてでも俺は生きる。前に向って歩く。そして、必ず美千子の元へ無事なまま戻るという才気溢れる仲代達矢の演技の前には戦争は何て惨酷、人と人との間を切り裂く。仲間の死を眼の前にして、気が狂って仲間を死に追いやった奴は生かしてはおけないというものがモノクロの映像からどんどんと見えてきて恐ろしい。またこの最終作品の中で高峰秀子の避難民中の女の今、ここで戦争はやめてと叫ぶシーンにおいても、強烈なほどのメッセージが含まれている。そんな彼女の叫びを聞いて、降伏する日本兵、戦争からは何も生まれないという監督が一番、描きたかったことであるように感じ、ラストの雪の中、美千子に饅頭を渡したいが為に歩きつづける梶の姿、最後、美千子に会うことが出来ないまま倒れた梶、そうとは知らないであろう美千子の笑い声、全てが何とも惨酷で、悲しい結末に戦争なんてものさえ無ければ人は誰をも憎むことなく、幸せでいられるのにという気持ちが湧いてくる。見ていて楽しい映画なんかではないし、むしろ、腹が立ってばかりだが、それでもこの映画の6作品全てを今、何かあれば直ぐに戦争だ!やられたらやり返してやる。とそういう考え方しか出来ない人達にこそ特に見て欲しい作品である。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-02-14 11:29:41)(良:2票) 14.《ネタバレ》 全9時間31分の壮大なヒューマンドラマ。それもついに完結。 かつては有能と言われた男も、捕虜という立場になっては危険分子と判断されるみじめさ、 かつての仲間は国境の向こうに理想の国家があると信じていた、しかしソ連兵のそれは決して理想とは程遠い酷いものだった。 結局、自分の信念と道理を信じて生きてきたが、戦争というものの中では些細なこと、そして戦勝国といえどやっていることはどこも同じ、ただ勝った負けたの違いで決定的に善悪が決まってしまうという滑稽さ、本当に、日本が、ではなく世界中がばかばかしくなってくるような虚しい内容でした。 そして、全編通して、「会いたい人には会える」ということを謳いながら、最後は愛する妻のもとに戻れず、思い出とともに死んでいく儚さ。 戦争というものの滑稽さを痛烈に表現している作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(邦画)] 8点(2021-08-23 01:58:39) 13.《ネタバレ》 敗戦後、日本では進駐軍がきて、ジャズやらアメリカ文化が日本で湧きたってた。 その頃、大陸では敗残兵がこんな目にあってたとは・・ あの梶が、投降するのは、大陸に残った日本人女性たちのロシア兵慰安婦村で、であった。 ロシア兵に抱かれて、戦争を理解できなくなった感情的な女を高峰秀子が好演している。 遊びに来たロシア兵と日本敗残兵の打ち合いが始まる直前に、この女性が飛び出し、あの梶も投降するしか もう道はなかったのである。 それからが運命の皮肉だろうか。 梶と対極のキャラのキリハラ(第5部で日本人女性を暴行した彼)が、ロシアに取り入り、 日本人捕虜の監視役になっていたのだ。 レミゼラブルにも同じような、立ち回りの巧いキャラがいたが・・ 梶はキリハラを殺して、捕虜収容所を脱走、大陸をさまよううちに凍死する。 最愛の妻、ミチコの気の狂ったような甲高い笑いの中で、彼は絶命するのだ。 ニューシネマ全盛の映画界だから、通った企画だろう。 「人間らしさ」とは勝った国にしか通らぬ理想なのかもしれない。 寂しい気持ちになった。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-07-24 20:25:11) 12.《ネタバレ》 ハッピーエンドはふさわしくないと思っていたらその通りでした。でもやはり奥さんと再開させてあげたかったですね。平和ボケになりすぎて歴史を繰り返してほしくないですね。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-09 10:13:13) 11.饅頭どうせ腐るんやし食えば良かったやん・・・。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-01-26 16:57:16) 10.ソ連の捕虜となっても、過酷な運命は続いていく。そして最後は壮絶な死、予想できていた結末とはいえ、人間が人間として扱われる条件とは何かを突き詰めさせられる。 見終わった後DVD特典で撮影の様子を知り、改めて大変な映画だったことを感じる。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-12-18 14:59:03) 9.《ネタバレ》 いよいよ完結ですが、前作に増して哲学的・観念的な会話が出てきます。しかし、結局梶は三千子に会えない。というか、三千子の生死自体不明のままです。思想を語ったところで生き延びられるわけではないというのが、戦争の現実であり、このシリーズの核でしょうか。裏返せば、思想を語れるのは平和な証拠のなのでしょうね。 それにしても、最後になって桐原に制裁を加える梶は怖い。第一作で私的制裁を糾弾していたのと同じ人物とは思えません。これは、戦争の場にあっては個人の思想など用をなさないということを、端的に表しているのかもしれません。 終盤やや駆け足気味だったことが残念でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-04 22:30:54) 8.《ネタバレ》 うーん、最後は日本にかえってほしかった。 【ホットチョコレート】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-08-27 20:53:20) 7.《ネタバレ》 何ていうか、これは凄まじいという他、言い様がない。 仲代達矢はただでさえ目を剥いている顔つきだというのに、それを更に鬼気迫る勢いで目を剥かせているから、背筋が凍る様な迫力を感じる。 はっきり言って、後味は悪い。 あそこまで愚直にタフに頑張ってきたのに、妻の幻影を見ながら力尽きなくても・・・と思う。 11時間も見せておいたら、生はんかな落とし方では、落とし前がつかないのかもしれないけど、あの終わらせ方は虚しすぎる。 虚しい、悲しい、惨め。 それが全てのラストだ。 戦争の酷さを伝える映画として、これ以上うってつけの日本映画は他には無いであろう。 だが、それだけに、観た後の虚しさは計り知れないものがある。 ぐったりと日曜の午後に見終えた。 明日から元気に働けるかな? いや、きっと働ける! 私には、「雨風をしのげる我が家がある」のだから。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-04-03 17:58:15) 6.5部からの繋がりとはいえ、最後にもなって桐原みたいな低次元な悪者がどうだこうだという話は悲しくなります。ちょっと残念でした。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-04-29 13:17:37) 5.「人間が生きているということは、そもそも大変な矛盾をはらんでいて、その矛盾をはらんでいるという事実を、合理的に正そうとしても正せるものではない」。引き上げ経験をした五木寛之氏のこの言葉がまさにあてはまる大作でした。「君の生き方が正しくて、俺のが間違ってるのかな?」「わからんよ。誰にもわからない」。ほんっと人生ってのは不条理なんだよなあ。 ※仲代達矢がラストシーンのために1週間で8kg痩せたってのもすごいなー。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-02-15 19:06:42) 4.泣いても笑ってもいよいよ今回で最後となる第六部。今まで第一部から第五部まで中たるみなく高い水準の完成度を維持していただけにここの評価を見てちょっと心配だったんだが、今回はクライマックスの梶が美千子のことを思いながら彷徨しているシーンは今まで辛かった分、よけいに梶に感情移入できて素直に感動した。梶に語りかけてくる美千子の声(幻聴)も涙を誘い、思わず、今までよく頑張ったなと梶に思わず声をかけたくなる。そしてこのシーンは今まで梶を演じてきた仲代達矢ももうこれ以上の芝居は出来ないのではないかという名演技で非常に素晴らしく、雪の降る中、梶が倒れるラストシーンでは鳥肌が立った。しかし、今回、不満がないわけでもない。2番の方が書かれているが、彷徨シーンの途中に出てくる饅頭屋のシーンはやや唐突に感じられるし、幻聴として梶に聞こえてくる美千子の笑い声がちょっと怖かった(さっき書いたように語りかけて来る声は涙を誘うのに。)のがちょっと残念。とはいえこの「人間の条件」という六部作にも及ぶ作品全体の感想としては、これを超える戦争映画は二度と出ないのではないかというほどのすごい名作だと思う。この第六部に対してというより、シリーズ全体に対しての評価としての9点。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-07-03 00:05:44) 3.力尽きた… 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-03-20 18:48:10) 2.《ネタバレ》 ”人間の条件”は軍国主義的見地から見た戦争、そしてその中を懸命に生きた梶という一人の男を描いていました。一部から五部までが文句のつけようのない出来だったことを考えれば、まとめとしての第六部は少し不満です。最後の彷徨シーンは途中で急に中華街のようなシーンに切り替わったりして、なんだか無理やりまとめたような気がしてなりません。少しがっかりしましたが、全体を見れば、本当に素晴らしい作品だったと思います。願わくばこのような作品が戦争教育等に用いられんことを!”戦争”というものを知るための、最高の教材の一つだと思います。 【maemae】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-09-28 02:48:06) 1.ついに最終部。この長い長い人間ドラマに幕が下ろされる。監督小林正樹の手による厳しい描写が冴えます。平高主計のセット美術も素晴らしい。しかし何と言っても、主人公・梶を演じる仲代達矢に尽きる。前作より彼の眼中にあるのは、ただただ妻・美千子のもとへ“生きて帰る”だけである。さらにこの作品では、言葉が通じないということはいかに誤解を招き、意図しない方向へ導いていくかをも訴えている。どこの社会にでも湧き出るゲスな人間・桐原を金子信雄が好演。(梶と対極にある人間像) 《ネタバレ! ! 》ラスト、仲代達矢一世一代の演技が、この壮大かつ壮絶な人間ドラマにふさわしいラストシークエンスを飾る。肉親の弟以上の存在であった吉田を連呼する。友達であり唯一の理解者であった丹下の言葉が浮かぶ。妻・美千子の笑顔と笑い声が幻聴となって聞こえてくる。まるで走馬灯のように、過去の出来事と一抹の希望とが梶の頭の中を次々とよぎる。あー、なんて悲しいシーンなんだ。とうてい涙なしでは観られない。監督小林正樹の描写はもちろんのこと、宮島義勇のシビアなカメラワーク、木下忠司の荘厳な音楽が渾然一体となり、この長い長い運命劇に力強くそして緩やかに終止符を打つ。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-02-12 13:19:40)
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