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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 いやはや、凄まじい内容でした。忙しいときは「体重が30kgくらいまで減った」とか言ってましたからね。
「バリー・リンドン」に出演した役者がキューブリックの才能に惚れて、その後の人生を彼のアシスタントに費やします。それはキューブリックの死後も続いている。
本作が伝えているのは「魅せられた男」を通して見るキューブリックの天才ぶりだったのかもしれないが、表舞台で主役になろうとはしない本人の生き様も充分に見応えがあり、ある種の感銘を受けました。
「自分が何者かが分かった」。キューブリック作品に出演した後に彼が言った言葉です。自分に対してひとつの評価を下し、生き方の舵とした訳です。キューブリックを満足させる仕事のレベルはとんでもなく高い。彼はそのレベルに到達することを自己実現のゴールとしました。世間から受ける評価や経済的状況など、ほとんど意に介していませんでした。
どんなことであろうと本人が納得してやっている限り、それは幸せな人生と言えるのかも、と思わされました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-01-17 11:35:15)(良:1票)
2.《ネタバレ》 レオン・ヴィターリはスタンリー・キューブリックに魅せられたというより取り憑かれたとでもいえるような半生、そしていまも無償でフィルムなどの整理にあたっている。一コマ事の露出や明度にまで精通している、36時間こもりっきりで画像をチェックし、仮面をかぶって8役をこなしながら現場を駆け回って、、、一時期30キロにまで痩せてもほとんど30年間寝ずにキューブリックの片腕(以上!)に映画製作(Filmworker)にかかわる。よく過労死しなかったものです、各国に出す違うVersionの予告編を作り、翻訳し、ポスターに使うたった一枚の「あれ!」という画像を探して、フィルムコピーを15部…気が遠くなるような代物ではない…なのに経済的に困窮してしまう。。。なぜ、レオンはそこまで滅私、献身できるのか。
幼少期の虐待経験もあるのか、強いキューブリックに翻弄され、利用され、制作会社に疎まれても「粗探しをしているわけではない、間違いを見つけたら敬意をもって指摘するだけ」という姿勢が印象的で、彼こそが映画界の宝ではないだろうか。
バリー・リンドンが好きでしたし、衝撃的な作品だったから貴重な裏話が聞けたのもうれしい、同時に彼が俳優を続けなくなったのも残念、という複雑な気持ちにもなった。
レオンの、彼の家族の幸せを願わずにはいられない。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-03-16 09:11:31)(良:1票)
1.「レオンは蛾だ、火に魅入られて自ら羽根を燃やしてしまう蛾。キューブリックはまぶしく輝く光だった。その強い誘惑に抗えずレオンは己が身を燃やしてしまった。」これは冒頭を飾るナレーションで、稀代の天才スタンリー・キューブリックに人生を捧げた男の物語です。 主人公はレオン・ヴィタリ、もとは俳優で『バリー・リンドン』でマリサ・ベレンソンの息子ブリンドン子爵を演じた人です。実はこれが初のキューブリック映画出演で、それまでの俳優としてのキャリアを捨てて撮影後にキューブリックのスタッフに志願しました。彼のパスポートに自ら記した職業は原題でもある“Film Worker”つまり“映画仕事人”で、25年間キューブリックのもとで編集・照明・キャスティングなどすべての製作業務で助手を勤め、出演者への演技指導まで任されていました。あの暴君で知られるキューブリックですからその仕事の過酷さは推して知るべし、キューブリックと同じ屋敷で過ごして24時間一週間休みなし、普通の人ならすぐに逃げ出すこと間違いなしです。でもそのおかげでキューブリック作品に関してはDNAレベルと言っても過言ではないほど精通し、キューブリックの急死後ポスト・プロダクションが残っていた『アイズ・ワイド・シャット』を彼の意図通りに完成させました。 これは天才に魅了されるとその人の人生がどの様に変貌してしまうのかという驚異の物語です。そして『バリー・リンドン』以降のキューブリック映画製作の舞台裏が垣間見れるところも貴重です。キューブリックと言えばポスターやパブリッシングについてもうるさく口を出すことで有名ですが、実は彼の意を汲んだレオンの仕事だったというのはちょっとサプライズでした。逆にキューブリックが映画会社やプロデューサーへ本人の承諾を得ずにレオンの名前で抗議や苦情の書簡を送っていたというのは、笑えないですがいかにもキューブリックらしい話しです。そういう汚れ役も引き受けていたので業界ではレオンはけっこう嫌われていたそうで、キューブリックの回顧展が開催されたときは企画にはノータッチでレセプションにも招待すらされなかったというのには同情してしまいます。 レオン・ヴィタリという人は、資金さえあればそれこそ一人で製作・監督・撮影・編集などをこなせるスキルの持ち主なのに、キューブリックの死後も映画製作は手掛けずにまるでキューブリック博物館の学芸員みたいに彼の偉業の数々をメンテナンスし守っているのには、もう崇敬するしかありません。人格には問題あり、と言われているキューブリックですが、一人でもこのような理解者を育てることができたというのは幸せだったんじゃないでしょうか。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-19 22:02:53)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
3人 |
平均点数 |
7.00点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 1 | 33.33% |
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6 | 0 | 0.00% |
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7 | 0 | 0.00% |
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8 | 2 | 66.67% |
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9 | 0 | 0.00% |
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10 | 0 | 0.00% |
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