みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 1981年製作とのことで、街の風景や背景音楽などに(日本でいえば)昭和っぽさがある。基本的にはラブコメ風の映画だった。 撮影場所としては澎湖島、南投県鹿谷郷と台北である。澎湖諸島は亜熱帯と熱帯の境界付近で温暖な気候のはずだが、劇中では寒風の音まで入れて妙に寒々とした印象を出していた。また鹿谷という場所は変に霧が出ていて見通しがきかないと思ったら、主人公男女が子どもらと一緒の場面では日も照っていたりして、これは登場人物の気分の変化も表していたかも知れない。 物語的には自由恋愛を志向したものだそうで、実際そのように見える。相手の男が、当初は辺境の漁村に寂しく住む視覚障害者のように見えていたが、実は正体が全く違っていて視力もすぐに回復した、というのはかなり都合のいい展開に思ったが、このことで男の地位や女の美醜と関係なく、人間の本質的なところに惹かれ合ったことが表現されているらしい。 また途中までは主人公が平気で人を騙すのは困ったやつだと思っていたが、その上に婚約者を捨てて別の男に走るのでは倫理的に大問題ではないかと思っていた。しかし婚約のことは古風な父親に言われていただけで、それよりも「きちんと約束した」方が大事だというのは、古いしきたりに縛られない本人の主体性と誠実さを示している。なお当初、主人公は香港の男と同居しているのかと思ったが、実はそうではなかったと考えられる。 終盤は少し意味が取りにくかったが、男が来るかどうかで結婚自体が左右されるわけではなく、主人公としてはもう心を決めていたということらしい。その上で、旧世代のように結婚に縛られるのか、結婚しても自分として生きられるのかが問われていたのだと思われる。 ほか社会的なことに関していえば、当時の台湾はまだ一党独裁の戒厳令下にあったわけだが、主人公が学校の規律にあえて従わないなどは、社会的な束縛にこだわらない自由な気風があったことの表現かも知れない。主人公が「仰げば尊し」(「靑靑校樹」)に適当な歌詞をつけて子どもらに歌わせていたのは笑った(注:「前途は はるかに、人生は洋々と…」からは元の歌詞でちゃんと歌っていたらしい)。 そのようなこともあって、自分の世代的な感覚からすれば、ほどよいリベラル色の出た映画で悪くないと思った。なお最後の「恭禧發財」は、字幕に書かれた観客向けの言葉というより二人への祝いの言葉ではないかと思ったが(不詳だが)、何にせよ悪くない趣向だった。 【かっぱ堰】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-12-11 11:04:45) 2.ホウ・シャオシェンの初期作品。 この頃はホウ監督も普通にストーリーを語ってます。 しかしながら、どうも退屈。 後にホウ監督は、映像重視の監督になっていきます。 やはり、彼自身もストーリーを語るより、映像で語った方が向いていると悟ったのでしょうか。 そう感じてしまうほど、ストーリーは何の変哲もありません。 ただし、観ていて気分が心地よくなる感じは、この頃から変わっていません。 特に音楽の使い方が印象的。 思わず口ずさみたくなるようなポップな音楽が終始流れています。 センスはともかく、音楽の使い方は個性的なホウ監督です。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2008-03-20 20:16:03) ★1.なんとなく、倉本聰の雰囲気。嫌いじゃないです。 【ぐるぐる】さん 6点(2004-02-03 17:18:57)
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