みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
6.レビュー番号一桁台は、大抵ネタバレ有レビューになっちゃいますね。映画に対する思いが強くほとばしってしまうのでしょう。そこにネタバレ無を投下しますよ。転売ヤーも楽じゃないんだろうけど、だったらやめれば良いと思う。楽じゃない上に、ネットのヘイトを集めまくるわけだし。ネタバレ無だと、こんな程度しか書けん。 【センブリーヌ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2025-01-08 00:49:28)★《新規》★ ★5.《ネタバレ》 黒澤清監督らしい、不条理な世界の物語でしたねぇ。 普通に見れば、登場人物たちの行動は突拍子もなく、なぜそうしてるのかバックグラウンドの説明もない。 だから、こりゃ何なんだって思う人も多いだろうけど、本作はネット社会の比喩ですよね。 赤の他人が赤の他人に激怒して、集団になると行動がいきすぎちゃう。毎日どこかで炎上してるSNSはまさにそうだし、 最近よく聞く物騒な犯罪の数々も、全く知らない人同士が集まって全く知らない人の家に強盗しに行ったり詐欺をはたらいたりするわけだから。 炎上を行ってる人たちは正義感でやってるのだろうけど、赤の他人になぜそんなに執着するのか不条理だし 犯罪に手をそめ悪の側に堕ちちゃう人たちも、誰に指示されてるのもわからないなんて不条理ですよね。 そう考えるとこの現実がまさに不条理な世界になっていってる。 本作を見て、ヘンテコな人たちばかり出てくる映画だなと思ったけど、現実がそういう世の中になってきちゃってることの比喩なんでしょう。 最初の殺しにはドキマギしてた主人公が2人目、3人目の時にはどんどん慣れていくが見ていて怖かった。 【あろえりーな】さん [インターネット(邦画)] 6点(2025-01-07 14:45:56) 4.《ネタバレ》 前評判いまいちだったのであまり期待せずに見たら面白かった。前半の黒沢清監督らしい不穏さの演出が秀逸。転売ヤーという人からよく思われていない「仕事」にのめり込む男の身近でおかしいことが起きているというのが、音楽や光や影の演出で見事に表現されている。とくに、序盤にバスで彼女と携帯を見ていたのを後ろからのぞき見した男が立ち去る場面。結婚話に浮かれている本人が気づかないうちに、見られてはいけない情報が見られてしまい、もう「詰んでいる」という感覚に背筋が凍る思いでした。荒川良々演じる社長の訪問シーンも秀逸。この緊張感。黒沢作品はやっぱりやめられない。 一方、賛否分かれそうな後半は、自分としては「ネット炎上」の寓話として面白く見てました。「悪者」認定されやすい転売屋という主人公の周りに憎悪と暴力が引き寄せられていく過程、そして、主人公の味方側の反撃もやり過ぎなほどエスカレートしていく。そこに戸惑いながらも、だんだんとその過激な応酬に参加していく主人公。知人がネット炎上に巻き込まれたことがあったのだけれど、まさにそのときに起きていたことが「廃工場でのガンファイト」という形で表現されていたと思う。覆面男に「人に意見を言うならちゃんと顔を見せろ」「おまえの事なんか誰も覚えていない」という台詞など、明らかにネットでの「議論」をネタにしたところには苦笑するしかなかったし、襲撃者のおっさんが「バール(のようなもの)」を持ってる小ネタ(by 麦君『花束みたいな恋をした』)も妙に可笑しい。 ただ、そう考えるとちょっと残念だったのは、主人公に直接的に関わった被害者・関係者ではない人たちにまで膨れ上がっていき、世界全体が「敵」になるかのように感じる恐怖こそが、「炎上」の恐ろしさだと思うので、暴力のエスカレーションだけでなく、量的にも見せてくれたほうが、黒沢監督らしい展開になったのではないかなーというか、それを期待していたら、終わってしまったのは残念。もっとも、ラストの黒沢作品らしいショットに、それは表現されていたのだろうけど。主人公にとっての本当の地獄はこれからなのだ。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-01-06 12:56:07) 3.《ネタバレ》 いくらなんでもアウトレイジな展開はちょ~っとないんじゃないんか。この作品を通して言いたいことも分かるし、エンタメ要素が大事なのも分かる。でもね~、じゃあ実際にこれを主人公のような転売ヤーが観たとして辞めるとは思えないんですよね、転売を。鼻で笑われちゃうんじゃないかな。ないないないって。そもそも命の危険にさらされているのにオークション品を取りに自宅に戻るってありえないし、尊敬してない先輩だろうと頭下げて命乞いくらいはするだろうし、あそこまで心が無さ過ぎるのもやりすぎじゃないかな。まあだからこそ怪しい組織に目を付けられたのかもしれないし、恋人の秋子が死んで初めて人間らしさを見せるあそこのシーンが活きてくるんでしょうね。まあ心が痛まないからあんな転売が出来るっちゃ出来るのかも。ただな~もうちょっとリアリティのある復讐劇の方がゾッとできたかも。銃撃戦って怖くないんですよね。現実味も感じにくいし。特に一般人がそれをしちゃうとなおさらです。 劇中内に現れる様々な「?」に対して明確な答えを提示しない不気味さだけは良かったかな。得体の知れない不気味さはこの監督の持ち味ですね。 【Dream kerokero】さん [インターネット(邦画)] 5点(2025-01-05 10:16:26) 2.《ネタバレ》 ひげが似合わない菅田将暉の演じる転売ヤーの現実的な世界から、嘘っぽい銃撃戦への展開は違和感しかない。 また、登場人物のキャラの薄さと、転売ヤーを標的として集まった奴らの動機の嘘くささも違和感しかない。 ただ、これがこの監督の世界観なのだから、それはそれとして受け入れるしかない。 しかし、最初の工場の男(在庫を抱えて困っていた)は、転売ヤーが売ると高額で完売するほどの需要があるのだから、自分で何とかできたはず。追い詰められているのに、努力が足りないとしか言いようがない。 【リニア】さん [映画館(邦画)] 5点(2024-10-19 09:28:22) 1.《ネタバレ》 黒沢清の映画は多作故に当たり外れが非常に大きい。 本作は明らかに後者。 タイトル通り、雲のようにあやふやで掴みどころがない。 それは主人公のはっきりしない対応であり、転売で当たるかどうか分からないギャンブル要素であり、 ネットで増幅する姿の見えない悪意である。 悪びれることなくどこか他人事で、常に棒読み台詞で人の形をした空虚みたいに。 射幸心。 一山当てたいがために中毒性のある一過性の幸福を手に入れ、ひたすら視野が狭くなっていく。 主人公の関心は如何に安く仕入れた大量の商品が高く売れるかで、 物欲大好きな恋人よりも、猟友会の男が死んでも、殺人による死の危機を脱しても、 売り物が無事であるか、そして売れるかどうかしか見ていない。 それはSNSの「いいね」にそのまま当てはまる。 不特定多数の何かに依存し、四六時中ウォッチして、「いいね」が少なければ人は病んでしまう。 黒沢清ならではのダークな画作りと演出に、おおっと思わせるシーンはあった。 ところが中盤以降の廃工場のガンアクションで映画が既視感だらけの薄っぺらになってしまった。 ほぼ『蛇の道』のクライマックスのまんま。 助手にパソコンを使われたり(パスワード掛けろよ…)、主人公が攫われて殺されるかもしれないのに忍び込む恋人、 なぜか主人公に執着する狙う側の元職場の経営者と守る側の助手(どこかボーイズラブらしさがある)、 それぞれの背景がはっきりしないまま終わってしまった。 100%描き切れば良いわけではないが、この曖昧さのバランスの悪さが足を引っ張っている。 素性がバレ、恋人に裏切られ、これから巨大な組織に取り込まれるだろう主人公には深い地獄の入り口が待ち受けている。 自業自得と言えばそれまでで転売ヤーに対する目が厳しくなっている以上、 彼らに一切関わらない、ネットに依存しすぎない、真面目に働こう、という教訓が得られるくらいか。 【Cinecdocke】さん [映画館(邦画)] 5点(2024-09-27 22:58:18)
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