みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.チェルノブイリの被曝地域であるブジシチェ村にご両親と共に暮らすアレクセイ・マクシメンコさん。その朴訥としたナレーションと、はにかむような表情と佇まいがとても素晴らしい。ラストの老夫婦のツーショットも心が暖まる。 朝もやの美しい情景を始めとする固定ロングショットの数々は、ともすれば単に「美しい風景」に陥りそうなところで、湧き出る水や村に残る様々な動物たちや高齢者たちの慎ましく淡々とした営為がフィルムに「生」のダイナミズムを湛えさせている。 その映画志向は『ナージャの村』から一貫しているものだ。 収穫を祝う村人たちのパーティと踊り。色鮮やかなスカーフを巻いて踊る女性たちと、酔いつぶれている男性たちのショットが微笑ましい。 水汲みや農作業、木材の切り出しから洗い場の組み立てまでの労働。落成した洗い場にイコンと十字架を供え、祈りを捧げる村人たちの敬虔な様が尊く美しい。 村人の周りに常に寄り添っている動物たち(馬、犬、家鴨、豚など)。 人間が汚染した土地に、邪気無く共存していく彼らの姿が愛おしい。 被曝地帯である現場に腰を置きつつ被写体である彼らに不必要に寄ることをしないキャメラの倫理は、3.11後を報道するテレビドキュメンタリーのカメラの多くがその涙を狙って被災者の顔面と眼に図々しく寄っていく浅ましさの対極にある。 それは、ひたすら『感情移入』と称した他力的な感傷と刺激の欲求を肥大化させていく「見る側」の倫理問題でもある。 【ユーカラ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2012-04-03 23:03:23) 3.全体的に、NHKの「小さな旅」ベラルーシ編のような感じで、ブジシチェ村の四季の風景と、そこに住む人々の生活ぶりを淡々と紹介しています。放射能を測定するガイガーカウンターも白血病で死にそうな子どもも出てきません。どこにでもあるごく普通の農業の村です。しかしこの村に住んでいるのは、アレクセイを除いて全員がお年寄り。子どもや若い人はチェルノブイリの後、全員移住していったそうです。洗濯場の修理のシーンで、今回の修理が恐らく最後になるだろうというアレクセイのナレーションが、見る側を現実に引き戻します。この村に新しい人はもう来ないのです。人間にとって「生まれ育った場所」がいかに大切かを教えてくれる秀作です。 【鳥居甲斐守】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-24 22:27:47) ★2.すごくきれいな所ですよね。時間がゆったりとしていて。水っていうのはやっぱり人間の体の2/3をしめますから、そこの水が飲めなきゃ出て行かないと行けないだろうけど、でもこの泉は汚染されてなくて、地下水だから、事故以前の水が湧き出てるんでしょうね。なんだか考え深いものがあります。 【あろえりーな】さん 6点(2003-12-25 13:53:52) 1.ベラルーシにある、チェルノブイリ事件の被爆地域に泉。その泉は奇跡的に放射能に汚染されなかった。しかし、いくら泉が汚染されていなくても危険地域。周辺住民はこの10年でわずかアレクセイの親子と数名のものになってしまった。その中で、アレクセイは被爆したせいか、もしくは小児まひにかかったのか、言語障害で動きもぎこちない青年に育ってしまう。そういうドキュメント。少しだけ、見るのに覚悟が入る。 【セクシー】さん 10点(2003-11-27 01:17:28)
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