みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
43.《ネタバレ》 なーるほど。エヴァンゲリオン第〇〇使徒「ゴジラ」登場・・・って映画ですね。これ。 これまで種々のアニメーションで、リアルな日本を舞台にして、カッコイイアクションなりSFなりの映画が作られてきて、そのレベルは決してハリウッド映画に劣ることはなかった。でも、それを実写化するととってもダサいことになるんだろうなあ、なんて勝手に思っていましたが、その思い込みは完全に裏切られ、すごい完成度になっていました。正直驚きました。 オリジナルとの違いは、被害を受けた人に殆ど寄り添わないこと。もう少しそのあたりの描写があれば、主人公の作戦前の演説などにも苦悩が感じさせられることができたのでしょうが、だいぶドライでしたね。ただ、オリジナルでは、終戦から9年の時間がたっていたのに対し、今回がまだ震災からたったの5年だから、そこを詳細に描くのは生々しすぎて難しかったか。 【Northwood】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-11 17:55:31)(良:1票) 42.《ネタバレ》 なんですか、この高評価、そしてこの熱く語る長文レビューのオンパレードは!……いいねぇ、あふれるゴジラ映画愛がなんかものすごく伝わってきます。 それに対し、いやね、申し訳ない……自分としては全然期待していなかったんですよ。ツレアイが「ゴジラ観よう」って言ったとき正直まいったなぁと思ったぐらいにまったくね。 でもまあ文句なく面白かった、今年一番の映画じゃないかと思うぐらいです。特に前半のグダグダ、ダメダメの政府対応なんてサイコーでしたね。逆に後半の解決に向かっていくくだりは予定調和的で「まあこんなもんかな」ってテンションはややさがりましたけど。でもゴジラ映画なんだしそうするよりほかないしね。 それにしても首都圏の城南地区に住んでいる人にはえらいサービス満点の映画でしたな。川崎の109シネマズで鑑賞したんですが、観客のほとんどがゴジラがぶっ壊す町並をにやにやしながら観てるんじゃないかと思うと、こっちも頬が緩んでしまいました。無人電車攻撃に至ってはもうサービスてんこ盛りで、いい意味の失笑感が湧き起こっていたと思うし。 原発のメタファーだの危機管理問題の提起だとかいろいろあるんでしょうか、ぶっちゃけこの映画のツボってそういうサービス感にあるような気がします。我々の知っている街並、お馴染みの極めて日本的な事なかれ体質、そういうものを目の当たりに繰り広げられて感じる、「知ってる知ってる感」……(微妙な石原さとみちゃんの起用もそういう意味での狙った感じが漂ってきたのでワタシ的にはギリギリOKでした。) しかし、今後世界にも配信されるそうだけど、そういうところって海外の人にも伝わるんだろうか? と、若干の危惧を抱きつつ……8点の献上です。 【ぞふぃ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-10 12:10:04)(良:2票) 41.《ネタバレ》 酔ってるんで後日書き直すつもり(結局、他の方々同様クソ長くなったんで、別記事にしました)。 極めてメタ度が高い映画で、観客をあざ笑うかのような字幕多用・映画人の理想をぶち壊す説明セリフ85%の展開も心地良い。 個人的には『スターシップ・トゥルーパーズ』と並ぶ多値構成の奇作。 ラスト、そびえ立つゴジラを睨む人々はいない。そう。現実にもいないんだから…。 「真摯なバカ映画」の称号をお贈りします。 最後に、島本組の同世代ゆえに。 庵野先輩やめろおォォ! わあああぁ~~~! …別に俺の下に行ったことはないけど…。 【エスねこ】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-10 01:45:03)(良:1票) 40.《ネタバレ》 33年前に庵野秀明が監督した自主製作特撮映画「帰ってきたウルトラマン」を観た事がある方はいるだろうか? その映画のあらすじはこうだ。 「突然地球に降ってきた隕石がしばらくすると動き出し街を破壊しはじめる。その正体は最強と言われる宇宙怪獣バグジュエル。MATの攻撃は全く歯がたたず、ついに熱核兵器を使用する事が決断される。しかし、市街地にはまだ多数の生存者が…」という内容であり、そう!話の骨格は今回のシンゴジラと同じなのである。 「三つ子の魂百まで」とは言うけれど、今回のゴジラは33年前に撮った自主製作映画「帰ってきたウルトラマン」を(意図してか知らないけど)下敷きにして、怪獣を今までの怪獣ではなく一個の巨大自然災害として再解釈し、それに力強く立ち向かっていく日本人を描いている。 実際エンドロールを確認すると多数の取材対象の中に東日本大震災当時最前線で対応していた枝野や、女性防衛大臣経験者である小池百合子の名前が上がっており(つまりあの女性防衛大臣のモデルが誰かは明らか)、当事者に対し真剣に取材を行いリアリティのある日本の行政対応を描こうとした事がよくわかるし、実際「未曽有の巨大災害のときの政府の中はこんな感じなんだろうな」と納得させてくれるだけのものが描かれていた。 逆に言えば今までわりと国際的なコンテンツだったゴジラを、今回は完全に「日本人専用」と割り切った内容になっていて、それは国際的なゴジラはもうハリウッド版があるし、日本では日本人のためのゴジラを創ろうぜ!なんて意図があったんじゃないだろうか? 今回のシンゴジラは日本国内での高評価もあってか海外100以上の国での配給が決まったらしいけど、こんな日本国内用に特化した作品を向こうの国の人が観て面白いなんて思うわけがなく「けちょんけちょん」に言われる事は目に見えている。 しかし、それがいいのだ。 日本人のためのゴジラ。いろいろな問題がある中で日本人が改めて前を向いて進んで行きたくなるゴジラ。 それがこのシンゴジラなわけで、改めて新しいゴジラ像を提示した本作が、東宝社内の事前評判を覆すように高評価されヒットしているのを観るとなんとなくうれしくなるのだ。 一方で、社内試写会でこの映画をけちょんけちょんに言っていたと噂される東宝の幹部の方は…上がそんなセンスしか持ってないから日本の特撮娯楽映画は…と悲しくなってしまうわけだけど。 で、この映画は最終決戦をいきなりアゲアゲにしてくれた爆笑列車爆弾(最高ww)など庵野というクリエイターの色が随所によく出た映画で、そのせいもあって「エヴァじゃん!」と言われる事が多いわけだけど、別に庵野はエヴァしかないわけではないし、巨大な無敵生物を描いたときに同じクリエイターであればどうしても似ちゃう面があるというだけの事だと思う。てかみなさんこの映画についてエヴァエヴァ言い過ぎ。どんだけエヴァ好きなんだ。 一部で「使徒じゃん!」と物議をかもしている意味深な最後のしっぽのシーンは、ゴジラを神と解釈して「神は自分に似せて人を作った」という言葉をそのまま表現してるだけなんじゃないかなぁ、と個人的には思った次第(だから人っぽい姿のものとゴジラっぽい姿のものが入り混じってる) もう一つ書けば、劇中重要なポイントでかかる伊福部のゴジラ音楽の数々。涙が出るくらい素敵な事に、なんとオリジナル版じゃないですか。いまどき劇伴がモノラルとかもう最高!そしてあそこでかかる怪獣大戦争マーチは「もうこの曲しかない」という選曲であって、誰がなんと言おうとこの映画が「ゴジラである」事を高らかに宣言してくれるのだ。庵野と同世代であり東宝チャンピオン祭りでゴジラに親しんだ世代の自分はもう昨日は一日中ずーっと怪獣大戦争マーチの鼻歌が止まらなかったわけだけど、実は今日もそのブームは続いていて、いつ曲が止まってくれるかはまさに神のみぞ知るところなのです。 【あばれて万歳】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-09 09:13:19)(良:6票) 39.本日2回目の鑑賞。ロードショー封切中に複数回観たのはいつ以来だろう。とにかくもう一度観たいという思いを抱かせる作品です。2回目ですと落ち着いてストーリーを追えて台詞や字幕がよりわかりやすかった。 本質的なところで、今回のゴジラ映画は災害映画です。更に災害映画、パニック映画にありがちな主人公の私怨や恋愛ドラマがなく、ゴジラ(災害)とそれに対する政府の動きのみを描写することで、間違いなくゴジラ映画になっています。怪獣プロレスやゴジラそのもの誕生にまつわる悲劇的性格が全く描かれないことに、そういったゴジラ映画好きのファンには受け入れがたい映画でもあります。 今回のゴジラは、今回初めて発見されたというシチュエーション、未知の巨大生物による災厄という、第1作と同じ状況を現代でやっているわけで、しかも第1作にあった古生物学者の想いや天才科学者の苦悩、若い娘の恋愛感情なんかをすべて排除して、巨大不明生物対策にのみ焦点を当てている。これまでにないタイプの怪獣映画であることは間違いない。こういう描き方をすると、模倣する作品が出てくるかもしれない。そういう意味でもエポックメーキングな怪獣映画になっていると思う。 【hee】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-08-08 22:36:10)(良:1票) 38.《ネタバレ》 普段はほぼ邦画は観ないが、武蔵小杉の我が家が踏み潰される映像を見たくて鑑賞。期待が大きすぎたからか正直ちょっとガッカリ。政府関係者のセリフが多すぎだし音楽がショボかった。我が家は映ったのかは不明。DVDになったらコマ送りで見よう。 【kaaaz】さん [試写会(邦画)] 6点(2016-08-07 22:18:36) 37.《ネタバレ》 最初の上陸シーンからある意味「サプライズ」でした。 しかも悪い方向でのサプライズ・・・見るからにB級映画臭が漂い一気に先行き不安になりました。 結論をいえば、そんな不安は見終えるころにはほぼ吹き飛ばされていました。 とりわけ、夜間シーンではなく、真昼間の映像で真っ向勝負を挑んだことは基礎点が高いといえるのではないでしょうか? 全体として、いま災害や国際情勢などの脅威にさらされている日本の状況が凝縮されていたと思います。 危機に対する日本の無防備さは、あまりにもリアリティがありまったく笑えません。 そして怒られるのではないかというくらいの無能な内閣の描写についても、リアリテイがありすぎて笑えませんでした。 こうした日本の短所を皮肉りつつ、打ちのめされても黙々と立ち上がる日本の長所も忘れてはいません。 最後の作戦に挑む際の長谷川のシーンには、ID4の大統領演説のような派手さはないものの、日本らしい高揚感を覚えました。 ゴジラ自体は単なる脅威として描かれ、その感情すらもよくわかりません。 "敵か?味方か?”という生ぬるい要素は一切排除し、単に人間にとっての脅威という王道を行きつつも、かなり斬新な印象を受けました。 終盤の退治作戦の大雑把さは大きなマイナスポイントに思えましたが、核兵器に頼らず働く車で解決するところがこれまた日本らしい。 荒削りな部分は多々あります。 しかしながら、ハリウッドように莫大な予算を使えない邦画が懸命に挑んだ力作といえます。 ゴジラ続編やハリウッドに常につきまとった「これじゃない」という感覚はなかった、、、拍手を送りたいと思います。 【午の若丸】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-07 16:50:24) 36.《ネタバレ》 もっと焦らすかと思いましたが、始まってすぐ大暴れしていました。 ホームドラマ要素を極力避けて、ゴジラシュミレーション映画に徹していたのが良かったですね。 東京のど真ん中で自衛隊が撃つの撃たないのというのは小説や漫画ではよく見るのですが、実写映画で役者さんを使ってやると非常に緊迫感があります。 特に総理役の大杉漣さん。 次々と重要な決断を迫られて気の毒なくらいやつれて行くのが可笑しかったですね。 彼がこの映画の裏MVPであると私は主張します。 【4吉】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-07 16:10:56)(良:1票) 35.《ネタバレ》 【初見の感想】「爽快」 1954年の第一作を原型に庵野秀明監督得意の様々なカッコイイオマージュカットの連続。(エヴァ的と批評されるのは、氏に厳選された過去の特撮作品のカッコイイ場面の再構築こそが映像面での庵野スタイルであって氏の各作品の表現がルックス的に酷似するのは当然なのです。特に今回は本家東宝作品だけに、より堂々といつもの10倍増しの大サービスとなっています!) 私にとって衝撃だったのは・・・シン・ゴジラが見ためはゴジラだけれど、ヘドラ的だということ。第一形態は巨大オタマジャクシ(という設定があったらしい)。怨念を持った破壊神を〝進化する化学物質〟のように設定している点もそう。 映画自体の後味が爽快なのは〝如何にも日本人らしい日本人たち〟が不器用だろうが何だろうが最善の方法を考え、寝食さえ忘れて黙々と実行し、闘いに泥臭く勝利する映画だったから。 そして・・・、ギレルモ・デルトロの「PACIFIC RIM」やギャレス・エドワーズの「GODZILLA」が世界的に大ヒットし、あぁ怪獣もゴジラも海外の大資本映画の独壇場になってしまった・・・と伝統の終わりを感じていたのを、庵野監督と特撮の職人達が最後に生み出した、魂の咆哮『シン・ゴジラ』の熱線が見事に焼き払ってくれたからです。 【最終的感想】「映画監督」 ※以下の感想は【それを言ったらオシマイ】的な話です。ネタバレとは違いますが『シン・ゴジラ』について「内容の考察」で盛り上がりたい人に水をさす可能性があります。ご注意ください。 私は、庵野監督のことを「特撮好きのアニメ職人ビジュアリスト」だと解釈しています。 しかも常人と違って、視覚・聴覚的に経験した「傑出した事象」を完璧に記憶し、純度を高めて新たな表現として構成する「再現力」が突出していて、同時にその脳内映像を1/30秒単位で描きだす(=絵にできる)技能を有した、超・映像職人だと。 おそらくですが、氏が創作の喜びを感じるのは「映像を表現すること」それ自体であって、大衆へ向けて「社会的メッセージや思想を伝えることでは無い」と考えます。 只ただ「自分の好きな映像を徹底的に創りたい人」だと思うのです。 さて、シン・ゴジラの膨大な台詞や表現、意匠、ゴジラの造形に「何かの意図やメッセージ性を感じる」のは何故でしょうか? 観客に何かを伝えたいのであれば、劇中で明確に主張するべきではないでしょうか? 普通の映画ならそうします。過去のゴジラ映画もそうでした。その点、シン・ゴジラには何かの意図を感じさせる演出=「不完全に書き込まれた情報」が多すぎます。 これは、明らかに意図した「不完全な情報の提供」です。 私たちは、SNSなどに流れている大量の情報に対して、怒り悲しみ、考え、共有し、自己主張することが日常化しています。国民総批評家のような時代に生きています。 シン・ゴジラの膨大な台詞や意匠、ゴジラの造形の中に、社会的な課題、学術的&オタク的知識、重層的意味を持つ台詞や音楽、過剰な文字情報などなどを「大量の断片情報」として監督は散布しています。 だから映画の鑑賞後・・・まるで試験問題を前にした学生のように、その意図を模索せずにいられなくなるのです。 庵野監督は「持てる限りの手法を駆使した映像」で、観客が映画館で楽しめる作品を創りました。同時に、「埋設した断片情報によるパズルゲーム=思考による考察と議論」で、観客が映画館から現実に帰った後も永く楽しめる作品にしたのです。 しかし、知識量の多い現在の観客が相手ですから、現実的かつ、容易に解決できない問題を準備する必要があり、その為に大変な努力を費やしたに違いありません。そんな過剰サービスを普通の監督はしません。監督業を越えた信念か、オタク魂の成せる技です。(ハリウッドの大資本が作る映像と競うには『知恵と努力と根性で奇跡を起こすしか手が無い』のです) 創ることに全力投球。ですから「正解」まで用意したとは思えません。 そもそも、哲学者でも科学者でも評論家でもない、一(いち)映画監督が大衆に向けて専門外のメッセージなど発信できません。「監督はただ、考えるに足る物語を見せるだけ」なのです。 それは、宮崎駿然り。スタンリー・キューブリック然り。議論される自作について監督たちが多くを語らないのはその為です。「問題を考える材料は映画として語った。後は皆さんが各自で自分なりの結論を模索して欲しい。」それがメッセージです。 これは・・・映画の冒頭で、牧悟郎が残したメッセージ「 私は好きにした。君らも好きにしろ。」と同じことです。 【墨石亜乱】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-07 11:26:12)(良:3票) 34.コンセプトは学生時代に制作した「帰ってきたウルトラマン」。 ノリはエヴァンゲリオン。 小技に「愛国戦隊大日本」や「ナウシカ」等を散りばめ、 細部まで作り込んだ上で、脚本の破綻もなくテンポも良く 見終わって爽快感も得られる良い作品だと思いました。 基礎点9点、自衛隊頑張ってたからプラス1点。 残念ながら石原さとみの演技がマイナス2点で最終的に8点です。 【じむりじんじむ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-07 00:42:48)(良:1票) (笑:1票) 33.エバンゲリオン諸作は無知なので、要するに巨神兵の物語なのだな…と思った次第。良作だとは思うが私的には傑作には届かない。 その最たるものは絵面、つまり映画としての構図の稚拙さだった。 ゴジラパートはかなり良い、なぜならば製作者に「こういう絵を見せたい」という明らかな意図があって、それをCGで構築しているのだから観たいモノを観せて(魅せて)いただいているカタルシスを感じることができる。 だからゴジラパートのあいだはスクリーンの「あちら側」へ没頭できる。 がしかし、ドラマパートになると、それが予算の関係なのか、はたまた演出技術が未熟なのか、カッコイイ絵面を撮ろうと頑張っているのわかるが、いかんせんチープな書き割りの前で演者が芝居しているように見えてしまう。 それと石原さとみは、やっぱし無理目(笑) PS:ちなみに本作品を鑑賞したそののち直ちにギャレス エドワードの2014年版を観直した。 ギャレス様すみません(>_<) 貴方の映画、初見よりも遥かにクオリティー高いことに改めて気づきました。 よって点数を改めます (m´・ω・`)m ゴメン… 【crushersyu】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-08-06 11:38:26)(良:2票) 32.《ネタバレ》 小学1年の時に観た「モスラ対ゴジラ」以来、このゴジラを観るのに何十年待った事か。まず想像を超えて禍々しいゴジラの造型とその進化。グリズリーみたいなハリウッド版とは圧倒的なセンスの差を感じる。そして着ぐるみの代わりに野村萬斎が歩くというアイデアが光る。ベタベタした家族愛などが入る余地のないハイスピードな展開、日本の政府やアメリカとの関係への皮肉、核への警告も描かれている。 それにしてもこの作品の一番の功労者は庵野秀明に総監督と脚本を依頼したと言われている樋口監督かも知れない。「ローレライ」から「進撃の巨人」までの演出を見て、この人には特技監督がお似合いだ思ったしだい。 そして伊福部昭のメインテーマやマーチがモノラル風に流れた時はトリハダものだった。 唯一気に入らないのは、自衛隊の全面協力という事実。安保法で入隊希望者が減っている自衛隊の宣伝活動にのってほしくはない。むしろ逆手にとって、軍隊のくだらなさを若者に感じさせてほしいと思うのは欲張りか・・・ 2016年。ついに予想を超えたゴジラ映画の完成を祝いたい。 ただ、興行収入につられて、安易な続編を作るという過去の轍だけは、踏まないで欲しい。 庵野監督のゴジラは完成形。 10年後に新たな才能にゴジラを託したい。 【ブタノケ2】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-08-06 05:32:50)(良:2票) ★31.《ネタバレ》 やっぱりハリウッドに比べるとCGはだいぶ見劣りするなあ……などと考えながら見始めたが、「人間」の部分に引き込まれてじきにそれも気にならなくなった。「天災(神)としてのゴジラ」という原点回帰に、我々が先の震災で得ることになってしまった放射能災害の実体験が加わり、ひところ流行った「ウルトラマン研究序説」的な空想読本に留まらない生々しさがあったように思う。「東京3区は帰還困難区域になる」という台詞の重さを、今の日本人ほど理解できる国民はいない。行政機能の東京一極集中とか、その辺りの問題もほんのり盛り込まれているように思ったり。 一方で、核ミサイルの使用を日本側の政治家があまりにも安易に応諾してしまう点は気になった。矜持とかそういう心情的な部分もさりながら、少なくとも貫通弾は有効だったのだから、「ゴジラが眠ってる間に自衛隊の戦力を再結集して、米軍と本格的に協力してどうにかできないか」と、先に考えるんじゃないか普通は?米軍だけじゃなく多国籍軍でも良いけれど、連携した作戦をすっ飛ばして「これはもう核ミサイルを撃ち込むしかないですね」「そうですね仕方ありません」というのは、一足飛びにすぎるでしょう。「知恵は多いほどいい」んじゃないのか? 石原さとみのなんとかパターソンも疵だった。あの空気感の中にあの漫画的高飛車キャラは何ともそぐわないし、あのキャラを出すにしても石原さとみでは全然柄が違う。第一ネイティブな日系アメリカ人感が全然ない。パターソンが出てくるたびに気持ちがふっと途切れてスクリーンから目を背けてしまった。 造形や演出に「エヴァンゲリオンだなあ」と思う部分も多々、多々あるけれども、庵野監督が蓄積してきた経験が、アニメファン以外も数多く観るであろうこの「シン・ゴジラ」に結びついたのだと好意的に解釈したい。目に付く不満もあって文句ばかり書いたようだけど、良くも悪くも怪獣エンターテインメントであったアメリカの新ゴジラに対して、これこそが日本のオリジンを受け継いだ新・真・神なるゴジラなのだと高らかに掲げることができる、それだけの作品にはなっているように思う。 【C-14219】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-06 04:10:58)(良:1票) 30.《ネタバレ》 冒頭の事故シーンの映像があまりにチョロくて、もしや…と感じた不安が的中。リアル感の全くない子供だましのCGと、台本を早口で読んでいるだけのような、およそ会話とは言えないような一方的な発言の連続に、2時間、延々と付き合わされました。 この作品には映画の真髄である人間ドラマなど存在しません。心から悩み涙し笑うシーンなど、皆無だったからです。会話ゼロ。自分の次のセリフを早口でまくし立てることに必死で、人の話など全く聞いていません。それが緊迫感を演出する手法だとしたら、開いた口がふさがりません。 せめてCGぐらいは楽しめるかと思ったら、それすら時代を完全に逆行し、米国に30年遅れと言っても過言ではありません。SFや特撮もので最も大切な最初のビックリシーンで、ぴょーんと跳ね上がった「しっぽ」に皆が驚くシーンなど、ギャグ以外何物でもないでしょう。その後で中国版獅子舞みたいな「お目々パッチリぬいぐるみもどき芋虫」が出てきたあたりから、笑いをこらえるのが必死でした。同時に落胆・・・これが日本のCGのレベルなんだと。あ、でも周りには熱狂的ファンがいるはずだから…と、何とかこの作品の良さを探そうと努力しましたが、最後までその期待は報われませんでした。 ただ、大好きな俳優さんたちがいろいろ出ていらしたのは嬉しかったです。残念なことに、この映画の中では大杉蓮さんはじめ、どの俳優さんも本来の魅力が全く出ていませんでした。石原さとみさんも、あのドメドメ発音でバイリンガルを演じろと言われてもねぇ・・・ 自身のキャラには全く合わないタカビーな演技がのみが目立ってしまって、本当に災難でした。 映画は役者のハートがあって成り立つはず。本作品では個々の人間の魅力を引き出すことをせず、まずシナリオありき。それを大衆が歓迎するあたりは、もう日本の感性も終わりかな・・・と思ってしまいました。(;^_^A でもこれにめげず、みなさま頑張ってくださいね。お疲れさまでした、合掌……… 【windance】さん [映画館(邦画)] 2点(2016-08-06 01:27:46)(良:6票) 29.《ネタバレ》 高い発生率の南海トラフ地震におびえる太平洋側の住人としては、この映画は単なる娯楽として鑑賞できなかった。建築物の崩壊シーンはあまりにも生々しく圧倒的で、震災で身内を亡くされるなど、深刻な被災を経験した人がこの映画を観るにはかなりハードルが高い気がして心配になったほど。 巨大生物に善も悪もなく、ただ決して共存できない存在として描かれているため、ゴジラは生物というよりは、まさしく地震やその他の天災をつかさどる荒ぶる神の化身に見える。東日本大震災では、大きな地震や津波が起こったあと、二次被害として原子力発電所の重大事故が発生したが、そうした段階を踏んだ震災の様子が、ゴジラの上陸、建築物の破壊、放射能火炎放射らと重なって見え、考え込まざるをえなかった。何度もくり返された 「生物なら倒せる」 というセリフは、決して避けることができない天災を人類が直接手を下して牛耳りたい、防ぎたいという願望が込められている気がする。 海外のGODZILLAで描かれる人間ドラマは、怪獣と対比させるためにやむなく必要だったのだろうが(そのため、どうしてもとってつけたような感が残る)、このシン・ゴジラは、擬人化した「震災」に立ち向かう人間ドラマであって、どちらも重要な両輪の役目を果たしていた。核を使わず、ピンポイントでゴジラをしとめる人間の知恵と勇気は、東日本大震災の折、放射能拡散を防ぐため、命がけで発電所に放水をくりかえした東京消防庁の人々、バルブを閉めに行った熟練者たちへの思いに重なる。この映画を観た外国人の中には、退屈な官僚たちの人間ドラマなど不要という感想を持つ人が多いと聞くが、日本人にしかわからなくてもいいと堂々と開き直りたい。 【tony】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-08-06 01:08:26)(良:3票) 28.《ネタバレ》 人間ドラマよりもゴジラ目当てで足を運びました。そして、そのゴジラの場面の出来がすこぶる良い出来で大満足でした。ゴジラが街を蹂躙する様を足元から見上げているところはもちろん、俯瞰で捉えたシーンも巨大さがよく出ていたと思います。最初のゴジラにもありましたが、遠く地平線が火の海でそこに浮かぶゴジラの影のシーンも印象的でした。架空の超兵器が出てこなかったのもよし。 普通の会話から専門用語が飛び交う会議まで全編に渡って舞台がかった演技や早口でまくしたてるセリフと編集に、鑑賞していて疲れました。政治家や官僚、戦後日本を風刺する時によく聞かれる「この国」という言葉に良いイメージがないんですが、まぁ何回言うんだっていうくらいに登場人物たちが「この国」しか言いません。「我が国」や「日本」なんて本当に4,5回しかなかったですね。みんな日本を守る当事者として奮闘しているのに「この国」なんていうかな?と残念に思いました。 【リン】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-08-05 22:01:16) 27.《ネタバレ》 キャッチコピー通り、「日本VSゴジラ」の死闘を描き切った快作だと思う。 ハリウッド映画的な飛びぬけたヒーローはおらず、あくまで官僚”たち”、自衛隊員”たち”、科学者”たち”、政治家”たち”、といった 集団の力の集合が未知の脅威ゴジラを打ち負かすところが何より日本的だ。 やたらめったら集めた「328+1」人の豪華出演者は最初「大丈夫か?」と思ったが、そういう有名人が”端役”となって出てくると 個々にパワーを持った彼らでさえ「石垣の中のほんの一つの石」にしてしまう「”集団”というものの力強さ」が浮き上がってくる。 高度経済成長を象徴する新幹線や在来鉄道車両が自走ミサイルとなってゴジラの足元を崩し、 ゴジラより高くそびえる超高層ビル群が崩れかかってその巨体を押しつぶさんとする。 (62年前、日本の建物はゴジラに踏みつぶされる障害物でしかなかった。今の高層ビル群はまさに 半世紀強の間にゴジラを追い抜いた日本の暗喩ともとれないだろうか?) そして勝負を決めるのは日本が世界に発信する<OTAKU>たちの作戦であり、それを裏から支えるのは日本をしょって立つ 弱腰でありながら老獪な政治家たちだ。 まあ、米軍の力や海外のスパコンを借りたりする場面もあるが(^^;)おおむね”日本という国、日本人の力”が ゴジラという外敵に打ち克ったストーリーは、右翼左翼といった偏狭な考え方とは別の次元で純粋に血をたぎらせてくれる。 この作品に出てくる日本人たちはある部分はリアルであり、ある部分はマンガチックな理想像(フィクション)である。 その両極端な像が絶妙のバランスで融合され、僕にはそれが非常に楽しかった。 日本人として、オタクとして、庵野秀明という才能と同時代に生きられたことを至福に思える120分間だった。 【大鉄人28号】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-04 13:32:37)(良:4票) 26.《ネタバレ》 表面上は日本賛美な映画。自衛隊や政府機関が協力しているから、仕方ないといえる。 しかし、少しでも考える頭のある人なら、その奥に、徹底した文書主義の非効率さやそれ故に有事の際の対応が 後手に回ること、戦後70年以上経っても日本は事実上アメリカの属国だという現実、自衛隊はいつでも戦闘ができる体勢にあるという怖さ、日米安保の欺瞞などの様々な問題提起を感じ取ることができるであろう。 後半の総力戦はとってつけた美談であり、現実はあのような状況になった場合、日本はアメリカ主導の国連の要求を呑み 核を落とされるであろう、そういった今の日本の立場の危うさと外交手腕の拙さも示唆されている。 日本人は性善説で外交をし、他国は性悪説で外交をしているから日本の外交は上手くいかないのだと良く言われるが、 それを端的に現していたのが、スパコンを並列させる要請を海外に出したときの場面。 相手方の返答は「他国に情報を盗まれるから嫌だ」というもの。恐らくこれが、国際社会で先進国として生き延びるために 必要な外交手腕なのだろう。しかし日本の外交にはそういった面が足りない。 主人公が立案した作戦が上手くいかないと美談に持って行けないので、「人を信じましょう」と綺麗事を言う人物が登場し スパコンの並列は許可されるが、現実的には、こういった状況で協力を得るのは難しいであろう。 他にも、自衛隊の武器の多様さ(全面協力の下、なのだから前半の美談ではない総力戦に登場する武器は、全て現実に存在するものなのであろう)や、女性政治家の少なさ、前例やマニュアルが無いと何も出来ず、全て文書で管理するために分厚いチューブファイルを持って動き回る官僚達など、現在の日本の問題点を描いていた。 ただ、これほどまでに風刺に満ちた作品でも、「天皇」について描かれていないのは、少しもどかしい。(天皇について触れるシーンは皆無) 全体的には、よくできた社会派作品だと感じるが、表面上だけ見て、「日本は凄い!日本人で良かった!」というような 人もいるかもしれない。そういった意味で、相手の思考レベルを測るリトマス紙的な使い方もできる作品。 【Sugarbetter】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-04 12:18:12)(良:2票) 25.《ネタバレ》 庵野秀明と樋口真嗣がゴジラの新作を撮ると聞いてあまり不安に感じなかった。ビジュアルはそれなりに見せてくれるだろうと思ったし、特撮オタクの彼らが作ってもダメならこれからもきっとダメだろうという思いがあった。いわゆる最後の砦のような感があった。 不安要素は人間ドラマの方だったが今回のゴジラは人間ドラマと呼べるものはない。ゴジラという脅威に対応しようとする人間は数多く登場するが彼らの間にドラマはほぼない。高速で早口で行われる政治家、官僚、専門家の会議ややり取りがただただ積み上げられる。一人一人が積み上げていったものが最終的にゴジラを倒す力になりうるという構成は人間ドラマとしては乏しいが非常にドラマティックに感じられた。偏った作り方だがこれしかないと思えるほど今作にはマッチしていると思う。 「あれ?ゴジラ以外にも怪獣が出てくるの?」とは初めて現れるキモいクリーチャーを目にして思ったこと。進化していくゴジラとは思いもしなかったが今作のゴジラはただただ「異形」。ギョロっとしているが小さな目は何を見ているのか分からない。何をしようとしてるのかも分からない。ゴジラが動く度に緊張感がある。安い人間ドラマが入り込む余地が無い。これは本当にゴジラなのか?使途じゃないのか?いやイデオンじゃね?ゴジラが炎を吐き出す前の動作が良い。吐き出した炎が収束してレーザー状になっていき大惨事を巻き起こす。あのシーンだけでハリウッドのゴジラを吹き飛ばすくらいのインパクトがある。ビジュアルはそれなりに見せてくれるという予想は覆された。見事に期待以上のものを見せてくれた。 石原さとみが浮いているだの、エヴァをゴジラに持ち込んだ感、この音楽まんまエヴァ!等言いたいことがないわけではない。会議シーンの多さに辟易する人もきっといるだろう。だが今の日本でこの作品を作った意味は大きいと感じる。日本に大災害や脅威が起こった場合のシミュレーションとしても楽しめるが、積み上げていくことを否定しない物語は現代日本にとっては希望ある物語だと言える。それと同時に現代日本への問題提起をしている作品にもなっており意外と懐の広い作品になっているのではないだろうか。今作のゴジラは何のモチーフかを考えるだけでも人の心に何かは残るでしょう。今という時代を切り取ったまさに日本にしか作れない「ゴジラ対日本」お見事でした。 【⑨】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-04 01:21:40)(良:4票) 24.《ネタバレ》 2014年版のゴジラのレビューに、「平成ガメラの後に本来東宝が作るべきだったゴジラ」と書いたのだが、まさに本作がそれである。およそ20年の遅れである。だけど、まだまだそこかしこに嘘くささが残ってはいる。例えば石原さとみ。いろんな人に指摘されていて可哀想とは思うが、頑張ってはいても国を代表している感じゼロなのは悔しい。それでも飛べるはずもない格好した新兵器とか、訳の分かんない光線兵器などは登場せず、通常兵器と驚くべき流用の爆弾と、工事現場でお馴染みのポンプ車を使った「毒殺」作戦は面白い。 また、序盤で小さな川を登ってくるおかしな怪獣は、ゴジラの背びれだけ似せた別の巨大化生物(東宝怪獣映画でよくあるやつ)なのかと思ったら、そこからの進化がゴジラだというのも斬新で良い。 さて、ゴジラといえば「核(兵器)の象徴」という性格付けが付いて回る。今回も核廃棄物を食べた、と言う事になっていておそらくそれ故の異常生物だと。しかしながら、それが核の恐怖に繋がっている感じがないのが残念。周辺の状況はそれっぽい。例えば「直ちに影響はない」と言いながら次第に事態が深刻に推移した現実を茶化すように、専門家が進言する言葉が次々に覆されたりする描写は笑う。いや笑っちゃいけないが。 まあ、そう考えると「固めてしまう」という方策は、たしかに核のトラブルっぽい。所謂内部からの「石棺」であろう。 「逆襲」で人間がゴジラをやっつけたのを評価した自分だが、今回は通常兵器(厳密には化学兵器だけど)で、自衛隊が核の脅威を封じ込めるというのは、なかなか良い展開だと思ったが、よくよく考えるとゴジラはやられてはいけない存在のような気もする。そうしないとゴジラという物語が核批判にならないのではないのか。結果ありきで物事語るのは良くないとは思うが「頑張れば知恵と勇気で核は制御できる」なんてメッセージになりかねないのではないか。それでは原典を否定してしまう。 監督の発言(何かで読んだ)によると、うろ覚えだが「日本もまんざらダメではないゾ、頑張れ日本」というメッセージらしい。それはそれでアリとは思うが、世間(少なくともアメリカ版ゴジラを批判する一部の人達)の期待の反対を主張してしまう。 自分としては、続編『シン・ゴジラの逆襲』であの石棺(血液凝固)が崩れて、再び大暴れするゴジラを期待したい。そうすると、監督のメッセージを否定してしまうかな? 【Tolbie】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-03 18:48:03)(良:3票)
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