みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 東映との提携作品とはいえ、今は亡きATGが唯一製作したヤクザ映画として観ると貴重。監督は中島貞夫ですけど、サウンドトラックに頭脳警察を起用するところなどATGっぽさが感じられます。渡瀬恒彦の他は、東映ヤクザ映画の常連は川谷拓三と小池朝雄ぐらいしか男優では顔を見せないので、一段とATG風味が濃厚となっています。渡瀬は聞き取りにくいほど早口な河内弁でまくし立てるチンピラで、これは好演です。彼が商売のネタにしていたのが“これ以上大きくならないウサギ”なんですが、こいつらがキャベツをむしゃむしゃ喰ってどんどん成長してゆくのが可笑しい。鉄砲玉になって宮崎に乗り込んでからも、拳銃と軍資金100万円を貰っているのに大して暴れもせずけっきょく自分の遊興にのめり込むだけ、対する宮崎地元の組織も渡瀬の属する組織の意図が見え見えなだけに、何をされても大人しく恭順の意を見せるだけ。低予算を逆手にとったような実録ヤクザ映画ファンが怒りそうな何も起こらない展開、とくに中盤はタイアップしたホテルに気を使ったようなシーンの連続なのが鼻じらむところです。中島貞夫は当時の東映ヤクザ路線でも深作欣二のような本流ではないのですが、彼本来の志向としてはアヴァンギャルドに親和的だったみたいな感じです。鉄砲玉・渡瀬の死に方としてはもっと壮絶かつ無様な方が良かったのにとつくづく思います、これじゃまるで『真夜中のカーボーイ』のダスティン・ホフマンと一緒じゃないですか(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-02-25 23:25:38) 4.《ネタバレ》 とある関西の暴力団が九州進出を狙うにあたって、チャカと100万円を持たせた若造一匹、宮崎に送り込む。若造はどうせ現地の暴力団とトラブル起こして殺されるから、それを口実に組織として九州に乗り込もう、という寸法。そこで白羽の矢が立ったのが、テキ屋でインチキ商売している、渡瀬恒彦。 作中では、彼が宮崎でグダグダな生活を送る様が描かれていて、普通のヤクザ映画のような派手な抗争はありません。早口の関西弁をまくし立て、時に狂犬のような表情を顕わにしつつも、散財しながら気儘な日々を送る彼。 そんな彼の日常の裏で、組織は組織の論理で動いており、何も知らない彼は気がついたら追い詰められた存在となっていて。 せっかくの拳銃も出番がないまま、結局はロクな使い方をせず、自らの破滅への引き金を引く事になってしまう。 タイトルは「鉄砲玉の美学」ですが、これは一種の皮肉なのか、鉄砲玉は鉄砲玉として死んでみせて初めて存在価値が出る。鉄砲玉が帰ってくることなど許されない。 鉄砲玉になりきれなかった、しがないチンピラのお話でした。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-07-04 10:22:39) 3.昔、二番館で観た時は、いかにもATG映画らしい青春やくざ映画と、ある意味かっこいいとも思ったが、30年ぶりにCSで観直すと、中途半端なチンピラのかっこよくもなく、かといって青春の怒りや焦りも感じられず、ただダラダラしたストーリーとテンポの悪い映像が最後まで続く感じ。 【Q兵衛】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-10-23 11:37:36) 2.《ネタバレ》 むかーしむかし、まだ中学生だった頃、早稲田にあったACTミニシアターって小さな映画館に観に行った… その頃の感想は「ダッセー!」。暴れるわけでもなければ、渋くもない主人公にガッカリ… ▼あれから三十数年… 明け方にCSでやってるのを「懐かしいなあ」と見始めたら、結局、最後まで観てしまった。いわゆるニューシネマな造りで、クライマックスもなければ、爽快感もない。でも、オッサンとなった今見ると「24歳のチンピラなんて、こんなもんだよな」と凄くリアル… ▼ヤクザ映画特有の「血沸き肉踊る活劇」って感覚はゼロ。ジャンルとしては「ダメなチンピラのロードムービー」。そう思って見れば、昭和の雑な感覚や頭の悪さを思い出すキッカケになるような佳作です。 【伊達邦彦】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-10-11 08:53:54)(良:1票) ★1.《ネタバレ》 冒頭の強烈なGのリフ(頭脳警察!!)から一気に希望のない主人公の私生活の描写になだれ込む前半は、びりびりするような緊張感に満ちていて息を呑んだのですが、中盤から妙に平和でのんきな生活になってしまい、あれれ?という感じでした。終盤、やや盛り返しましたが、あのラストは全然本筋から外れてるでしょ。このタイトルと設定からいえば、当然、敵の親分に正面から玉砕して蜂の巣にされるぐらいの覚悟がなくちゃ。 【Olias】さん 5点(2005-02-13 22:50:01)
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