みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
81.《ネタバレ》 小さい頃に観て以来の再鑑賞。 大魔神といえば埴輪のような優しい顔から一度変わる憤怒の表情ですが、実際は圧政に苦しむ人々の願いを聞き入れて悪者を成敗する神様。 とはいえ1作目ではまだ「魔神」となっているので、領域を侵されたことに憤慨して在らん限りの破壊をし尽くす魔神、というかほぼ破壊神でした。 この終盤20分のスペクタクルは今見ても十分迫力ありますし、文字通り蹂躙されて悪役が可哀想なレベル。とはいえ、前半〜中盤で悪事の限りを尽くしているので自業自得なのですが。 実際に約4メートル半という大きさも妙な説得力がありますし、最後に至るまでのドラマも時代劇として面白い、しかも最後もあくまで魔神なので前も悪も関係なく蹂躙し、純真な想いによって封じられる、という展開も非常に良く、とても面白い作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-01-05 14:42:18)(良:1票) 80.《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。素晴らしい!美しい傑作。 大映時代劇の様式的なドラマの文体こそが、特撮部分のリアリティを裏支えしています。「ゴジラ」や「ウルトラマン」のようなサイエンスフィクションの場合、特撮のスペクタクル部分に比べて、ドラマ部分が説明的すぎて弱いのが常だし、その結果としてリアリティを損ねがちだけど、そういう意味では本作の神話的なリアリティのほうが優っている。怪物の15尺(4.5メートル)という大きさにも臨場感と緊迫感があり、巨大すぎてかえってドラマ世界から乖離してリアリティを損ねたりはしていない。鉄鎖を用いて怪物の捕縛を仕掛けたり、枯れ木を乗せた荷車を燃やして火攻めにする戦法なども、よく考証されていると思う。 結末はやや呆気なく、欲をいえば城下の平穏な暮らしが再建されるまでを描いてほしかったけれど、84分であっさり語り終える簡潔な筆致こそが叙事詩的なリアリティにふさわしいのかもしれません。市川雷蔵の「眠狂四郎」や勝新太郎の「座頭市」のような時代劇美学と比べられることもあるでしょうが、わたしはむしろ溝口健二の「雨月物語」や「近松物語」に匹敵するような叙事詩的な説得力を感じました。 【まいか】さん [インターネット(邦画)] 9点(2022-08-12 00:11:34)(良:1票) 79.《ネタバレ》 昔、友人と「誰もが知っていながら、実際にその作品を観たことが無いキャラクターの筆頭じゃね?」なんて話していた大魔神。 腕を顔の前に通すとハニワ顔から憤怒の顔に変わることも有名だろう。 映画は序盤からサクサクと無駄なく進み、ベタとも言えるほどの分かり易い話が少々強引に展開されていく。 うん、映画としてはとっても見易い。 ……が、しかし。『大魔神』が、キャラとしてこれほど有名でありながら、ゴジラのような名作になれなかった理由が程なく判る。 それは…………、出て来ないんだよ、大魔神が!www 主人公である兄妹や家来の小源太たちが、謀反を起こした裏切り者に追われてさんざん苦汁を舐める臥薪嘗胆ぶりが1時間以上続き、彼らが反撃にしくじり、悪者一味が山神様の破壊を試みる時点で約70分。大魔神の登場はラスト15分のみ。 しかも魔神は一回怒ったら見境付かなくなっちゃって、悪者一味はおろか村人たちまで手に掛けようとする、寺内貫太郎も真っ青の大暴れ。 さらに言えば、その大暴れも、基本的には怪獣映画じゃ無いから対抗勢力も無く、ただただ手が付けられない怒り狂った魔神が大暴れして無双するだけの展開。 最後はようやく高田美和の涙で鎮まるが、鎮まったら鎮まったでガサガサと土になって崩れて唐突にお終い。 最後にもう少し兄妹の〆の言葉でもあれば、作品として綺麗にまとめることもできたろうに……。 【TERRA】さん [DVD(邦画)] 5点(2022-07-21 18:59:27) 78.《ネタバレ》 映画自体は観たこと無いけど二次創作でよく知っていた大魔神。 誰もが知ってる変身シーンは、もしかしたら日本のヒーローの変身ポーズの元祖だろうか? ま、観るまでもなく、想像したそのまんまな内容だろうなって思ってたけど、それがまたどうして、予想以上に迫力があった。 額に杭が打ち込まれ、流れ出る真っ赤な血のおどろおどろしさは、観ていてゾッとした。 穏やかな顔の武神像が腕の動きに連動して怒りの表情になる、有名な変身シークエンス。あの目。眼力。アオリ気味に下から見上げる構図の素晴らしいこと。 最初に城下に現れたシーンで、物見櫓の横に立ち止まる大魔神。ここで約4秒、微動だにしない姿は息を呑む迫力。 逃げ遅れた兵を攻撃するシーンでは。屋根に隠れて胸から上が見えない。大魔神が腕を振り下ろすと、屋根が壊れて顔が出てくる完璧なカメラワーク。 城下町をメチャクチャにする大魔神、決して善人の味方ではなく、荒ぶる神として暴れるのも素晴らしい。己の額に杭を打ち込ませた領主への天誅。左馬之助を殺した後の、怒りの収まっていない目の迫力。抵抗するものはもちろん、無関係な村人も被害に合う無尽蔵さ。これぞ神の怒り。 巨石や巨木、滝なんかを神として崇拝した日本人。日本古来の自然信仰。暴れる武神像は、まさに自然災害と言える。 最後に土になって崩れ落ちるところも、大魔神が異世界の魔物や宇宙の神秘でなく、あくまで自然から産まれたものって感じで、味わい深い最後だったと思う。自然の力に対し、無力な人間は、ただ怒りが鎮まるよう祈るしかない。 ウルトラマンやゴジラは身長50mとかだけど、この大魔神は4.5mと小さい。その大きさだからこそ、魔神の表情、怒りに満ちた目が、肉眼でハッキリ見て取れる。踏み潰される人間の痛さ、睨まれる怖さが伝わる。 刀も鉄砲も効かない、大魔神の圧倒的な力。これも相手が戦車やミサイルだとどうなんだ?とかって思ってしまうから、戦国時代って設定も絶妙。 【K&K】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-03-08 22:58:39)(良:1票) 77.《ネタバレ》 大魔神、むかしの昼映画でよくやってた。 改めて観賞するわけですが1966年制作とは思えない出来栄えの良さ。 戦国時代のよくある国盗りのストーリーも分かり易く日本が誇る特撮の良さと融合している。 そして大魔神の美術。顔は真っ青、目がギョロギョロ。当時の子供にはどう映ったのでしょうか。 悪いことしたら大魔神様に祟られるとでも言われたのかな。 リメイクが無いのが不思議だな。 【mighty guard】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-03-31 22:45:55) 76.《ネタバレ》 今から50年も前にこんなクオリティの高い邦画があったなんて驚いた。 懲悪勧善、因果応報を地でいくストーリーと重厚感あふれる大魔神の迫力といったらもう。 子供のときに観たらさぞかし友達とマネごっこをしたことだろう笑 時間が短めで、セリフも昔の映画にしては聞き取りやすく、いい仕事をしている。 悪代官が切れ者なのも面白く、あとで鏨を刺されて絶命するところにセンスを感じる。 そのシーンのあとに大魔神が見得を切るんですが、これがまたすごくいい。 全体的にカメラワークが素晴らしく、大人の鑑賞にも耐える名作。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-08-12 17:57:14)(良:1票) 75.分かりやすい物語で、思ったよりも迫力あり。 最後があっさりしているのは意外。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2018-08-09 14:39:40) 74.《ネタバレ》 外のセットも、大魔神の山のスタジオセットも、すごく大掛かりで良く出来てましたね。 CGのない時代、巨大な大魔神と逃げ惑う人々を合成で一つの画に納める。 悪者を捕まえて釘で打ち付けるシーンもなんかもじつに苦労が伺えます。 ラスト30分になってようやく大魔神様が暴れてくるのでそれまでが長かったですが、 当時の技術を結集して作ったのであろう映像は今でも見ごたえしっかり感じれます。 ラスト、暴走しかかったところに人間の涙で怒りを鎮める大魔神。 神なのになんだか人間臭くてグッときます。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-08-07 18:39:40)(良:1票) 73. 民話が底流にあり、日本的な、実に日本的な特撮時代劇で見事な出来。東宝の円谷特撮に対する大映京都人の意気込みを感じる。 大魔神の重量感の表現や、左馬之助を成敗し見得を切るシーンにおける目力の迫力は特筆モノ。スーツアクター・橋本力の眼力をそのまま活かしたことが成功の大きな要因といえる。 穏やかな埴輪顔から荒ぶる武神へと変貌するコントラストの妙。音楽は、わかっちゃいるけど「ゴジラ」だねえ。 【風小僧】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-03-25 13:59:19)(良:1票) 72.《ネタバレ》 大魔神が動くのは最後の20分。それまでは悪党の無法ぶり・若様たちの無力ぶりを描いて期待をあおります。一旦大魔神が怒ると、後は胸のすく勧善懲悪劇なんですが、農民が苦しんでいても動かなかったり、左馬之助に個人的な制裁を行った風でもあり、神様の身勝手ぶりもうかがえて、それもまた良いなと思います。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-25 14:42:02) 71.特撮の時代劇にはそそられるけど、全くのお子様向け作品にも見えないし、深みの無い中身がいかにも中途半端。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-08-16 20:50:40) 70.《ネタバレ》 ガメラに比べて大魔神はあまり見ておらず、これも以前いつ見たか思い出せないくらい。しかしドラマ部分はしっかりしていて、見ごたえがありました。ただ、小源太と忠文があっさり捕まりすぎて間抜けに思えてしまいます。まあ捕まらないと話にならないので、仕方がないわけなのですが。安田監督の演出は、信夫が斬られるところでスローモーションを使うところが印象的。また、竹坊が隠れ家にやってきたときにすうっと現れる小笹が幻想的で、おおっと思わされます。特撮部分は、やはりていねいに作ったミニチュアが見ものでしょう。小さな家屋を本当に建てたそうで、倒れるときの現実感などさすがと思わせます。 今回気になったのは、作中では魔神に対する信仰がほとんど唯一のように描かれていたこと。もちろん神道の神とも違うし、仏教的なものをうかがわせるところもありません(そこまで描写する必要もないわけですが)。元ネタがゴーレムということもあってか、現実の日本の戦国時代とは少し異なる、独特の世界観であるように思われます。十字架にはりつけにするというのもキリスト教を連想させますし、そのあたりにヨーロッパ作品からの影響もうかがえます。そうしたことが、リアルな時代劇の描写と思いのほか溶け合っていて、不思議な雰囲気をかもし出していました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-08-16 16:08:58)(良:1票) ★69.《ネタバレ》 わずか90分弱とはとても思えない、コッテコテの濃さ。謀反が起こる導入部分は定石通りとしても、そこから、何かやってくれそうな家臣は速攻で捕まる、若様も続いてあっさり捕まる、頼みのおば様も返り討ちと、こけそうなくらいの一貫した無力ぶりなのです。一方で、敵側の悪逆ぶりの描写は実に粘着質(美術関係が隅々まできっちりしているのが効いている)。そこまで溜めに溜めた後でいよいよ大魔神様の怒り爆発になるんですが、遠方からじわじわ迫ってくる距離感だったり物質感の撮り方、さらには背景の色合いまでが、見事に完成しているのです。また、悪玉をやっつけて終わり、という単純な正義の味方ではないのが、作品に奥行きを与えています。高田美和の化粧が濃すぎで、山奥での生活感が出ていないのが唯一の難点。 【Olias】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-08-16 03:28:57)(良:1票) 68.子どもの頃に観て結構怖かった記憶があったけど、こんなストーリーだったんだな。とても単純で良い。大魔神のサイズ感が途中ちょっとおかしくなってて笑える。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-08-09 23:55:12) 67.《ネタバレ》 大魔神の中途半端な大きさが、怖い。超怖い。その中途半端な大きさの大魔神に対して、用意された美術セットの精緻さがマッチしていて、リアル。余計怖い。 特撮も凄い出来。忠文を磔ごと引っこ抜いた大魔神の手の特撮が、カメラワークの妙もあってどうやったのか分からない。「ひょっとして、中の人が超デカイんとちゃうか…?」と思ったが、橋本力、身長176cmとの事。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-05-06 01:45:08)(良:1票) 66.《ネタバレ》 序盤はベタベタな時代劇。 そこでためて、ためて、ためて大魔神の怒り大爆発。 素晴らしい。最後のせつない余韻がたまらない。 もうちょっとためて、ためてのところに工夫があったらなぁとか思ったり。 【CBパークビュー】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-09-21 16:44:00) 65.《ネタバレ》 私はこのシリーズをテレビで見た世代です。小学生の頃、何故か2作目・3作目しかお目にかかれず、ようやくこの1作目を見られたのは、高校生の頃、しかもちょうど大魔神が動き出すシーンからでした。そのときに率直に思ったのは「ゴジラと同じで、大魔神も最初は正義の味方ではなかったんだ!」ということ。できれば大魔神が動き出すまでのドラマ部分を見たかったのですが、なかなか機会に恵まれず、約30年後にようやく見られました!。想像していた通り、非常に真面目な手堅い時代劇(今の若い人から見ると退屈かもしれませんが…)だと感心しました。ドラマ部分で個人的に敢えて物足りないな…と思ったのは、タケ坊の父親がどうなったのかということ。忠文をおびき寄せるために小源太の代わりに吊るされていたものの、どうやら亡くなってはいなかったようだ…というところまではわかりましたが、その後については描かれませんでした。もちろん、主人公は大魔神だから大勢には影響はないのでしょうが…。大魔神の描写については、皆さんのレビューで語り尽されているので私がここで繰り返す必要はないかなと思います。いずれにせよ、当時の大映が社運をかけて製作しただけあって、作り手の情熱が細部に至るまで行き届いた見ごたえのある名作だと思います。願わくば、伊福部昭さんのBGMをはじめとして音響がステレオになると迫力はもっと増すのでしょうが…そのあたりは想像して楽しんでおります。 【せんべい】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-12-08 23:32:28) 64.《ネタバレ》 とにかくカメラワークが抜群 驚いた 冒頭,家老の謀反から若君が逃げ出すまでの殺陣を含めて手抜きなしの時代劇 以後黒澤並のカメラの巧さがある 大魔神が出て来るまでに一時間以上あるがまったく退屈しないで見られた 大魔神登場後も特撮部分も同じ大映のガメラよりもいいと思った 大魔神も悪大名をぶっ殺した後、何の罪も無い村人もついでにぶっ殺すみたいな荒ぶる神そのもの 「人間の都合なんて別にどうでもいいや」的な展開もなかなかいい 全体的にもホラーぽい作りで結構楽しい 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-24 12:23:17) 63.《ネタバレ》 現在、アマゾンで「大魔神三部作」ブルーレイ・海外版(リージョンA)が、1600円で発売されています。 値段は2400円に上がったりと変動が激しいので、購入するタイミングを間違えないように。 ブルーレイは、画質が素晴らしく、時代劇の設定もあってか、特撮が素晴らしくリアルです。 大魔神シリーズは、どれも同じような話ですが、本作が一番でしょう。 戦国時代に祀られた魔人の声に怯え、村人たちが祭りを開くのですが、魔人を信じる武将と信じない裏切り者の武将、勧善懲悪がはっきりしていて、わかりやすいです。 高田美和さん演じるヒロインの涙で動き出す大魔神、額に刺された杭を悪者に指すシーンは刺激的です。 荒れ狂う大魔神に、これまたヒロインの涙で、穏やかな表情になり、砂と化し消えていくエンディングもグッドでした。 【クロエ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-11-17 15:39:06) 62.《ネタバレ》 謀反により領地領民を手にして悪辣非道を行う悪侍と、それに囚われた旧領主の残党たちの争いの物語。それと、昔からの言い伝え・神への信心を軽んじる者の話をうまく組み合わせて、勧善懲悪を描いた時代劇特撮。 映像的にはやはり、日本家屋の瓦が崩れて落ちる屋根が見事。ゴジラシリーズのビルのような「中身の無さ感」を感じない、今作の木造建築物の破壊シーンはリアル。 それと大魔神の怒り顔、その切り替わりの発想。我々のような子供(当時)にも、ちゃんと魔神の心がわかる仕掛けが良し。 で、興味深いのは物語中、人間たちは魔神を封じ込め石像を置いた、と思っているが、封じ込めた像と魔神は一体であったことだ。大魔神は単なる正義のヒーローではなく、悪を滅ぼすこともあれば人間に害することもある、畏れるべきものとして描かれる。人間に都合のいいばかりの神様ではない「大いなるチカラ」、ニライカナイなどと言う言葉を思い出す。 だからこそ、少女が「この身を捧げます」とまで言わないと、止まらない。正直、もうちょっと大暴れして、「ありがたいけどこのままでは大変」という展開になっても良かった。神様の御利益は、簡単には得られないのである。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-03-23 19:30:29)(良:2票)
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