みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 スリラーなら「アイデンティティー」、アクションなら「ナイト&デイ」「3時10分、決断の時」と面白い映画を撮って来たジェームズ・マンゴールドだが、本作もその凄まじい戦い振りにまいっちまった。 なんせ目覚めたらいきなり車泥棒に遭うわ、ショットガンぶっ放されるわ、過剰防衛でトンズラしなきゃならんわ、ボケボケのジイさんから眼を離したらみんな死にかけるわ、刃物みたい(物理)な幼女の人生がハードモードすぎてローガンおじさんの体はボロボロ。 あの咆哮が悲鳴のようにさえ聞こえてくらあ。見てて何度「助けてスタン・リー(「X-MEN」原作者)!!!!!」と叫びそうになったことか。 強制的に出来た“繋がり”が引き起こす出会いと悲劇、託された「メッセージ」が揺り動かす戦士の魂、帰る家を奪われ「流れ者」になってしまった者たちの旅路。 マンゴールドが幼少より親しんだというジョージ・スティーヴンス「シェーン」、そして最も参考にしたと語っていたクリント・イーストウッドの傑作「許されざる者」から受け継ぐ系譜。 この映画における現実は「シェーン」のように甘ったるくなかった。かつてウィリアム・S・ハートの流れ者が殺し合いから逃げられなかったように、イースットウッドの西部劇が凄惨な殺し合いを避けられなかったように。 “普通”とは異なる者との溝・恐怖・すれ違い・修復しようのない負の連鎖。道から外れた者同士の死闘死闘死闘。 それでも少女はアメコミや映画の中の“楽園”にすがるしかなかった。殺し合いのない、自分を愛してくれる、凶器ではなく優しい言葉で語り掛けてくれる人に出会いたかったのだろう。 見たかよあのシェーンを見つめる眼差しを。恐怖を乗り越えられるかもしれないヒーローの存在。 あのオジさんもまた、少女と同じような平穏が欲しかったのかも知れない。船を買い自由を得るためだけの仕事じゃなかったはずだ。運転席から見続けた“普通”の人々の日常。誰にも命を狙われることのない、分かり合う事ができるかも知れない世界。 だが「ペイルライダー」よろしく怒涛の勢いで敵は襲い続けてくる。無敵のヒーローなんて助けに来ちゃあくれねえ。自分の力で斬り開くしかない。 怪しいオジさんには取り合えず投擲、食事の邪魔をするならブッた斬れ!ブッ刺せ!列車が来たら線路の向こうまで、とにかく全力で走り続けろ!! ローガン「漫画は現実じゃないんだっ!!」 日本でトンデモないことやってたのは何処の誰でしたかね...(詳しくは「ウルヴァリン: SAMURAI」を御覧下さい)」)。 ハイウェイに飛び込んで来た「選択肢」、言葉が分からなくても通じた想い、欲しかった団欒、油断、すべてを奪い去る凶刃、動かないはずの肉体を突き動かした“怒り”、告白、目覚めた先で待っていた思わぬ出会い。 口元に優しく伸びる小さな“刃”、不気味に旋回し迫る黒い影、残され再び与えられる「選択肢」。 男は、再び立ち上がり、走ることを、戦うことを選んだ。人生を終わらせるか運命を切り開くか。それを左右する必殺の“一撃”。 「流れ者」になってしまった人々に終わりは何時来るのだろう。いくら叫んでも、先に行ってしまった者は戻って来ない。十字架を「X(エックス)」として手向けることしか出来ないのだから。 【すかあふえいす】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-06-06 04:24:57)(良:2票) 11.《ネタバレ》 アメコミ界屈指の骨太な傑作が爆誕。あのウルヴァリンが、プロフェッサーXが驚く程衰え、観ているこっちが痛々しい。 思えば前作SAMURAIで「君は死を望んでいる」という余計すぎるお世話により能力を奪われ殺されかけたローガンだが、実は的をえており本作の彼は自らの死に場所を見失った悲しき老人となっていた。武士道を重んじるキャラクター故に、誇り高き死に際を迎え損ねたこの男は無様でも生き続けなければならない業(ごう)に苦しみ、無気力になってしまったのだろう。ローガンとチャールズが背負った重荷も敢えて直接語らず、ふたりの表情、目だけで十二分に表現しきれており、まんまと感情移入してしまった。ここは近年のアメコミ映画の中でもグンバツの名シーンであり、爆涙ポイントである。そんな中現れたローラという希望。彼女のために全身全霊で最期の生を振り絞る男達のドラマに心が震えない人がいればきっと異常だ。精神鑑定をオススメする。 アメコミ映画として燃える展開もガッチリ抑えており、ラストのドーピング薬物ガンギメからのバーサーカーモードはR指定のバイオレンス描写も手伝い大興奮で、「いいぞ!やれぇ!ブッコロせぇ!」と心の中で野蛮な雄叫びをあげてしまった。 それもこれも全て本作で最後のウルヴァリンとなるヒュー・ジャックマンの並々ならぬ意気込みのおかげ。思えば身長の高さで心配させた一作目からこの最終作までただの1度も手を抜かず、全力で120%期待に応え続けてくれた。シリーズの中には決して誉められたものではない残念な作品もあったが、ヒューに対する悪評は聞いたことがないし、降板せずに演じ続けてくれるだけに留まらず毎回記録更新するバルキーな肉体に仕上げてくるプロ根性には脱帽、最敬礼、いや土下寝でも足りず地面に頭を突っ込んで三点倒立したい。彼にとってもそれだけ重要な役であり、今回もまた完璧なボディビルドに加えて素晴らしい演技でも魅せてくれた。更には作品の完成度を上げるためにギャラを下げてまでR指定を勝ち取ったなんてエピソードを聞いてしまっては好感度ブチアゲ、永久高止まりで見ず知らずの人にも「この方マジ最高なんすよ」と教えて回りたい。ありがとう、ヒュー・ジャックマン!そしてお疲れさま、R.I.Pウルヴァリン! 【けんじマン】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-06-05 20:21:01) 10.《ネタバレ》 X-MENシリーズも他のマーベルもいつしか映画館には足を運ばなくなった アメコミの映画化はやはり子供向けで、ひねくれたオジサンを楽しませてくれなくなったからだ。 そこに文句を言うのは筋違い、私が離れるべきなのかと自覚していました。 しかし今回はR指定、そっちが来てくれるなら私も観に行くのが礼儀であると、久々のX-MENを映画館で。 シリアスな展開に予想以上の残虐シーン、こりゃ確かにR指定ですな しかし、やっぱり期待が上がってしまったせいなのかクソつまらないところにケチがついて感情が入らない 新ローガンが作れるようになったら育ててきた子供を処分?無理ある設定でしょ ローラ以外は無事エデンに到着?(結局エデンの座標にあった山小屋は何?) ウルヴァリンの能力は鉄の爪じゃなくて再生能力、アダマンチウムを子供に入れたら成長できませんよ 老いてく一匹狼のローガンが父となり必死で守るものを意識して、、死んでく どぉ?泣かせるでしょ、完結編にはピッタリの内容だ てなこと中心で話を進めたら以外に穴だらけだった、、そんな感じです。 それでもローラが予想以上に可愛いいので大きくプラス。 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-06-05 13:58:28) 9.《ネタバレ》 西部劇的意匠の数々に加えて、横長画面をフルに使って収められる横臥する人・体中の傷跡・しゃがれ気味の声音。というわけで、普通にイーストウッドをダブらせてしまうわけである。建屋に侵入してくる男たちを映す監視カメラを横目で見やりながらテーブルで黙々と食を進める少女の姿も、 もろにイーストウッドの風格だ。 ロード・ムービー的には前半もう少し景観を捉えるロングショットが欲しいところだが、後半の山岳地帯でよく挽回したと思う。 地面が撮れていないのは相変わらずなのだが。 馬の暴走や、髭カットなどの細部はいい。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-06-04 22:55:04) 8.《ネタバレ》 さようならウルヴァリン。ありがとうウルヴァリン。そして、X-MENよ永遠に・・・。 ラスト、十字架をXにしたシーンに胸が熱くなった! 余談:ローガンが老眼に!?言おうと思ったらすでにやられててワロタ(^ω^) 【Dream kerokero】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-06-03 20:56:29)(笑:1票) 7.《ネタバレ》 ローガンが老眼に!(◎_◎;) なんてダジャレはおいといて...まさか、アメコミ原作でこんなに重いドラマを見せられるとは思いませんでした。これまでのX-MEN関係はすべて観ていますが、本作については予備知識無しで鑑賞したので、ビックリです。 設定がいろいろ意味不明で、ローガンの治癒能力はどうなってしまったのかわかりませんが、何しろ最初から最後まで痛々しい。そしてプロフェッサー。先日はMr.ホームズでマッケランの老いの名演技を観てすごいと思いましたが、今度はスチュアートの心が痛むほどの名演技。そしてローラ役の子が、また良い演技をしています。途中まで全くしゃべらないけれども、心情がちゃんと伝わってきます。素晴らしすぎる。 最後のシーンで十字架をXにしていきますが、彼女を中心に次世代シリーズを期待...しても無理かなあ。 【EOS】さん [映画館(吹替)] 7点(2017-06-03 00:01:23) 6.《ネタバレ》 ヒュー・ジャックマンさん、パトリック・スチュワートさんの名演技に感動。 二人の掛け合い互いの思いやりすれ違いに、こちらも1作目を思い出したり、そういうこともあったなと感慨深いものがありました。 パトリックさんの目が優しい。 校長を引退しても教え子や未来ある子供に愛を注ぐ。 それをほとんど顔の表情とセリフだけで表現できる。 さすがです。 そしてヒューさんの「ローガン」に対しての思い入れ。 演技、アクション、疲労、老化、どれもこちらにひしひしと伝わってきます。 ヒューさんって、世界一の努力家だなと感心しきり。 ローラ役に悪ぶって見せても、良い人が表に出ちゃうところがヒューさんの持ち味ですね。 そういうところが好きです。 あーそして・・・ラストシーン。 ローガン本当に良かった。 これでもう苦しまなくてよいから。 死ねない苦しさから解き放たれて、見ているこちらもほっとしました。 心の中でローガン大好きだよと叫びました。 素晴らしい人間ドラマに感涙です。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-06-02 22:02:57) ★5.《ネタバレ》 父と子供、暴力、ロードムービー、つまりアメリカ映画だ。 ジェームズ・マンゴールドの巧さは、ひとの生き様やその深度を描くことだと感じる。 また彼の作品群には視線劇という印象が強く、今作も殆ど喋らないローラの視線が強烈に描かれる。 しかしある時を境に彼女は突如喋り出すのだが、これは仕方がないことだ。 恐らくながら、マンゴールドは複雑な構造ではないシナリオにしている。 つまり敢えて典型的なシナリオを書いていて、誰かが死んでこうなるという予感などは裏切らないわけで、 だからローラが喋るという行為自体も都合だ。何故ならローラはずっと喋らなくたって良いわけだ。 しかしチャールズの死後、そうでなきゃ物語を転がせられないからで、 だがそれは物語上の些細な都合だし、それは転がすだけの装置でしかない。 だから別にそんなことは大した問題でもなくて、ローガンを動かす何かをちゃんと描いてるから巧いのだ。 矢鱈と語らせるわけでもなく、必要最低限の台詞に留め、風景と役者の芝居と視線で描ききる。 そして愛は暴力を生み出すのだけども、また暴力に勝るものは愛でしかないというアメリカ映画の根底的主題。 それやこれやを積み重ねていき辿り着く最後は、観ていて途轍もなく身体が熱くなるアクションとドラマを畳み掛ける。 それは無論カタルシス的な何かであって、ここまでの蓄積がある故に、それが典型的なフォーマットだろうが、 そこへ落し込む力、それを納得させるという巧さがあるから、泣ける。兎に角、泣ける。 過去の自分の化身と満身創痍で戦うのだが、その化身の息の根を止めるのが、今の自分ではなく、 娘であるローラだというところが泣ける。それの意義たるや泣ける。 そして十字架を傾け、Xの文字になったとき、誰もが詠嘆するだろう。 それはきっと、あれだけであるひとりの男の人生がそこに一気に立ちあがってしまうという、 マンゴールドのひとの生き様やその深度を描くことの巧さなのだろう。 素晴らしい。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-06-02 01:55:22)(良:1票) 4.《ネタバレ》 どうしてそうなったのかは分からないけど、ローガンがすごくじじいになってる。リアルだけど老けメイクだよね? どうしてそうなったのかは分からないけど、プロフェッサーが隔離されて介護されてる。しかも脳の病気ですと? どうしてそうなったのかは分からないけど、仲間が誰もいない。皆どうなったの。カリバンって誰だっけ。 まあショックの連続ですわ~。最初から最後までものすごく痛いし。 ジャックマンの最後のウルヴァリン映画だからものすごくよく考えてそういう設定になったんだと思うけど、何しろ痛い、寂しい、重い。プロフェッサーが作り上げてきたものがすべてご破算になってるのも悲しい。あえてそのような状況を描いたことは評価しますが、鑑賞後ものすごく疲れました。心身ともにお元気な時の鑑賞をおすすめします。 とはいえ、ローガンの人生が終わりに向かう日々の物語としては充分だし適当だと感じます。自分が望む幸せを手に入れること適わず、だから願わずにあきらめ続け、しかし生き続けなくてはならず(←これ重要です)、そして戦わないとならなかった長い年月、良く耐えていらした。本当にお疲れさまでした。どうぞ安らかにお眠りください。二度と金儲けに利用されることがないようにお祈りします。 心に残るセリフもたくさんありました~! ふとターミネーター2を思い出す。 助手席にいるローラを見て「都会のアリス」のスチール写真も思い出す。似てるでしょ?! 【えんびす】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-06-01 22:47:37) 3.《ネタバレ》 スピンオフ3作中、最も良かった。 今までのどんちゃん騒ぎから一転、こんな「ドラマ」があるX-MENは初めて見た。 プロフェッサーのベッド上での一言、これは感動なしでは受け取れない。本作の魅力は、彼とローガンをミュータントという括りではなく、老いる一人の人間として描いてるところだ。 【カジノ愛】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-06-01 21:36:01) 2.「X-MEN」シリーズのファンとしての意見なので、点数は甘目かもしれませんが、まさかこんなドラマを見せられるとは思いませんでした。ミュータントとしてではなく、人間として1人の男を捉えた映画になっていました。だからタイトルが「ローガン」なんですね。身寄りのない老いた男の物語として、とても良く出来ていると思います。ヒュー・ジャックマンはすごいです。彼なしには、ここまでシリーズは続かなかったでしょうし、しかも天職のように思えます。本作での演技はすごいです、上手いではなく。全身全霊を傾けて取り組んだことが、スクリーンから伝わってきます。これが最後だと思うと、寂しい限りです。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-06-01 17:51:07)(良:1票) 1.《ネタバレ》 号泣。ヒュー・ジャックマンとP・スチュワートが登場する最期のX-MENは、号泣必至の傑作ロードムービーだ。 「オールドマン ローガン」に着想を得たと思われる本作は、およそスーパーヒーロー映画とは思えないほどの陰鬱さと暴力描写に彩られている。 監督は前作もヒューと組んだが、傑作を予感させた「サムライ」は、制作側からの映画娯楽的要求を呑み込み続け、ヘンテコニッポン推しのアクション映画に仕上がってしまった。(2人は「ケイト&レオポルド」でも組んだことがあり、信頼は厚い) それにもめげず今回はヒュー自らサラリーのカットを承諾してR指定を勝ち取った。無論、シリーズ最低予算&R指定の「デッドプール」が最大のヒットを飛ばしたことも影響しただろう。 一応シリーズ内での時間軸ではアポカリプスの後という設定だが、これはあまり気にすることはないだろう。そのままの設定の「ローガン」を楽しむことをお勧めする。(カリバンが本作とアポカリプスに登場するのは、実はFOX社内の報連相の失敗の産物である) 何はともあれ満を持して、ローガンの物語が誕生した。 トレイラーやエンドクレジットで流れるJ・キャッシュ(ちなみに監督は過去に彼の伝記モノを手掛けている)がビシッと決まる映像美と世界観。ウルヴァリン映画とは、本来このように描写されるべきだったのかもしれない。普段は特殊効果に隠れがちだが、俳優たちの素晴らしい演技合戦も見どころになっている。 本国でR指定を受けただけあって、暴力描写は多いが本作のそれは必要不可欠な部分に絞られている。 傷付き、そして傷付けること。本作のカギを直接的に描写するのだ。 冒頭の喧嘩シーンは、まさに本作の立ち位置を明確にさせる宣言だ。「X-MEN」であれば爽快にモブキャラを蹴散らすだろうが今回は違う。アダマンチウムの一振りで血しぶきが舞い、四肢が飛ぶ。消えない傷が残るのだ。 しかしながら消耗しきったローガン達を見るのは辛い。皮肉めいた名のボートにすがる彼らに、ローラが信じるX-MENの面影はない。テンションぶちアゲのテーマ曲なんてもちろんナシ。世界をぶち壊せる程のヴィランもいない。 そのかわり、人生の成功者や青春を謳歌する若者がいる。そして、苦い表情で彼らのためにハンドルを切る者もいるのだ。 どうしてこうなった?他のミュータントは?国境の向こうにはアルファフライト(カナダのヒーローチーム)でも待機しているのか?ウェストチェスター・インシデントとは?(補足するとニューヨークの地名であり、エグゼビアスクールの所在地である) こういった部分を明言しなかったからこそ、中盤のチャールズの告白に深みが増す。 誰かを傷付ければ、結局は自分をも傷つけてしまう。散々人を傷付けておいて、今更自分だけが穏やかな幸せを享受してもいいのだろうか。不意に人の善意に触れ、その温かみを思い出してしまうから感じる不安、業の深さ、贖罪の念。 それはローガンもローラもカリバンも。この世界では誰もが傷ついて、人に言えない痛みを負っているのだ。 「この瞬間を受け取れ」 パトリック・スチュワートの名演も相まって、チャールズ最期の「導き」が胸に残る。もう戻れないとしても、それでも人生は続く。大事なのは残された時間に何が出来るかだ。 こういう素晴らしい演技があるから、最後の見せ場のアクションも燃える。 命を顧みずに疾走するウルヴァリン、ローラとの共闘などアメコミ映画の熱い部分もしっかり押さえている。(「ZERO」で兄ヴィクターとは背中合わせ、今回娘には自分の背中を超えさせるという演出も興味深い) 立ちはだかるX-24とは、過去のローガンの罪と苦しみの象徴か。だが強大な敵も癒えない傷も、ローラと一緒なら乗り越えられる。どれだけ傷ついても、まだ誰かの為に闘う時間はある。 X-MENの矜持を見せつけたローガンの生き様に、そして安らぎを得た彼への手向けの「X」に。いい年した私、号泣でございます。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2017-03-30 16:30:59)(良:3票)
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