みんなのシネマレビュー

南部の人

THE SOUTHENER
1945年【米】 上映時間:92分
ドラマアドベンチャーモノクロ映画
[ナンブノヒト]
新規登録(2003-11-13)【--------】さん
タイトル情報更新(2009-04-13)【S&S】さん


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監督ジャン・ルノワール
キャストザカリー・スコット(男優)
J・キャロル・ネイシュ(男優)
ベティ・フィールド(女優)
エステル・テイラー(女優)
原作ジョン・セションズ・ペリー
脚本ヒューゴ・バトラー
音楽ウェルナー・ジャンセン
撮影ルシアン・アンドリオ
製作デヴィッド・L・ロウ〔製作・1897年生〕
ロベール・アキム
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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8.《ネタバレ》 ザカリー・スコットとベティ・フィールドの夫婦が玄関先のポーチに二人並んで腰を下ろして語り合うシーンが幾度もある。
空の星を、あるいは家の前の川をみつめながら。
暖炉の炎をみつめながら顔を寄せ合う家族のショットなどと共に、アメリカ映画的な情緒が溢れている。

雨が降り出す中、意固地な祖母はポーチの揺り椅子に座ったまま、屋内には入ろうとしない。
画面手前の屋内でテーブルを囲む夫婦と姉弟、そして画面奥で雨に濡れている祖母というルノワール的な縦構図のショットは、
そのうちに祖母が家族の輪に加わるだろうことを示す。

寄り添ったり、殴り合ったり、身体の触れ合いが充実した作品だが、それは人同士だけに限らない。

雨に濡れる、川に浸かって魚を獲る、土地を耕す、綿花を摘む、大地に突っ伏して嗚咽するなど、自然とのスキンシップも同等である。
河に流された牛を助けようと苦闘するクライマックスは、過酷さと共に『素晴らしき放浪者』的な大らかさも同居している。 ユーカラさん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2016-12-23 23:55:37)

7.《ネタバレ》 キング・ヴィダーの「麦秋」を思い出す開墾映画の傑作。

ルノワール特有の幻想的な自然の風景には、フランスの香りが漂う。時たま我々を楽しませてくれるコメディ演出。
そこにアメリカ特有の音楽、自然に潜む幻想的な美しさ・悪夢のような厳しさ。

酷暑で倒れる老人、幼児を蝕む病、嵐で氾濫する河、泥のように人の歩みを拒む土、積み重なった災難は人の心もきしませる。
疑心暗鬼、殴り合い、殺し合いとエスカレートする狂気。狂気を抑えるのは利害一致の“宝”の存在。
飢えが人の心も大地も渇かす。

逆にある程度の飢えは人間を強くする。雨で河が溢れ、何もかも押し流してしまう恐怖。「スワンプ・ウォーター」ではより凶暴に河を描いていた。本当にルノワールは“水”の使い方が凄い。

畑が河に押し流されようと、一匹でも牛がいればまた立て直せる。たとえいなくても、人の手がある限り、何度でも耕してやる。そんな人間たちの力強いドラマが面白い。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 00:50:53)


6.《ネタバレ》 唐突な話だが、ルノワールの『南部の人』は、死ぬ間際に観たい映画だと思った。
果たして死ぬまでに何本の映画を観るだろうか。勿論、本数の問題ではない。
ならば観るべき映画は観たのだろうか、観ずに死んで後悔する映画はもうないかと。
しかし、そんなことがどうでもよくなる映画、それが、ルノワールの『南部の人』だ。
もうこれを観たのだから、悔いはないだろう。
こんなにも幸福感に包まれた映画などこの世にはないのではないだろうか。
夫婦揃ってベッドで眠るショットにオヴァーラップする綿花畑の美しさや
滅茶苦茶すぎる街の酒場での乱闘シークエンスや
なによりも登場人物の表情ひとつひとつの美しさ
そして生命の力に満ち溢れているではないか。
あばら家に引っ越してきた時に初めて灯るストーブの火。
ここから物語が、この家族の新しい生活が始まる。この美しさに心を揺さぶられるではないか。
その時点ではこのシークエンスのみでの美しさなのだが
ここにただならぬ何かを感じずにはいられない。勿論そこではそれが何かなどわからない。
映画は進み、嵐が畑を無に返す。男はもう無理だ、街へ出ようと決意する。
しかし家に戻ると妻は、「家は大丈夫、そしてストーブも直った」と言う。
そして再び灯るストーブの火。泣ける。泣けて泣けて仕方ないだろう。
冒頭のストーブの火に感じる魅力は生命の力だ。
ルノワールが描きたいこととはそういうことだ。
死の間際、幸福に包まれた生命の力を感じる映画を観る。
こんなにも安らかな最期などないはずだ。
そんなことを思わせる傑作である。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 10点(2012-09-09 00:32:23)(良:2票)

5.《ネタバレ》 アメリカ南部で土地を開拓し、降りかかる困難に耐えながら逞しく生きる家族を通し、労働の尊さ、家族愛、自由とは何かを描いたルノワールの傑作。
トータル的なストーリーとしては、南部の土地に移住してきた一家族が様々な苦境を乗り越える話で、息子が栄養失調で病気を患ったり隣人との仲違いが刃傷沙汰にまで発展したり洪水に見舞われたりと、起承転結の転が3回も続くストーリー構成に当時の開拓者の苦労がうかがい知れます。
映画の序盤、近隣の住人に井戸水を分けてもらいに行った時の会話から、この映画はパイオニアvsニューカマーの物語なんだと思い、数々の苦労を乗り越え道を切り開いてきた先駆者に対し、その切り開かれた道を易々と通り「困った時はお互いに助け合おう」などとのたまう新参者に、両者の間で起こるであろうただならぬバトルの予感を感じずにはいられませんでした。
この映画の核と思われる場面は、息子の栄養状態の悪化で妻が大地に倒れこんで泣きじゃくる姿から、サムが「屋根で空も見えないようなところで働けと言うのですか」と都会での労働を見下すような言葉を空に向かって言っていた所までの一連のシーンでしょう。
この流れは終盤の大洪水の後の友人との会話に繋がっていて、「都会の人間は俺たちが作ったものを食べて生きている」と農業至上主義的な考えを崩さなかったところに「農業をやるにも農具がいるし、狩をするにも銃が必要だ。それらは都会の工場で作っているんだぜ」という友人のひと言や、「俺は絶対に命令なんかされたくない。自分の好きなように自由でいたいんだ」「都会にいれば好きなものを食べられるし、どこだって遊びに行ける」というやりとりにも考えさせられるものがあり、友人と会話をする中で少しずつサムが人間として成長していく姿を描いたストーリーが際立っていたように感じました。
映画の中で、当時の生活環境や栄養状態が克明に描かれていたところや、また豪雨の後の辺り一面を水に浸された土地の様子を撮影したスタッフの苦労、特に長期間豪雨を待ったであろう忍耐力には心底感服させられます。
一方で、農場で綿花が育ち、その中を手を繋いで歩く二人の姿は幸せそのものですし、ストーブの火で照らされた家族の暖かい表情は、お決まりの手法ながらも感動的なワンシーンでした。 もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 9点(2012-09-02 17:33:08)

4.ジャン・ルノワール作品群の中では一番好きです。
アメリカに渡る以前の方が、有名な作品の多い監督さんですが、個人的には本作の方を推します。 にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-14 17:32:19)

3.ジャン・ルノワール監督がアメリカで撮ったというこの映画、まず何よりもルノワール監督の見つめる人間への愛がモノクロの画面から伝わってきました。厳しい生活、失われつつある平和、その全てが時に厳しく、また時には優しい眼差しで見つめる。やはりこの監督、ちょいとそこらの二流監督とは全然、違うということがよく解ります。アメリカで撮ってもアメリカ的でない、いかにもジャン・ルノワール監督作品て感じの作品!これまた間違いなく秀作! 青観さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-27 23:19:43)(良:1票)

2.《ネタバレ》 こういう言い方をすると怒られちゃうかもしれないけど、「渡る世間は鬼ばかり」をうーーーんと爽やかに、楽天的にして「やっぱタイトルは『渡る世間に鬼はなし』でいいじゃんねえ(どうでも良いけど、ひょっとするとひょっとするので一応書いておくと『~鬼はなし』の方がオリジナル?のことわざでごんす)、つうかここ、アメリカだし、やっぱ『南部の人』で」みたいな感じ。色々苦労はあるけど、いろんな人の「善意」で何とか前向きに歩いていけるんだ、みたいな。最後、さんざん孫や孫の嫁に文句たれてた赤木春恵ならぬ意地悪婆ちゃんが、大雨で綿花が全滅して途方にくれる主人公に「大丈夫だよ、あんたの爺さんはこれよりもっとひどい状況を乗り越えたんだから」みたいなことを言うところはジンと来た。こういうことに関しては、お年寄りの言葉って無茶苦茶説得力あるよね。
ぐるぐるさん 7点(2004-12-12 18:54:25)(良:1票)

1.《ネタバレ》 息子が敗血症になり、毎日どうしても新鮮な牛乳が要る。けれど、貧しい農夫一家にはとてもそんな余裕がない。苦しむ子どもを前に悲嘆にくれていると、おばあちゃんが再婚(!)相手と現れて乳牛をプレゼントしてくれた。めでたし、めでたし。

また、度重なる不幸と苛酷な農作業で、すっかり偏狭な性格になった近所の意地悪オヤジ。その嫌がらせに怒りを爆発させた主人公は、オヤジを叩きのめす。復讐のため銃を持ち出すオヤジだったが、長年の夢だった川の大ナマズを主人公が釣り上げたのを見るや、コロリと態度を変え、「このナマズを俺の獲物にさせてくれりゃ、もう嫌がらせはしねぇ。井戸も使わせてやる」と言い出す始末。これまた、めでたし、めでたし。

…もう、万事がこの調子なんである。苛酷な、あまりにも苛酷な農夫一家の生活ぶりを、おそらくオール・ロケで描きながら、この映画には大らかな楽天性が息づいている。ほとんどデタラメすれすれのご都合主義が、リアルな写実主義風展開のなかに突然顔を出して、あれよあれよと主人公一家を救うのだ。
結局、豪雨で農作物が全滅し、一度は土地を手放そうと考える主人公。けれど、コンロに火を入れてコーヒーを沸かす妻の姿に、ふたたびやり直すことを決意する。…このラストにも、ぼくらは「うん、彼らは大丈夫だ。きっとうまくいく」と確信する。何故なら、彼らは“祝福”されているのだから。誰に? もちろん、この映画に。というか、この映画を撮ったジャン・ルノワールに! 

映画のなかで、町の工場で働く主人公の友人が、「苦労ばかりの農業なんかやめて、工場へ来いよ」と誘う。が、「俺は青空の下で働きたいんだ。自由な気がするから」と答える。…どんなにつらい人生でも、何より「自由」こそが大切なのであり、生活の細部(ディテール)には幸せが、生きる歓びが宿っている。…こんな風に“貧しさ”をかくも“豊か”なイメージで描き得るのは、たぶんこのルノワ-ル監督をおいてないだろう。
ぼくは見ながら、何度も泣いた。この映画のなかに描かれる、文字通り「人の生きる姿」としての人生の、あまりの美しさに。

たぶん、間違いなく、これが本当に「幸福な映画」というものだ。 やましんの巻さん [映画館(字幕)] 10点(2004-07-27 14:08:01)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 8.75点
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400.00% line
500.00% line
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7112.50% line
8225.00% line
9337.50% line
10225.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review2人
2 ストーリー評価 9.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 9.50点 Review2人
4 音楽評価 8.50点 Review2人
5 感泣評価 9.50点 Review2人

【アカデミー賞 情報】

1945年 18回
監督賞ジャン・ルノワール候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)ウェルナー・ジャンセン候補(ノミネート) 
録音賞 候補(ノミネート) 

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