みんなのシネマレビュー

さかなのこ

2022年【日】 上映時間:139分
ドラマコメディ動物もの伝記もの小説の映画化
[サカナノコ]
新規登録(2022-08-28)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-07-21)【イニシャルK】さん
公開開始日(2022-09-01)


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監督沖田修一
キャストのん(女優)ミー坊
柳楽優弥(男優)ヒヨ
夏帆(女優)モモ
磯村勇斗(男優)総長
岡山天音(男優)籾山
宇野祥平(男優)海人の店長
鈴木拓(男優)鈴木先生
島崎遥香(女優)谷崎ゆりえ
朝倉あき(女優)浜野庄子
豊原功補(男優)歯医者
三宅弘城(男優)ジロウ
井川遥(女優)ミチコ
長谷川忍(男優)番組MC
脚本沖田修一
前田司郎
作詞中島みゆき「慟哭」
製作東京テアトル(「さかなのこ」製作委員会)
バンダイナムコフィルムワークス(「さかなのこ」製作委員会)
日活(「さかなのこ」製作委員会)
毎日新聞社(「さかなのこ」製作委員会)
企画東京テアトル
制作東京テアトル
配給東京テアトル
特撮浅野秀二(VFX)
美術安宅紀史
三ツ松けいこ(装飾)
その他ゆでたまご(Special Thanks)
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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1


17.前半はコメディ色が強くて結構笑えたけど、中盤以降はちょっと切なくて泣きそうになった。
良い隣人に恵まれて、今の活躍があるんだね。
そういった人たちに対する感謝の気持ちが込められた作品だったように感じる。
但し、ギョギョおじさんだけはダメだ。
ハコフグを自分で捌いて自分で食べるなら自己責任だけど、子供に食べさせて試してるようなもん。
現在では安全が確認されているのかも知れないけど、当時はその危険性にもっと注意するべきだったと思うよ。
お父さんの対応が正解で、親指隠したくらいじゃ危ない。
あと、本作とは関係ないけど、海に潜るシーンはちょっと感慨深かった。
他のあまちゃん女優もそれぞれ活躍してるけど、やっぱり彼女がいちばんあまちゃんだな。 もとやさん [インターネット(邦画)] 7点(2024-09-11 12:48:02)


16.のんはどこまでも「女」であるのだが、なぜか「さかなクン」に見えてしまうという不思議な作品。やや期待とは違っていたが、作品としてはこれはこれでよかったのかなと。 東京50km圏道路地図さん [地上波(邦画)] 5点(2024-07-21 00:28:56)

15.《ネタバレ》 さかなくんを初めてみた時、挙動も言語も変わっていた。素なのか演出なのか?
その後さかなスペシャリストと分かり、学者のようでもあり相変わらずタレントのようでもあり、尊敬と違和感が入り混じる不思議な存在となった。
この映画はあたかもさかなくんは、子供のころからあーだったんだよ、と明かしてるようだけど、それだって尾びれ背びれが付いた演出やもしれぬ。
さかなくんはそうと知らなければやはり怖い変人、危険人物である。雨の中傘さしてみー坊を待ってるとこなんかね、怖っ!

高得点にできない大きな理由は、井川遥の過ちが容認できないから。
お父さんが「知らない人の家にいっちゃいけません」という。子供は「知らない人」にも「知ってる人」にも絶対についていってはいけない。
お母さんが「みー坊はその人のこと好き?」「じゃあ行っていいよ」「その代わり暗くなる前に帰ること、できる?」
これアウト!結局みー坊にそんな約束は守れなかった。ジャンプしながら一人暮らしの男の家に入っていく小学生の姿に背筋が凍る思い。無責任な母親を、子供の好きを伸ばすおおらかな母親として描いてはならない。
見終わった後のさかなくんの印象は、貴重なスペシャリストでありやはり変人、ということであまり変わらない。 LOISさん [インターネット(邦画)] 2点(2024-01-21 17:39:32)

14.《ネタバレ》 世に数多存在するサクセスストーリーは「目標を掲げ」「弛まず努力し」「挫けず諦めず」「成功を勝ち取る」が基本です。その点本作は全く当てはまりません。好きな事を続けていたら人気者になれた話。メッセージは極めてシンプルで「好きなことをしよう」です。これは「自分らしく生きることのススメ」でもありました。『そんな綺麗事言ったって結局は成功者の自慢話じゃん』にならないのが素晴らしい。そのためにわざわざ本人(原作者)を登場させ「さかなクンが世に出なかった場合」もフォローしています。彼は不幸せに見えますか?人生の勝ち負けとは「お金」でもなければ「社会的地位」でもありません。楽しく生きた者勝ち。そこに出自や性別、健常性といった属性は関係ないのでしょう。とはいえ「お金は無くていい」「社会に認められなくていい」「好きなことだけすればいい」ではありません。ミー坊はきちんと報酬を受け取っていますし、魚の絵が評価されたのもTVで人気が出たのも社会のニーズと合致したから。よく伊集院光氏が師匠・三遊亭円楽の言葉として『好きなことに社会性を持たせろ。そうしたら食っていける』を紹介しますが、まさに本事例のこと。ただ残念なことに皆が実践できる生き方ではありません。「運」の要素は少なからずあります。実際ミー坊はついていました。彼の成功は「子の好きを肯定し続けた母親」と「よき理解者の助力」があったればこそ。とくに母親については(嫌な言葉ですが)「親ガチャ」と呼ぶくらい完全に運任せです。「あの母親にしてミー坊あり」なのは間違いありません。たぶん我が子の生まれ持った性質上「出来ないことを出来るようにする」は多大な苦しみが伴い幸せを遠ざけてしまう。それなら「好きなこと、やりたいことを全力で応援する」へ教育方針の舵を振り切ろう。そう決断したのだと思います。これは生半可な覚悟ではありません。「普通」を捨てることだから。もしかしたら離婚原因の一端では。そうだとしたら夫とお兄ちゃんは大変お気の毒ですが「腹を括る」とはこういうこと。母親はミー坊の幸せだけを願ったのです。その強い思いこそ「愛」であり、尊くもありますが恐ろしくもあります。
実は本編冒頭の「男か女かはどっちでもいい」でズッコケました。あぁ~しらきかと。そんな事は物語を通じて伝えればよい話で、わざわざ最初に断るなんて野暮もいいところ。あまり期待できないと感じました。ところがどっこい。もうずっと可笑しくて。本当に全部楽しかったです。それでいて寂しくなったり、辛くなったり、嬉しくなったり、グッときたり。大いに揺さぶられました。脚本が良いのは勿論ですが、それ以上にキャスティングが神懸っておりました。何といっても主演ののんさんが素晴らしい。ミー坊役がフィットする男性俳優さんなら沢山思いつきますし、雰囲気重視なら「もう中学生」もイケそう。それなのに、あえて役と性別が異なる女性俳優を選ぶとは。『福福荘の福ちゃん』じゃあるまいし。ある意味博打だった気がしますが、ジャンボ宝くじ1等級の大当たりじゃないですか。あえて「男か女かは~」と宣言した監督の気持ちも理解できるというもの。もう「のんミー坊」にゾッコンでした。自分のナイフは魚臭くなるから嫌だとか、ししゃもの種類で店員に酔って絡むとか、ミー坊が映る全シーン全カットに釘付けでした。破格の愛らしさとでも申しましょうか、人間性の「旨味」に溢れていたと思います。のんさん(能年玲奈も含む)主演作品は『海月姫』と『この世界の片隅で』を鑑賞済みでしたが、これほど魅力的な役者さんとは気づきませんでした。面目ない。替えが効かないオンリーワンな俳優さんだと思います。脇を固める皆さんも最高でした。友情厚い狂犬、実は気のいい総長、シャツの網目が広すぎるカミソリ籾、トホホなバタフライナイファー(そんな言葉はない)、胡散臭い成金?歯医者、憂い多きモモコさんに顔が優勝娘ちゃん、もちろん強くて優しいお母さんも。例外は先生(ドランクドラゴン鈴木)くらいかな。うそうそ冗談です。もう全員大好きです。やはりコメディはキャラクターが命。これだけ素敵な人を揃えられたら文句の一つも出てきません。奇を衒ったようにも見えますが、王道の人間賛歌であり愛の映画でありました。年明け早々こんなに長文になってしまい申し訳ありません。いつもはこの半分くらいを目安に感想を纏めるよう心掛けていますが今回ばかりは無理でした。それだけ「語りたくなる映画」という事でお許しください。本編も2時間20分もあることですし。 目隠シストさん [インターネット(邦画)] 10点(2024-01-01 00:00:00)(良:1票)

13.《ネタバレ》 予告編をみて、好きになる気まんまんで視聴しましたが、期待をスカされた感じ。タコに乱暴なお父さんが好きだし、ヤンキーの出てくるパートは全部好き(特に、バタフライナイフを台無しにされた青鬼が好き)だし、床屋の前でタバコ吸ってるだけの男性も好き。ちょくちょく好きなんだけど。どうしても入っていけないのは、無垢な魚類が好きなだけの男性をのんが演じるというのが、違和感がなさすぎるから。凄い変化球がくると構えていたら、素直なストレートが来たようなはぐらかし感。体が泳いで、ついていけなかった感じ。なんかこう、じれったいんだ。 なたねさん [インターネット(邦画)] 5点(2023-12-15 22:49:57)

12.《ネタバレ》 起伏の少ない映画だけど、心温まる感じで、とても楽しめた。なんだろ、ラスト皆んながそれぞれの環境でテレビを見ているシーンはちょっと泣けるんだよなぁ。確かに社会性は無いのかもしれないけど、好きなことがあってそれを一途に突き詰めている感じが、とても素敵でした。好きなことを好きでい続けるって結構、というかかなり難しいよね…。カブトガニも「素人には難しいよね」って見てたら、本当にやっちゃうんだね、しかも人工孵化まで…すごい。あと、こういう系統の人だと、子供の頃にイジメられている描写があることも多いけど、何故か皆んなに好かれる感じ、ほっとけない感じが温かいですね。また、大人になってから、ミー坊に対して様々な人から「変わらねぇなぁ」と何度も言われていたけど、主演の<のん>さん自身も、あまちゃんの頃と変わらず、そこも重なる感じがしてジーンとしました。性別は違うけど、さかなクンの役にピッタリでしたね。イマイチな点としては、もう少しテンポ感が欲しいなぁとは思いましたので、総評として6点寄りなのですが、見終わった後の後味が良かったので7点とします。 はりねずみさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-10-16 20:50:28)(良:1票)

11.さかなクンものんも嫌いではないが、この映画はどうですかね。面白い人もいるのだろうか。 海牛大夫さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-08-16 20:38:15)

10.ストーリー的にはどうなんでしょう?いろんな話が突拍子もなくて全体的にぶれてる気がするが、それを補っているのがのんという俳優の存在。のんが主演であったから成り立っている映画だと思いました。 木村一号さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-08-11 11:33:43)

9.《ネタバレ》 普段はこういう映画はあまり見ないのだが、Dream何とかいうポッドキャストで、茂木健一郎さんがえらく褒めていたのでNETFLIXで鑑賞。
うーん・・・やっぱり私には合わないかな。
母親と同居して、途中から一人暮らしになった?
なんで友人のデートに乱入した?
など、よくわからないシチュエーションがいくつかあり。
最後に海に飛び込んで魚になってしまうところは、知らない人なら、「あれ、このひとって、溺死したんだっけ」って思うのでは。 チェブ大王さん [インターネット(邦画)] 2点(2023-07-11 22:49:06)

8.予備知識なしで 鑑賞..なかなかの 変化球~ 少し驚いた..もっと 真面目な脚本・演出で 観たかったかな~ (それじゃ~ 客が入らない?ってことかな..) コナンが一番さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-07-09 17:50:45)

7.《ネタバレ》 正直、さかなクンという方に対する個人的な印象は頗る高いのでして(何なら全ての中でイチバン高いかも)今作は素直なその人の伝記映画だし、そして主役ののんちゃんもまた諸々と実にハマってたと思うのですね。だから、まずはテーマと+そのメインの表現プランに関して言うなら全く完全に共感できまくる、といって過言ではないのです。

ただ、描き出しているモノ(⇒今作に於けるソレとゆーのは、も~映画とか物語とかでもない或る一つの「事実」だと思いますが)については前述どおり高度に共感できるとしても、ソレがそのまま映画としての出来に対する評価に為るワケではねーのでして、一つ明確に、そのさかなクンのキャリアにおける「困難」を描く中盤のシークエンス(30分強くらい?)が、ちょっと個人的にまた嫌すぎた…のですよね。監督作は最近のヤツは結構観てて⇒だからどーいう監督か…とゆーのは知っては居たのですが、その意味ではシンプルに「肌が合わない」というコトかと思います(例えば『おらおらでひとりいぐも』とかも全体としては今作同様、テーマに関しては思いっ切り共感できるのですケド、途中の実際のシークエンスの方はちょっと苦痛すぎて…という感じで)。ゆーてでも、コミカルな・快適なシーンは全然大好きなのですよね~⇒んで辛いシーンもごく同じ感じでまったりと真綿で首を絞めてくるモンですから……個人的には、ソコはちょっと悩ましいトコロに感じられてますね。 Yuki2Invyさん [インターネット(邦画)] 6点(2023-05-28 23:47:49)

6.《ネタバレ》 悪い人が出ない映画です。その分ドキドキはありませんがホンワカ見れます。でもちょっとミー坊は社会性なさすぎていやだ。 紫電さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2023-02-25 21:19:20)

5.《ネタバレ》 さかなくんの成功憚、さかなネタで成功してよかったねというハッピーエンド。随所に映画的な仕掛けがあってまったく飽きさせない進行は素晴らしい。さかなくんの役は、のん以外では誰もできないだろう。だけど、大多数の人間は好きなことを続けても報われることなく哀しい人生を全うすることになる。その多くの哀しい人達はこの映画を見て少しは救われるのだろうかと思うとはなはだ疑問だ。さかなくんは特別だよねで終わってしまう気がする。 ブッキングパパさん [映画館(邦画)] 6点(2022-10-14 15:59:16)

4.作品の内容も重要だけど、気にしてる(邦画は特にだけど)ポイントは「1つ」だけ。
それは…「映画のスケール感」だ。
あ、ストーリーのスケールって意味じゃなく、テレビドラマ的なレベルじゃなく、ちゃんと映画っぽいスケールなのか?…そんな、映画の規模を感じさせるのが…なんつーか、うん。
そこは無いと、せっかく「映画館に来てるのに…」って気持ちになっちゃうんだ。
だから「カメラを止めるな!」も(話や構成は良かったけど)あまりハマれなかった……それを想い出したんだ。

今日は平日だからか人が凄く少なくてビックリしたけど…待機しながら考えてるのは「観終わった後の昼飯の事」だが……もう「一蘭」のコクのある豚骨ラーメンにするか、「コメダ珈琲」のボリューミーなサンドウィッチにするか悩みながら。

映画館の中じゃあまり人が居なかったけど…隣りが老夫婦でニコニコと会話しながら鎮座している。
いや、仲良い雰囲気はいいんだけど…始まった予告編の時にも、かなぁぁぁぁぁり大声で喋っとる。
心の中で「こんな人らに怒るのも嫌だしなー…」って、もうヤな予感しかしないけど…始まった映画を観る。

取り敢えず……映画の上映中、俺がずぅぅぅぅっと笑ってた。
監督の「寸止め」演出が素晴らしく、争い場面はユーザーには抑えた演出で展開せず、極力排除されてる。
例えば、言い争いのシーンとかは遠くから見せるけど、言葉でのやり取りでの争いは見せない、みたいな?…ある意味「ああ、この感じが争いの無いさかなクンっぽいなぁ…」と思う演出だったな、と思った。
んで、予告編で思ってた「のんが男を演じる」ってのは…あくまで「男っぽい」だったね。
なんつーか、のんの女の子らしさというか、キュートさは何も隠さないままで…単に男の衣装を着せてる…そこも素晴らしく、例えば喧嘩を止めるシーンとかでも「女がいる!」ではなく「女の子(っぽい男)がいる」ので、殺伐さが(嫌でも)抜けるから、絶対に喧嘩になんかならない。
そこをよく理解してる、監督の優しい演出だった。

映画に感心しながらも、隣りの老夫婦は話をしながら、さも可笑しそうに笑ってる。
妙に、(何故か)それが嫌じゃなかった。
例えるなら、かぁちゃんと一緒にTV観てる感じっつーか…喋ってる内容も映画の内容だったし、この映画自体に「そんな人すらも受け入れる度量のようなもの」も感じてしまった。

まぁ、切なかったのは…周囲でも変わり者扱いを受けている「ギョギョおじさん(さかなクン)」の今後?…アレは想像したら本当に切なくなってきた。
いや、尼崎にも…過去、小学生低学年の時かな…?
凄く楽しい変わり者のホームレスも居てさ?最初は怖かったけど色んな遊びを教えてくれた。
その人を「子供たちは皆で大好きだった」のに、警察や父兄、市役所のオッサンらから強制排除されて、尼崎から消えたって事もあった……それも思い出しちゃった。

     *

     *

そして俺は…凄く釣りが好きなので、過去から「海」も「魚」も好き。
釣りもだけど…小学生か中学の時に、修学旅行で観に行った水族館を想い出した。
階段で囲むような巨大な円柱で、異常ぉぉぉぉぉに大きな水槽に、釣りの対象にしたかった(日本の)魚たちがキラキラいろんな色を放ちつつ泳いでたんだ。
それを下から見上げて、憧れの視線を向けた光景の素晴らしさがあった。

「ああ、俺は水族館に憧れた時期があったな…」――なぁんてのを、ふと想い出した。

俺のお袋もアホなので、姉からお袋の葬式の時に聞いたんだけど…俺が中学卒業したら「働けないかな?」と、勝手に須磨の水族館へと「ウチの子は、ここで就職できませんか?」と話に行ったらしいのも思い出した。
そんな状況なので、隣りの老夫婦の会話や笑い声にムカつくどころか…切ない過去を想起させてくれた事が、有難くて有り難くて…もう。

ストーリーに関しては全部を述べるのはアレだけど、言えるのは…ひとつ。
のん演じるミー坊は、関わった人間を幸せにさせる。
そういう人間って、本当にいいなーなんて考えつつ…「今からでもなれないかな…」と映画を観ながらニヤニヤしてしまった。
そうだ、隣りの老夫婦と同じように…俺も笑っていたんだよな。

映画が終わってライティングされた中、皆が劇場外に出ていく。
俺は、老夫婦の出ていくまで席を立たずに、意味も無く微笑みながら見送った。
うん、上手く言えないけど…幸せな気持ちのままで。

よし、今日の昼は「一蘭」でもなく「コメダ珈琲」でもなく、うん。
家の近くの「回転寿司」にしよう。

今日は、コレでいい。 映画の奴隷さん [映画館(邦画)] 8点(2022-10-04 06:28:08)

3.「普通って何?ミー坊はよくわからないよ」

「普通」じゃない人生に嘆く幼馴染に対して、主人公の“ミー坊”は純粋にそう言い放つ。
そこにあったのは、安易な“なぐさめ”でもなければ“やさしさ”でもなかった。
ミー坊自身、普通じゃない生き方をしていることへの自覚があったわけでもないだろうし、好きなものをただ「好き」と言い続けることの価値なんてものを「意識」していたわけでもないだろう。

ただボクは“お魚さん”が好き、だから、“お魚さん”のことばかり考えて生きていきたいし、生きていく。
もし、ただそれだけのことが「普通」じゃないとされるのなら、しかたがない。

彼の根幹にあり続けるものは、雑味のないその「意思」ただぞれのみであり、それ以上でもそれ以下でもない。彼は自ら選択したその生き方に対して、他者からの意味も価値も求めていない。だからこそ、決して揺るがず、ブレない。

それが、この映画の主人公の魅力であり、彼を描いた本作の魅力だろう。
誰しも、自分自身に対して嘘偽りなく、まっすぐに生きていたいと心の中では思っているはずだ。
でも、残念ながらこの世界はそういうことを簡単にまかり通せるほどやさしくできていないし、そういう意思表示をすることさえ難しい。
そんな「意思」を貫き通す主人公が登場しても、「こんなのファンタジーだ」と、普通の大人なら感じてしまうだろう。

そう“普通”なら、こんな馬鹿げたヘンテコリンな映画は、まともに観ていられないはずなのだ。
だがしかし、この映画の中心、この映画を生み出したプロジェクトの中心に存在するモノが、「さかなクン」という“リアル”であることが、この作品を奇跡的に成立させているのだと思える。
どんなに“変”な人間たち、どんなに普通じゃない人間模様を見せられていたとしても、そこにさかなクンという現実に存在する人間の人生が存在する以上、この物語が破綻することはなく、私たちはこの映画世界に没入することができる。

また、いびつで愛おしく多幸感に溢れる映画ではあったけれど、この映画は決して“綺麗事”や“理想論”を都合よく並び立てているわけではない。
あからさまにネガティブなシーンは敢えて一つも見せていないけれど、この映画世界の中では、常に苦悩と孤独、人生における辛酸がぴったりと寄り添っている。

その極みこそが、さかなクン自身が演じる“ギョギョおじさん”の存在だろう。
社会から拒絶され疎まれ、孤独に生きる“ギョギョおじさん”は、まさにさかなクン本人の“ありえたかもしれない姿”であり、主人公ミー坊自身の未来像かもしれなかった。
藤子・F・不二雄の短編漫画「ノスタル爺」のように、子供の頃に出会った孤独な大人は、自分自身の未来の姿だったという悲壮な展開すらも容易に想像できた。


作品のイントロダクションから伝わってくる情報を大きく越えて、全編に渡る“多幸感”とそれと合わせ鏡のように存在する“闇”を孕めた特異な映画だったと思う。
フィルム表現のザラつき、エモーショナルな時代の風景、性別なんて概念を超越したアクトパフォーマンス、そして好きなものを好きと言い続ける崇高さ、映画表現を彩るあらゆる面で、意欲と挑戦に溢れた傑作。 鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 10点(2022-09-23 09:51:55)

2.元々さかなクンのファンなので、興味深く見ました。数々のエピソードは愉快なものが多く、映画を楽しくしてくれています。いろいろな笑えるシーンがとってもおかしいです。ただ、映画やエッセイにできなかったであろう辛いエピソードも多かったはず。家族や友達に恵まれるということが、とっても大切であるとわかります。 shoukanさん [映画館(邦画)] 7点(2022-09-05 17:34:41)

1.《ネタバレ》 ユニークな配役で話題になっていたさかなクンの伝記の映画化だが、なかなか映画化するのが難しそうだと思っていた。
ミー坊(さかなクン)の子供時代は子役たちはかわいくてよいのだが何とかなく入り込めず、これは?と思ったが、
高校時代から面白くなってくる。共に「普通」からは外れている不良とオタクに親和感が生じるさまは違和感もなく面白かった。総長もカミソリ籾もいい人っぽい感じ全開だし、スクーターや自転車で行動してるのもマヌケでイイ。
しかし学生時代は楽しくやっていても、社会に出、好きなことだけでやっていこうとすると上手くは行かない。人生において好きなものを趣味で楽しむのはよいが、それを仕事にするには大きな困難が伴うのはさかなクンだけの話ではない。幼馴染のヒヨは「正統な」努力をして道を切り開いていくがミー坊にはそういうことは出来ない。その辺りのくだりや子連れモモと同居~別離の辺りの切なさはとてもよく、この辺りから最後の方までは観ていてずっと涙が出ていました。
モモの連れ子へのプレゼントに安いクレヨンか高価なクレパスか迷うのはミー坊が一時「好き」を手放しかける揺れる心の象徴だろうか(一般の多くは家庭を持つと好き勝手はしにくくなる)。「好き」と「楽」どちらを選ぶか、「飼われているみたい」とミー坊に看破された誰かの2号時代のモモ、ミー坊のアパート隣で日がなタバコすったりしているだけの「髪結いの亭主」(?)は、共にミー坊とは反対の究極の「楽」を選んだ人だろうか。

単純にちょっと変わった人の成功談にしておらず、映画オリジナルエピソードを入れ込みつつ人との触れあいや援助、人に伝えていくことの大切さ、そしてそういったことが世代を超えて繰り返される様ふくめ、人間の営みの普遍的なテーマが盛り込まれているのはなかなかなものと感じた。
説明的なセリフや描写、モノローグ等はあまりないので、両親が離婚or別居したような重要なことも映像から想像するしかない。
なんとなく歩いているだけなのに哀感が漂う感じ、楽しげにふるまう時との触れ幅の広さは流石にのん。 クリプトポネさん [映画館(邦画)] 7点(2022-09-05 08:48:46)

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【点数情報】

Review人数 17人
平均点数 6.00点
000.00% line
100.00% line
2211.76% line
300.00% line
415.88% line
5423.53% line
6317.65% line
7423.53% line
815.88% line
900.00% line
10211.76% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 6.00点 Review1人

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