みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 流れるようなカメラワークや猿達の表情を巧みに映し出したCGの素晴らしさという切り口だけでも十分に評価されるべき作品ではあるが、私はこの映画の「人間に対する徹底した幻滅感」が最も面白いと感じた。 この映画のヒーローはシーザーという猿であり、人類は脇役に過ぎない。どうやって猿が人間に対立する種に育つのかを追った作品であり、一種の建国伝説と言うこともできる。そのため、観客はシーザーの成長やその他の猿達の覚醒を見守り、それが達成されるはずのラストに向けて彼らを応援することになる。結果的に人間と猿の両種が相争うことになるのだから、その相手方を応援するというのは何とも不思議なことであり、一見、興行的にうまく行かなさそうな演出である。しかし、これがうまく行ったのだ。アメリカでは、この作品は製作費の倍近くを稼ぐスマッシュヒットとなった。 「キングコング」は人類が異種族に対する寛容さを持つべきと問題提起した。「アバター」は人類と異種族でお互いの理解が進むことが重要と説いた。しかし、この映画はそこからもう一歩先に進んでいる。異種族である猿の側を全面的に肯定し、人類の醜さや独善性を浮き彫りにしている。この映画の中では、猿のほうが人間よりも賢いし「人道的」なのである。 この映画がヒットした理由もそこにあるのではないだろうか。この作品はテロリズムの跋扈や環境破壊の進行など、人類に対する信頼感が揺らいでいる時代をうまく捉えた。人類が人類らしさを失っていると感じている人が増えているのではないか。そういう意味で、この作品は現在の人類世界(マクロからミクロまであらゆる意味で)に満足していない多くの人に受け入れられた。 自分も猿側に立って快哉を叫んだクチだ。まあ、元祖「猿の惑星」の猿のモデルは日本人であり、日本人の僕が猿の勝利を祝っているのはアメリカ人から見たら当然かもしれないが。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-09 22:15:41) 6.《ネタバレ》 長いこと父親の介護をして、最後の数か月は認知症に相当悩まされた事をリアルに思い出す映画でした。ただ、父を救いたいという理由から生じた主人公の一連の軽率な行為に共感する事はできず、更に登場する人々からはことごとく人間的な魅力が欠落しているようで、一方で人間らしい表情や仕草を与えられたお猿達、これはひたすらお猿に意識が向くように作られた映画という感じです。「お猿頑張れ!人間をやっつけろ!」という視点で見てしまう事が正しいのかどうかは、良識的にも『猿の惑星』的にも微妙なカンジがしないでもないですが、それが面白いっていうのは抗いようのない事実ですからねぇ。技術的には大変なことをしているワリに映像はジミです。何しろモンスターではなくてお猿ですから。でも、かつての特殊メイクでは限界があったお猿の表情や仕草による感情表現が、ここではCGという技術によってとてもリアル(いや、現実のお猿とは違ってとても人間的、と言うべきでしょうが)に迫ってくるという状態は凄い事ですし、だけど皮肉な事ですし。行き過ぎたテクノロジーが人を圧倒してしまうっていう物語が、人が演じるよりCGの方が凄いよ、って状態で描かれてる訳ですからねぇ。物語は結局『バイオハザード』じゃん、って感じでもう少しオリジナリティが欲しかったところですが、ジミながらも魅せる映像があって(並木道の枯葉の移動なんて、ユーモラスでありつつ独創的な美しさ)、娯楽映画としての見せ場もいっぱいあって、楽しめる作品でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-10-09 16:40:08)(良:3票) 5.《ネタバレ》 ダークナイトのようだ。シリーズの根幹を壊さず、プラスαをもたせた。素晴らしい。最後のシーンを観るまでは続編のにおいがプンプンしていたが、それもなさそうなので一安心。 【あるまーぬ】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-09 01:05:44) 4.《ネタバレ》 VFXの凄さと脚本の見事さに脱帽です。1968年の第1作目の時のエンディングでも吃驚しましたが、本作の設定は本当に見事でした。隣人がパイロットという設定も、最後にその隣人がウイルス感染パンデミックの最初の媒介者になるという設定に拍手です。遺伝子治療には、その時点で人間に無害と思われるウイルスを細胞癒合等に使用するとは聞いていましたので、ALZ112で使用したウイルスとは異なったウイルスを使用して、ALZ113を合成したのだと勝手に思い込みました。それにしても、最新の注射器や見たこともないような医療機械が出てきて嬉しくなりました。安楽死やその他、色々な命の場面を、その時々の場面にあった音楽と共に見させてくれ、考えさせられる事も多々ありました。シーザーが「No!」と言っているだけならよかったのですが、最後は少し作り過ぎという感があったので1点減点となりました。久々に人に勧められる映画でした。 【亜酒藍】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-10-08 14:25:49) 3.《ネタバレ》 人間の醜さ。欲に目を奪われて、悲惨な末路を辿る人間達。長生きしたくてしたくて、その欲を満たそうとする余り、逆に絶滅の道へと進んでしまう。哀れだ。それとは逆に、チンパンジーはピュア。嘘は付かないし、自分に正直。協調性が強く、判断力、身体能力も高い。これに知性がプラスされたら、人間は到底叶わない。ウィルは作中では一番のチンパンジー想いだ。一見、ウィルは良い奴っぽい。でも、やってることは神に反してる。神=自然の摂理って言い換えることもできるので、やってることは自然の摂理に反してるとも言える。捉え方を変えると、チンパンジーに対しても反してることに繋がる。チンパンジーのシーザーは、知性が高まるにつれてそれを感覚で理解したんだろうな。だから、最後にウィルの元へは帰らなかった。神に反する人間達とは、「家族」として一緒に暮らせないと、チンパンジー側からご遠慮願ったわけだ。そうさせたのは、言うまでもなく、人間が醜すぎるから。 【VNTS】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-10-07 23:57:56) ★2.《ネタバレ》 ●面白い映画にはちょこちょこ出会いますが、ここまで勢いのある映画を見たのは久しぶりです。猿の表情、動き(しかも人間が同時に映って動いてる状態で!)どこまでがCGでどこまでが実写なんだろう?主人公の猿に感情移入しすぎて、動物園の檻のシーンは本当に悲しくなりました。●知能って、人類の長い進化のうえで築かれてきたものなのに、それをホイと薬物投与で持ってしまったアーサー(猿)の悲しさを感じました。●学生時代に先生が、TVの動物番組に出る芸の出来る猿はオムツをはいていると教えてくれました。排泄行為は人が調教しても変えられないと。なのでアーサーがトイレから出てきたときは『おおっ!』と思ったのですが、・・・。アーサーが見せる感情は「攻撃」「好奇」「悲しみ」が主で、「羞恥」「恋愛感情」「憐れみ」なんかを描くともっと映画として広がったたのではないかと思います。●後半の警察対猿の戦いは、勢いは素晴らしいけれど、知能が人間に近づくどころか人間を越えちゃってるんじゃない?という点にー1点と、サブキャラの飼い主がヘタレ過ぎてこれならいないほうがマシと思ってしまったことにー1点。 【キュウリと蜂蜜】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-07 21:49:53) 1.《ネタバレ》 続編、リメイク、前日譚。ハリウッドのネタ切れによる安易な企画はよくありますが、名作『猿の惑星』の前日譚である今作もその系統かなと思ってました。しかし、よく練られた脚本と細やかな演出により、非常に納得のいく前日譚になっています。人間側の主要人物も良かったですが、アンディ・サーキス+CGによる猿側のリーダーのシーザーの感情溢れる表情や行動が良かったですね。 アルツハイマーの新薬を与えたチンパンジーから生まれた子猿。その子猿は新薬の効果を受け継いでいて知能もどんどん発達。その新薬をアルツハイマーの父に投与すると劇的な効果が表れるが、数年後には抗体ができてしまい症状悪化。そのため強力な新薬を開発するが人間には副作用があった。その新薬に隣人のパイロットが感染したコトにより世界各国へ爆発的に広がっていき、人類が激減し衰退するという流れも悪くない。 保護施設に隔離されたシーザーは虐げられた生活に見切りをつけ、仲間を教育しつつ新薬で覚醒させ自由を得るための戦いに出る。施設でのシーザーの叫びはグッときたな。ゴールデン・ゲート・ブリッジの向こうに見える人類の街並み(文明)を見据えるシーザーの画も良かったわ。無益な殺生はせず、統率力と行動力があり慈悲に溢れているリーダー。今の日本にも欲しいトコですねぇ。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-07 21:25:59)(良:2票)
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