みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 落ち着いた色調、波の音、寂しい海沿いの街、19世紀のファッション。画が情感に溢れてて、とても説得力があります。 この時代、女性が社会的に弱者であったことも示唆的に描写されているので、実在したメアリーの置かれた境遇の厳しさもよく伝わってきます。役作りに徹したケイト・ウィンスレットのぱっさぱさなオバサンぶりは衝撃的ですらあります。 作品テイストの寂しいことも厳しいことも嫌いじゃないけど、ケイトとシアーシャの性愛シーンにはちょっと乗れなかった。ポルノまがいな撮り方は興ざめしてしまうし、そもそも前段階としてこの二人の恋情にグッとくるものが無かった、ということです。 メアリー→シャーロットはまだ分かるとしても、シャーロットがなぜさして魅力的でもないメアリーに惹かれるのか良くわからない。たぶんお金持ち有閑マダムの気紛らわしのようなお遊びにすぎないんじゃないですかね。終盤メアリーの気持ちを全く計り損ねて亀裂が入ってますし。もっともこの恋愛のくだりはだいぶ創作のようですが。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-03-23 23:02:27) 6.《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞したのだけれど。 なんだか同性愛を描く作品が多くなって来たなあと。 いや、私がそういう映画ばかり観てしまっているだけかもしれないが。 「燃ゆる女の肖像」のよう燃えたぎる愛は実はそんなに描かれてなくて、それを激しい性行為の描写で補っているように思えた。 シアーシャ・ローナン演じるシャーロットは、女性が好きというよりも、自分を強く導いてくれる相手を欲しているのではないか。それが男性であろうと女性であろうと。 メアリーを愛しても、夫の言うことに逆らうだけの勇気も知恵もない。そしてロンドンで夫の目を盗んでメアリーを囲おうとする。そこにメアリーの誇りとか生きがいを想像する思考を彼女は持っていない。夫がシャーロットにしたように。そのあたりの経験値の低さと傲慢さをシアーシャは見事に演じていたと思う。 対するケント・ウィンスレットの演技も素晴らしかった。 「タイタニック」の頃の彼女を好きになれなかった私だが、年齢を重ねて円熟味を増した彼女は本当に魅力的だ。無骨な彼女が徐々にシャーロットに惹かれ、抑えることのできない熱情を開放するシーンのなんと美しくエロティックなことか。 メアリーの「生きがい」である恐竜の化石を挟んで対峙する二人の成り行きが知りたくなる絶妙なラストシーンも良かった。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-30 10:58:43) 5.イギリス映画らしい、1800年代を舞台にした文芸映画。 抑揚も台詞も少なく、音楽も最小限にしか使われていません。 その分、波の音や風の音や生活音のみならず、 2人の息遣いまで伝わってくるかのような繊細な空気感がある。 目ヂカラの強さ、意思の強さを感じさせるケイト・ウィンスレットと、 全く対照的な存在感を見せるシアーシャ・ローナン。 2人が心の機微を表現する静かな作品の世界観の中にあって 時に互いを求めあい感情を露わにする情熱的なシーンが効いている。 最後まで多くを語らない、大英博物館で2人が見つめ合うラスト。2人の表情も印象的です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-20 12:23:26) 4.《ネタバレ》 実在した人物ですが、メアリーとシャーロットの関係は史実とは言えないし、シャーロットも夫のロデリックも地質学者でいつも一緒に旅をしていたようですね。 セリフも登場人物も少なく、風景とメアリーの動作、表情で語られてるといってもいいくらいでケイト・ウィンスレットて凄い女優だなと今さらながら感心。シアーシャ・ローナンの透明感と儚げなんだけど、1本芯が通ってる雰囲気も魅力的です。 映画全体としては静かで淡々としているのに、いまにもメラメラ燃え上がりそうな二人、特にメアリー、そしてラブシーンとなると映像も感情もしっかりはっきり映し出すというこの対比が絶妙だと思いました。新旧の女優さんたちが抜群ですね、良い映画。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-23 14:18:41) 3.《ネタバレ》 彼女の名は、メアリー・アニング。かつて地元の海岸で発掘した化石が、まだ未発見だった貴重な恐竜のものだということが判明し、一躍時の人となったアマチュア古生物学者だ。発見した化石は大英博物館に展示されるまでになったものの、生来の気難しい性格からメアリーはすぐ世間から忘れられ、今は自ら採掘したアンモナイトの化石を扱う土産物店を細々と営んでいる。結婚もせず、年老いた母親と質素で侘しい生活をずっと続けてきたメアリー。そんな彼女の元にある日、都会で裕福な生活を送る古生物学者が訪れる。彼女の化石発掘技術に非常に感銘を受けた彼は、鬱病を患いずっと闘病生活を続ける自らの妻シャーロットをしばらく助手として雇ってほしいと提案するのだった――。当初は断ったメアリーだったが、多額の報酬に惹かれ渋々了承する。そうして始まった二人の生活。人生を半ば諦めた孤独な女性と夫から体よく厄介払いされた妻。社会から零れ落ちそうになっていた二人は、いつしか惹かれ合い、やがて一線を越えてしまう……。19世紀イギリスを舞台に、そんな許されざる恋に身を焦がす二人の女性を淡々と綴った文芸ドラマ。ベテラン女優ケイト・ウィンスレットと今最も勢いのある若手女優シアーシャ・ローナンが初共演ということで今回鑑賞してみました。ほとんど音楽も使われずひたすら海岸に打ち寄せる激しい波の音が流れ続ける中、この二人がただ黙々と化石採掘を続ける展開がずっと続くのですがそれでも見ていられるのはこの二人の演技力によるところが大きい。特に、もはや人生を諦めてしまったおばさんをじっとりと演じたK・ウィンスレット。ハリウッドセレブだということを忘れさせるほど完全にオーラを消していて、でもこの若き人妻に惹かれ始めていく辺りから内に秘めた情熱を取り戻してゆく姿を丁寧に演じていて素晴らしいとしか言いようがない。荒々しい海岸を背景にこの二人の危うい関係を美しく刻み込んだ、この監督の美的センスもいい仕事している。何だか中世の優れた絵画を観ているようでした。ただ、時折挟まれる二人のベッドシーンが妙に生々しかったのは恐らく賛否が分かれるところ。自分はちょっと直截的に過ぎるような気がしました。もう少し抑えてもよかったでは。とは言え、最後の二人の葛藤は何とも切なく、これから先、二人が少しでも幸せになってほしいと祈らずにはいられない佳品でありました。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-03-31 05:17:03) 2.《ネタバレ》 実在の考古学者、メアリー・アニングを主役としたロマンス文芸映画。相手役となるシャーロットも実在の人物だが、史実ではメアリーよりも10歳以上年上の人物である。また、メアリーは生涯独身だったものの、同性愛者であったかは不明。つまり本作は史実を緩やかに利用した、恋愛ドラマであるといえる。 作中で描かれた、メアリーの人柄が、非常に魅力的だった。寡黙で孤独、仕事に対して強い誇りと愛着を心の内に持つ、不器用なパーソナリティにシャーロット同様に惹かれていった。好き嫌いがはっきり分かれるタイプの映画で、メアリーの複雑というよりは不器用な性格や人となりに、理解や親近感を持てるかどうかが、この映画の好き嫌いを分けるポイントであろう。 静的な造りの映画で、セリフは抑え気味、カメラはあまり動かず、荒々しい海の波音、衣擦れの音、鈴の音が際立ち、BGMそれ自体は極力抑えているのが特徴的。印象に残るショットは多く、海に入って抱き合うメアリーとシャーロットや、絵画の枠に収まるメアリーの姿などは、絵画的な美しさがある。一方で、冒頭の男性が脱ぐシーンも含めて、ヌードシーンやラブシーンは直截的で、肉感的、動物的でさえある。かなりのパンチ力があるため、それ以外の静的なシーンとのコントラストが鮮烈である。動物的なまでのラブシーンを通じて、寡黙な人物が胸に秘める、切実な渇望や心情を表現しているのかもしれない。ラブシーン以外にも、さまざまなカットやショットに監督の意図が込められていることは間違いなく、まさに台詞で語らず、構図で魅せる映画となっている。 物語は二人がこの先どうなるのかを明示しないまま終わってしまう。史実に基づけば、この先数年もしないでメアリーは病で世を去るが、この映画は史実を緩やかに使ったフィクションである。この先の想像は、観客に任せられている。 【nakashi】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-10-13 09:49:19)(良:1票) ★1.《ネタバレ》 たまたま前日博物館の図書館でメアリーアニングの漫画の伝記を読んでいて、 生涯独身かつ漫画の伝記には珍しく色恋沙汰がないので、珍しいなあと思っていたんだけど。 、、、あの人がモデルなのね この映画! とてもよかった。シアーシャローナンほんと美しいな、、、彫刻のよう。 肌、デコルテの綺麗さ、わたし女だけどなんかに目覚めそうになるわ。 ケイトウィンスレットも恋に落ちてからが本当に美しかった。もともと綺麗だけどさ! 一緒に住むのを拒否したのは もしかしたら年下の女の子に買われるみたいで、なんとなくプライドもあったんじゃないかな。 女としての対抗心みたいなものが。 もしシャーロットが男性なら、すんなりじゃあ住むわってなったのかも。 ちなみに伝記漫画では、わたしにも好きな人くらいいたかもね〜というセリフがある。 二人は別れたのかなあ。 とにかく全てが美しく哀愁、いい映画でした。 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 8点(2021-04-24 00:03:38)
【点数情報】
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