みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
19.《ネタバレ》 家を取り戻そうとする女、家を守ろうとする男、家を捨てた保安官。 すべてが「家」という存在から物語は始まっている。結婚に失敗して無気力な生活を送っていたキャシーの「家」に対する執着心は最初はよく分からなかった。なぜ自殺する必要があるのかも不思議だった。 しかし徐々に彼女は住む場所としての物質的な家(ハウス)を求めていたのではなく、家族の象徴としての家(ホーム)を求めていたのだ、ということが分かってきた。そう考えると非常にこの映画が好きになってきた。 人間の愚かさや他人に対する無理解が垣間見られる一方、ホームとして家の存在が霧のように希薄になってしまった現代で、ホームに執着する元大佐のベラニーとキャシー。 2人がホームに求めていたものは、キャシーは家族であり、ベラニーは祖国であるだろう。 2人は、目で見える物質的な「家」をめぐって争っていたが、実はお互い目に見えないホームをめぐって争っていたのではないだろうか。 この映画で誰が悪いやつか?なんて考えるのは意味がないと思う。全員が愚かなのかもしれないし、全員が被害者なのかもしれない。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-07-23 13:06:53)(良:1票) 18.《ネタバレ》 久しぶりにいい映画を観た。僕はてっきりハッピーエンドになるのかと思っていて、あの状況からしてどう転じていくのか期待してたので、ああいう結末になったことは残念だけど、それがこの映画の価値を左右するとは思わない。脚本を追うような見方では共感しないかもしれないが、制作者の意図は映像と共に常にあり、全編を通して表現の豊かさに満ちていた。 【アランチャ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-20 02:35:50) 17.《ネタバレ》 映画としてはまとまってるし、それぞれの人物もいろんな意味を持って登場しているっていうのも理解できます。でも、一人のダメダメ娘が原因で一家全滅になっちゃったわけでしょ?ただの500ドルくらいなら、払いなさいな。映画って別にすっきりした気持ちになりたくて見る訳じゃないけど、こんなに気分悪くしてまでは見たくない。でも確かに出演者はみんな上手いし、ジェニファー・コネリーは落ちぶれた役でも奇麗。 【さら】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-07-05 14:45:33) 16.退屈なところもなくて良かった。でも、この中の登場人物の行動は明らかに極端すぎる。そしてベン・キングスレーの役は過去の栄光にすがっているけれど、自分を偽らずにゼロから始めようという気持ちにはなれなかったのだろうか。 【Gene】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-29 15:49:42) ★15.『ダンサー・イン・ザ・ダーク』以来のやるせなさで、しばらく涙がとまらなかった。体力・気力ともに充実してるときに観ないときつい作品。 【ぷっきぃ】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2005-05-29 22:04:58) 14.《ネタバレ》 間違って、吹き替えを借りちゃいました……。 この映画,すごい名作なんじゃないかっておもいます。出演者全員演技すごいし、保安官の悪役っぷりもすごい。かなり重い作品でハッピーエンドじゃない。なんか心にすごいどしんとくる映画でした。みんな物にとらわれすぎて、大切なものをうしなっていっちゃう…そうゆうかんじがしました。悲しかった。 でも、ちょっと具体的につたわるものがあんまなかったかも。 【ギニュー隊長★】さん [ビデオ(吹替)] 6点(2005-05-27 22:51:06) 13.《ネタバレ》 なんだかなぁ。頑固一徹のごねごね親父と、勘違いでつっぱしりすぎの不倫男にむかついて、この映画の真意なんて読み取れなかった。郡のミステイクでの競売だってんなら、普通家か金か、元の持ち主に返すだろ。関西のヤ○ザばりにごねておいて、「彼女は傷ついた鳥だ」もなにもねーだろ。保安官の言動はそれこそめちゃくちゃで、さっぱり理解できん。ま、二人とも理不尽すぎて、全て失ったってとこですか。ジェニファー・コネリーは情けないけど気の毒。大佐の奥さんと息子はもっと気の毒。保安官の家族もプチ出演だけど気の毒。 【ろこもこ・らいす】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-05-10 04:31:08) 12.《ネタバレ》 作者の意図がどうであれ、この作品の中で大きな存在感を示しているのは「大佐」の一家だろう。あの革命で祖国を追われた一家だが、異国の地で大佐は、屈辱的な仕事に絶え、残された財産を運用しながら家族を必死に守ろうとしている。そういう大佐とその家族にとって、この家は将来の生存をかけたものだった。 元の持ち主、そして大佐たちを悲劇に引きずり込んだ女、ニコロは、結局は自分の祖国で暮らしているわけだし、親も兄弟も健在であり、亡命者一家の物理的と言ってもいいような孤独と不安に比べれば、彼女の苦しみなど所詮ぜいたくにすぎない。 大佐達が帰って行った「運命」。それは、あの革命のときに一家を捉えてはなさなかった運命だったのだろう。 【駆けてゆく雲】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-04-24 22:48:42) 11.保安官が一番いけませんね。 【たま】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-04-06 23:20:18) 10.喪失によって最後の砦を守るのに必死なのが切ない姿でした。不動産=金銭的にも心情的にも高価なもの。それにすがり付く様は、バブル崩壊後でも私たちに当てはまる感じがする。とらわれからの開放の後に起こる悲劇が、叶えることの難しさを表現していた。役所の執行官やテラスを作る職人、弁護士、保安官など皆パワフルに掻き回していくのが、2人の焦燥と対照的でおもしかった。 【チューン】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-04-04 22:57:23) 9.《ネタバレ》 見るに耐えない人物がたくさん出ていてちょっと・・・(怒)な映画でした。困ってる女性につけこんで入れ込んで、家庭を捨てて浮気に走る役所のにーちゃんもそうだし、自分の習慣を人に押し付けてやりたい放題の元軍人など、初めの1時間ほどは気分が悪いなんてもんじゃなかったですね。まぁ一番むかついたのは役所のにーちゃんですが。結局この人は自分のやりたいようにしただけですよね。他の人の事情なんかなにも考えずにただ自分がこれでいいだろうと思ったことをやってただけで。それが後々他の人にどれだけの迷惑になったか。一家全員を一晩バスルームに監禁ってだけで異常なのに、誰が拳銃で脅しながら手続きさせに行けって頼んだよ!?その結果子どもは死んでしまって・・・。話を見ながら、このにーちゃんを殺してやりたくなりました。それほど大げさには表現されてませんが、元凶はこいつだと思えるほどこの男の行動には吐き気がしました。軍人のおっちゃんはまだね、家族を守ろうとする気概は見れたので安心しました。 なんかこの映画はありえないぐらい人間が汚く描かれてますね。しかも一軒の家のために汚くなる人間を描くのはなかなかインパクトがありました。好きにはなれませんが。タイトルにある、「砂」と「霧」はストーリーの中身にそれほど関連も見れなかったので面白くなかったし、ただ醜い人間像を見せられただけなのでもう評価はこんなもんで。一つだけ、軍人の嫁さんは良い人だと感じました。 【TANTO】さん [DVD(字幕)] 2点(2005-04-01 21:21:09) 8.宗教的な慈愛と尊厳、懺悔と贖罪。そういった感覚に満ちた素晴らしい映画。何の前知識もなく見たが、よもやこんな展開になるとは。後半、展開が急な気がしたがよく考えると細かい複線が山ほど張られていたように思う。例えば、DVの夫をハメる保安官の話とか、コネリーがヤク中だったと示唆する態度であるとか。イラン人夫婦の演技は素晴らしく、ジェニファーコネリーの腐りっぷりも良い。音楽も、最後ベラー二が軍服に着替えたときの中東旋律などはたまらん。職人的映画。 【笹】さん 8点(2005-03-23 17:43:14) 7.重く深い映画、登場する人物それぞれが何らかの事情が有り、その彼らが一軒の家を巡って争う、誰も悪くないのに展開が悪い方向に向かってしまう。あえて悪を探すとすれば、郡と頼りない弁護士。決してハッピーエンドにはならないが、わざとらしい終わり方をしないところが良い。レスターの下心ありありの行動には疑問を抱くが、自分が同じ状況なら同じ行動をするかも知れない(相手がジェニファー・コネリーならしょうがないでしょう?)と思うと非難はしにくい。ベン・キングスレーの演技は素晴らしい、同年アカデミー賞主演男優賞を取ったショーン・ペン(ミステック・リバー)よりも上だと思う。 【みんてん】さん 8点(2005-03-21 08:24:33) 6.見る物全てが灰色に曇ってしまうような、そんなあまりにも悲しすぎる映画でした。個人的には「ミスティック・リバー」よりもこちらを推します。まるで善良な映画ファンとDVDの転売コレクターとの泥沼の戦いを見ているようでちょっと身につまされる…、というか痛ましい光景が続きます。全てを覆い隠してしまう霧、出てくる俳優が皆上手いというところも心憎い。ここまで完璧なのに何故アカデミー賞ではたった三部門にしかノミネートされなかったのかは解せないけど、美しくも苦い味が残る大傑作だと思いました。 【かんたーた】さん 9点(2005-03-08 14:06:11) 5.《ネタバレ》 この映画の本質は、「孤独」ではないかと思う。登場するメインの登場人物は、みんな孤独だ。ジェニファー・コネリーのキャシー然り、バードン保安官然り。ベン・キングスレーのベラーニ大佐がイラン人という設定は、そういう意味でもうまい設定だ。「イラン」という国名は「アーリア人の国」という意味で、だからかイラン人は他のアラブといわれる中東諸国とは違うんだという自負みたいなものがあり、(「アラブ人呼ばわりされるためにアメリカに来たんじゃない」という言葉が象徴的)しかもイラン革命で国を追われ、祖国のアイデンティティーを持ちながら祖国に受け入れられず、流れ着いたアメリカ社会も彼を温かく迎え入れてはいない。そんな彼が彼にとってかけがえのないものを失った時、皮肉なことに「あなたはもうすぐ自由の身だ」というセリフとともに初めてアメリカに受け入れられたように思う。しかし、もう遅すぎた。生きるよすがを、希望を失っては・・・彼だけでなく、キャシーもバードンもみんな不幸になってこの映画は終わる。それなのに、なぜか私は癒されたような感覚を覚えた。彼らは皆孤独という、彼らのある意味であるがままの姿に戻っていった。彼らが上辺で求めていたものも、本当に求めていたものも、何もかも失って、生まれたときのように何も持たない身になって。そしてその前に少しだけ、彼らがそれぞれ頑なにこだわっていたものが少しだけほどけて、人としての輝きを垣間見たように思ったからだと思う。人として、何か心に重たいものを感じながら、映画館を後にした。 【合言葉は埜波と軍曹/埜波(のなみ)】さん 10点(2004-11-21 08:51:52)(良:1票) 4.《ネタバレ》 キャシーは酒にすがらなければ生きていけない弱い女(澱んだ瞳でキャシーの有無を言わせぬダメさを表現する、ジェニファー・コネリーの「ビューティフル・マインド」以上の名演!)。ベラーニも過去の栄光にすがらなければ生きていけない弱い男。レスターも今の生活から抜け出したがっている優柔不断な弱い男。三人の弱さが不幸にも絡み合い、ちょっとしたことで避けられた悲劇を呼んでしまう。私も弱い人間の一人ですけど、飲み会好きでも酒好きじゃないし、過去に(たぶん未来にも)栄光は無いし、決断力は人一倍なので、登場人物達の弱さには今一つ共感できなかった。ベラーニが心中に至る描写にも、少し説得力が欠けてると思う。しかしそれでも、十二分に見応えのある人間ドラマだと思います、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2004-11-18 00:07:48)(良:1票) 3.重い悲劇だけれどいろんな問題提起がされているようで興味深く、見ごたえのある作品だった。 一つの家を巡って対立することになる女性とイランからの亡命者一家。 失意の日々で怠慢から家を失うことになった女性も、かつての栄光ある誇り高い大佐もそれぞれ家にこめた思いや切実な事情がある。双方とも悪意はないのだが、どちらにも肩入れできないというところもある。 解決するにはお互いによく話し合って双方が譲り合うしかないと思うのだが、私情で女性側に立つ副保安官が絡んできて事態をこじらせてしまう。 この人物のとった対応がアメリカという国を示唆してるようでもある。本人には悪意というより正義感からなのだろうが、事態をよく理解しようともせず一方的な感情で銃で脅しつけて介入したことで思わぬ悲劇を招くことになる。 非常事態で大佐が息子に言う「臆病だから銃で武装する。臆病者は刺激しないように冷静に振舞おう」といったようなセリフも印象的だった。言葉も文化も異なる者が利害で対立した時何が大切か、どういう対処をすべきなのかといったことを考えさせられる。両者をイスラム社会とアメリカの現在の姿として見るととても興味深い。 J・コネリーやベン・キングスレーなど出演者もとても良かった。 【キリコ】さん 8点(2004-11-16 21:20:39)(良:1票) 2.《ネタバレ》 映画を見終った後の観客のそれぞれの足取りが重かったことがこの映画を言い表している。 映画を見た後なのに近くにいたカップルなんて一言もしゃべらずただだまって歩いていただけだし。 陳腐な言い方だが、後味のワルさと何とも言い切れない憂鬱感だけはアカデミー賞級の映画。 一体何を感じ取れば良いのかちょっと整理はつかないけど、骨太で重厚な創りと、俳優陣の演技、映像の綺麗さは誉めることができる。特にラヴシーンの綺麗さは良かった。 あんな警官とのラブシーンにあそこまで綺麗に取る必要があるかはよく分からないが。 個人的に思ったことであるが、ファーストカットとファイナルカットがかぶっている創りにする意味が良く分からん。 あんなファーストカットはほとんど意味がなく、むしろ撮るものは他にあったと思われる。 キングスレーとジェニファーの二人が取り戻したかったモノは何か? そう考えれば、キングスレーにとっては家族の幸せであり、父親としての威厳とプライドだろう。 一方、ジェニファーにとっては父と兄と暮らした幸せが詰まった想い出である。 その結果からすると、冒頭にはジェニファーの幼少期、父と遊ぶ、幸せな想い出を入れ、キングスレーには訳が分からん木を倒すシーンよりも、イラン時代の家族が幸せで自分の威厳があったシーンを入れるべきではないだろうか。その際はあの家と少し雰囲気が似ている家の必要はあるが。 その方が何故あの二人が必死になる必要があるのかがより明確になると思う。 家族への偽りの人生が招いた悲劇、その結果失ったものは、キングスレーと警官の二つの家族と一つの家…。 家族の幸せは、砂のようにもろく、霧のように掴みづらいものなんだろうか。 【六本木ソルジャー】さん 7点(2004-11-14 22:23:31)(良:1票) 1.期待して見たのですが、かなり辛い内容でした。まず、ジェニファー・コネリーは、全然役作りができていません。どこでどう感情の方向が動いているのかも分かりません。また、対立していたジェニファーとベン・キングズレーが何を契機としてどう変化したのかも不明だし、あのラストになぜ向かっていくのかも不明です。そもそも、話の内容自体、ジェニファーとそのアホな恋人(この2人がなぜくっつくのかも不明)が勝手に引っかき回して単純な話をややこしくしているだけであって、何の必然性もありません。 【Olias】さん 5点(2004-11-14 21:02:06)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS