みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
6.《ネタバレ》 久しぶりにウォン・カーウァイの映画を観て、自分がこの人の映画に惚れていたことを思い出す。 6年前に前作「マイ・ブルーベリー・ナイツ」を観たときも、同じような思いをしたような気がする。 近年決して多作ではない映画監督なので、映画を観始めてしばらくして、描き出される映画世界の特異な空気感に「おや?」となり、「ああそうか、これがウォン・カーウァイだ」と記憶が呼び起こされる。 誰もが楽しめ、受け入れられる類いの作風ではないことは明らか。 時に酷く散文的で、ビジュアル的な美しさが強調される世界観を嫌う人は多いと思う。 この映画にしても、ストーリー的にはあまりにまとまりがなく、「結局何の話なんだ?」と主題がぼやけて見えることは否めない。 詰まるところ、激動の時代における、伝説の武術家イップ・マン(葉問)をはじめとするカンフーマスターたちのそれぞれの人生模様を描いた作品なわけだが、「伝記映画」と謳っている故か、超人的なカンフーマスターたちがドラマティックに絡んでいくように見えて、実は直接的な絡みは殆どない。 アンフェアな予告編に騙されて、“カンフー映画”としてのエンターテイメント性を期待してしまうと、きっと肩透かしを食らう。 ただし、十数年前に「恋する惑星」を観て以来、この映画監督の作品に惚れてしまっている者としては、映画全体からほとばしるその「美意識」だけで、諸々の否定的要素は霧散してしまう。 ハット姿のトニー・レオンが土砂降りを切り裂くように敵を蹴散らす。薄い化粧(けわい)が秀麗なチャン・ツィイーが降雪の中で強く美しく舞う。 ビジュアル的な「美意識」だけが先行してしまっている映画という評は間違ってはいまい。しかし、その「美意識」だけで充分だとも言える。 ウォン・カーウァイがカンフー映画を撮るというのはこういうことなのだ。と、理解してもらうしかない。 兎にも角にも、映画自体の完成度はともかく、大好きな監督の最新作を久しぶりに観られたことの満足度は高い。 ああ、「恋する惑星」が無性に観たくなった。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-06-16 00:57:03)(良:2票) 5.宣伝ではカンフーを強調してますけど、予想どおりドラマ重視の映画でした。肝心のドラマ部分にまとまりがなく、散文的であります。チャン・チェンは必要でした? 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 4点(2013-06-07 23:22:43) 4.《ネタバレ》 ウォン・カーウァイがカンフー映画ってどうなるんだ?という不安と期待を抱きつつも劇場へ。アクションシーンは迫力がありSEとクローズショットの気持ちよさとウォン・カーウァイの美学を追求した絵作りは素晴らしい。特にスッピン風チャン・ツィイーが妓楼の女性陣の前で佇む絵は強い力を持ってた。が、ストーリーがなんか散漫。集中力が持たない。なんでイップマンが奥さんを捨てたのか謎。そんな師匠尊敬しにくいしグランドマスターに何時なったんだ?佛山?香港で?馬三の存在も中途半端。彼を悪者にしないならもっと心の葛藤等あるべきじゃ?とークレジット後のアクションシーン集を見ると公開に際し編集でかなり切り刻まれたのかなぁ邪推してしまう。ディレクターズカット版があるといいなぁ...。更に、花様年華を愛するものとしてはカメラがクリストファー・ドイルじゃなくなりデジタルの絵にウォン・カーウァイとの相性の限界を感じた。フィルム(風)の味をもっと追求してほしかったし、壁に話しかけたり男女が街を歩くサービスカットはうれしかったけどネタ切れなのか?ウォンさん?と寂しくもなった。ブルース・リーが来たことをセリフにしなかったのはウォン・カーウァイのプライドなのか。残念。自作につなげてほしい。 【reitengo】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-06-03 09:42:23) 3.《ネタバレ》 美術館なら、こちらが動かなきゃいけないが、こちらは、絵の方が変わってくれる、そんな美術鑑賞したという感想。西洋絵画、浅い知識しかない私ですが、レンブラントとかフェルメールとか、光と影、構図とか、監督は意識していらっしゃるのでは?役者が動かない、ってシーンが多いけど、そういうことでしょ。アップが多いのもそういうことでしょ。雪振る花の樹の庭は、東洋風でしたが。アクションシーンはどこかにあるようなスタイリッシュ系で普通ですけども。この映像が好きか嫌いか、の映画でしょ。私は好きだな、美しいシネマトグラフィ。美術鑑賞のように、動かぬスクリーンから、人の心や時代の空気や哲学を読め、ってね。映画も、横か縦かしかないならば、私はこの映画は「縦」でした。 【K-Young】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 18:29:05) 2.「初恋のきた道」で、水餃子の入った鍋をブンブン振りながら健気に走っていたチャンツィーが、今ではもうカンフーの達人とは!("もう"ってなんだよ) 期待しつつ見に行きましたが、個人的には冒頭部分でもうガッカリしてしまいました。マトリックス・レボリューションのような雨がビシャビシャ降り注ぎ、スローと早回しの波状攻撃で、悪い意味でハリウッド的。カンフーの動きが持つ美しさではなく、あくまで映像テクニックの格好良さでしかないのが物足りなかったです。キャストたちの猛特訓したアクションが、誤摩化しの編集で台無しにされているのでは?あと、映画全編クローズアップばかりで異常に見づらいのも気になりました。見てくれの指摘ばかりになってしまいましたが、これで「カンフーの心」は描けていたんでしょうか・・・。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-06-02 04:34:27) ★1.《ネタバレ》 むかし色々と本を読んだけど、史実的にはどうだったかはすっかり忘れちゃいましたね。クンフーの華麗な舞いはスタイリッシュな見せ方もあり、流麗で美しく撮られていて存分に発揮されてはいる。OPの雨中でのシーンはすごく綺麗。でも本編を全て観てみると映像美だけだった気がするな。天下統一というか、流派をまとめあげる話かと思ってたんですが激動の時代を生きた武術家の群雄像ですね。終始、流派ごとの揉め事ばかりで、それぞれの物語が断片的に挿入され理解しづらい上に曖昧なままで終わる。肩透かしとはこのことだなと。音楽も控えめで良いとは思うけど、単調なシーン、スローモーションと相まって眠ってしまう人もいるんじゃないですかねぇ。 イップ・マン、ルオメイ、カミソリは凄みも存在感もあってグランド・マスター(宗師)として相応しい器に思えました。でもその中でチャン・ツィイー演じたルオメイが主役と言ってもいいくらい焦点が当たってますかね。駅での父の仇討ちバトルで完全に主役に躍り出ちゃってて、作品としてのカタルシスもそこがピークかな。 最後の方で大勢の弟子とともに写真に写るイップ・マン、その横でにっこり微笑んでいる少年は幼き日の李小龍なんでしょうね。ファンサービスかな。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-06-01 23:20:04)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS