みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★17.最後の最後まで言いようの無い緊張感が続く映画だった。 ただしそれは、脱獄によって夫と妻そして幼い息子が逃げおおせるかどうかという作品のイントロダクションに明示されたことに対してではなかった。 それでは、真犯人は誰なのか?というミステリーが描き出されるのかというと、それも無い。 もちろんそれらも上質なサスペンスフルな展開の中できちんと描き出される要素ではある。 しかし、終始もっとも緊張を強いられた焦点、それは、拭いされない「疑心」に対するものだった。 本当に妻は罪を犯していないのか。 心から妻を愛している夫は、あらゆる不利な証拠の中で彼女の無実を信じている。 だが同時に、明確にならない「真相」に対して一抹の不安を感じ続けていることも事実。 むしろ、万が一にも存在するかもしれない“望まない真相”が、導き出されてしまうことを避け続けている節も見え隠れする。 刑務所での面会時、妻の身を心から案じる一方で、少し異様な感じもするほど食い入るような目つきで彼女を見つめる夫の表情からは、無意識レベルで押し隠している疑心と、それに伴う彼の心の混乱と葛藤が絶妙に表れていた。 予告編やイントロダクションのテキストからは、脱獄と逃亡、そこからの真相究明が描かれる娯楽映画だと思っていたが、その想定は大いに覆された。 メインで描かれるだろうと思われていた脱獄シーンが、映画の最終盤にきてようやく始まることが如実に表しているように、この映画は単純な脱獄映画などではない。 脱獄を画策するに至った夫と、無実の罪で投獄された妻、彼らの息子、そしてこの家族と事件に関わる群像における濃密な人間ドラマだったのだ。 観客に対しては「真相」に対して断片的な答えは示されるものの、すべての決着には至らない。 ついにすべてを終えた夫は、果たして「真相」に辿り着けたのか。 映画は、ラッセル・クロウ演じる主人公の微妙な表情を映し出して終える。 そこには、満足感や達成感もあれば、混乱と葛藤がより深まっているようにも見える。 彼の心理の行方こそが、この映画が描き出す最大のサスペンスだったのだと、最後の最後まで続いた緊張感の末に思い知った。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-05 00:03:51)(良:1票) 16.アクション映画なのかもしれないが、雰囲気はサスペンスのような緊張感があります。派手ではないけど、とてもテンポがよく最後まで飽きません。ストーリー自体はやりつくされているものですが、完成度は非常に高い映画だと思います。 【ばかぽん】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-05-04 03:26:26) 15.予備知識なく鑑賞。予想外の展開、良かった。さすがP・ハギス。 【kaaaz】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-04-29 20:39:36) 14.《ネタバレ》 久々に大当たりの映画でした。 今の所、今年一番の映画です。 あの名作、逃亡者のハリソン・フォードが 自分の罪を晴らす為に、理知的で用意周到で冷静で時に神出鬼没な外科医だとすれば ラッセル・クロウは腹の出た、ごく平凡で、真面目なマイホームパパ しかし、家族の為には何もかも投げ捨てる情熱家。 こんな対比でしょうか。 ともあれ、そんな男がある日いきなり 妻が無実の罪で投獄され、あれよあれよと言う間に 第一級殺人で、終身刑を言い渡されてしまう。 と、まあ、ココまではある意味でオーソドックスというか定番の筋立てなのですが いかんせん、脱獄計画を立てるのが、妻や子を思う気持ちばかりが先走る、ズブのド素人。 脱獄のプロとやらに御高説をタレてもらって、神妙にメモを取るのは良いが 裏稼業との接点見つける為に 自分のプリウスで必死に走り回りながら、クソ真面目にドラックを買い込むこの機転の無さ。 どうしよう、どうしよう、という気持ちばかりが募って、何度もドジを踏む。 ああ--持ちカネも無くなるし、やっぱ無理ジャン、駄目っぽいじゃないのと 見てるコッチまで心配になって来た矢先 いきなり妻の身柄が遠方の刑務所に移送されると聞いて プッツンとキレたが故に冷静さを取り戻すが それにも増して圧し掛かる緊迫感と悲壮感、どうしようも無い行き詰まり感。 これを脂ギッた顔面一杯で表現してしまう辺りは、さすがラッセル・クロウです。 終局はあえて申しませんが、この映画。 本当にプロットが巧みであると言わざろ得ません。いや、ホントに。 刑事「そう言えばボタンが取れたと言ってたな」 言ってたなぁ??? それを真っ先に探すのがお前等の仕事だろボケ!! ど素人に探し当てれる様な麻薬工場放置して、麻薬取締りとか言うなボケ! こういう事柄は主人公が取らざろ得なかった超法規的措置を 正当と言わざろ得ない根拠と成っています。 いまチャリンと音がした???え?したかな??? どっちだよ!! ズサンな捜査と、それに反比例する行き過ぎた物証主義が、逆に冤罪を作り出す。 内実を知っている人ほど寒気がすると思いますが、この映画は 白は白、黒は黒で、灰色を認めないアメリカの病理をも同時に抉っている。 こう言わざろ得ないのです。 【一般人】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-03-24 22:53:48)(良:1票) 13.リメイクとは知りませんでした。「ビューティフル・マインド」でも思いましたが、ラッセルクロウは教授には見えないって!ラストは蛇足がありましたが、まあ失敗過程も見せるなどほどよい緊張感がありました! 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-03-19 11:09:50)(良:1票) 12.《ネタバレ》 本当はどっちなんだ。殺したのか?殺してないのか?でも信じるのか・・・。くそーっまた、だまされてるくそーっ。おお!やっつけちまえ!あ!そんなところでテールランプぶつけるな。やっぱり。でも、なんとかなるもんだ。なるほどそこでそうなるのか。・・・・あ、ボタン!っていう映画。面白くないってことはないけど、なんだろうね。ちょっとイラッとくる感じで、あんまり好きじゃなかったようです。 【蝉丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-03-19 00:18:51) 11.これは面白い。近年脱走映画に飢えてただけに尚更美味しく感じれた。 まぁ王道っちゃ王道なんだけど、それプラス、ポール・ハギスの見事な手腕によって、大王道になってる。 前半に主人公の家族を大切にする想いや、犯罪に対する素人っぷり、そして罪を犯す葛藤など言わば「静」の部分をじっくり観せておいて、その分後半に怒涛のスピード感と緊張感を与えてくる。前半部分をしっかり観てるからこっちは完全に一家に感情移入していて手に汗を握りながら主人公を応援してしまうのだ。実に上手い。 【関白宣言】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-03-05 03:30:52) 10.《ネタバレ》 全くの犯罪の素人が、無罪(だと思う)妻を脱獄させる為に最後の賭けに出る。ラッセル・クロウと言えば、〈グラディエーター〉であり〈ロビン・フッド〉であり〈西部劇のアウトロー〉でもあるのに、今回はただの一介の教師であり優しい夫であり子煩悩の父親である。「脱獄のプロ」(リーアム・ニーソンが渋い)から「鍵を見つけろ」と言われれば、言葉通りに受け取り、インターネットの通販で仕入れた「万能キー」を刑務所で試そうとするお馬鹿さん。偽の身分証を入手しようと、怪しい路地でアブなそうな人に声をかければ、ボコボコにされてお金を巻き上げられる始末。「この人絶対失敗するな…」と思わせるところが巧い。だからこそ、いざ「脱獄計画」が始動した時のハラハラドキドキ感が尋常じゃない。やってることは犯罪以外の何ものでもないのに、100%感情移入して応援してしまう。何事も諦めないことが肝心なんだな、というのは『パピヨン』『大脱走』以来の感想です。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-03-04 16:39:00)(良:1票) 9.《ネタバレ》 2度目観賞。無実の愛妻を脱獄させる3日間、タイムリミットサスペンス・犯罪アクション。大胆かつ緻密な犯行。漂う悲壮感と目の離せない緊迫感。大学教授とは思えないほどサマになった銃構えの主演ラッセル・クロウ。ヒロインが驚愕のイナバウアー車外脱出未遂。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-12-23 22:58:50)(良:1票) 8.《ネタバレ》 うまい。王道のサスペンスであり、ひねりがあるというわけでもないのだが、ぐいぐいと2時間超を見せてくれる。 ■妻の有罪無罪は問題にしない。ラッセル・クロウ演じる夫は妻の無実を一身に信じる。そして私財をなげうって手探りで脱獄の計画をする。前半の綿密(とも言えないが)な準備に半分以上の時間を割いているが、それがこの話の厚みを与えていると思う。 ■後半は一転スピード勝負だが、子供を巡る部分や車から半身乗りだすシーンなどが印象的で、純粋な時間勝負の部分と心の微妙な葛藤がうまく重なり合っていると思う。ただ検問があんなんで通れるのかとは拍子抜けだったが。 ■ラストは別にいらないんじゃないかな。素直に飛行機と車で移動しているシーンだけで終わらせて、再捜査を暗示させるシーンもカットでいい気がする。 【θ】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-12-22 01:18:23) 7.《ネタバレ》 ラッセル・クロウもさることながら、妻役のエリザベス・バンクスの演技も真に迫るものがあり強く心を揺さぶられた。できれば真犯人が判明とまではいかなくても、それを予想させるラストにして欲しかった。夫婦愛にとても感動しただけに、このラストではやるせない気持ちになってしまう。 【ヘイターインサウス】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-19 16:15:12)(良:1票) 6.《ネタバレ》 さすがポール・ハギスである。オリジナルも鑑賞したが、こちらの方が分かりやすいし面白かった。オリジナルを超えるリメイクというのは、僕が観てきた中ではあまり無いからこれは凄いことだ。どうしてもオリジナルの持つ「勢い」や「素朴さ」が失われて、頭でっかちになったり、逆にオリジナルの筋をなぞるだけの中途半端なものになってしまったりしがちである。 この作品も基本的にはオリジナルを踏襲したつくりなのだが、終盤の動物園絡みのエピソードが付け加わって、ストーリーに厚みが増した。脱獄させた妻との心の交流を描くシーンがオリジナルには不足していると感じていただけに、この追加は嬉しかった。あとは公園で出会う女性との間にもそれなりのドラマが用意されているのも良かったと思う。 余談になるが、ポール・ハギスの映画は生起するドラマがわざとらしくてハリウッド的だという意見もあるかもしれないが、僕はこういうクラシカルな作風が好きだ。ある程度、話が分かりやすくならないとなかなか感情移入は難しい。それにハギス作品に出てくる登場人物の心情やそれに基づく行動はどれも理解しやすい。 さて、この映画を観て私が感じたのは「ナイロビの蜂」との類似性だ。どちらにしても主人公の一途に愛する女性を思う気持ちが印象的である。一途なだけではない。どちらの映画も、自分の命、そして他人の命まで懸けて女性を愛することがテーマである。僕はこういう映画を観ると涙が止まらなくなる。いつの日か自分もそうありたいと強く強く願う。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-11-12 23:56:02)(良:1票) 5.《ネタバレ》 普通に面白かったです。この監督で普通というのはどちらかというと批判なんですが・・・。ま、万人受けのストーリーに水準をはるかに超える演出力。充分に楽しめます。奥さんが有罪か無罪か判らないまま物語が展開して行くところがよいですね。あと、全てを知っていながら何も云わなかった父ちゃんにちょっと感動。敢えて難を云えば、プロに1回アドバイスを受けただけの一介の大学教授にあそこまで警察が振り回されてしまうのはいかがなものかと。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-11-05 17:13:00)(良:1票) 4.プロットの面白さは、オリジナル『すべて彼女のために』に因るもの。語りをほぼ忠実になぞって絵解きするのだから、つまらなくするほうが難しいはずだが、構図の活かし方(特に「ドア」の配置)もテンポも、断然本家が上だ。 マイナーチェンジとして、都会の鉄道を使った大掛かりな逃走アクションや、時間制限の中での子供を巡る葛藤などが付加されており、その辺りがハリウッド流リメイクとしての戦略と差別化だろう。 オリジナルの地味な魅力に比べ、スターの配置も音楽も編集もそして検問突破のサスペンス演出も、より通俗性を志向しているが、 ハイウェイを走る車から身を躍らせようとするエリザベス・バンクスの表情などは、リメイク版に新たに設定された印象深いイメージだ。 ただし余分に見える肉付け(特に序盤及びエピローグ)も多く、結果は上映時間の差が歴然と示している。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-11-02 23:59:21) 3.《ネタバレ》 ポール・ハギスの監督作品としては珍しく完全なアクションスリラーとなっておりエンターテイメント性抜群。アッという間の2時間でした。ヒューマンドラマとアクションが良い配分で混合されている感じは新007シリーズに近いものを感じます。以上のようにポール・ハギスらしく脚本の妙を存分に堪能できるのですが、それよりも驚くのが言わずもがなラッセル・クロウの演技力。共演者の中でも白眉としか言い様がありません。妻との面会での遣る瀬無い表情や刑務所からの脱走案を試行錯誤する時の疑心暗鬼な行動等は流石アカデミー俳優といった印象でした。いつもは勇ましい役かアウトロー役を演じるラッセルですが、平凡な父親を演じても完璧な辺りが素晴らしいですね。ちなみに最後に脱走が完遂するとは思わなかったですねー。オチは奥さんが実はホントに殺人者だったと思ったのに。見事に外れてしまいました。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-09-26 22:40:31) 2.《ネタバレ》 妻の冤罪を信じた夫が妻を脱獄させるお話。満足度、かなり高いです。ポール・ハギス監督の作品らしく登場人物たちの気持ちが分かりやすく伝わってくる展開に2時間があっという間に過ぎました。派手なアクションを控えながらも充分にサスペンスフルです。過去に何度もプロフェッショナルの「闘う男」を演じてきたラッセル・クロウが、本作では庶民的な夫を演じます。冤罪の真偽自体は問題にしておらず、それを信じた夫が取る行動と心理描写が見どころです。警察沙汰などと無縁だった男が諸方面から情報を仕入れて脱獄計画を練る。大学の先生らしく机上で考えるのは得意だけど、行動に移すと危なっかしくてハラハラします。初めて犯罪行為に踏み込む者の不安が観る側にまで伝染して来ました。裁判は八方塞がりで収監中に自殺未遂まで起こした妻。母子の関係も含めて家族を救うという目的もさることながら、主人公は懲役期間である20年という時間に耐えられなかったのだと思います。その年月を想像すると、行動に及ぶ心情が理解しやすかった。エピローグで妻を検挙した刑事が殺人現場に足を運びます。夫婦が脱獄という行動に及んだこと自体が冤罪の証明であると感じたようでした。このあたりの見せ方がとても上手い。最近のサスペンスものはどんでん返し系が主流ですが、丹念に演出すれば無理に捻らなくとも完成度の高い作品が出来あがる好例です。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-09-25 20:02:26)(良:1票) 1.《ネタバレ》 ポール・ハギスの作品なので法制度の問題点を突く社会派映画かと思いきや、ストレートな娯楽作品でした。殺人で有罪となった妻を刑務所から脱獄させようとする大学講師が主人公。脱獄のプロから「脱獄に必要なのは観察と、綿密な計画と、金だ」とアドバイスされ、時間をかけてこれらを準備していく過程が丁寧に描かれていておもしろいです。そして映画のカギは、妻が無罪か有罪かを曖昧にしてある点。法を犯してまでも妻の無実を信じる姿に胸を打たれます。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-09-23 15:51:08)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS