みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 はじめはちょっとした、戻れると思っていた道が、ドンドン勢いがついてしまって、それに伴う旨味も味わって、引き返せなくなっちゃう事ってよくある事。そう、ありがち。 そこんトコロはすごくよく分かるんだけど、その理由を問いただされた時に宮沢りえが語った「偽物だから」というのがよく理解できない。 まあ、登場人物の主張が理解できないと言って、作品の評価を下げるのは、違うと思うが。確かに、最後のガラス窓を飛び越えた彼女の美しく晴れやかな走りっぷりは、それ自体何らかの主張を持った表現なのかもしれない。自分は「一緒に行かない?」と言われて行けなかった小林聡美と同じ種類の人間なのだろう。 一緒に行ける人は、また違う人生を生きられる人なのかもしれない。ある意味、羨ましい気もする。 子供の頃の、恵まれない子への寄付事件については、その「偽物」っぽさはわかるんだが。行為そのものはいかがわしい偽物でも、その気持はホントウという事なんだろうか。 宮沢りえがどんどんキレイになってゆく様とあの走りっぷりで、そんな事を表現されていたのだろうか。 【Tolbie】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-12-22 17:07:06) 11.《ネタバレ》 私はなかなか好きでした! 映画館で前のめりになって見てましたもん。 どんどん綺麗になっていく宮沢りえに対して、ずっと垢抜けない池松。 ここですでに二人の将来が見えてましたよね。 でもね、やっぱりつっこみどころは多々あるんですよ! BGMださいなあとか、なんでスローモーションやねんとか、そこまでせんでええやろ、とか。 最後のガラス破るところは素敵やなあ。 あと、小林聡子が素晴らしい。あの人はほんとおもしろいですね。 【らんまる】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-12-21 22:40:20)(良:1票) 10.《ネタバレ》 美しさが消え行く寸前の女が若い男に手を出して破滅するという話。宮沢りえは素晴らしかったですね。儚い。大島優子もいい味出してたし、面白いと思いますよ。ただ、ただですよ!どうしても納得出来ないのはラスト。カンボジアだかタイだかわかりませんけど、なぜどうでもいい伏線を回収するんでしょう。宮沢りえの清々しさすらある逃走シーンは偽物の自由を求め破滅した人間の最後の輝きではなかったのか?とんでもないスケールの横領をしでかしたのですから、警察に捕まればそうそう出て来られない。でも、あのシーンの宮沢りえは若かったじゃないですか。1995年の梨花じゃないですか。ありえん、ありえんぞ。観客を突き放したラストが大好きな吉田大八の作家性がオチをメチャクチャにしてしまった。もったいねー。 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-12-12 19:09:45) 9.多額の預金を横領するという事件については同じでも、夫の存在が薄くなって隅より子、相川恵子という映画独自のキャストが登場することによって、原作とは別の「紙の月」になったと思う。決して悪いという意味ではなく、小説は小説、映画は映画の良さがあり、物語性よりサスペンス性を重視したとも言えるし、ガラスを割るシーンにはびっくりと言うほかない。ただ表面的な動機はわかるような気はするが、監督の意図する爽やかに破滅するヒロインには着いていけなかった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-11-25 18:34:02)(良:1票) 8.《ネタバレ》 ぶっちゃけ単なる「ヒモ男に入れ込んだバカな中年人妻の不倫話」です。でもこれがお金や欲望、そして善意にまつわる奥深い話になっており、吉田大八監督の演出力に舌を巻きます。 この映画には主人公が本質的に二人いる。一人は勿論、宮沢りえ演じる営業マンの梅澤。そしてもう一人は小林聡美演じるベテラン社員の隅さんです。この二人は恐らく観客の持つ二面性をそれぞれ片面ずつ表しているキャラクターだと思います。それぞれが頭の中の天使と悪魔だと考えれば実に分かり易い。「横領しちゃえばいいじゃない。お金なんて所詮は価値のない偽物よ。唯の札束よ。自由になりましょう」と囁くのが梅澤、「お金じゃ結局自由になれないわよ。人間落ち着く所に落ち着くようになってんの」と囁くのが隅さん。私は観ながら「梅澤みたいには行動できんなぁ……」と思っていましたが(大多数の人はそうでしょう)、梅澤が隅さんに「もっと怒ればいいのに」と言うのも尤もな様に思える。本来唯の紙切れに過ぎないお金に縛られている私達はどうしてもモラルの壁を乗り越えてしまった梅澤にどこか憧憬を禁じ得ない。しかし最後にそんな夢は醒めます。この瞬間の描き方が実に皮肉となっていて素晴らしかった。ヒモ男は若い女を作っていて破局。いやらしいと思っていたお客には枕営業を仕掛けようとしたら「今まで通り真面目にやればいいんじゃないかな」と逆に諭された。隅さんには「お金で買える自由はここが限界」と気付かされる。それでも彼女は窓から飛び出して偽りの自由で生きることを選んだ。ラストシーン、タイで自分が募金した相手の男の子は、別に募金があろうがなかろうが立派に大人に成長していた。彼女の善意はまるっきり無意味なものだった。自由でもなければ、善意にもならず、単に無意味な人生。それが彼女が選んだ偽りの自由の結果なのでしょう。リンゴを無言でほおばる彼女の眼からはそんな人生に対する呪詛すら感じる。 まあ流石にあんな突発的な逃亡の末に、タイまで逃げられるのは無理有り過ぎるとも思ったのですが。もうちょっと上手い見せ方は無かったのかな。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-11-24 23:15:21) 7.宮沢りえは体当たりの熱演をしている。だがドラマはいただけない。問題は原作なのか脚本なのか、原作未読のため判断できない。非日常性に焦がれ、優しい夫を裏切り、若い男とのセックスに耽溺するのは理解できる。だが突然、横領を働き、それをエスカレートさせていく。その堕ち方の蓋然性が弱くて戸惑う。 最後には、その謎が解けるだろうと期待するも、たとえば幼少期の歪な体験によるトラウマ等、カネに復讐しなければならない理由が明らかにされるのかと思いきや、全く描かれない。「与えたいだけ」が、横領して男に貢ぐ理由じゃダメだろ。うーむ。消化不調 【ヒロポン】さん [映画館(邦画)] 5点(2014-11-23 20:12:50)(良:1票) ★6.《ネタバレ》 鑑賞を終えて、映画館施設内のATMで一万円を下ろした。 その一万円札をしげしげと見ながら、“彼女”の罪と罰について思いを巡らせた。 この映画の主人公が、犯した罪とは何か。そしてその代償として与えられた罰とはなんだったか。 巨額の「横領」という明確な罪が描かれていながら、果たして本当に彼女が犯した罪はそれだったのかと確信が持てなくなる。 言い換えれば、「横領」という罪に伴う「嘘」と「偽り」そのものが、彼女にとっての「罰」だったのではなかったか。 彼女の「罪」は、たった一枚の一万円札から始まる。ただしそれは、ただの目に見える“きっかけ”に過ぎない。 他人の一万円に手をつけてしまうずうっと前から、彼女は、この世界の“虚構”に対するジレンマを孕み続け、一線を越えてしまう必然性を秘めていた。 彼女にとっては、この世界にまかり通っている虚構を受け入れ、普通に生きていくこと自体が、「罰」だったのかもしれない。 その「罰」に相応しい「罪」を後追いしてしまったと捉えることは、確固たる犯罪者である彼女を庇護しすぎなのかもしれない。 けれど、欲望を追い求めるというよりも、むしろ盲目的に一線を越えていく彼女の姿には、表面的な快楽と悦楽に包まれた業苦が露わになっていた。 主人公は、越えてはならない“ボーダーライン”を次々に越えていく。時にその描写は少々唐突に見えるかもしれない。 けれど、実際、“一線を越えてしまう”という事象において、明確な意思なんて存在しないのだと思う。 唐突な流れの変化と、衝動、そしてただ残る結果。“一線を越える”というのはただそれだけのことだ。だからそこには明確な理由なんて実は無い。 「あなたはここまで」と、言い切られ、彼女はまたひとつ“一線を越える”。 まさか、この映画の結末が、こんな爽快感に包まれるなんて、ちょっと信じられなかった。 「罪」と「罰」を同時に経たからこそ、彼女に「贖罪」は必要なかったと僕は思う……いや、違うな。 やはり彼女にとっては、どこに居ようと、この世界で生き続けることこそが、贖罪なのかもしれない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-11-23 10:19:40)(良:1票) 5.《ネタバレ》 今日はボジョレーの解禁日。劇中のバカップルよろしくワインでもあおりながら、素晴らしき映画に乾杯!・・と景気よくいきたいところですが、残念ながら横領犯梅澤という女に人として何一つ共感できなかったので低評価になります。そもそも、問題の少女が横領犯に変貌していく成長過程が一切描かれていないので、我々には彼女がただの不愉快な悪女にしか映りません。無駄なラブシーンを少々省いてでも彼女の成長過程を描いて、境遇によって成るべくして成った女として、もう少し彼女に人間味を持たせてほしかった。ご都合主義な展開も多い。例えば、ランチの精算でカードが切れずに膨大な借金が発覚する場面。すぐ横には天敵がいる。これはいくら何でもタイミングがよすぎる。それ以前に、800円くらい最初から現金で払えばよろしい。それともカード依存症はいちいち現金を使うことすら忘れるのか。とにかく後味がよくなかったので、明日は口直しに「ペーパー・ムーン」でも観てスカッとすることにします。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 4点(2014-11-21 01:29:48)(良:1票) 4.《ネタバレ》 主人公が踏み外してしまうまでの描写が弱いように感じます。少女時代の募金話が彼女の現在にどう影響したのかがリンクしないまま終わってしまいました。最後に少年と会えたのは良かったですけどね。夫も鈍感だけど優しさは持っているいい人なんですしね。 【東京ロッキー】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-11-20 17:53:15) 3.《ネタバレ》 地下鉄駅のホームで、線路を挟み向かい合う宮沢りえと池松壮亮の視線が合う。 列車の到着と発車の中で彼女の姿がかき消される。 発車後のホームに彼女の姿はない。振り返ると、 池松側のホーム階段を降りてく彼女の脚がある。 次は一気にホテルのシーンだ。 ラストも同様、「見えない壁ガラス」を割った彼女は次のシーンではもう 自らの脚で駆け出しており、街路の壁を曲がるところだ。 観客が気付いた時には彼女はすでに足を踏み出している。 画面には交差点や線路、白い会議ルームの壁のラインや窓ガラスなどの境界線が配置されているが、彼女は意を決したらもう躊躇わない。 心理を露呈させることなく、観客の共感など置き去りに突き進んでいる。 その潔さ、唐突さがいい。 儚げでありながら時に不敵な面持ちを見せる宮沢りえが随所で単に美しいだけに 留まらない複雑性を内包した魅力的なヒロイン像を見せる。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-11-19 23:59:47) 2.《ネタバレ》 桐島が良かったので見に行ったけど疲れる内容で何度か途中抜け出したくなった。 こういう主人公に共感できない話は見てても楽しめないですね。 話も進まないからグダグダでした。 ラストは良かった。 結局ケジメはつけないのか行くべきところへ行くのか気になります。 【Dry-man】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-11-17 00:00:43) 1.《ネタバレ》 原作小説・ドラマ版はともに未見。筋自体は、女性営業員が年下の大学生との不倫にハマって、勤め先の銀行の金を横領していくうちに金銭感覚が麻痺していく…という、ありがちなストーリー。だが、インタビュー等を見ても、ほとんどの演者が自分が演じる人物に、少しも共感できないと語っているように、「実際にこんな人はいないだろう」というキャラクターばかり。にも関わらず、展開自体はテンポ良く(?)悖徳的行為になだれこんでいくという点で、ある意味同原作者の「八日目の蝉」と似たような感覚でした。また、話のオチが放棄され、何気ないシーンで突然終了するのは、同監督の「桐島、部活やめるってよ」と重なる部分も。池松壮亮もこんな濡れ場をやる歳になったんだなぁ、と思いつつ、役柄とは合ってた気も。小林聡美・大島優子・石橋蓮司・近藤芳正なども悪くなかった。旦那さんの田辺誠一は、ちょっといい人過ぎかな。5点と6点で迷いましたが、厳しめで5点。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 5点(2014-11-16 08:37:17)(良:1票)
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