みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
21.《ネタバレ》 トランプ大統領の政策の大きな柱のひとつとしてアメリカの不法移民問題が脚光を浴びていますが、遡ること10年以上も前にこの問題に取り組んだ作品があったんですね。 本作が良心的だと思ったのは、政治的な正しさには特に言及していない点です。特に昨今の議論では不法移民がかわいそうという点のみがクローズアップされていますが、これを取り締まるアメリカ側にも、そうせざるをえない事情があるわけです。本作はその構造上、不法移民に寄った視点でのドラマにはなっていますが、これを取り締まる国境警備隊を過度に敵視したり、「アメリカ社会はもっとこうあるべきだ」というお節介な主張を挿入したりせず、人間性というレベルのみでこれを取り扱っています。 銃撃を受けたメルキアデス・エストラーダの死体が発見されたが、不法移民だからという理由で当局は真剣に捜査しないし、国境警備隊員のマイクが撃ったということが判明しても、みんなその事実を有耶無耶にし、さっさと遺体を埋葬して事件と一緒に葬り去ろうとしている。これを受けた主人公・ピートはメルキアデスを故郷に埋葬してやろうと行動を開始しますが、その動機って犯人であるマイクに対する怒りとか、アメリカ社会への失望とか、メルキアデスに対する友情とか、そういうものではないように思います。 それは人としてのマナーというか、彼の遺体を隠滅すべき邪魔な証拠程度にしか考えていないアメリカにメルキアデスを葬っておくのはあまりに忍びないから、彼の尊厳が守られる場所に埋葬してやろう。そして、アメリカでメルキアデスにもっとも近い立場にいたのは自分だから、この自分がやるしかないと、この程度の動機だったように思います。だからピートはメルキアデスへの思いを口にしないし、殺されたことへの怒りの素振りも見せません。行動を共にすることが多かったためメルキアデスとの思い出こそあったものの、個人的な思い入れはさほどなかったのではないかとすら感じました。 そんなこんなで旅を始めたのですが、生前のメルキアデスが語っていたヒメネスという土地はなく、家族写真も赤の他人のものであり、ピートが伝えられてきたメルキアデスの人生は彼による夢想の産物だったことが判明します。メキシコでのメルキアデスの人生は本人が封印を望む程度のものであり、だからこそ彼はたった一人でアメリカにやってきたのであろうことをピートは認識します。これ以上、生前の状況を詮索するとかえって故人の尊厳を傷つけてしまうという状況に直面し、おそらく内心では「お節介なことしてごめんなさいね、メル」なんて思いながら、なんとなく良さそうな場所を見繕って遺体を埋葬します。このドラマがまさかこんな終わり方をするとは思わなかったため、この結末には良い意味で呆気にとられました。 身寄りのない人間の死と尊厳というテーマには意外と普遍性があり、例えば私は日本の独居老人に当てはめて考えました。独居老人の遺体は社会的には処理に困る厄介な代物であり、何の思い入れも無くひっそりと荼毘に付されますが、一人の人間の最期においてこの扱いはあまりに悲しすぎます。他方で、身寄りがない人にはそうならざるをえなかった負の歴史もあり、例えばヒューマニズムに燃えた他人がそうした負の歴史を詮索して回ることは、かえって故人の尊厳を傷つけます。一人の人間の死とどう向き合うのかという問題について、本作はなかなか意義のある考察をしているのです。 そういえば、本編中には旅の最中のピートが突然思いついたかのように主婦売春をしているレイチェルにプロポーズするというくだりがありましたが、これは旅の過程で人の尊厳を守ることの大変さに直面し、翻って自分が死んだ時にこれほど手を尽くしてくれる人がいるという自信がなくなったピートの不安の表れだと解釈しました。結局、このプロポーズは断られましたが、その過程が、ピ「いつも俺が一番って言ってくれてるじゃん」レ「それは客と風俗嬢という関係があってのことで…」みたいな悲しい風俗あるあるだった点には笑わされました。それまでクールだったピートにもこんな無様な一面があるという点が、後に明かされるメルキアデスの情けなさにも繋がるわけです。 上記の通り非常に優れた趣旨を持つ作品ではあるのですが、多くが語られない内容に対して上映時間が妙に長く、見ていて退屈させられたこともまた事実。意義のある映画ではあるものの、面白い映画ではありませんでした。また、主婦売春をしていたマイクの奥さんが(ジャニュアリー・ジョーンズが超美人!)生前のメルキアデスと関わっていた件など、何かの伏線かと思いきや後の展開に一切影響を与えない無駄な要素もあって、上映時間が無駄にかさ増しされているような印象も持ちました。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2017-09-01 18:21:18) 20.どこでも映っているアメリカのテレビ、そのノンキさの対照のように映画には腐臭が漂う。『ガルシアの首』はボスの怒りゆえだったが、こちらは友愛ゆえ、でも死臭漂う執念を見せるのは同じ。腐敗を見せつけることも裁きの一環か。罪に向かわせる旅となった。いつのまにか師弟のように見える二人、ってジャンルの映画があるな。男の映画として一つの型になっている。盲人の農夫のエピソードが好き。食料を届けるせがれはガンで死んだらしい。何かしてほしいことは? に対して、撃ってくれ、と言う。荒涼とした生がここにはある。あとで国境警備隊が来たときは、欲しいものは? に対して、ない、とキッパリ言う。心の通う者と通わぬ者との違い。メキシコの乾いた風景がこの物語にふさわしい。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-09-29 09:54:50) 19.《ネタバレ》 題名のあまりのかっこよさに期待しすぎたというか、内容を勘違いしてしまったかも・・・。作品全体の乾いた感じがよかった。でもちょっと長すぎ。 かわいたといえば、これ湿度の高い日本だったらえらいこっちゃですね。 【ぺーこ】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-12-02 01:00:36) 18.《ネタバレ》 途中まではなかなか時間が長く感じていたが、旅に出たあたりからはアッという間に終わったと感じるくらい夢中になった。ピートのやり方に対してやり過ぎじゃないかとも思ったが、それ故にマイクの贖罪意識は高まっただろうし、辛い数日間を過ごしたからこそ罪悪感が和らいだ部分はあったと思う。またマイクの最後の様子を見るに、本当の人の繋がりを感じたように見え、何か救われた気持ちになった。命の重さについて考えさせられる深い作品です。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-11 01:26:04) 17.《ネタバレ》 二人の男と一人の死体、っていう設定のロードムービー。死体とともに映画を進めるっていうのは確か『偶然にも最悪な少年』だったかな。よく覚えてないけど。 死体の顔にアリが群がっていたから、焼き払おうっていうのとか、そういうノリを押しとおして、別役実的世界を作っていただけたら良かった。 【no_the_war】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-01-09 22:54:42) 16.ラストはちょっと物足りない気がしましたが、最後まで飽きさせない構成で見ごたえはありました。ヒメネス村はなんだったんだろう、謎が残りました。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-06-23 13:59:01) 15.相当楽しめた。 まず、ギジェルモ・アリアガの脚本が素晴らしい。 そして又、テキサスやメキシコの風景描写、そこを旅するロード・ムービー的色合いなどが、見事にマッチしている。 一人の命を、友情という絆だけでここまでやってしまう男は酔狂としか言いようがないが、それはこの男の愚直なまでの誠実さを表現している。 ひょんなことから大変な災難に巻き込まれるという、巻き込まれ型サスペンスの典型で、先の読めない展開という点でも飽きずに楽しませてくれた。 最後に、ルーアンを演じたジャニュアリー・ジョーンズという女優さん、とってもキュート! 私もあんな金髪美人と密会したいもんだ。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-09 02:35:23) 14.《ネタバレ》 まさかこんな話に展開するとは思っても見ませんでしたが、トータルで考えると悪くない出来かな。ただ、いくら親友の頼みでもあれはやりすぎでしょ、少なくとも共感は出来ない話でした。時間軸を変えたことは個人的に正解だと思った、話が話なだけにそのままだと退屈してたと思う(混乱した人はさらに詰まらなくなるが)。一番よく分からなかったのがメルキアデスの嘘、ピートも彼の誠実さゆえの行動のはず、何で家族や架空の村の名前を話をしたのかサッパリ意味が分からなかった、村らしきものはあったけど、スッキリしない。救いはマイクを許したとこかな、ピートが最後にただの異常者で終わらないでよかった。内容はたいしたことはないが国境を越えるシーンの景色がなかなかよかったので+1 【taka-104】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-21 21:49:44) 13.題名に引かれて面白そう!と思ったのですが、予想に反して淡々としていてちょっと拍子抜け。 風景も良かったしロードムービーの雰囲気は出ていましたが。 主人公の心情が良く分からなかったのが、痛いところでした。 トミー・リー・ジョーンズさんの次回監督作品に期待して1点プラスしました。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-23 14:13:56) 12.《ネタバレ》 かなり特異なシチュエーションのロードムービー。個人的には楽しめたがどうもキャラクターの描き方が甘い気がする。まずマイクは極悪人ではない事が疑問。メルを殺してそれを隠した事に変わりないがあれは事故であり、彼の意思ではない。マイクが国境を越えた女性の鼻を折るというシーンがあるがあまり機能してない。自分の意思で鼻は折るが自分の意思で殺しはしないだろう。またピートに関してもメルとの友情の描写が唐突で彼の動機に疑問が残った。前半の時間軸の複雑な構成も、斬新ではあるが理解しがたい。中盤、終盤は普通に話しが進むので必要なかったのかもしれない。 【サムサッカー・サム】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-03-21 12:56:22) 11.《ネタバレ》 よかった。雰囲気あったわ。閉塞感に包まれた国境の町。貧しく希望もないけれど、それでも皆なにかしらの憂さ晴らしを見つけて暮らす底辺の人々。しかし、ちょっとした誤解で殺されたメル。不法移民でここには家族もいないからろくに捜査もされず、内々で処理されてそのままさらりと流されてしまう、まるで虫けらのような死。これを溜息のひとつもついてあっさり忘れてしまう事だって出来る。だけどこの死はそんなつまらないことなのか?そんなの違う!ピートは敢えて強引にマイクを拉致して国境越えの旅に立つ。半分はメルの、もう半分は自分の、人間としての尊厳を守るため。(…って、そう思ったんだよね) ヒメネスまで行く先々の大自然の絶景は時として美しく、また恐ろしく、容赦なく過酷だったりする。それでもピートは何か人生の手応えみたいなもの感じてたんじゃないかな。だからあの盲の老人の「殺してくれ」も突き放したんだと思う。そして高揚感からレイチェルに電話でプロポーズしたのかも。 でも…やっとたどり着いたはずのヒメネスは無かった。メルの帰りを待つはずの家族もいなかった。絶望?それでもピートは奇跡のように写真の場所を探し出す。 そして三度目の埋葬。怒りも恨みも無く、正義でもなんでもなく、友人が人間として生き人間として死ぬことを全うさせたかった…んじゃないかな~と思ったのよ、うん。(今回ものめり込んで観ちゃったな~っと♪) 【ごりちんです】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-09 18:20:43) 10.《ネタバレ》 何この映画?相当面白くなかったですね。まず前半の時系列バラバラは、ただ奇をてらったことがしてみたかっただけとしか思えない。何故ピートが埋葬を頑なに遂行したがるかもよく分からん。仲いい友達だったんだろうけど、その思い入れの理由が見えない。そしてマイクに対する報復もあまりに浅はかな考えだ。確かにマイクは、私生活ではどうしようもない最低男に描かれてたけど、メルを撃ったのは事故だったわけだし、ピートは自分の考える「善」を押し付けてるだけだ。てかそんなに強い絆なら、アリが付いたくらいで顔燃やすか?笑 あと結局ヒメネスがなかったって設定もサムかったですね。肩透かしくらった感じですよ。でも最後の台詞「一人で大丈夫か?」には唸らされました。 【TK of the World】さん [CS・衛星(字幕)] 0点(2007-11-13 14:42:44) ★9.一見すると、罪をおかした人間が悔い改めたように見えるが、じつは主人公の暴力に屈しただけという見方もできる。いかにもアメリカ的な解決方法で、罰を与えた本人のみがカタルシスを得ている。ようするに、殺すか?それとも赦すか?という以前に「何ゆえにお前が裁くのだ?」という疑問を持ってしまう。もし人を裁くことについて監督に質問をしたら「親友だからその権利はある」と答えるのだろうか?これを見ていると、「友情」という1つのテーマは、単に罪をおかした人間に罰を与えるための手段に過ぎない気がしてならない。ちなみにアメリカという国は常に何かに対して「許さねえ!やっつけてやる」と叫んでいる。その怒りの源泉は分かりやすくいうと「義憤」である。本作の主人公の奇怪な行動もシンプルに説明するならばそれは「義憤」になる。日本人からすれば、たったこれだけの理由で?と思われる義憤でアメリカ人は時々激しい攻撃性を発揮する。しかもそれは自己陶酔をおびた義憤だから始末に終えない。主人公の老カウボーイはまさに典型的なアメリカ人を表現していた。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-19 18:57:35) 8.《ネタバレ》 本作の何よりの見所はその見事な景観であり、トミー・リー・ジョーンズなるイカツイおっさんが失礼ながら予想を遥かに上回る美的感覚の持ち主だったことに驚く。しかもこのイカツイおっさんはやっぱり一筋縄ではいかない。けっこう単純なお話の時間をバラし構成を複雑にし注意力を引きつける、それでも気が緩むものならドーンと迫力万点のおばさんの裸や腐乱した死体を映しガードが下がったところへパンチを見舞ってくる。まったく油断も隙もならない。さらに、複雑で濁った現代社会で失われつつある友情に原点回帰する物語は、単純で純粋なヒューマニズムが溢れており温かさを感じる。自分本意のマイクが最後の最後で「一人で大丈夫か?」と声をかける。他者への関心があらわれ出し彼を救っているようであり、イカツイ風貌とは裏腹にトミー・リーの優しい一面を垣間見た気がする。・・・ところで、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」という題名ほど中味は凝ったものではないが、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」という題名は近頃の映画の中では群を抜いてかっこいい。だって何度も口ずさみたくなる。メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬、メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬、メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬・・・・・長いのにあまり噛まないで言えるところが実に良い。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-03-09 18:08:48)(笑:1票) 7.《ネタバレ》 やっぱり南米の映像は美しいですねぇ。なんだか非生産的で全然活気が無くて暇だからって、浮気してたりする人達が住んでる、どーしよーもない乾いた町が舞台です。ホントある意味救いようもない。そんな町だから人を殺しても、その人が町の人間じゃなくて、不法移民でよそ者だったりするから、なーなーで揉消したりするのが、当たり前のようになってたのかもしれない。そんな胸が悪くなるような町のシーンの連続ですが、目が見えなくて食料を運んでくれてた息子が来なくなって「お願いだ。その銃でわしを撃ってくれ」と言ってた老人が、国境警備隊が来たときに「何か必要なものがないか」って聞いたときに「ない」って言ったシーンが一番辛くなりました。この映画は全体的に背景に絶望を映し出してるけど、最後の一言で、暗く沈んでいた観客を救ったカンジに仕上げたのですね。だからこそ、好みが分かれる映画です。 【さら】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-12-11 10:49:32) 6.《ネタバレ》 トミー・リー・ジョーンズの初監督作品。乾いた田舎町の狭い社会が描かれていて雰囲気はいいのですが、映画が始まってすぐに出てきた二人の男性を見て、カメラに向かって演技していると感じてしまいました。そうなると、ストーリーより、役者の演技が気になってしまい、トミー・リーの演技もいつもと違うなあと思ったりしてしまいました。途中から気にならなくなりましたが、最初の取っつきが悪かったので入り込めませんでした。最初、何だと思っていても、いつの間にか入り込んでしまっている映画もあるので、あえて平均以下です。 【omut】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-10-05 07:20:20) 5.ごめんなさい。見てるのが苦痛になってきちゃったので・・・相性が悪かったみたいです。 【ジマイマ】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-06-22 19:55:56) 4.トミー・リー・ジョーンズ初監督作『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』はまずなんといってもタイトルがかっこいい(笑)。でも画もかっこいいのだ。アメリカとメキシコの国境を馬に乗って越える3人の男(一人は死体)の画がとにかくかっこいい。観終わった後、『ガルシアの首』を思い出したが、パンフによると監督もこの映画を頭に置いていたらしい。『ガルシアの首』に限らず70年代のアメリカ映画における寡黙なヒーロー像がこの映画には存在する。テキサスの国境沿いの町での生活に空虚なものを感じていたのは越してきたばかりの若い夫婦だけではない。主人公もまた感じていたのだ。約束を守るための無茶な国境越えはきっかけにすぎない。なんでもいいから何かのために命をはる、そこに生きることの喜びを見出してゆく。友人の警官だってそうだ。だから「生きている」ピートを撃てなかった。生きながらに死んでいた男たちが町から離れていくごとに「生」を見出してゆく。そして映画は70年代の映画に回帰してゆく。前半の全くついていけない時間軸のずらし方は不満に残りますが、トミー・リー・ジョーンズの中にある映画の記憶を共有できたような気にさせてくれたこの作品、かなり好きかもしれない。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-28 14:08:06)(良:1票) 3.ちょい悪おやじはカッコイイですね。 【たま】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-03 22:55:55) 2.《ネタバレ》 深そうなテーマ(暴力や人種差別など)をちりばめつつも、なかなか本質が捉えにくい映画になっていると思う。 それにしても、宣伝文句の感動のラストというのはいかがなものかと思うが、なかなかシュールなラストになっているのには驚いた。 その辺にごろごろしている普通の観慣れた作品に飽きた人には勧められる一風変わった映画なのかもしれないけど、あまり一般の人には勧められない映画かな。 <以下ネタバレ>①バリーペッパーの役をもうちょい小悪役にした方が話がすんなり入るのではないかなと思う。メルキアデス殺した行為には殺意はなく単なる事故であり、嫁とショッピングを楽しむ余裕もないほど、追い詰められひどく罪悪感を感じている者に対して余りありすぎる報復ではないか。むしろ嫁との浮気を妬んで殺したとかの方が良かったのではないか。 ②ジョーンズとメルキアデスとの関係がフラッシュバックのように挿入されているが、二人の関係の強固さがイマイチ伺いしれないのではないか。なぜジョーンズが法を犯してまで、メルキアデスとの約束にこだわるのか、自分にはよく伝わってこなかった。ジョーンズの動機がわからないために感情移入ができるはずもない。もっとメルキアデスがどういう人間であるかを観客に知らせた方がよかったのではないか。 ③メルキアデスがなぜジョーンズにあのようなことを真面目に言ったのだろうか。自分が死んだら自分の身を故郷に戻してほしいという想いがあったのかもしれないが、生前の彼の真面目な行動とあの言葉がどうにも結びついてこない。 ④3度の埋葬というタイトルだが、それぞれに確かに意味があるのかもしれないが、タイトルになるほどのインパクトが1、2度にあったのだろうか。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-03-19 00:52:56)(良:2票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS