みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10.《ネタバレ》 複数のストーリー&数多くの登場人物に加え、現実・非現実や過去・現在が文字通り綯交ぜに入り混じった複雑な構成を擁している。そして、長尺ながら終始一定した早めのテンポ、随所で盛り込まれる絵本か紙芝居の様な映像エフェクト、個々の演技や劇中劇の雰囲気等も含めて、演出も極めて独特である。確実に通常の劇映画とはかなり質感の異なる映画なのだし、ドキュメンタリともファンタジーとも言えないこの質感自体がもはや唯一無二と言っても好いユニークなモノだとも思う。一方で、また極めてメッセージ性の強い作品であるのも間違いなくて、ただその「主旨の明確さ」こそがこのある種混沌とした映画をバチっとひとつに束ねる強力な「箍」であるとも思うし、また本作を鑑賞する最大の価値でもある、とも思うのですね。まずはその主旨に十分に共感できたこと、そしてこのユニークな作品世界が個人的にはごく心地好く感じられたことも含めて、私としては今作、完全に観て好かったとは思ったのであります。 ただ、そもそもの今作のコンセプトとゆーか、こーいう伝えたいメッセージの明確な映画(取り分け、そのメッセージは特に子どもや若者に広く伝わって欲しい…と言えるかの様な作品)を、こーまで「取っ付きにくく」つくってしまうとゆーのは、やはりちょっと本末転倒とゆーかチグハグな感じも覚える…のが正直なトコロなのです。まずはやはり単純に長すぎると思うのですし、演技の感じや字幕の多用もそれこそその方面への分かり易さを重視したモノなのでしょーが、分かり易い・分かり難い以前に全く「観易くない」映画だ…とゆーのも確実にそう思われるのであって(例えば私が教師だったとしても、コレを小・中学校で生徒に観せたら多分みんな寝ちゃうな…と思ってまう、つーか)。重ねて、監督の個性に共感できる「映画ファン」としては喜ばしい作品だとは思うのですが、その辺の部分には疑問もまた感じられる…という作品ではありましたです。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 7点(2022-03-14 16:55:37) 9.《ネタバレ》 大林監督の戦争三部作は、映画好きなら必見です! 「長岡花火物語」「野のなななのか」「花筐」 たしかにストーリーが分かりづらく、観たときはそうでもないかもしれません。 でも心に残る映画です。 何年でも心のどこかに残る映画こそ、いい映画ではないでしょうか? この映画も好きな場面がいっぱいあったなぁ。 幽霊のような一輪車人間。空襲のシーンで奏でられるサックス。先生好きですといった女性徒とのハイタッチ。 花火のシーンにかぶさるエンドロール。 いやぁ、こりゃDVD欲しくなったぁ! 大林監督の戦争三部作は全部DVDが欲しい! 【トント】さん [DVD(邦画)] 10点(2019-05-18 15:27:01) 8.《ネタバレ》 全くこの映画の事前情報は知らずに鑑賞。序盤からの圧倒的な情報量の多さとそのスピード感に面喰いましたが、どんなワンダーランドへ連れて行ってくれるのかとなんだかワクワクしていると、次から次へと繰り出されるぶっ飛び演出で、今、自分が何を観てるのか、ドキュメントなのか、フィクションなのか、舞台なのかよくわかんない状態にされ、そして無理やり心をこじ開けられ、気づけば中盤から、よくわかんないけど涙がとまんない感じでした。映画観てて鼻水があんなに出るとは。口に入ってきちゃったし。メッセージ性は確かに大きいです。だから賛否両論はあると思います。でも、そんなの関係ないっす。あんな無茶苦茶な表現で描いた戦時下のシーンなんて、初めて観ました。だけど、だからこそ、なんかしんないけど、観てるこちらにすごく迫ってきて、長いけど、混乱しちゃうけど、全く退屈じゃなかったです。なぜに一輪車?、勇気凛々って・・、高嶋政宏のズラっぷりからの「この雨痛いなー」ってセリフとかの、細かいヘンテコさもすごく印象に残っちゃいまいた。こーゆう映画を撮れる監督、日本にいてよかったなー。 【なにわ君】さん [DVD(邦画)] 10点(2016-11-06 00:34:30) 7.《ネタバレ》 僕もこの映画が初めての大林宣彦映画でした。衝撃を受けましたね。役者がことごとく棒読みというか、ハキハキ喋ることを考えすぎて演技が下手になっているのか?と思うような演出、謎のテロップ、謎の一輪車少女、たまのランニングが山下清役で出演……。なんじゃこりゃあ。映画か?と思いながら見ていると、なぜか「大団円」(映画を見た人ならわかる、かなりびっくりするテロップ)で大号泣してしまうという。謎の体験でしたねえ…。2年前に見た映画ですけど、ほとんどのシーンを覚えています。クライマックスの謎デジタル処理とか、「さようなら~」とか、混乱必至です。あまりの衝撃に他の大林映画を見るきに慣れないまま。この映画のことは多分死ぬまで覚えていると思います。反戦映画としては正直いってどうかなぁと思いますけど。 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-07-24 10:05:47) 6.《ネタバレ》 何やら観てはいけないものを観てしまったような。。まず、主演級に露出が多かったあの少女に全く魅力がないのが致命的です。他にも、いちいち出演者がカメラ目線になる演出、走り回る筧さん(ワケわからん)、戦争の安っぽいCG。そのどれもが性に合わなかったです。大林監督の、特に80年代後半~90年代前半頃の作品は大好きです。でも本作はこの点数です。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 3点(2014-01-04 19:53:36)(良:1票) 5.《ネタバレ》 「まだ戦争には間に合う」なんとも恐ろしい言葉です。納品日、決算日、テスト、モラトリアム。期限や締切日なんて名の付くものは、あっという間に来てしまうもの。往々にして準備が整わず慌てふためくものなのに(失礼。ワタクシだけですか)。でも戦争には“何時だって”間に合ってしまう。思い立ったが吉日ならぬ、地獄の始まり。反戦平和への強い思いは一時も休んではいけないというメッセージが、痛い程伝わってきました。それは漕ぐのを止めた途端に倒れてしまう一輪車に似ているのかもしれません。大林監督、渾身の2時間40分にも及ぶ大説教は、虚実入り混じったファンタジックな散文形式で観客に訴えかけてきました。まさかの変化球に少なからず戸惑いましたが、豊かなエンターテイメント性に裏打ちされた見応えある映画でありました。意欲作だと思います。キャスティングも素晴らしく豪華。さすがは巨匠。お見事です。ただし、長いし、くどいし、耳触りは良くありません。終盤のしつこさには少々うんざりしました。でも説教とはそんなもの。たまにはガッツリ説教くらうのも悪くないでしょう。そういう映画だと思いました。(以下余談)今回は田舎の多目的ホールでの上映会。1300名収容の客席に観客は100人程。上映前には大林監督のトークショーがあったのですが、司会を付けずに一人喋りで予定の30分を10分オーバーしてお話くださいました。要するに合計200分、大林節のお説教を頂戴したワケです。大林監督、遠いところをわざわざお越しくださり、ありがとうございました。 【目隠シスト】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-03 21:27:45) 4.いわゆるナチュラルさを装った小芝居を潔しとせず、あえて棒読みさせてまでも俳優に 「日本語」を的確に発音させる事を重視してきた監督である。 ここではさらに徹底し、台詞は元より新聞記事から擬音語・字幕まで動員して 画面に活字を展開させ、言葉へのこだわりを見せつける。 映画と演劇とアニメーションが合成され、渾然となる炎のクライマックス。 フィクションとドキュメンタリー。言語と身体。過去と現在。花火と爆弾。 そして現実とファンタジー。 それらがパワフルに一体化し、エモーションを形成する。 花火もよく撮れているが、やはり一輪車に乗った少女の 中空で揺れるようなモーションとイメージがなかなか秀逸だ。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-04-21 04:46:36) 3.この映画のテーマについては賛否あるでしょう。正直説教臭すぎてセンチメンタルすぎると思います。でもまじめに戦争について、平和について考えたいという人にはドキュメンタリーだかドラマだかなんだかよくわからない表現方法にも、その繰り出される言葉を「聞いていさえすれば」ついていけるのだろうと思います。 逆に、いわゆる昔の大林映画を期待して行った人には、なんとも奇っ怪な、ロマンも情緒もない作品として映るのかも、と思いました。 しかしこの、追いついていけないぐらいの速さで繰り出される台詞と、行きつ戻りつする時間・場所と、意味ありげに、でも後半はそんなのいらなくね?と思えるような言葉まで文字として出して一見ドキュメンタリー風に見せつつも完全に作り事でございという(うそっぽい合成も含め)この映像表現が、面白かった。このエネルギーと爆発力はなんなんだろうと思いました。 大林監督は「時かけ」のようないわゆる大林監督といえばこれ!という時代よりももっと前の8ミリ自主映画時代の作風に先祖返りしているような気がします。デジタルという道具を手にして獲得した自由さが、表現を回帰させる方向に向かわせたのではないかと思いました。 そんな、あれこれ撮った素材をとにかく猛烈なテンポ感でつないで面白がっている、そのエネルギッシュな映像表現に惹かれました。こう言っては大林監督には失礼かもしれませんが、テーマなどはどうでもいいと思いました。ただひたすら、くらいらとめまいがし唖然とするような映像世界に打ちのめされました。 【とと】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-03-21 01:48:21)(良:1票) 2.《ネタバレ》 鑑賞後三か月を経て、ようやく気持ちの整理がついたんでレビューします。実はこの映画、東海地方で公開された初日に勇んで観に行きました。映画誌等で、ここ近年にないくらい大林監督作品としては巷の評判も非常に高い事も知ってました。監督の名前で映画館に観に行くだけの価値があると信じている、僕の人生においてもいろんな意味で深い刻印を残してくれた尊敬すべき大林監督の新作です。・・・・鑑賞後、ショックと夏バテで体調を崩し、数日寝込んでしまいました・・・。映画に全くと言っていいほどノレず、たった一人だけスクリーンの前から取り残されたような気持ちに。まさか大林監督の作品を観て、こんな気持ちになる日が来ようとは思いもしませんでしたが。何だったんだろう?あの虚脱感は。少々インターバルを空けてから、そもそも大林監督と「花火」って、相性が悪かった事にハタと気が付いた次第。思えば駄作の最右翼と言われている「ねらわれた学園」(←私はそれでも9点付けてます)のクライマックスは、西新宿で大量に打ち上げられた人工花火でした。駄作駄作と言われながらも、あの映画にはどこか「愛敬」が感じられたものですが、この作品にはそれすらない。私は常々「ヒロインが輝かない大林映画は絶対つまらない!」とレビューしていますが、この作品もその悪弊から逃れる事は出来ませんでした。狂言回し的な役どころの松雪泰子はまだしも、問題は少女版「えなりかずき」みたいな、「何か」を悟りきった表情で台詞を操る、過去からやってきたヒロイン役の少女。残念ながら私は彼女に一片の魅力を感じることが出来ず・・・。良質のセンチメンタリズムと、微量のメッセージ性の絶妙なバランスが大林映画の特性だと信じてきましたが、この作品は余りにメッセージ性に偏り過ぎていると思います。この作品を高く評価されてる方っていうのは、従来からの大林監督作品のファンの方々なんでしょうかねえ・・・?気になるなあ・・・。ご贔屓監督作だからといって、贔屓の引き倒しはしたくないので、正直に点数を付けます。それでも私は大林監督の新作が公開されたら、これからも喜び勇んで映画館に駆け付ける事でしょう。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 2点(2012-10-15 22:48:06)(良:1票) ★1.《ネタバレ》 巷では大変に評判の良い本作。真摯な思いに満ちあふれた充実作だとは思うが、この今さらながらの空想平和主義には根本で乗れず。平和というのは、悲惨な被害のおそろしさを後世に伝えていくことで実現できるものだろうか。現在日本が平和なのは、アメリカの強大な武力に守られている(と、思われている)からであって、日本が武器を棄てたからではない。武器を完全に棄てれば平和は揺らぐ。その根本の矛盾にこの映画は全く答えてはいない。 【ウェルテル】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-09-07 05:32:45)
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