みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
18.《ネタバレ》 湖畔にひっそりと建つ屋敷、窓にぼうっと浮かび上がるように佇む白い少女の姿、決して近寄ってはならない禁断の場所。これらが物語にもたらすオカルト的な空気はジブリ映画としてはとても目新しい。私の記憶では杏奈はジブリ映画史上のヒロインでは最も地味で平凡な少女だと思う。だが、そんな少女杏奈の一夏の成長と再生の物語は、置かれた境遇に泣いて、学校や家で自分の居場所を見つけられずに苦しんでいる、多くの少女たちに向けた応援歌のようにも思えた。私は、近年のジブリ作品は大人向けな内容に傾倒ぎみで、子供たちのような若い世代の視聴者を置いてきぼりにしているように感じていた。子供たちが観ても大人が観ても面白い映画をスタジオジブリには期待したいので、米林監督のような感性の若々しい後進たちにバトンを譲ったのは正解であったと思う。本作は、近年の作品には見当たらなかった新鮮な空気に満ち溢れており、ジブリ新時代の始まりを感じた。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-08-11 23:00:51) ★17.《ネタバレ》 一度見た後に、杏奈とマーニーの本当の関係を思い起こしながら劇中の二人の様子を反芻し、二度目見る事があれば、その時には二人の関係を念頭に置きつつリアルタイムで彼らの内面に注目しながら見返す・・・そんな楽しみ方ができる映画だと思います。 劇中杏奈が見せるような「愛されていない」「見捨てられた」という意識は、まだまだ未成熟な年若い精神にとって、とても辛い、孤独で切実なものだと思います。 また冒頭の、公園で描いた絵を杏奈が先生に見せようとする時に、頬を赤らめながら、しかし何か期待するようにその絵を先生に差し出そうとした場面を考えると、杏奈は最初から「誰かに受け入れられること」を求めていたのではないかという風にも見えます。 その事と、養母が自分を養育するのに市から交付金を受け取っているという事実に深く傷ついた様子を考え合わせると、彼女は「誰かから愛され、また自分も愛したいのに、それが裏切られるのが怖い、そしてそんな裏切りを犯した対象を許せない」というメンタリティを持っていたようにも見えます。 そんな未成熟ながらも一生懸命に悩んでいる若い精神にとって、例えば劇中でのマーニーとの関係を通して杏奈が得たような「無条件に愛され、そして愛している、そしてその上で裏切られたと自分が感じても相手を許し、愛し続ける」という経験は、そのような辛さや孤独、そして「誰かを愛そうとして裏切られることへの怖れと怒り」を乗り越えるために必要な物だったのだと思います(実際杏奈は、マーニーと貴重な関係を築き、最終的に彼女を許すという経験を通して初めて、養母の愛に気付くことができました)。 「太っちょブタ」と杏奈から罵られたあの娘が傍から見れば普通に良い子であるはずなのに明確に美醜を基準にして悪者のように表現されているという手つきの安易さや、あるいは痛ましい虐待事件がしばしば報道される今の時代状況を考え合わせた上での、杏奈の「幸せさ」とその悩みの「生温さ」を指摘することも、もしかしたらできるかもしれません。 しかし僕自身はそれでも、この作品の中にある杏奈の悩みは、決して少なくない人たちが経験するものであり、そして彼女がその悩みを克服するうえで通過した「愛し愛される、そして相手を許す」という経験は、間違いなく人間にとって不可欠なものだと思います。この映画では、そのような「葛藤と浄化の過程」が、「祖母と孫の時を超えた交流」というドラマチックな要素も含めて、静かに、しかし確実に感動的に表現されていると思います。 【マーチェンカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-08-10 23:21:56)(良:2票) 16.ストーリーは単純だが、美しい背景と共に、物語の展開もとても丁寧に作られている。特に、杏奈とマーニーが過ごす時間がこの上なく幸せなものとして上手に描かれており、マーニーが杏奈に語りかけると、その度に観ている私も涙が止まらなかった。ジブリ作品というよりは往年の世界名作劇場のような味わいで印象に残る、とても良い映画です。 【DAIMETAL】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-08-07 00:16:04)(良:2票) 15.「いやー意外と面白かった。アリエッティよりよかったなぁ」と褒めている自分に気付いたとき、あれ、もしかしてこの映画、そんなに面白くなかったのかな?と思った。観終わって、意外とよかったと思っていたんだけど、褒めるときにあの薄いアリエッティをを持ってこなきゃいけないほど何もなかったのかもしれない、と思った。簡単に言うと、弱った女の子が不思議な体験をして成長する話。だから、筋が通っているから安心して楽しめる。しかし、その平凡な流れに+する何らかのアイデアを獲得する努力は行われていない。キャラクターか、アニメーション的な面白さか、音楽か、なんでもいいんだけど、そういうなんらかの“異常値”がひとつもない。よく言えば安心。悪く言えば世界を何も前進させていない。そういう映画でした。 【コダマ】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-08-05 21:43:52)(良:1票) 14.スケッチブックに押しつけられて折れる鉛筆の力感や、ナイフで鉛筆の芯を 乱暴に削る動き。トマトや西瓜に包丁が入るその質感など。 巧いアニメーションではあっても、それが単なる現実の模写に留まってはいないか。 紅花摘みのリアリズムを見せつける『おもひでぽろぽろ』にしても、 幼少時代のシーンでは空を泳ぐといった奔放なアニメーションが しっかり活かされているのに対し、 こちらが志向するのは向地性とでもいうべきものだ。 映画は重力を強調し、ヒロインは幾度も地面に突っ伏す。 それはいいが、アニメーションであるべき必然性はやはり低い印象である。 何よりも肝心の「動き」の面において。 和洋のキャラクター・舞台を違和感なく 共存させた世界はアニメならではの強みだろうが、 あの大波と風のシーンだけではいかにもアニメーションとして弱い。 そして、「美少女ヒロイン」以外のキャラクターの何と魅力の薄いことか。 世話になる夫婦も無口な男も、いくらでもドラマに絡ませようがあるだろうに。 登場意義すら見いだしづらい。 絵描きの婦人も、単なる種明かし説明の道具に過ぎないだろう。 成長のドラマならせめて、他者との関わりあいの中で主人公の成長を描いて欲しい。 ヒロインの「碧い瞳」への言及の段取りも、こうすればより映画的なのに、 という代案が簡単に浮かんでくる。 それでいいのか。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 5点(2014-08-05 15:38:31) 13.《ネタバレ》 ディズニーのWヒロインがレリゴーで世を席巻する中、ジブリもWヒロインを採用。ミステリー調のストーリーテリングと、スーパーネガティブな主人公が、異色さを醸し出す一方、「不思議な経験を通して、ちょっぴり成長する女の子」という、ジブリの鉄板プロットに沿った良作となっている。 仕上がりに関して率直に言えば、物足りないと感じた部分はある。 例えば、マーニーにまつわる真相については、最後は語りで大部分をまとめてしまい、拍子抜け感は否めない。 主軸となる安奈の成長についても、やや記号的な描かれ方なので、もしくは時間をかけた方がよかったのかもしれない。 それでも個人的には、不思議な味わい深さを感じる、とても満足できる一作だった。 面白いと感じたのは、杏奈の成長の着地点、「自分は外側の人間」と決め込んでいた彼女が、どのように成長したのかという点だ。 普通、映画で描かれるような成長をすれば、外側だった人間が、内側に入り、みんなと仲良くハッピーエンドという終点が用意されると思う。しかし本作では、正当な成長過程を描きながらも、異なった終点に辿り着くのが興味深い。 マーニーとは、杏奈の人形に自分の憧れを投影したような存在であるとともに、似ているようで違う、水辺に映りこんだ自分のような面もあった。 マーニーと杏奈の立場が入れ替わリ始めたのは、マーニーとの交流で杏奈の考えが変化し、自分が愛されていることを受け入れ始めたからだろう。それ故に、人を許すことのできなかった杏奈は、マーニーを許すことが出来たし、「外側の自分が嫌い」だったことについても、「外側でも大丈夫なの」と思えるようになった。 結局、ふとっちょぶた(本名忘れてスマン)と大親友になるとか、そんな大きな変化は起きていない。とりあえず仲直りが出来ただけ。でもそれぐらいのちょっぴりの変化でいい。杏奈の心は大きく成長したのだから。 杏奈は「外側」のまま。でもそんな私が嫌いとは、もう思っていまい。 「ありのーままのー」ではないが、自分を受け入れること、そんな気負うことのない優しいメッセージが、美しい風景や空気感とともに、すっと心に沁みこんでくる。この不思議で優しい感じ、そしてテーマ曲の心地よさ。 理由もなくプリシラ・アーンを起用したわけではない。映画が終わってもすぐには席を立たず、音楽に身を委ねて、爽やかな余韻を楽しみたい。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-08-04 01:42:40) 12.鉛筆が折れる。坂道を転がり落ちる。水辺のぬかるみにはまる。平坦な道で転ぶ。 12歳の少女は、ほとんどすべての場面で何かしらの“失敗”をしてしまい、益々自分の中に閉じ篭る。 でも、彼女はその小さな失敗を繰り返す程に成長し、少しずつ新しい世界に踏み出していく。 それはあまりにありきたりな成長譚のプロットだけれど、映し出された映画の世界観はただただ瑞々しくて不可思議。そして忘れられない美しい物語を紡いでいた。 大した期待もせぬまま、予備知識も殆ど入れずに雨の中、レイトショーを観に行った。 ふいに出会った少女たちの一夏の友情を描いたよくある話なんだろうと思っていた。 大筋は間違ってはいないし、似たような話は知っている筈だけれど、まったく新しい「世界」に触れられた気がした。 そう思えるくらいに、このアニメーション映画の表現は新鮮味に溢れ、かつ叙情的だった。 スタジオジブリが輩出した新しい才能は、見知ったジブリ色を根底に敷きつつも、新しい水の色、新しい太陽の色、新しいジブリ色を導き出してみせたと思う。 「あなたのことが大好き」 ふいに出会った少女二人。それぞれに悲しみと憂いを携えた彼女たちは、ある種盲目的にそう言い切る。 はじめそのやり取りは少々稚拙で安直に見える。 記憶の中で幼女時代の主人公が抱える人形の背中が、それに拍車をかける。 結果、それは見事なミスリードだった。 「大好き」と言い切れることの真意。それが描き出されたとき、この映画がありきたりなファンタジーを超えた「邂逅」を描いていることを知り、涙が溢れた。 主人公の少女は、自分は「普通」に生きられないと思っていて、「普通」という輪の外側にしかいられないと思い込んでしまっていた。 きっとそれは、彼女の辛い過去に起因するばかりではなく、誰しもが辿る思春期の少女の葛藤だろう。 一夏の“思い出”と、長らく封印されていた“記憶”がリンクしたとき、その思い込みは解放され、鉛筆書きだった彼女の絵には鮮やかな色彩が生まれた。 「なんだ、良い映画じゃないか」 降り続く夏の雨の中、家路に就きつつそう思った。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-08-03 14:46:10) 11.《ネタバレ》 美しく素晴らしい映画でした。余り期待値が高くなかったので、観てそのアニメーションとしての技術の高さに驚きました。アニメーションの技術の高さとは、一つ一つのディテールが細かいという話ではなく(勿論それも素晴らしい水準)、主人公の心理やストーリーとしての起伏を映像として呼応させるという意味に於いてです。 オープニングから度胆を抜かされました。主人公・アンナは他者に混じるのが嫌で、でもそういう風に思っている自分も堪らなく嫌という、12歳の心情を非常にリアルに反映したキャラクター。彼女がスケッチブックに鉛筆を押し付け、ボキッと折れる。他愛の無い他人になんにも危害を及ぼさない行為の中に、彼女が抱える鬱屈した思いが込められている。そんな彼女は喘息の療養のために田舎に向かう。どこまでも続く様な平地を進む電車はこの映画が決して激しい起伏に富んだ派手な作品ではないことを印象付ける。画面前面の雲は暗いが、奥の主人公が向かう先の風景は光に満たされている。彼女が進むべき道を見事に映した名シーンだと思う。こういう風景を描かせたらやっぱりジブリは他のスタジオとは一線を画しているなと思います。 ストーリーも主人公が子どもから大人への一歩を踏み出す話と割り切っていて良かったです。近年のジブリは『ハウルの動く城』や『借りぐらしのアリエッティ』や『崖の上のポニョ』などテーマの描き方が散漫(若しくは放棄)になっている作品が多いと思っているので、"主人公の成長"という要素のみに絞った作りは非常に好みです。 所謂ドッペルゲンガーものでありつつも、終盤にはちょっとした捻りがあったりと、中々先を読ませ切らない作品になってますね。米林監督の次回作にも期待したいところです。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-08-02 12:26:24) 10.《ネタバレ》 とにかく躓く(つまづく)。これはこの映画において重要で、きちんと注意深く見なければいけない要素だ。杏奈は一体何回躓いただろうか。躓くという表現は、映画文法的には、自分の世界から他の世界へ出た瞬間を示すらしい。だとしたらいったいどれだけの外の世界があったのか。こうして杏奈は1枚1枚心の壁を(躓くことで)ぶち破っていったのか。 正規の歩道からそれて、茂みやぬかるみを歩いて進む杏奈も何度か描かれる。これは躓きよりも、他の世界への”能動的な”侵攻であろう。ボート乗り場へは茂みをワサワサかき分けてたどり着いていたじゃん。 車も躓いていたことを覚えているだろうか。映画が始まってすぐ、駅にお迎えの親戚2人が到着していて、その車に乗ったけど荷物だらけで狭くて、おばちゃんから「ごめんね、狭くて」とか言われてたとき、車は大きく躓いた。そのはずみでかぼちゃが箱から飛び出て杏奈の膝に転げ落ちた。運転手は「あのでっぱり、まだ直してないのか。」などと言った。今思うとこの躓きすらも杏奈にとって意味のあるものだったのだ。 このような映画的表現を、監督は意識的・効果的に取り入れていたのだろうか。意識していればオッケー。意識していなかったら、それは自然と出来ているということだから映画の天才と言えよう。 そもそもマーニーはなぜ現れたのか?という問いに対し、得た結論 「お盆だったから」 ・・・であるならば、畑で育てていた野菜はトマトであるよりも、ナスであったほうがよかった。そのナスを収穫して爪楊枝を刺して、マーニーはそれに乗って彼岸に還っていくんだよね。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-27 15:18:41)(笑:1票) 9.《ネタバレ》 原作未読。宣伝の「あなたのことが大好き。」というキャッチフレーズや、唐突に「私の好きな杏奈!」「どうして私を裏切ったの!」といったクライマックス付近のやり取りを断片的に流しているあの予告編では、「これ観たい」と思わせることが出来たかは疑問。アレで興味をひかせられたかといえば、ジブリには王道的な物語を期待している人が多いし、単なる夏の少女たちの友情物語っぽくもあってスルーする人が多そう。観てみるとヒューマン・ファンタジーで良い意味で意表を突かれたし主題歌と控えめな音楽は世界観にマッチしていている。北海道の自然やミステリアスな雰囲気の洋館と金髪の少女の雰囲気も良かった。そこら辺を上手く引っ張って好奇心を掻き立てればいいのに、劇場でガラガラな劇場を見ると予告で損をしてるとしか思えなかったです。多感な少女の複雑な環境と母親の悩みに焦点を当て、マーニーとの関係もなる程と思わせてくれるオチは悪くなく、美術や作画関係も丁寧でさすがジブリと思わせるだけにもったいなかった。 スポンサーや多くの会社の思惑が絡んで大作でやらなければいけないジブリでこの内容はやりづらかったかもしれない。脱宮崎を掲げるなら、今後は内容に合わせて小規模公開ってのも有効な手だと思うけど、それだとジブリの大所帯じゃ製作費に見合わないんだろうな。長編作品から引退を宣言した宮崎駿無きジブリ。その屋台骨を支える存在にならなければいけない米林宏昌監督ですが、試練の二作目だった感がありますね。ジブリには色々な噂がありますが、これを糧にして頑張ってもらいたいです。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-07-26 21:39:25) 8.《ネタバレ》 この監督、本当にダメだと思う。設定が全然生かされておらず、妙な箇所がいっぱい。 順不同にざっと列挙していく。 1:喘息設定、途中で忘れてませんか?倒れた時も喘息症状まったくなし。 2:ふとっちょ豚の年齢っていくつ?突然大人顔負けの哲学的なこと言い出して違和感。 で、この豚女がカッターで脅したとか嘘ついたり、もう終わり!仲良くしよ!なんていいこといっときながら、 ウジウジと後で親に密告して泣きついたっていう最低のクズなんですよね。 なのになんでいい子設定になってるんだか。何様なの?って態度に終始不快感。 こういうやつが成長するとモンスターペアレンツになるのだろうか。 そもそもこいつ必要? 3:豚の親が怒鳴りこんできて、彼女が帰ったら、速攻で家に入ろうとする主人公の無神経さ。 普通は罪悪感で家に戻れなくって逃げようとするでしょ。 4:預けられた夫婦の太った奥さんのほう。「太っちょ豚って言ったのはよくないわね」 あれ??この奥さん、主人公には問いただしもしないで、豚の親の言うこと信じたんだ?カッターも信じたの? だいたいこの夫婦も偽善者だなあ。気持ち悪いくらい主人公を怒らないのに、簡単にクレイマーのいうことは 信じてしまう。 5:十一、必要でしたか? 6:眼鏡っこ、必要でしたか?日記など見つけるのは主人公じゃないと。メガネっ子の兄貴の存在感のなさ。 7:マーニー、杏奈にもきれいな服を持ってくるのかと思ったら、ババアのショールを無理やりかぶせて 花売りに仕立て、金持ちたちの前に晒し者にする羞恥プレイを強制。 杏奈はかわいそうな乞食のような扱いを受けます。 しかも、自分は杏奈そっちのけで恋人と踊ってるという。 私はこの女を絶対好きにはならない(怒) 8:だいたい大金持ちがあんな不便なとこに家を建てるという不自然さ。 ファンタジーにしても無理やり過ぎます。 アリエッティに続き、後半やはり顔が崩れてるところがある。 宮崎は絶対こういうの許さない。 幼稚園児の動きがかなり鈍重。 一番困ったのはマーニーにまったく魅力がない。 この人、杏奈の救いなんでしょ?もっともっと強烈な個性を描かなくては。 宮崎ならもっともっとはじけまくる夢の様な少女を描いたでしょう。 この人にはもう期待しないな。私は宮崎吾朗監督に期待します。 コクリコでは才能の片鱗を見せつけてくれた。 【うさぎ】さん [映画館(邦画)] 2点(2014-07-26 07:43:09) 7.《ネタバレ》 びっくりした。面白くてびっくりした。アリエッティであれだけ小さい話を作っていた人とは思えないほど面白かった。序盤から「俺は伏線だぞー!」と自己主張の強いあれこれが出てきて心配だったんですが、話が進むにつれてどんどん良くなっていく。昔話で伏線をガッツリ回収し過ぎだとは思ったけど、それでも取り残し具合が良い。オチがまた良くて…。いろいろとミスリードさせてくれる箇所があったのも高ポイント。勝手に深読みしてただけかもしれないけど。 気になったのは、風立ちぬに出てきたもの(平野を走る列車とか、絵を描く女性、サナトリウム、棒読みの声優)が出てきたこと。ひょっとして、またジブリスタッフを主人公にした話なのかと思った。米林監督が宮﨑駿を意識しまくってるのはよく伝わってきましたね。ポスト宮﨑駿は米林監督が一歩リードしたかなと思うくらい良かったです。これまでに見てきた映画の中で、一番得した気分。 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-07-26 00:16:46) 6.《ネタバレ》 原作未読。何の情報も入れずに見に行った。 根室本線のどこかの駅を降りたところにある湿っ地屋敷が舞台。 確かに瀬戸内あたりのピーカンの場所ではこの雰囲気はでないだろう。 そして、マーニー登場。 これは現実?いやいや、本人も私の想像の…と認めている。 でも、「あなたの目、青いね」で筋書きがピンときてしまう。(意外と、あの人形にミスリーディングさせられた人が多いようだけれど。) 私を置いていってしまったことを許すことにより、蟠りが消えていく。 王道な少女の成長ものだけれども、やはり原作がある作品なのでストーリーはしっかりしていると思った。 【ぶん☆】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-07-21 23:47:43) 5.《ネタバレ》 前半は全くノレなくて困りました。『アリエッティ』同様、またギスギスしたキャラが楽し気な姿を見せる事もなく鬱々とした物語を展開させてゆくのかと。記号的な性格の悪いキャラを登場させるあたりも含めて、作品に根の暗さを落としてしまうのはこの監督の性格なんでしょうかね。 杏奈がリアクションの薄い、表情の無いキャラであるとは言え、何らかの魅力は与えておかないと(この場合、絵ですかね。もっと彼女が描いた絵に杏奈という人格を映すとか)。どうも掴みが上手くないように思います。 中盤になって杏奈とマーニーのコミュニケーションの形が見えてくると映画への興味も膨らんできますが、それにしても構成はかなり雑だと思います。 マーニーはシンプルに杏奈のイマジナリーフレンドだと思わせつつミステリアスな要素がそれ以外の何かも想起させますが、そのミステリアスを生むためにとにかくエピソードのお尻を曖昧に切りまくるので破綻寸前。 サイロから発熱までをクライマックスに仕立て損なっている感じで、その後、真相話に至る部分があまりに唐突に感じられます。 それを救うのは細やかな作画や美術や音楽。 ジブリお得意のこれ見よがし系の丁寧ですよ作画からもうちょっと進んで、動画から質感や感触を表現する細やかさ。 匂いを感じさせる景色。 そしてキーとなる『アルハンブラの思い出』のメロディ。 物語ではなく、映画を構成する映像や音が杏奈とマーニーの世界を美しく彩り、魅了されてゆく感じ。作品空間の存在を感じさせる表現力。 終わってみれば、杏奈の内的成長を表現するに相応しい世界を共有し、心に沁みる時間を体験できたと思いました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-21 21:17:19)(良:2票) 4.《ネタバレ》 子ども向けの映画かと思っていましたが、割と高年齢向けな仕上がりでした。 小学生くらいの子には意味が分からないでしょうね。かといって大人が観たらミステリーとしては凡庸です。 主人公が心を閉ざしている理由が現実とファンタジーをうまく結び付けており、未熟な思春期の少女らしい苦悩がリアルで説得力があります。 やっぱり主人公くらいの年齢の女の子向けの映画かと思いますが、主人公の心の内面がきちんと描かれているので大人の鑑賞にも十分耐えられますね。 気になったのが、立派な日本家屋のお宅が出てくるのですが、おそらくマーニーの洋館と対比させたのでしょうが、北海道のしかも道東にあんな家あるの?東京にニンジャが出てくるくらい違和感があったんだけど、いやまあ、私が知らないだけか。 さらに言うなら根釧台地の湿地帯のほとりにわざわざあんな屋敷を建てるのも・・・ いやいやいやいや、こういう細かいところが気になってしまうのもジブリというハードルがあるからか? うーんでも仮にも釧路地方が舞台なら、やっぱりもう少しあの地域のことを調査してほしかったなと思います。真夏の湿地帯は霧が出やすくてどんよりジメっとしてるんだよ。湿地だってもっとドロっとしてて虫やらなんやらたくさん湧いてるんだよ。 釧路地方が舞台というのを最初に電車を乗り継ぐシーンだけで終わるでなく、漂う空気感までリアルに再現してほしかったです。 背景が綺麗なだけに、残念。 【denny-jo】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-20 18:26:56) 3.《ネタバレ》 原作未読。少女が一夏の不思議な経験を通してちょっとだけ成長する、という意味ではジブリの王道の系譜を継ぐ作品ですが、今作の主人公の杏奈は、かつて無いネガティブ少女。自分が嫌いで仕方ない理由は劇中でも語られます。肝心のマーニーが杏奈の空想上の存在であることは、すでに序盤から明らかに匂わせており、主人公からも語られます。ただその妄想の根源は、見る者のミスリーディングを誘うかのように幼い杏奈がいつも抱えていた金髪の人形ではなく、さらにもっと遠い祖母の記憶でした。ジブリならではの北海道の豊かな自然描写は、今回も丁寧に描かれていました(ついでにジブリ名物「転ぶ少女」も)。今回声をあてた俳優陣は、そこまで違和感はなかったので一安心。欲を言えば久子さんがもう少し序盤から話に絡んできて欲しかったかな…(キャンバスに向かう女性だけに、昨年の「風立ちぬ」の菜穂子を若干思い出してしまいましたが)監督の前作「アリエッティ」がボリューム不足だったので、あまり期待せずに行きましたが、全体によくまとまったジュブナイルストーリーとして「普通」に楽しめました。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-20 14:56:11) 2.《ネタバレ》 どれ、ひとつ見てやるか、みたいな不遜な気持ちで見たら、思いのほか出来が良いので驚きました。最近のジブリの作品では「かぐや姫」を別格とすれば一番出来が良いと思います。何よりもストーリーがちゃんと完成されている。原作の良さだとは思いますが、最近のジブリの悪いところ(場面設計のみが先行し、ストーリーは後付けでこさえていく手法)を踏襲しなかったのは素晴らしかったです。1本の映画を見た満足度が高いです。メルヘンチックな少女ドラマをイメージしてたら、マーニーの謎に迫るミステリーだったと言う驚きがありました。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-07-19 15:31:02) 1.小さい子どもは退屈すると思います。私の4歳の娘は、いちおう騒がず最後まで観てくれましたが、意味がわからなかった様子でした。 【よしふみ】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-07-19 14:21:23)
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