みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
13.映像に関しては、水彩画のようで一見ラフなのですが、表情や躍動感が見事に描かれており、素晴らしいの一言。しかし、それだけに実写とはかけ離れているので、感情移入が難しかったので7点という結果。 あと、地井さんの声優は、魂から声が出ているかのようで、完全にプロの声優を凌駕していた。 【ドクターペッパー】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-12-05 16:12:44) 12.多くの人に知られている物語をあえて新作アニメ映画として作ったのは正解だったと思います。イラストタッチも違和感なく見れましたし、何よりかぐや姫がいきいきと描かれていて驚きました。今までのかぐや姫はストーリーをなぞっているだけで特に感情移入する事はなかったのですが、このかぐや姫には感情の起伏があり、心揺さぶられました。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-11-29 23:27:07) 11.今まで観たことがないアニメーション表現、そして、それに伴う今まで感じ得たことのないエモーションを感じられる、日本の、いや世界のアニメーション映画史に残る作品であることは、間違いない。 線と色、そして空白からなるアニメーションの「真髄」を導き出し、そのまま象ったかのように構築された類い稀な映画であろう。 何の迷いも無く、「賞賛」に値する。 しかし、「じゃあ、面白かったか?」と問われると、素直に首を縦に振ることは出来なかった。 映画とは、奥深く、難しいものだと、つくづく思う。 もちろん、他のジブリ映画の例に漏れず、この映画もこの先何度も繰り返し観ることだろう。 そして、他の多くの作品と同じように、観返す度に新しい発見をし、評価が深まるに違いない。 しかしながら、映画鑑賞という行為の価値は、初見時に集約され、殆どの作品はそれに決するということもまた事実。 であるならば、この“初見”で真っ先に頂いた感情を誤摩化すわけにもいかず、「物足りない」と言わざるを得ない。 期待し、想像を膨らませていたイメージよりも、ずっと普通の「竹取物語」だった。 「かぐや姫の物語」と堂々と銘打っているわけだから、描かれるものが「竹取物語」で悪いはずもなく、製作者の真っ当な意向に難癖を付けることは、甚だお門違いだとは思う。 ただ、個人的な期待感は、これまで見たことが無い“かぐや姫”の物語、そして知り得なかった「竹取物語」の真相のようなものに対して突っ走ってしまっていたのだと思う。 だから、あまりに真っ当な「竹取物語」を目の当たりにして、落胆に近い感情を持ってしまったのだと思う。 言うまでもないことだが、高畑勲という日本のアニメーション界の大巨星が渾身のエネルギーで生み出した世界観は、もちろん素晴らし過ぎる。 描写の一つ一つに息を呑み、感動したことは確かなことだ。老若男女問わず日本中の人が観て、愛されてほしい作品だとも思う。 ただし、一個人の勝手に違った方向に膨らみ過ぎた期待にほんの少し沿わなかったという、ただそれだけのことだ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-11-28 17:10:37) 10.《ネタバレ》 アニメーション、ストーリー、共に素晴らしい作品だと思います。まずアニメーションですが、本作ではかぐや姫が泣きじゃくるシーンが二回ある。一回目は赤ん坊の頃で、二回目は月に帰りたくない心の丈をブチまける場面。姫は思い切り顔を崩して泣きじゃくる。その顔はとても写実的です。しかしその前後の例えば目の間に垂れてきた蜘蛛を寄り目で見つめるシーンや、成長した後の姫はとても漫画的な可愛らしさに満ちている。しかも背景は中国画に良く見られるような抽象的な画です。その写実的表現と漫画的表現、抽象的表現が完全に違和感無く同居している。見せ場でもあろう姫が宴を飛び出し野を駆けるシーンの疾走感も素晴らしかった。 ストーリーも申し分無いものでした。『竹取物語』は元来月の住人である姫と周囲の人間を通して、当時の貴族社会を風刺した作品なのですが、その"身分の差"という点も十分に描きながら、姫を主役にすることでオリジナリティも十分に感じられるものとなっています。新たに付け加えられた要素は"自由"について、もっと限定して言えば"生命賛歌"でしょう。月からの使者の容姿から容易に想像できるとおり、月の世界は謂わば極楽浄土です。老いもなければ苦しみもない。しかし姫は生や死が蔓延る地球に憧れて、罪人としてその地に落とされた。姫は帝から逃げ出す際に月に迎えの信号を発してしまいますが、 捨丸と再会して気づいたことはやっぱり生や死がある世界の方が素晴らしいということ。それは宮内で貴族的生活に辟易していた姫自身も反映している。そして観客も同時に気付いてしまうのではないでしょうか。「辛かったり、楽しかったり、生きたり、死んだりするから人生なんだ」ということに。何故なら誰でも"ここではないどこか"を目指して生きているのだから。現状がどれだけ肉体的にも精神的にも満たされているからと言って、そこに甘んじている事は本当の生の実感には繋がらないでしょう。監督は「今日性があるのかは分からない」とコメントしていますが、人が自由を求める限りいつの時代にも通じるテーマだと思います。 まさか『竹取物語』から話の大筋を変えずにこれだけ深いテーマに到達する作品とは思っていませんでした。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-11-28 02:07:46)(良:1票) 9.《ネタバレ》 溝口健二の「雨月物語」を見た後と同じ気分になった映画です。元々誰もが知っているベタすぎる題材を、徹底的に作り込んだ映画。恥ずかしながら原作は中学の授業で冒頭だけ、あとはあらすじしか知らなかったので、幸か不幸かとても面白かったです(他のサイトでは原作を読んでいる人から「冒涜だ!」とまで批判されていたので・・・)。ストーリー自体は、斬新な設定や奇をてらった展開はなく、とてもストレート。けど、あらすじだけならそれこそ「×分で分かる古典文学あらすじ」的な本で済ませればいいワケで、この映画はあらすじや絵本からは抜け落ちてしまう部分をとても丁寧に描いていたと思います。何から何まで全部説明してくれるワケではないので、まだ消化しきれてない部分もありますが、ただ単に庶民の生活や自然はこそが美しい、貴族の生活は醜いというようなステレオタイプには描かれていないと思います。姫が地球を去っていく時に、地球の人々を俯瞰で見つめるカットには、身分の差こそあれ人々がみな平等に描かれていたと思います。全部ひっくるめて人間です、って感じでしょうか。 【ゆうろう】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-27 10:00:10) 8.子の成長、四季の移ろい、里から都への暮らしの変貌。 その「移りゆき」をモチーフとするアニメーションの素晴らしさは、 かつて高畑勲監督が賞賛したあのフレデリック・バックの『木を植えた男』 からの継承を思わせる。 作中のワンシーンにある、樹々の再生の件などはまさにそれへの オマージュともいえる。 桜の樹の下で舞い踊る娘の喜び、野や山をひた走る娘の激情が迸るクロッキー風の タッチ。 生物の営みそれ自体への慈しみが滲んでいる柔らかなタッチ。 その伸びやかで、味わいのある筆致が創りだす画面の躍動は、 動画であって動画を超えている。 (エンディングのスタッフロールでは馴染みのない様々な作画の役職が並んで 興味深い。) 波やせせらぎの表現の斬新と大胆。木々の影が人物の衣類に落ちて、揺れ動く紋様を創りだす様。機織りや演奏などをはじめとする写実的なアクションと、快活に跳ね回り、飛翔する姫のファンタジックなアニメーションの絶妙なバランス。 題材とのマッチングゆえか、今回はその技巧もそれ自体が目的といった感が無く、 一枚一枚のスケッチの丹念な積み重ねがキャラクターに血を通わせている。 ヒロインを回り込むようなカメラの動き、彼女の寝返り、振り返りなどの動作は スケッチを立体的に浮かび上がらせるだけのものではない。 青い星を振り返る姫の涙が美しい。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-11-26 23:59:30) 7.日本人なら誰もが知っている竹取物語。それを高畑勲が作るとどうなるのか興味津々でしたが、今を生きる大切さを改めて伝えられた感じ。生きていればあらゆる困難が待ち受けるが、それに抗って精一杯力いっぱい生きろ!と。小さな頃に読んだり見たりした物語をより深く理解できた気がします。現役僧侶という変わった経歴の二階堂和美さんの作詞作曲の主題歌『いのちの記憶』は優しく強く語りかける歌い方で生きる歓びを歌い上げていて凄く良かったです。歌詞を読んでいると情景が浮かぶし余韻に浸れますね。水彩画や昔から伝わるや絵巻物のような画でそのまま動かしているのは他のアニメとは一線を画しておりインパクト大。登場人物の表情が豊かで優しく力強く、虫や草花、野山の木々など繊細で美しく描かれていて圧倒されるほど素晴らしい。キャストはジブリお得意の俳優メインですが一切の違和感なく物語に入り込めました。この作品に係わった人は作り上げた事を誇っていいと思います。海外にもぜひ持って行って日本のアニメの奥深さを広めて欲しいですね。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-26 21:12:26) 6.《ネタバレ》 高畑監督による力強い「生命賛歌」だと思います。ここには人が感じる喜怒哀楽や「生きる事の喜び」、そして「人に『生命』が与えられ、それぞれの生命を『生きている』」ということの根源的な不思議さや貴重さが、「自らの生を貫き全うすることの難しさ、罪深さ」というものも巻き込んだうえで、これ以上無いと思えるほどに高い純度で表現されていると思います。 劇中でのかぐや姫の「成長ぶりと月への帰還」、ひいては映画全体と二重写しにされているのは、まさに我々人間の「生と死の様相」そのものではないかと見ていて思いました。 人間に与えられた生命は余りにも短くはかないものであるにもかかわらず、我々はしばしば、「人は何のために生きているのか、そもそも生きるとはどういうことなのか」ということを見失いがちです。 そんな中、この映画は本来人間が持っているはずの「生きる事」の根源的な手触りというものを、繊細かつ奔放なアニメーション表現によって、とても鮮やかに観客に示します・・・と言うよりも、劇中あるようなあのアニメーション表現「そのもの」が、生き生きとした「生命感」の純粋な表現である、ということなのかもしれません。 エンドロールに流れる二階堂和美さんの歌は、情熱的な盛り上がりと共存するその静かさや真っ黒なエンドロールの背景も相まって、まるで将来闇に返っていく事を避ける事のできない我々の生命を、闇に灯る一筋の煌めきとして歌い上げるかのようです。そこに僕は同時に「死の影の静寂と冷たさ」(それは個人的には劇中ラストの、姫の月への帰還と重なるのですが)を感じる思いがしますが、そのような忍び寄る「死の影」をも含めて「人間の命」であるのだという事を、それまで見ていた生命感溢れる映画は同時に指し示しているように感じます。 そのような冷たい「死の感触」も含めて、我々は力を尽くして生きねばならないし、またそのように生きるに値するという、静かだがしっかりした思いを観客に残していく映画だと思います。個人的には、今はただただ「日本人で良かった」としみじみ思います。 【マーチェンカ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-11-24 19:21:31)(良:3票) 5.《ネタバレ》 スタジオジブリプレゼンツ、日本むかし話130分スペシャル!って感じですね。思った以上に普通のかぐや姫でオチもなにも皆さん周知の通りです。2時間超もあんな感じなので正直ダレましたが、水彩画の様な、且つ現代的なアニメ表現は見事。一見の価値ありですが、三度、四度は無いかな。 【Kの紅茶】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-11-24 16:58:56) 4.《ネタバレ》 これは才色兼備だけどちょっと病んでる女の子と、娘の危うい性格を理解できずに期待しすぎた父親の物語です・・・って、違う? 批判しているわけではないです。このタケノコ(こっちの名前の方が好き)という少女は、数あるジブリのヒロインの中で一番魅力的な子じゃないかな。 笑い、泣き、憤り、怯える。息苦しい都の暮らしの中で、幼少時代を過ごした里へ思いを馳せる姿は、まるでアルプスの少女ハイジです。 本作の魅力は、一人の少女の内面を描ききったところでしょう。 激しく変わるタケノコの心情にうんざりなのに、最後の翁媼との別れは涙なくして見られません。 捨丸との愛も切なすぎる。どうしても比べてしまう『風立ちぬ』の2人よりもずっと悲しいのです。 あの場面は余分なセリフがなくても映像だけで十分だったなぁ。 演出やストーリー構成に特段の魅力があるとも思えないのですが、何に置いても圧倒的な映像美。 日本のアニメーションの限界を超えましたね。 『風立ちぬ』は宮崎駿の最高傑作だと思いましたが、本作は世界のアニメーションの歴史に残る作品ではないでしょうか。 【denny-jo】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-11-24 10:44:54) ★3.《ネタバレ》 …なんだか「姫が犯した罪と罰」っていうキャッチコピーに振り回された感があるっていうか。 清らかで完璧な月の世界の住人であるにも関わらず、穢れた地球に憧れを抱いてしまったことが「罪」で、地上に島流しとなって地球がいかに穢れているかを実際に体験するのが「罰」?? ウーン…なんか煽ってた割には弱い気がするのはアタシだけ?? …キャッチコピーが邪魔しなければもっと純粋に楽しめたかもしれないわね。 あと…とにかく長い! ほぼ昔話どおりのこの内容ならもう30分短くてもいいような気がするんだけど。 見に来てたチビッコたちがちょっと気の毒だったもの。 それから、捨丸の「一緒に逃げよう!」はナシでしょー。 アンタ、カワイイ赤ちゃんとその地味な奥さんはどうすんのよ!?ってアタシは思っちゃったんだけど。 『ひまわり』のアントニオか!って感じ。 …全体的に全然悪くはなかったんだけど…やっぱりキャッチコピーが邪魔してる気がするわ。 ウン。 【梅桃】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-11-23 23:48:33)(良:1票) 2.《ネタバレ》 正直、高畑作品は今までピンとこない作品が多かったんですが、これは非常に良かった。日本人なら誰もが筋を知っている竹取物語。凡百の監督ならその題材に気負い込んで、独自の解釈をこれでもかと詰め込んで、別物の話に変えてしまうところですが、この作品は原作の筋をあくまで尊重し、王道的な手法で現代的なストーリーに昇華させています。その勇気にまず拍手。そして監督の解釈による、姫が最も感じたかったこと=生命の躍動感は、独特の絵柄と、ジブリならではの繊細な動きを通じて表現され、十二分に味わえました。心配だった役者の声も、プレスコ録りだったので、画に合っており、そこまで違和感はありませんでした(とはいえ背後に役者の顔は浮かびましたが…)。故地井武男さんの声も良かった。姫のキャラクターも素晴らしい。「ジブリ史上最高の"絶世の美女"」のコピーは伊達ではありません。久石譲の音楽もまた、ずるい。最も悲しい/切ないシーンに、あえて最も楽しげでワクワクする音楽を持ってくるとは。これで涙腺が決潰しました。子供の頃から筋を知り尽くしている昔話で、まさか泣かされることになるとは。結果的に「風立ちぬ」との同日公開を断念し、最後まで作り込んだのは、正解でしたね。今年見た映画で一番です。地井さん・氏家さんも泉下で喜んでいるでしょう。海外でも間違いなく受けると思います。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-11-23 21:29:47) 1.《ネタバレ》 良かった。実に良く出来た映画です。 丁寧な脚本と作画で誰もが知っている竹取物語をちゃんと感動できる映画に仕上げたと思います。 かぐや姫と姫を取り巻く人々の心情を丁寧に描いた事が一番の功績でしょう。やっと映画らしい映画を見た。 高畑勲監督のわがままを辛抱強く聞いて、無事完成までこぎつけたジブリと日テレにも合わせて賛辞の言葉を贈ります。二階堂和美さんの「いのちの記憶」も最高ですね。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-11-23 14:16:05)
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