みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
9.《ネタバレ》 戦意高揚映画とのコトで、描かれるのは古き良き「アメリカの価値観」と、正にソレを体現する様なジョージ・M・コーハンの波瀾万丈一代記なのです(一点の曇りも無いアメリカ万歳!映画すね)。ただ、彼の物語として本作を観る限り、常に家族や仲間と志を共にして歩んだ彼の人生とゆーのは確かにそういった価値観を大いに体現するものであった、とは十分に感じられるのですね(=上っ面だけのプロパガンダ映画では全くないかな、と)。才気煥発な男ではありますが、相当に頑固で我の強烈なトコロも含めて決して弱点・欠点の無い人物だというワケではないと思うのです。ソコを、家族や仲間と支え・支えられするコトでむしろ短所を長所にも変えてゆけたとゆーか、その部分は彼の奥さんが言う様に「あなたには誰かがついていないといけない」というコトだったのかな、と思いました。なんとゆーか実に微笑ましく、そして羨ましい人生だと感じますね。 特にイイな!と思ったのはその奥さんとのワンシーン。大女優フェイに自作の劇に出演してもらうためアピールしに行くのですが、奥さんに歌わせたい曲"メアリー"は彼女には渡したくない、その彼の葛藤の様子に垣間見える確かな家族想いの側面(そしてやはり芯の通った側面)と、結局そのコトをごく明るく快く受け入れる妻の「彼女は歌を取って、私は貴方を取った」という洒落た返しも含めて、私も実に心地好く爽快に観ていましたですね。加えてその後、フェイが件の歌を舞台で披露するシーンも好かったですね。奥さんを演じるジョーン・レスリーもそこそこ歌は巧いのですケド、フェイ役のアイリーン・マニングは更に一枚上手とゆーか(彼女は確実に声楽的なトレーニングを積んだプロですね)、そのコトが妻の決断の正しさ・聡明さを顕かにしているし、歌唱シーンとしてもより感動的なモノに仕上がっていると思いました。ここの流れ、スゴく好きですね。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-10-03 03:51:34) ★8.ブロードウェイの父と呼ばれるジョージ・M・コーハンの一代記。 強い絆で結ばれた家族の有り方に感動すると共に羨ましさで身悶えします。 アメリカに対する愛を高らかに謳い上げる劇中劇は、戦意高揚の目的を十二分に果たしており、「中途半端な事はしません、とことんやりますよ」の心意気を感じるものでした。 語り口、立ち居振る舞い、歌、ダンス、それぞれが何時も以上にキレッキレのジェームズ・キャグニーは凄いの一言。 「思い通りにならない時に、拗ねるだけの人間になってはいけない、シャキッとせい! 頑張るのなら眉間に皺寄せるのではなく笑顔で頑張れ!」と励まされた今作の彼にお礼を申し上げると共に、オスカー受賞にお祝いを申し上げます。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 10点(2019-08-18 22:28:07)(良:1票) 7.《ネタバレ》 『カサブランカ』と同年の戦意高揚映画で、監督も同じ。しかし日本での公開がずいぶん遅れたのは(1986年末)、あまりにも戦意高揚があからさまだからでしょう。このあたりが、普通のドラマとしても見られる『カサブランカ』や『ミニヴァー夫人』と異なるところです。また、主人公のコーハンさんが日本では知られていないということもあるのでしょう。しかし当時のアメリカでは相当な有名人らしく、観客も当然知っていることを前提としているようです。 物語としては、これまたアメリカ人が好みそうなサクセスストーリーでですが、若い頃のわけもなく自信を持っていて調子のいいところが、無責任シリーズあたりを彷彿とさせて面白いです。とはいえ、このあたりは無鉄砲すぎてなんだかなぁって感じで、成功してからの方がよかったと思います。ただ、基本的にエピソードの羅列で、作品全体としては起伏がないところが気になりました。とはいえ、舞台の場面も多くそれなりに楽しめました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-08-16 17:02:32) 6.この映画を観ても、主人公のジョージ・M・コーハンというヒトの何がどうエラいのか、サッパリわからん、ってところが、いいじゃないですか。 こまっしゃくれた少年時代から、大人になってもあまり進歩がなく、無理に良く言えばいつまでも若々しい、そんな主人公をジェームズ・キャグニーが演じていて、ちょいワルな表情が妙に愛嬌を感じさせます。進歩がどうこうよりも、舞台興行の世界に徒手空拳、立ち向かっていく、みたいな姿が、我々を惹きつける・・・のですが、映画自体はそんなこともそっちのけで、ミュージカルシーンを脈絡なく積み重ねるようなところがあって、しかもこれといって馴染みのある曲が出てくるワケでもないので、ますますこの主人公がよくわからなくなる。 その、よくわかんない中で、挿入されるエピソードがキラリと光ります。妻に捧げた「メアリー」という歌を取られちゃう場面、そんな大したエピソードじゃないんだけど、主人公の申し訳なさそうな様子とか、それに対する妻の姿とか、本当にイイんですね。 ミュージカル俳優としてのジェームズ・キャグニー、自信満々にダンスを演じていて堂々たるものですが、アステアあたりの超人的な動きというほどではなく、それがまた妙にこの映画の主人公像にマッチしてます。 ところで本作、戦時中の製作ということもあってアメリカ万歳的な面も多々感じさせ(それにしては主人公像が地味であるところがユニークですが)、劇中でも、これぞアメリカ!という曲がジャンジャン流れます。なのに、そのうちの一曲が、なぜかイギリス国歌?・・・これは、このメロディ、アメリカでは別の歌詞がつけられた愛国ソングだったら。チャールズ・アイヴズの「アメリカ変奏曲」も、このメロディに基づく変奏曲でした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-22 08:54:14) 5.《ネタバレ》 1942年製作ということで、時期的なこともありアメリカ賛美のミュージカル映画でありました。 いま観るとなんだか逆に新鮮といいますか、こういう時代もあったんだなと興味深かったです。 愛国ミュージカルですが、どれもなんだか明るく楽しくなりそうな曲調でそういったところがアメリカらしいなと思いました。 ジェームズ・M・コーハンという実在のミュージカル巨匠を描いたとのことで、全く知らなかったので調べてみましたが この方は同じ1942年に亡くなってるのですね。そのコーハンを演じたジェームズ・キャグニーも本作で初めて知り、 これまた調べてみると実に多彩な方だったんだなと。いろいろ勉強になります。 作品としてはテンポが良く、国威発揚を目的としながらも娯楽要素がしっかり詰まっていて楽しめます。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-11-13 23:22:40) 4.伝記映画を作ろうと思ったら、それだけで終わってしまった、ということですね。「再現」が続いているだけなので、彼はこういうことをしました、という説明にしかなってないのです。作品の中ではかなりの時間が経っているようなのですが、それもきちんと表現されてないし・・・。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-29 00:01:05) 3.これ全編、ヤンキー精神の国威発揚映画。同時期の日本の国策映画と違って明るいのなんの。成功物語の型。随所にひらめく星条旗。リパブリック讃歌のあとは、リンカーン像に手を差し伸べ、シルクハットかぶった女性二人を脇にJ・キャグニーがステップ踏めば、アンクルサムと自由の女神が登場してきて、もう恐れ入るよりほかはない。ナショナリズムの高揚。こうすればアメリカは興奮するという手本のような映画ですな。この人が踊るんで驚いたけど、あちらの役者は「歌って踊れる」ってのはもう基本なのね(ふーん、ギャング役じゃなくて、これでアカデミーの主演男優賞獲ってるんか)。老人のふりして恋人と出会い、突然の軽やかなステップ、なんて鮮やか。この人は背が低いので、ステップも爪先立ちしたのを多用してた気がする。それが軽やかさを引き立てた。船から上がった花火がスポットライトになる舞台演出の妙。街中のネオンサインをクネクネと経巡って成功の歴史をワンカットで描いてしまう。アッパレというほかはない。日本では悲壮感漂う国策映画が多く作られ、またそういうのが効果のある国民だったが、あっちは明るくイケイケで盛り上がる国民。やっぱそっちのほうが戦争は勝つよね。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2011-01-20 10:09:40) 2.ヤンキーなのにダンディー?しかも演じているのがジェームズ・キャグニーてのがある意味、可笑しくて、笑ってしまいます。歌い、踊る。ピアノの演奏するシーンが多いけど、ジェームズ・キャグニーがここまで楽しそうに演じているのを見てしまうと、ストーリーなんて、もうどうでも良く思えてしまったり、話そのものは特別面白いとも思えないし、テンポもそんなに良くはない。それでも、ジェームズ・キャグニーは何をしていても面白い。あの変な騎手の姿が妙に似合っていたり、この人、コメディアンとしてのセンスも抜群です。何度も言うように特別面白い映画じゃないけれど、ジェームズ・キャグニーの面白さが見られるということではファンとして見て損したという気持ちにはならない。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-03-01 21:49:37) 1.ブロードウェイのヒットメーカー、ジョージ・M・コーハンを、J・ギャグニーが演じきります。ちょうど太平洋戦争中ということもあって、星条旗のもと人心を集結させるのに、かなり役だったのではないでしょうか。だって、アメリカ人ではない私が見ても、アメリカって素晴らしい、自由な言論(大統領を槍玉にあげても大丈夫)が認められる本当に素晴らしい国だ!!と、一瞬思えてくるような仕上がり。体全体に星条旗をまとったようなJ・ギャグニーのパワーあふれる直線的な踊りに圧倒されます。が、挿入されている曲の出来にムラがあるのが難。軍人たちに向けて歌う音楽はとても素晴らしいのですが、なんとか使ってもらおうとプロデューサーのオーディションを受けるときに歌う曲は、ちょっと……あのプロデューサーじゃなくても、使いたくないよなぁって思うような仕上がりなんです。ジョージ・M・コーハンが生まれた7月4日。独立記念日に誕生したからジョージと名付けられた彼は、名前について人一倍敏感に反応していたようで、名前をあしらった歌がけっこう多かったように感じます。(そう、恋人には♪メアリー♪という歌を贈っている、この歌がけっこう頭の中でぐるんぐるんとリピートされる危険度の高いもの)。J・ギャグニーの踊りはなかなかのものですが、彼がもつ雰囲気っていうんでしょうか、これがこけたら後がない(実際にはある)ような、思い詰めたような容貌がショービジネスにあっていなかったような気がします。言いがかりでゴメン。 【元みかん】さん [映画館(字幕)] 6点(2004-08-29 15:39:11)
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