みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★3.《ネタバレ》 マックスとリーゼルの曇り空のやりとりに言葉を紡ぐ事を考えさせられました。苦しく生き辛い時代に精いっぱいの愛情を注いでくれた里親と真友ルディの亡骸と対峙するリーゼルの姿に、ペラペラ(失礼)喋る死神に怒りがこみ上げます。ジェフリー・ラッシュのような聖人君子ではなくとも、見た目とは異なる人情を持ち合わせているエミリー・ワトソンが絶品でした。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-09-18 23:07:57) 2.《ネタバレ》 1938年、ドイツ。ナチスがその汚れた爪で世界をずたずたに切り裂こうと手ぐすねを引いていたその年、とある一人の少女が貧しい老夫婦の元へと養子に出される。彼女の名前はリーゼル、まだ思春期を迎えたばかりの平凡な女の子だ。甲斐性はないが心優しいおじいさん、口が悪く一見性悪に見えるが根は善人のおばあさん、そして腕白盛りのクラスメートの少年たちとリーゼルは新しい生活に少しずつ馴染んでゆく。学校で文字を習い始めた彼女は、図書館にある様々な本に書かれたまだ見ぬ世界に強く惹かれてゆくのだった。だが、社会ではナチスがその正体を徐々に表し始める。リーゼルが愛する様々な本たちは彼らによって有害図書に指定され、強制的に燃やされていく。そんな折、彼女の家に突然マックスと名乗る一人の大怪我を負った青年が訪ねてくる。昔おじいさんの命を救った恩人の息子であり、そしてユダヤ人だった。地下室に匿うことになった彼の気を少しでも紛らわすためにリーゼルは、本をたくさん隠し持っている市長の家に忍び込み、夜な夜な彼に朗読して聞かせるために一冊ずつ盗み出してゆく…。時代の波に翻弄されたある一人の少女の青春を、死神という特異なストーリーテラーの視点でもって描き出す大河ドラマ。そういった変わった設定ではあるものの、とても堅実に創られた歴史ドラマとしてなかなか良く出来ていたと思います。主人公の少女を演じた女の子の瑞々しさもさることながら、やはりジェフリー・ラッシュ&エミリー・ワトソンという名優コンビが演じた老夫婦の存在でしょう。どんどんと悪化していく世情に決して負けることなく、人間として必死に生きていこうとする彼らは全編を通じて胸に迫るものがあります。地下室に隠れ住むことになるユダヤ人青年マックスも、リーゼルに大切なものをたくさん教えてくれる男として充分存在感を放っている。特に、主人公に恋する同級生の男の子が非常に魅力的でした。常にリーゼルのために頑張ってくれた彼が、その後に辿る運命を思うと切なくなってしまいます。ただ、一個の物語として見ると少々散漫な印象を受けたのも事実。タイトルにもなっている〝本泥棒〟というエピソードが物語の中でいまいちうまく機能していないうえ、ラスト、彼らが戦後どうなったかを駆け足で説明するくだりも何だかとってつけたような感じがしてちょっと残念でした。とはいえ、丁寧に創られた大河ドラマとしてとても好感の持てる作品に仕上がっていたと思います。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-08-24 01:00:38) 1.《ネタバレ》 近年のジェフリー・ラッシュを見ていると名優の名を欲しいままにしているといった感じですが、 本作での静かなる素晴らしい演技もまた感動的でした。 ちょっと怖い、でも実は優しいその奥様を演じたエミリー・ワトソンも、 主人公の少女リーゼルを演じた女の子も、この家に匿われたユダヤ人青年を演じた男優も、 皆が素晴らしい仕事をしています。 彼らがやがて本当の家族のようになっていく過程や、 ナチスにより言論や行動の自由を奪われた生活の中でリーゼルが本と出会い、 読み、そして自ら書くことを通して成長し過酷な境遇、時代を力強く生き抜いていく姿が感動的です。 冒頭の本作の語り部が語る内容が辛い展開を予感させてしまうのはどうだったのかと思いますが、 理不尽に大切な人の命が一瞬の内に奪われていく。これが戦争。 この語り部の正体は意外な人物?だったのですが、 その彼ですらラストではリーゼルの人生を通して生きること、人生の素晴らしさを語っている。 リーゼルが素晴らしい生涯を全うしたことを伝えてくれる、この語り部の本作最後のメッセージもまた良かった。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-04-25 15:12:15)
【点数情報】
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