みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 Netflixで見ました。トラック運転手であり殺し屋でもあるフランク、兄貴分のラッセル、そして組合活動家のジミーの3人の関係を稀代の名優3人が演じるわけだから、演技合戦は見応え十分。とくに3人の関係が破綻し事件へと流れていく過程は、制約の少ない配信系映画だからこそ描けた丁寧さと描き込みにうなるしかない。個人的には、スコセッシといえば『グッドフェローズ』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に代表される早送りのようなスピード感ある演出が好みだけれど、この映画はスロー再生したような演出で、重厚ではあるけれどさすがに3時間半は長かった。ただ、最終盤に、この作品がある種の「終活」映画であることが明らかになってくると、そのゆったりとした流れやスロー再生的な演出の意味もわかってくる。そして、ラストの見事な引きの画から見えてくるのは、前出2作品のような「駆け抜けた」感ではなく、家族や友人などさまざまなものを失ってきたフランクの孤独感と寂寥感だけであり、それがギャングと暴力の映画を撮ってきたスコセッシ御大がたどり着いた境地なのだとすれば、それはそれで納得感もありました。それから、若い時代も特殊メイクなのかCGなのかデニーロやペシが直接演じていて、映像技術の進歩には目を見張るけど、顔は若いのに動きがおじいさんなのはちょっと不自然・・・。とくに、娘を小突いたグロサリーの親父を懲らしめるシーンのデニーロの動きは年齢相応で、別の意味でなんだか寂しい気持ちになりました。 【ころりさん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-11-28 23:20:02) ★2.シネマート心斎橋へ喜び勇んで出かけました。物語は戦後米国裏社会ギャングものとしてあるある話であります。 パチーノ>ペシ>デニーロ>>>>カイテル。 ホッファを演ずるパチーノはお下品で退く事を知らない唯我独尊振りで、「パチーノと言えばスピーチ、スピーチと言えばパチーノ」面目躍如のシーンには「アル様素敵!!!!」叫びたい衝動に。いやぁ、こういうお姿を拝めただけでも鑑賞の値打ちがあります。 ブファリーノを演ずるペシは往年の狂犬の如き切れ味は無い静かな面持ちながら、絶対服従を強いる凄味は物凄い存在感。 二人の板挟みに身悶えるシーランを演ずるデニーロは流石の名演だけど、何かが物足りない歯痒さがありました。 ハーヴェイ・カイテルの影の薄さが残念なところ。 無法の限りを尽くしたギャングが心身ともに老い衰えて孤独のうちに廃れ行く姿がうら悲しい。 VFXで若返ったお顔を観ながら、70代レジェンドの面々は100まで現役を続ける事が可能である事に嬉しくなっちゃいました。 【The Grey Heron】さん [映画館(字幕)] 9点(2019-11-24 22:16:21) 1.《ネタバレ》 東京国際映画祭にて鑑賞。3つのエピソードが並行して描かれる。主人公フランク・シーランがマフィアに気に入られ、仕事を次々とこなしてのし上がる半生。年老いて、施設で過去を振り返る晩年。そして、ボスであるラッセル・ブファリーノらと知人の結婚式に向かう旅。この旅がどの時点なのかは、映画の終盤に明かされる。映画が始まってからは、フランクがラッセルに気に入られて、裏仕事を請け負う様子が描かれる。テンポはいいが、予定調和でもあり、この時点では全部で3時間半という上映時間に気後れした。しかし、ジミー・ホッファが登場してからは、一気に緊張が走り、物語に惹き込まれる。デ・ニーロ、パチーノ、ペシの三角関係が動き出すのだ。友人となったパチーノの“動”と、ボスであるペシの“静”の間で挟まれる複雑な心境を演じるデ・ニーロはさすが。家族との関係は、末娘との関係にだけ絞って描かれており、この関係が晩年シーンの締めくくりに重要な意味を持つ。全体として、満足のいく作品だった。「スコセッシ、デ・ニーロ、パチーノ、ペシの映画だ」と聞いて少しでも心が躍った人は、劇場で楽しめる作品だと思う。それにハーヴェイ・カイテルも出ていると知って手を叩いた人は尚更だ。難をいえば、俳優陣の年齢もあったと思うが、体の動きが少なく、会話劇になっている。そのため、笑いを散りばめるなど脚本に工夫されているものの、なんとなく観た人にとっては退屈な映画で終わってしまう可能性があるだろう。ネット配信前に、限定での劇場公開が決まったばかり。公開拡大は、昨年の「ROMA ローマ」の例を考慮すると、賞レースの行方次第だろうか。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-11-09 22:16:14)
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