みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★2.《ネタバレ》 原作はミステリーなようですが、映画にはミステリー要素はほぼ無く「廃部寸前の吹奏楽部をメンバー集めて立て直し、コンクール出場を目指す物語」って事で、まーよくあるタイプのモノになってます。吹奏楽を題材にした邦画だけでも『スウィングガールズ』『ブラブラバンバン』『青空エール』『響け!ユーフォニアム』とある訳ですしねぇ(オーケストラまで幅を広げると更にいっぱい)。 でも、そんなよくある物語も面白い演出で楽しめるものになっています。「期日までに部員9人集めないと廃部」という時間制限モノな前半、人数のカウントを字幕で示して、9人目の達成と共にそのカウントの意外な展開で盛り上げたり、静寂を語るシーンでは実際に無音にして観客にも静寂を求めたり(渋谷のシネコンは客席の半分ほどの入りで、ほぼ若いお嬢様で占められていましたが、場内に響くのは空調の音だけで)。 後半のヒロインが抜けてから19人で演じられる長回しのヒリヒリした感じも、ラストのファンタジーも見応えがあって。 群像劇になると共に、ヒロインの苦悩がよくあり過ぎる以上にヒロインの生気をも奪ってしまうのが残念でしたが。引きの画が多くなって情感に訴えかけますよ、って状態になるのですが、いや、もっとヒロインの顔を見せてよ、っていう。 でもまあ、何より橋本環奈なんですよね。橋本環奈って個性?逸材?を採用した時点で約束された世界があったような、この映画の世界は彼女という唯一の真理によって成立しているようなモンで。いや、他の生徒達も良かったんですけどさ、なんていうか、一人だけ違うステージに存在していて。素早い鉄拳とキックを繰り出す(本来はそういう映画じゃないのですが)彼女の姿に、何かが降臨した瞬間を見たのでした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-03-08 20:57:36) 1.《ネタバレ》 序盤はあまり乗れないのだが、メンバー間の不協和音が現れてくる中盤のロングテイクあたりからぐんぐんと良くなる。 主演二人が背中合わせに座る、夜の埠頭のショット。コンクール以降の、台詞省略の効いた画面による語り。 屋外から響いてくるホルンの音色に導かれて廊下へ飛び出した橋本環奈の全身に吹き付ける風。 『箱入り息子の恋』でもピアノを弾く夏帆の運指をきちんと撮っていたように、ここでも橋本を始めとする俳優ら本人の演奏を巧拙に係わらず 誠実に撮っているのがいい。フルートを懸命に吹く彼女の顔と手の表情などとても素晴らしい。 中盤で主演二人が屋上から中庭を覗くシーン。ふとここで思ってしまうのは、フェンスのない(現実的には)危険な屋上だなということだが そこがラストの大団円の舞台装置となるに至ってそのフェンス(壁)の不在が映画的には必然であったことがわかる。 ラストの幸福感あふれる祝祭的な空間と運動。さわやかな笑顔を見せる橋本と佐藤の切り返しショットが気持ち良い。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2017-03-05 09:23:12)
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