みんなのシネマレビュー

きみの色

2024年【日】 上映時間:100分
ドラマアニメ青春もの学園もの音楽もの
[キミノイロ]
新規登録(2024-06-22)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2024-09-27)【イニシャルK】さん
公開開始日(2024-08-30)


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監督山田尚子
演出山田尚子
髙石あかり作永きみ
悠木碧七窪しほ
寿美菜子八鹿スミカ
戸田恵子作永紫乃
新垣結衣シスター日吉子
井上喜久子ルイの母
佐々木優子トツ子の母
一龍斎貞友シスター樹里
脚本吉田玲子
作詞桜井和寿「in the pocket」
山田尚子「反省文 ―善きもの美しきもの真実なるもの―」「あるく」「水金地火木土天アーメン」
作曲桜井和寿「in the pocket」
主題歌Mr.Children「in the pocket」
製作東宝(「きみの色」製作委員会)
企画川村元気
プロデューサー川村元気(プロデュース)
配給東宝
作画山田尚子(絵コンテ)
録音木村絵理子(音響監督)
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【クチコミ・感想】

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3.《ネタバレ》 お話自体は実に普遍的な青春映画ですね(「きみは何色か」はそのまま「きみは何者か」でしょーから)。かつ、その中で感情の起伏やストーリーの抑揚とゆーのはかなり振れ幅小さくて、諸々と実にゆるやかに彼・彼女らは季節を巡ってゆく…という感じだと思いますし、その語り口としてもまた諸々を決して語り過ぎるコトもない…という感じでもありますね。繊細な映画だと思います。ただ個人的には、そのお話=描かれるモノ自体についても、確かに繊細な質感ながらも最後まで観ると実に見事に繋がってったジャン…とは思えてまして、青春映画としてもシンプルにごく非常に優れた作品だったと思います(⇒自分が何者かを知るべき人に、勧めるとしたら現時点で第一候補になり得る…かとも)。

重ねて、特に前半は(+その後も終盤手前位までは)、例の「何を描くか」よりは「どう描くか」の方に遥かに寄ってっている…て方の作品かとは思えて居たのですケド(⇒上で書いたとおりその認識は最後まで観たら好ましく覆されもしたのですケド)、とは言え圧巻なのはやはりその表現のクオリティ=画と色遣いの端的な素晴らしさ、に在るのだとは思われます。アニメ映画を逐一追っかけている身ではないモノの、最近ってこのレベルがスタンダードなのですか?と、ちょっと信じ難いな~て眼で終始観入ってしまって居ましたね。どのショットも、ど~見ても監督のこだわりとゆーか美学とゆーか今までに貯め込んだ蘊蓄とゆーか、選び抜いた・磨き上げたって感覚がひしひしと感じられる様な見事なる「一幅の画」ばかりだった様に思えて居ります。傑作かと。 Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 9点(2024-09-05 21:51:19)

2.《ネタバレ》  ネットでIMAX視聴が良いよ? という情報があったのでIMAX視聴しました。
 映画の宣伝は劇場でよくされてて青春音楽もので良さげな雰囲気で観たいと思ってました。

 端的な感想としてはとても良かったです。

 青春ものとして私的に欲しいものはみんな詰まってた感じ。
 あと事前情報として全く知らなかったですがテルミンが最高でした。

 音楽で色が見えるというと「共感覚」というものが有名で音から色を想起するのかと思っていたら、人の印象が色に集約して感じ取れるみたいな話でちょっと違ってました。主人公から見て"きみ"は青に見えて、"ルイ"は緑に見える……というのは、あとあと振り返ると色の感覚が戦隊シリーズものの感覚かなあとか思った(笑)。

 人と人の交流とか、音楽ものなので相手が作ってきた曲に自分の楽器で合わせてみる音楽的交流を、色と色が交錯し合う(混じり合うのではない)みたいな描き方をするのは、実にサイエンスSARUっぽい言葉を介さない映像による表現でアニメとして非常に良かったと思います。

 と、同時に「音楽もの」なので言葉を介さない音による交流は「音」で勝負して描くべきではないかというジレンマもあって、好みの問題ですが、本作は映像寄りにしたのかなあと思いました。

 あと音楽的リアルみたいなのは、主人公は元バレエをやってたのでその流れでピアノのレッスンも受けていた(しかしいまはやってない)というのは非常に良くある状況なので、ありかなあと思い、ライブでも1本指で済むごく簡単な演奏しかしてないのでまあ納得。ギターの彼女は、出てくる場面出てくる場面ひたすらギター練習してるし高頻度で集まって練習してた描写もあるのであれくらい弾けてもありえるかなあと思い(歌はそこまで技巧を使っておらず)、テルミンの彼は、テルミンなんてマイナーな楽器をわざわざ取り寄せてまでやろうっていう人間が気合が入ってないことなどありえないだろう、テルミンて最近は雑誌の付録で販売入手できるようにもなってるしテルミンが今風でなく古式ゆかしい伝統的な形状の本格的テルミンになってるのはまあ医者の家で金持ちなのだろう、で納得、……というわけでライブの演奏があまりに素晴らしいんですけど、彼らは本当にがんばってたので、これくらい弾けるのもアリだよな、と思いました。

 最近の音楽を主題にした作品ではほぼなくなったと思うんですけど、ろくに練習もしてないのにライブシーンだけ演奏がすごい(作品の都合とは言え)とかあると、ちょっといかがなものかと思ってしまうので、本作ではそんなことはなくて良かったかなあと。

 私は知らなかったのですが監督が「けいおん!」の監督さんだそうで、そういえば曲の感じが「けいおん!」ぽいなあとは思いました。

 あと、映像作品って、どんなに身につまされる身近な表現をされても、あくまでスクリーンとかディスプレイの向こう側の話で現実の我々を侵食しては来ない印象がありますが、音楽とかSEって劇場で聞いてるリアルな我々の世界に入り込んできて、例えば本作が金曜ロードショー上映されると、あの美麗なテルミンの演奏が全国的お茶の間に入り込んでくるわけですよー! というのがあり、あれがメタクソかっちょ良くて素晴らしかったので、実にありがとうございますという感じでした。元々好きでしたが、テルミン良いよ、テルミン。

 ストーリーとかキャラクターについては、華々しいわかりやすいドラマがあるわけではないのですが、それぞれがちょっとした鬱屈を抱えていて、明確に解決するとは限らないんだけど音楽の交流(色の交流)でそれが表現され受け止められることでちょっとだけ救われたりし、主人公たちにとって「いま自分たちに取ってやるべきこと、やりたいこと」が世間の枠組みとズレてて、まったく悪意ではないんだけど、切実にそうしなければならないからやると社会的に悪いことをしたことになってしまって、だけど、その青春期にはそういうことってあるよねえと受け止めてくれる世界のとても優しい描き方が観てて気持ち良かったです。

 そんなところです。

 あと、テルミンが最高にカッチョ良かったです(3回目)。 simさん [映画館(邦画)] 9点(2024-09-05 11:07:34)


1.《ネタバレ》  IMAXの大画面と大音響いっぱいに「山田尚子」を浴びたわ。それは雑味のない、どこを切り取ってもまごうことなき山田尚子監督の世界。光、色、音、水、空、窓、鳥。全編に監督が多用するモチーフに溢れていて。それはひたすら幸せな時間。

 バンドものアニメって最近色々あって、そんな中では物語として特に目立った特徴のある、特異な作品というワケでは無いわ。ミッションスクールと教会を舞台に、聖書の教えがテーマとして芯に存在していることくらいかしら。
 バンドが作られてゆく過程や等身大の悩み、それがドラマチックに、という訳ではなく、なんとなくこれまでにもあったようなカンジで(もっとも元々山田尚子監督はバンドものアニメの原初的な作品『けいおん!』の監督であるわけだけど)。猫に誘われて辿り着いた先に、なんていうのは何度も見たパターンね。

 でも、それが山田尚子監督の手にかかると繊細で優しい、キラキラ輝く心地良い世界へと昇華されてゆくわ。そうね、『聲の形』みたいな厳しい痛みも『リズと青い鳥』みたいなせつなさもあまり無くて、『けいおん!』や『たまこラブストーリー』の世界に近いかしらね。
 ディティールに凝り、色と音にこだわり、舞い上がってその先へ続く未来を祝福する、そんな映画。山田尚子監督の世界を無条件に愛する人には至福の時を過ごせるカンジ(そういう意味ではちょっと限定的なのかも)。

 今回、窓が重要なモチーフになっていて、外側と内側の世界を隔てていたり、それを越えて物語が動いたり。全然違うジャンルだけれど同じように窓がメタファーになっていた『戦場のピアニスト』を思い出したりもしたわ。
 あと長崎、離島、教会、音楽映画、そしてガッキーって事で『くちびるに歌を』も。山田尚子監督版『くちびるに歌を』ってところかしら。

 山田尚子監督作品としてはこれまでで最も大規模な公開のされ方だけど(IMAX版が上映されるくらいだし)、そんなに気負うことなく、サラリと触れるのがいいと思うわ(アタシはガチガチに期待しまくってたのだけど)。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 9点(2024-08-31 15:44:00)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 9.00点
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1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

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