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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

No Time to Die
2021年【英・米】 上映時間:163分
アクションサスペンスアドベンチャーシリーズもの小説の映画化スパイもの
[ダブルオーセブンノータイムトゥダイ]
新規登録(2020-02-01)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2024-01-24)【イニシャルK】さん
公開開始日(2021-10-01)
公開終了日(2022-03-02)


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監督キャリー・ジョージ・フクナガ
演出鍛治谷功(日本語吹き替え版)
キャストダニエル・クレイグ(男優)ジェームズ・ボンド
ラミ・マレック(男優)サフィン
レア・セドゥ(女優)マドレーヌ・スワン
アナ・デ・アルマス(女優)パロマ
クリストフ・ヴァルツ(男優)エルンスト・スタブロ・ブロフェルド
レイフ・ファインズ(男優)
ベン・ウィショー(男優)
ナオミ・ハリス(女優)イヴ・マネーペニー
ロリー・キニア(男優)タナー
ジェフリー・ライト〔男優〕(男優)フェリックス・ライター
デヴィッド・デンシック(男優)ヴァルド・オブルチェフ
藤真秀ジェームズ・ボンド(日本語吹き替え版)
中井和哉サフィン(日本語吹き替え版)
園崎未恵マドレーヌ・スワン(日本語吹き替え版)
水樹奈々パロマ(日本語吹替え版)
斎賀みつきノーミ(日本語吹き替え版)
山路和弘エルンスト・スタブロ・ブロフェルド(日本語吹き替え版)
浪川大輔ローガン・アッシュ(日本語吹き替え版)
多田野曜平ヴァルド・オブルチェフ(日本語吹き替え版)
原康義M(日本語吹き替え版)
杉本ゆうイヴ・マネーペニー(日本語吹き替え版)
石田圭祐フェリックス・ライター(日本語吹き替え版)
白熊寛嗣ビル・タナー(日本語吹き替え版)
原作イアン・フレミング
脚本キャリー・ジョージ・フクナガ
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド〔脚本〕
音楽ハンス・ジマー
作詞ハル・デヴィッド[作詞]「愛はすべてを越えて」
作曲ジョン・バリー〔音楽〕「愛はすべてを越えて」
モンティ・ノーマン「ジェームズ・ボンドのテーマ」
挿入曲ルイ・アームストロング「愛はすべてを越えて」
製作バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン
配給東宝東和
字幕翻訳戸田奈津子
日本語翻訳松崎広幸
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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22.《ネタバレ》  007、コネリーから数えてスクリーンで見たのなんて10本しかなくて、これは面白いって思ったのは『トゥモロー・ネバー・ダイ』くらいで、だからそんなに思い入れはないのだけど(何らかのカタチで全作見てはいるわよね、と思ったけれど考えてみると『ムーンレイカー』と『オクトパシー』は見た記憶が全く無いわ)、でもクレイグボンドはなんか違うのよねぇ、って。粗野でスマートさに欠けていて、作風もヘンに重々しく深刻ぶったカンジで、でも007ってそういうモノ?(しかし唯一全作スクリーンで見ているのがクレイグボンドだわ)

 で、今回、ダラダラと長いし、ベラベラとセリフ多いし、ジマーの音楽うるさいけど、それでもQが作った秘密兵器関係とか、敵の秘密基地とか、往年のシリーズのニオイを漂わせていて、まあ音痴というか色々な要素の密度が薄めながらも、らしくなったんじゃない?と思ったそばから何やらかしてるのやら。

 ボンド殺しちゃダメでしょ。

 いやね、だったらせめてもう少しマシな花道を飾らしてあげなさいよ。何あの、ギャグみたいなスペクター全滅は、出来損ないのレクター教授みたいなブロフェルドは、ボンドの浅はかな行動の数々は、敵基地での緊迫感の無いドタバタは、しみったれた敵ボスは、そして実質的にそのボスに敗北しちゃうボンドは。
 今はもはやセクシーなボンドガールとの駆け引きが成立しない時代だからボンドみたいなのは死ぬしかないでしょ?って事かしらねぇ。恋人と娘を出してそれを守る、っていうのを大義名分というか盾にして。でも残念な事に楽しい、良かったのはキューバでのカッコいい女エージェントとの共闘シーンだったのよね。

 007は時代との齟齬をきたしまくってきたシリーズって気もするのよね。世界情勢の変化に対応しきれないアナクロで荒唐無稽なお話、みたいな。正確には時代に合わせようとしつつ007っていうブランドを適応させきれなかった、みたいな。で、それを時代に寄せようとしたクレイグボンドが正解だったのか?っていうと、それはそれで疑問に思ったりもして。だって娯楽映画なのだから。

 虚しいキモチで映画館を後にする007って、アリなのかしら? アタシは無しだと思うわ(ショボくて虚しい、ってのがありはしたけど)。まあ『女王陛下の007』が存在していて、それのオマージュをきっちり出してきてるワケだけども、エンドロールでその淋しいキモチを反芻をしているって、なんかねぇ。 あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 5点(2021-10-10 22:50:24)(良:2票)

21.《ネタバレ》 約7か月ぶり2度目観賞。クレイグ・ボンドの最終章。ジェームズボンドに初めてお子様を授けたボンドガールを熱演のレア・セドゥ(なんかレイ・セフォーみたいやな)。ボンドを死に至らしめた面ガサガサ男、最凶の敵・サフィンを怪演のラミ・マレック。黒人女性の新007と共闘。163分、尺長の末にシリーズは一つの幕切れを迎える。 獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 6点(2021-10-10 04:31:24)

20.《ネタバレ》  ともあれ、ダニエル・クレイグ、お疲れさまというところです。
 前作のスペクターが終わった時に、次もボンドやる?と聞かれたときに死んだ方がマシだと言ったのに戻ってきてくれました。
 今作、やはりアクションは辛くなってきてますね。
 それに007にも現代に合わせ色々な変化が。
 日系人監督ということで、千島列島あたりが出てきたり、能面が出てきたり。
 でも、子持ちになったり、死んだりはダメでしょ。 ぶん☆さん [映画館(字幕)] 7点(2021-10-09 23:25:56)

19.007が観られて本当に嬉しい。

本作はダニエル・クレイグさんのボンドでは一番面白かった。
組織の人ではなく、ボンド自身の物語なのが良い。
任務ではなく、自分のやりたいように進んでいく。
そして本当の自分を貫いていったと感じた。

カーチェイスも見応えあり。
いっぱいあったが、ドキドキして楽しめた。

残念だったのはクリストフ・ヴァルツさんのシーン。
片目でも説得力抜群。
ちょっとで終わったのが、もったいなく思う。

次回作では本作からどう繋げていくか、お手並み拝見。 たんぽぽさん [映画館(字幕)] 9点(2021-10-09 21:35:11)


18.ダニエル・クレイグがボンドを演じるようになってから、007シリーズを見始めました。その中では最高の出来だと思います。アクションの出来栄えやドラマの部分もとても良く出来ています。前作の出演者をわざわざ本作にも登場させただけはあるな、と感じました。ダニエル・クレイグがボンド役は本作が最後と公言していたので、最後がどうなるのか興味津々でしたが、納得のストーリーでした。あれなら演じる者が交代する理由になりますね。ボンド役が新しくなり、リブートされる007が楽しみです。 shoukanさん [映画館(字幕)] 9点(2021-10-09 15:04:46)

17.《ネタバレ》 見終わった後は、ディズニーに身売りしたスターウォーズのような残念な気持ちになりました。
簡単ですが思いっきりネタバレありです。
ジェームズ・ボンドは子持ちになってはいけない。
ジェームズ・ボンドは死んではいけない。
そこだけは私のジェームズ・ボンド像として譲れません。 ねおやまさん [映画館(字幕)] 5点(2021-10-09 11:59:06)(良:1票)

16.《ネタバレ》 老けたなあ。じいじと孫娘かと思ったぜい。なんつーかセクスィーさが無いんだよねえ、キレもねえし。ボンドガールも鳩胸チッパイ決して美形じゃないし。
アクションだって半端なカーチェイスと銃撃戦とダンスみたいな格闘っていう非常にありふれた、どこかでみたような映像ばかり。
おまけにあの長さはなんだよっ!は?3時間くらい映画の部屋にいたぞお!尻が痛くなってしまうじゃないか。
で、一番許せないのは勝手に007終わらせるんじゃないよ全く。007は永遠に続くんだよサザエさんみたいに。っったく。
映画ってのは映像で魅せてくれよ。
長い長いセリフを延々と、哲学の授業じゃないんだからさ、止まったような画像で俳優に喋らせてばかりで、007の絵本版かと思ったぜ。 小鮒さん [映画館(字幕)] 3点(2021-10-06 23:33:44)

15.結局、クレイグ・ボンドは全ての作品が繋がっているのですね。本作鑑賞前にできればカジノロワイヤルから、せめてスカイフォールからの予習は必須です。さて本作、クレイグの集大成で気合入ってます。ストーリー・演出・アクションとほぼ文句なしで大満足。一時期ボンドがスーパーすぎてファンタジー映画か!というようなこともありましたが、クレイグの人間臭いボンド、素直に素敵でかっこよかった。お疲れさまでした。惜しみなく拍手を送らせていただきます。 ふじもさん [映画館(字幕)] 9点(2021-10-05 20:49:00)(良:1票)

14.《ネタバレ》 嬉しかったこと:去年から待たされてやっと本日鑑賞できました。
安心したこと:3時間近い作品なので途中でトイレが心配でしたが、ぐいぐい引き込まれてしまってエンドロールまで余裕でした。
驚いたこと:まさか007シリーズで悲しみの涙が出るなんて・・・
ネタバレヒント:序章部分、駅のホームでボンドとマドレーヌが別れるシーン。列車が動く時のマドレーヌの小さな演技を見逃さないこと。

クレイグボンド、最初の頃は線が細い感じがしたけど、今は一番ボンドが似合う。寂しい・・・ karikさん [映画館(字幕)] 8点(2021-10-05 17:17:30)(良:1票)

13.さてさて、007ですが、本編開始前の予告編を含めると3時間! ケツが痛いゼ。
内容は、ネタバレしていいのかなあ?、やっぱりやめときます。
2時間45分の中に内容盛り込みすぎで、ゲップが出そうです。
 
ジェームス・ボンドって言ったら、イギリス紳士ヅラした諜報部員だけに、クールさとタフさとエロさとユーモアがないと成立しないです。 そういう意味で、ダニエル・クレイグにはユーモア要素がなくって、今までのボンド役と比べると、面白味がないんですよね。
今作は妙にアクションとラブシーンの盛り上がり方が興醒めしてしまいました。
 
本編が終わり、エンドロールが流れるとほとんどの客が出ていきました。
私はトイレに行きたいのを我慢しながら、じっと耐えました。
JAMES BOND WILL RETURN
この文章が見たかったんですよ。
ってことで、次回作をひそかに期待します。 ミスプロさん [映画館(字幕)] 7点(2021-10-05 17:03:50)(良:1票)

12.《ネタバレ》 「一発屋」の下馬評を見事に覆し、気が付けば5作も超大作の主役を張る。
これは周囲の協力は勿論、ダニエル・クレイグ本人の努力無しでは絶対になし得ないもの。
何はともあれご苦労様でした、と言いたい。
肝心の作品の方はスケールの大きな如何にも007シリーズらしいもの。
劇場により差はあるのかも知れないが、音響も素晴らしいものだった。
脇を固める共演陣も盤石の構えで、新007やCIAエージェント等魅力的なキャラばかり。
しかしながら、本作のジェームズ・ボンドは引退興行で有る事が最初から判っている影響なのか、
妙に饒舌でなんとも言えない違和感が。
終盤の展開も「実は生きていた」と言うどんでん返しを自ら潰していく様な流れ。
真面目一徹な展開だったスカイフォール後、新Mやマニーペニーの登場で往年の007らしい軽妙酒脱な味が多少は戻ってきたので、
「そこまで追い込まなくても...」と正直思った。
ダニエル・クレイグの007物語としては美しい終幕ながら、何と言うか「お仕着せ感」が終始ぬぐえなかった。
世界を牛耳る巨大な悪の組織で有る筈のスペクターが瞬殺されたり、設定と脚本に無理や粗が多い様に思えた。
それにしても、次にこのシリーズで主役を張るのは一体だれなのか。
関係者は相当なプレッシャーを抱えている筈だが、期待して続報を待ちたいと思う。

蛇足
ダニエル・クレイグ版ボンド私的ベスト5
5.スペクター
4.ノー・タイム・トゥ・ダイ
3.慰めの報酬(すみません、オリガ・キュリレンコ推しなので爆)
2.スカイフォール
1.カジノ・ロワイヤル(エヴァ・グリーン!!) たくわんさん [映画館(字幕)] 7点(2021-10-04 13:52:35)

11.《ネタバレ》 繰り返す延期の中、劇場行ってきました。待望の“No Time To Die”意味は死んでる暇もないってとこでしょうか。
鑑賞の注意点はそのままの続編ですし前作より6年経過していることもあり要予習です。
「スペクター」は必須で伏線はカジノ・ロワイヤルから全て繋がってます。また、顔と名前はぐらいは一致させておかないと前半はついてこれないとおもいます。
CIAのフィリックスとかカジノロワイヤルから出てますからね。ボンドが悲しむのもわかります…。
さて、中身のほうはというと配給元が変わったので多少心配してましたが、安定感あり満足です。
説明不要ですがダニエル・クレイグの5作目でありファイナル。
スペクター(首領ブロフェルド)との決着、マドレーヌとの愛の行方、毎度ながらMI6との駆け引き。いろんな事情が交差します。
さらに後任でパワフルな黒人女性の007,CIAのセクシーエージェントのパルマ,意外な形でスペクターを殲滅させた新しい悪のサフィン。引き立てる役者は揃う。
007シリーズでは初めてとなるボンドの娘や衝撃のクライマックス。アクションもカッコええ。見所満載でございます。
テーマは愛ですね。これに尽きると思います。
あえて気になるところを挙げるとすれば、本作、クレイグのラストということで彼を引き立てすぎたんじゃないでしょうか。
それがストーリーに影響は少なからず出してしまっているとおもいます。
見ようか迷っている人も、やはり映画館で見るべきでしょう。TVと内容は同じでも臨場感やサウンドが違う。また、実力派ビリーアイリッシュが贈るラストに合わせた物哀しいsongも素晴らしい。
何はともあれ鑑賞の余韻は十分に浸りました。

ダニエルボンド、フォーエバー。 mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-03 23:56:31)(良:1票)

10.まず最初にアナ・デ・アルマス演じるボンドガール「パロマ」に心の1点を。歴代のボンドガールでは『黄金銃を持つ男』の「メアリー・グッドナイト」が永遠の一番手だったが、匹敵する愛らしさ。観られてよかった。

ダニエル・クレイグのボンド作品は、『カジノ・ロワイヤル』で「ああ、連作なんだ」。『スカイフォール』で「おお、実は3部作?」。『スペクター』で「ウソっ、4部作」と来て、この『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で「まさか5部作だったとは……」、ということ。あまり他の映画の知識はないけれどもこれ以上のことは知らない、文句のない、付けるわけにもいかない5部作完結だったと思います。すげえもん観たよ、もうそれだけ。

まったく観た経験も無く、名前だけはよく知っているけれどもこの先に一生観ることのない作品だと思っていた『007』。それが飲み屋の無音で観てしまった『カジノ・ロワイヤル』でのボンドのカッコ良さに魅せられ、それならばと『ドクター・ノウ』から見始めて一気にハマったこの10年ほど。うっかりパチンコ台まで買ってしまうことになる人間を導いたのは、ショーン・コネリーもジョージ・レーセンビーも実は永遠の憧れとなるロジャー・ムーアもティモシー・ダルトンもピアース・ブロスナンもそうなのだけれども、やはりこの「私“が”愛したスパイ」だった。だから――素晴らしい作品だったよ。だけれどもさ、どうしたって最後になるこの作品は寂しい。あまりにも、寂しい。

ありがとう。
ありがとう、ダニエル・クレイグ。
万感の思いを、胸に。 まつもとしんやさん [映画館(字幕)] 9点(2021-10-03 21:41:15)(良:1票)

9.《ネタバレ》 ダニエル・クレイグの、そして“ジェームズ・ボンド”の“青い瞳”が、今作では特に印象的に映し出される。
その瞳は、時に怒りを滲ませ、時に強い決意を表し、そして時に愛する人を慈しんでいた。
“ブルーアイズ”こそが、ダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドの象徴であり、アイデンティティだった。

2005年に新ジェームズ・ボンドに、ダニエル・クレイグのキャスティングが発表された際には、金髪で青い瞳という従来の“ボンド像”からかけ離れたその彼の風貌に対して批判が殺到したらしい。
ただ、その固執されたイメージからの乖離、古い時代性からの脱却こそが、この俳優を起用した最も大きな狙いだったのだろう。
クレイグ版007第一作「カジノ・ロワイヤル」から足掛け15年経った今、改めてこのキャスティングは大英断だったと言えると思うし、少なくとも僕にとっては、この無骨で厳しい主演俳優こそが「007」だった。


そのダニエル・クレイグ版007の最新作にして、最終作。パンデミックによる1年半以上の公開延期を経て、ようやく日の目を見た今作は、自分の想定以上に印象的な映画作品として、心に残り続ける作品となった。
初回鑑賞後、あまりにも衝撃的でエモーショナルな今作の顛末を思いながら、しばらく思考をまとめることができなかった。
その間、頭の中では、ビリー・アイリッシュが歌唱する今作の主題歌が繰り返し流れ続けていた。
自分が思っていた以上に、ダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドと、彼の「007」シリーズが特別であったことを思い知った。
気持ちの高ぶりが収まらず、居ても立っても居られなくなり、今作の感想を綴る前に、クレイグ版007の過去4作すべてを再鑑賞することにした。

過去4作を見返すと、改めてこのシリーズが、それ以前の過去の「007」シリーズとは一線を画する革新的なアプローチの連続であったことを痛感する。
それは主演俳優のビジュアルなどに留まらない。作品世界そのものに対する是非、ジェームズ・ボンドというキャラクターに対する解釈、そしてそれらが今この現代社会に存在した場合に求められる視点と価値観、そういうことをシリーズ通じて真摯に追求し、挑戦し続けていた。
その象徴であり、顕著な結果が、ダニエル・クレイグという俳優が演じた荒々しく、生々しく、故に極めて“人間らしい”ジェームズ・ボンドだったのだと思う。


今作も含めた5作品において、ジェームズ・ボンドは傷つき続け、悲しみ続けてきた。そしてその「傷跡」は、決して単作で消え去ることは無く、シリーズを通じてしっかりと残り続けてきた。
そのさまは、時に悲壮感に溢れ、重々しいけれど、それは、ジェームズ・ボンドという架空のキャラクターが「人生」を得たことの証明だったと思える。

「人生」を得たからこそ、人間には、必ずその“終わり”が訪れる。
今作のタイトル「NO TIME TO DIE」が表すものは、即ち「今は死ぬ時ではない、けれど、いずれ死に相応しい時が訪れる」ということだったと思う。

シリーズ第2作「慰めの報酬」で、ボンドは敵から『手を触れる相手がみな死んでしまう』と罵られる。
彼はその事実と真理を誰よりも深く噛み締め、苦悩し続けていたのだろう。
自分が存在し続ける限り、トラブルは起き続け、大切な人はみな死んでいく。

かつての敵の台詞が全く直接的な意味合いで伏線となり、ジェームズ・ボンドはあまりにも厳しく悲しい顛末を迎える。
ただ、そこにあったのは必ずしも「悲劇」ではなかったと思う。
苦しみと悲しみの果てにようやく得た本当の「愛」。それを守り通すために、彼は自らの苦悩の螺旋を断ち切る。「死ぬにはいい日だ」と言わんばかりに、これまでで最も穏やかな表情で、その時を迎える。
それはやはり、「悲劇」なんかではなく、闘い続けてきた男に相応しい「解放」の瞬間だった。

過去4作を観終えた後、再びこの最終作を鑑賞し、その悲しみと慈愛にむせび泣いた。
寂しいけれど、今はダニエル・クレイグ版「007」をリアルタイムで映画館で観られた世代であったことを幸福に思う。


“007”は去った。でも、これで彼が消え去ってしまうわけではない。
彼が守り通した世界、そして大切な人たちによって、彼の存在は語り継がれ、残り続ける。
そう彼の名は、「Bond, James Bond」 鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 10点(2021-10-03 20:26:34)(良:1票)

8.《ネタバレ》 散々待たせての公開は、予告編をゲップが出るほど見た後の公開なんで「やっぱ見どころは予告編に尽きるのかよ!」と言う内容でした。その割に上映時間は長く、アクションシーンはぶつ切りだし、でもその中で一番見応えがあったのがスペクターのパーティシーンだったのは皮肉な話でした。パロマに比べて新007は優等生的で全く印象にも残らない。何よりも今回の敵役のサフィンの終盤の行動が意味不明すぎです。なぜ、娘をあのタイミングで解放する?なぜ最後にボンドに単身で勝ち目のない戦いを挑む?個人的には「スカイフォール」を頂点にだんだん盛り下がった印象しかないです。と思って過去作をチェックしたら、スカイフォール以降全部5点だった…。 ぴのづかさん [映画館(字幕)] 5点(2021-10-03 19:17:51)(良:1票)

7.ダニエルクレイグの痛くて辛い007物語はこれで終了。最低前作スペクター観てください。
007とマドレーヌとの愛が、007に**が! bonbaiさん [映画館(字幕)] 9点(2021-10-03 02:04:38)(良:1票)

6.《ネタバレ》 コロナによる散々な公開延期を経てようやくの公開、まずは無事に公開してくれたことに感謝をします。
で、観た感想ですが「ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド物語」としてはとても面白い、けど「007」というシリーズという点では個人的には「なかったこと」にしたいというものでした。
クレイグボンドにしては「軽口」や「憎まれ口」をたたき、これまででのボンド映画のような感じがあって良かったんのですがやはり、ラストで「ボンドの死」をもってボンドを退場させてしまった点がやっぱり納得できませんでした。
これまでだったら「なんだかんだで乗り越える」ある意味不死身性があったのに、そういうシリーズのお約束を蔑ろにしての終焉というのは「フェルプス君を殺した」ミッション・インポッシブルの時のような感じを受けたからです。
ただ、クレイグボンドがこれまでのシリーズとは毛色が違って、「00エージェントに昇格してからのボンドという男の物語」というテイで作られているので、そういう意味ではこのラストも納得がいくものでした。
ただ、ちょっと長すぎ。そして予告でも散々映し出された新人エージェントの女性の活躍が思ったより少なすぎ、など気になる点もあり、というところでしょうか。何はともあれ、ダニエル・クレイグ、お疲れ様でした。 クリムゾン・キングさん [映画館(字幕)] 6点(2021-10-02 22:55:32)

5.《ネタバレ》 コロナによる公開延期が恨めしく、ようやく観ることができるこの日を待ちに待っていました。
そんな能天気な期待を吹き飛ばすような、陰鬱なストーリー展開に、とどめにあのラスト・・・
そもそも序盤に女王陛下の007のインストゥルメンタルが流れた瞬間に嫌な予感が。

さすがに鑑賞途中に気が付きました。
あの多幸感あふれるラストの「スペクター」の続編を作る、というのであるから、こういう話にならざるを得ないなと。
だから、この終わり方以外は逆に考えられないのだ。

この一作だけ見てしまうと、ストーリーやキャラクター設定がそれほど魅力的ではないのだが、ダニエル・ボンドの集大成としてはケチをつけることのできない作品でした。
でも、これは「スペクター」の、アナザーエンディングという扱いでもよさそうです。
ハッピーエンドが好きな人は、この話は無いものとしても良いでしょう。

思い入れの強いおじさんは、We Have all the time in the worldが流れたところで、滂沱の涙でした。 Northwoodさん [映画館(字幕)] 9点(2021-10-02 17:45:24)(良:1票)

4.《ネタバレ》 ダニエル・クレイグ版の007は、一作一作が必ずしも単発のアクション映画に留まってはおらず、シリーズを通して人間関係に強めの繋がりが在ってその中にボンドはじめ個々のキャラの人間性がより深く描き出されてゆく、そのコトに重きを置いた作風が率直に大衆に大いにウケたとも思えているので、その意味では今作がシリーズの総括としてよりその方面を重視していること、端的には過去作とリンクしたシーンが非常に多くて、なので尺もかなり長大であって、そして最後には衝撃の結末をもってシリーズの「完全な」終焉を迎えている、そのコンセプト自体には個人的には全然しっくり来たと言っても決して過言ではないです(確かに長尺ですが、だからソコはあんまし気にならなかったですね)。

ただ今作では残念ながら、そのコンセプトがもたらす弊害的側面の方がより目立っていたという様にも感じられます。まずとにかく、過去の話はどーあれ今作で始まった話とゆーのが実に薄くて味気無い、というコトなのですよね。ラスボスのサフィンにしても、ド初っ端に顔見せでチラリと出た後は本格的に出て来るのがもう中盤だいぶ深くなってからですし、そこからも彼の人物像・目的・能力のどれもよく分からないまま彼をほったらかしにお話は進むので(ある種)唐突に完全に彼の話になる終盤以降とゆーのが(それまでと比べて)非常につまらない・どーでもいい感じになってしまっていると思われたのですね。味方にしても、例えば後輩ちゃんは中々好さげなアクションキャラの風を醸しているのですが、彼女の活躍シーンは少ないし地味だしでコレもだいぶ物足りなかったですし。

だから根本的には、今作は007シリーズの新規の一作とゆーより、おそらく『スペクター』の直接的続編だという心構えで観た方が好いのかも知れません。特にボンドとマドレーヌのその後を(人間ドラマとして)観てみたかったという人が最も喜びそうな作品、とゆーのが一番的確な表現に思われます。でも一方で、前作で意味在りげに生き残されたブロフェルド(とスペクター)は今作で非常にアッサリ滅びてしまいますし、そーいう意味合いで捉えたとしても全てが巧くハマってる作品だとは到底言えません。要は、そーいうコトしたいなら最初から二部作としてチャンと考えてやらんとダメだよね、とゆーコトかと。

もう一つの大きな問題が、実質「ボンドガール」不在という物議を醸しそうな設えですかね。マネーペニーが完全にサブキャラに引いた今作では主要な女性キャラが3名登場しますが、後輩ちゃんは(よく見るとそこそこ魅力的ではありますが)ボンドの女になりそーな、というキャラづくりにはなってないですし、マドレーヌはボンドとの関係性が「恋人」とゆーよりも完全に更に深いモノになってしまってますし、もう一人、パロマちゃんは度肝を抜くホドにデーハーでセクシーな出で立ちで登場するものの完全にスポット的なソコだけの出演に留まっており、何れもボンドガールとしての役割は果たせていないのですね。まあ前述どおり今作はボンドとマドレーヌのもはや「家族的」なお話なので、ボンドガール自体が(選択的に)御役御免とゆーコトなのでしょう。が重ねて、ソコには不満を持つ観客も確実に(結構大勢)居ると思いますし、だからスポットであれパロマちゃんを無理に捻じ込んでいるとも言えるのでしょうし。てかパロマちゃん自体は見た目の完成度は相当に高かったのでその意味で単純にかなり勿体無いとも思えて、この点に関してはなんか中途半端やな~とも思いますね(チャンと入れるか全く入れないか男らしくどっちかにせいよ、と)。

結論、一番やりたかったコトの部分にはかなり賛同も出来る作品ですが、ソコとその他やるべきコト or やりたくないけどやらざるを得なかったコト(特に007シリーズとして)といった辺りの整合性がまたかなりイマイチだという作品に思えます。そもそも個人的にはこの「結末」自体、前作で終わりだったハズが無理繰り今作をつくるコトにした挙句ダニエル・クレイグに契約条件として突き付けられた、というよーなモノだったのではないかとすら見えてますのよね。諸々、ちょっと完成度が高い作品には思えないですね。 Yuki2Invyさん [映画館(字幕)] 5点(2021-10-02 14:18:39)(良:1票)

3.本日初日、観てきました。
まだ何も書けない(すべてネタバレになる😆)
ダニエル・クレイグは、この5作で独自のボンド世界を見事に完結させました。
この終焉に、ただただ拍手!そして、さらば・・・
 
JAMES BOND WILL RETURN 墨石亜乱さん [映画館(字幕)] 8点(2021-10-02 08:34:48)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 62人
平均点数 6.76点
000.00% line
100.00% line
211.61% line
311.61% line
411.61% line
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【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review4人
2 ストーリー評価 5.60点 Review5人
3 鑑賞後の後味 5.16点 Review6人
4 音楽評価 6.80点 Review5人
5 感泣評価 3.00点 Review4人

【アカデミー賞 情報】

2021年 94回
オリジナル主題歌 受賞No Time To Die
視覚効果賞 候補(ノミネート) 
音響賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2021年 79回
主題歌賞 受賞No Time To Die

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