みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
6.《ネタバレ》 戦闘機隊の優美な飛行の撮り方については、背景の絵も含めてこだわり十分であり、しかも途中からは機体が華麗な極彩色になっていくという美味しい展開つき。なんだけど、地上に降りてからの部分は途端に物足りなくなっており、ここをもっと発展させたら地上も空中も両方引き立つのに・・・と思わせる箇所が多かった。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-12-27 01:06:32) 5.《ネタバレ》 ロジャー・コーマン映画史上最大の製作費を使い、そしてコーマンAIP時代最後の監督作でもあります。実は飛行機マニアだったコーマンがアイルランドに『ブルー・マックス』で使用された複葉機のレプリカがあって、これを使って映画を撮ろうとユナイトに企画を持ちかけたそうですが、そこはいかにもコーマンらしいところ。コーマンは手を抜く映画のときはナレーションを多用しますが、本作では一切ナレーションを使わず、省略法みたいな映像のつなぎだけでストーリーを語っているところにも彼の本気度が判ると言うものです。テーマとなっている“階級の対立”にしても、プロットが似ている『ブルー・マックス』があくまでドイツ軍の中のお話しだけに終始しているのに、ドイツとイギリスの対比に話をグローバルに拡大してゆくところなぞ、なかなか気宇壮大です。複座機の後部席に実際に俳優を乗せて撮影された空撮シーンの迫力はなかなかのものです。それにしても日本の映画ジャーナリズムのコーマンに対する低評価・無関心ぶりは欧米では考えられないほどで、もっとリスペクトされてしかるべき偉人だと私は思うんですけど… 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-06 23:56:00)(良:1票) 4.今ではB級映画の帝王と呼ばれるロジャー・コーマン御大ですがその由来からは想像もできない凄まじい映画を作っちゃってます。実際の伝記を元にしながらも本物の戦闘機を飛ばして全編にわたって美しい映像を作り出し空中シーンでは手抜き一切なしに大迫力の戦闘と大空襲シーンは圧巻の一言。コーマンさん、やればめっちゃできるんやないですか(笑)この映画以前は彼独特の映画が多かったですが初めて壮大なスケールで描いた戦争映画なので意外性ではある意味貴重すぎる?んじゃないかなぁ。台詞を少なくし画でその映画を伝えるコーマンらしさが存分に発揮されてるかと思います。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-02-11 02:32:25)(良:1票) 3.WWIにおけるドイツ陸軍のエースのリヒトホーエンとそれに対抗したカナダ出身の英国陸軍のブラウンを中心にした物語で,それに後にナチドイツの空軍相となるゲーリンクも絡めての一応史実の沿った展開になっています。当初の貴族的なフェアプレイ精神が庶民出身のブラウンの参入により基地への奇襲とその報復,それにゲーリンクの殺人狂めいた無差別殺戮に変質するエピソードもありますが,フランスの田舎を背景にした複葉機の戦闘は上下感覚が無くなる様に思わせる撮影で一見の価値のある作りになっています。WWII当時のゲーリンクは太めになってとても戦闘機パイロットとは思えない体型たったようです。リヒトホーエンの従兄弟はスペイン戦争などでの指揮官でしたがWWIIの戦争中に病死しています。 【たいほう】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-09-16 00:58:17)(良:1票) ★2.この評をコーマン様に届けてくれっ! こっ、この映画は良いものだ~っ! …と叫びたくなるほどガンダムの元ネタがいっぱいでした(リヒトホーフェンの機って、赤く塗ったから3倍速くなったんじゃなくって、複葉機から三葉機に乗り換えたからだったんですなー…当たり前か)。泥沼にはまっていく第1次世界大戦。この時代を題材にすると、どうしても汚くて陰気な「塹壕戦」が舞台になりがち(『西部戦線異常なし』『突撃』)なんだけど、優雅にも見える空中戦を、本物の複葉機をジャンジャン壊しながら撮ったおかげで最後まで見応えいっぱいの作品になっていました。開戦当時は騎士道精神というかノンビリムードがあったのは間違いないんでしょう。休戦日になったクリスマス、ドイツ兵とイギリス兵が交歓会を開いてサッカーで戦ったという逸話もありますね。後で両軍の参謀本部が怒りまくって交歓会禁止の通達を出したらしいが…。骨太で荒っぽいシナリオながら、そんな「現場と大本営の温度差」がうまく出ていたと思います。低予算映画では神級の傑作を作るのに大金持たせちゃうと全然ダメって監督がけっこういます(あんたの事だよカーペンター)が、監督コーマンは器の大きな「どっちも採り」だった事が伺える貴重な映画です。 【エスねこ】さん [DVD(吹替)] 9点(2004-12-25 22:16:30)(良:1票) 1.実際にジョン・フィリップ・ローなど役者を操縦席に座らせた複葉機が、大きく空中で一回転する。と、役者の真正面に据えられたキャメラは、その表情とともにバックに広がるヨーロッパの田園地帯の風景をも映し出す…。 この「究極のリアリズム」の前には、もはやどんな最新のCG映像も太刀打ちできまい。もちろん空中戦のシーンでも、本当に役者が空を飛ぶ飛行機上で“演技”している。つまり彼らは、その時「本物のパイロット(もちろん、操縦しているのは別人だろうけれど)」として、画面の中で君臨(!)しているんである。そう、彼らは、第一次世界大戦の“空の勇者”を演じるというより、その生身(なまみ)でもってパイロットが見た・感じたままの“現実(リアル)”を「再現」しているのだ。 ロジャー・コーマンの映画は、一連の“エドガー・アラン・ポーもの”をはじめゲテ物と蔑まれるようなB級映画であろうと、ロケーションと美術セットに対する感覚において際立ったものを持っている。彼の監督作を見たなら、そこに映し出される森や池、古い城壁それ自体がドラマを暗示し、見る者をその作品世界へといざなっていくものであることを誰もが認めるだろう。さらに、どんなに低予算であろうと、登場人物以上に「物語」を雄弁に語るあの美術セット。…そう、コーマンは決して役者たちの演技やセリフによるのではなく、あくまで“画”によって恐怖を、悲哀を、官能を、憎悪を、狂気を、…そう言った人間の内面の「闇(=病み)」を描く術において卓越しているのだ。 そんな彼の資質が、この生涯で唯一(?)の大作においても遺憾なく発揮されている。19世紀的騎士道精神を生きる“レッド・バロン”ことリヒトホーフェンの驕慢さと、その背後に隠された「滅びへの意志」。一方の、英国軍パイロット、ブラウンにおける徹底した上流階級に対するルサンチマンとその「破壊衝動」。その相対立する葛藤劇を、コーマンは、役者を複葉機に乗せて飛ばす全編にわたっての空中シーンという形で“画”にしている。言い換えるなら、役者たちというフィジカル(肉体)な“実体”を用いて、メタフィジカル(形而上的)な“精神”を描くこと。そこにこの映画における「野心」があったことを、ぼくは信じて疑わない。 …監督としてのロジャー・コーマンを、今一度ぼくたちは再評価するべきだ。 【やましんの巻】さん 10点(2004-11-04 16:13:10)
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