みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★17.どこか散漫で、乗り切れない。そして地味だ。クーデター未遂も発生した終戦までの数日間という大変なテーマを扱っていながらサクサク薄味。エンターテインメント性の欠如と言ってもいい。手に汗握る人間ドラマ、スリリングな展開、感涙… こういったものを期待して観ると拍子抜けになってしまうので、歴史のお勉強程度に思っておくといいのかも? 映画的にそれが正しいのかは置いておく。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-07 00:07:28) 16.1967年版を鑑賞して間もなくこちらを観たからか、悪く言えば物足りなかった。尺は同じくらいなのに、岡本版の方が情報量が多かったし、オーバーな演出ではあるが説得力があった。原田版はとても見やすいけれど、説得力が薄かった。松阪さんの畑中少佐は静かなる狂気でそれは良かったのですが、陸軍のクーデター決起の表現も物足らず。東条英機さんと天皇陛下のやり取りが出てきたのは好感。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-06-05 18:45:11) 15.昭和版も観た上で行きました。 面白かったし,話は重厚。ただ,登場人物が多く,情報量も多い為,一度観ただけではわからないことがたくさんありました。 映画としては,とてもいいのですが,理解したいと思うと,ゆっくり自宅で観るのがよさそうです。 【プランクトン】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-04-17 18:35:20) 14.1967年製作の同題映画、そのリメイク作品..オリジナルを観ているし、史実に関して予備知識があったので、本作のストーリー展開の早さに付いて行けたが..何も知らずに観た人は、理解できたのだろうか..それを心配するほど、説明不足のまま、次から次へと 話しがどんどん進んで行く..まぁ~分からない奴はほっといて、分かる人だけ観てくれ、って感じのスタンスかもしれないが..映画として評価すると、やはり作品全体が足早で、エピソードが浅く..もう少し、深く掘ってくれたら良いのに..と思ってしまうところも、ちらほら..オリジナルは、史実を単になぞっただけで、なんの捻りもなく 淡々と進む展開、演出は古臭いし 物足りなっかった..そこをどんなふうにアレンジしてくれるか、すごく期待していたのに..物語として 中途半端..主題は何? どこを中心に考え、何を伝えたかったのか? ぼやけてしまってる..本作の主人公は、役所広司の阿南陸相だったのかな..オリジナルは、青年将校達だったのに..その辺の違いが、まったく違う作品のような仕上がりに..私的に、オリジナルのように、玉音放送が危うかったこと、終戦に至るまでの大変さ(陸軍の暴走)..そこを中心に描いてほしかった..(8月15日に終戦を迎えることが出来たのは、鈴木首相の功績も大きかったらしい..) う~ん、残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-01-20 21:28:38) 13.《ネタバレ》 太平洋戦争を描いた戦争映画として見ると不満が出るようですが、政治劇としてこれを見ると、なかなかの完成度で満足させられます。本物志向のセット、質の高い演技、時系列に沿って丁寧にまとめられた脚本と、映画としてよくできているのです。本物志向すぎて一部よく分からないセリフがあり、私はブルーレイで日本語字幕を表示しての鑑賞としたのですが、そのような難解なセリフは本編における重要性の低い部分に集まっており、肝心な部分でははっきりと聞き取れる言葉が選択されているという配慮もありました。実に丁寧に作られた作品なのです。 本編中、もっとも感情的となるであろう阿南の自害場面においても大袈裟な音楽などは流さず、また、その死に際して部下にも家族にも感傷的なことを言わせず、全員が涙も流さずに死を受けいれた辺りに、本作の姿勢がよく表れています。戦争もの、特に太平洋戦争を扱った作品では情緒を全面に出したものが多い邦画界において、ここまで淡々と事実(と思われる事項)の描写に特化した作品は稀少であり、その点は非常に高く評価できます。 結論は明らかであるが、実行者がいない。本作は意思決定のプロセスを描いた映画でもあります。満身創痍の海軍は一刻も早い終戦を望むが、一方で本土決戦用に温存されていた一部の陸軍将校達は、自分たちだけが無傷であることへの負い目もあってか、本土決戦を主張します。しかし、本土決戦をやったところで戦況は好転せず死者が増えるだけであることは誰の目にも明らかであり、こうした一部の過激派の暴発を抑えながら、どうやってあるべき結論にまで辿りつくかが作品の焦点となります。毎日大勢の死者が出ている中で、意思決定機関は何を悠長なことをやって時間をムダにしていたんだと虚しくなりますが、日本人の国民性って、結構こんなもんだったりします。冷静な判断が必要な局面に限って、精神論を唱える一部のグループの意見が優先され、あるべき結論が遠のいていく。仕事で自分自身が出席している会議等に置き換えて本作を鑑賞すると、果たして自分は鈴木貫太郎や阿南惟幾のような立場をとれるだろうかと不安になります。 以上、基本的にはよくできた作品なのですが、不満を挙げるならば、陸軍将校によるクーデターの経過が分かりづらかったという点でしょうか。陸軍将校達は首都圏に所在している様々な軍にクーデターへの参加を求めますが、軍同士の力関係や、それぞれの組織が誰に意思決定を支配されているのかという説明、陸軍将校達がどの軍を味方に引き入れればクーデターの目的が達成されるのかといった成功ラインの提示がなかったため、ラスト30分は劇中で何が起こっているのかを掴み損ねました。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2016-01-12 20:21:36) 12.《ネタバレ》 1967年版は未鑑賞。8月15日前後の数日間かと思っていたら、もう少し前からでしたが、少し中途半端に感じました。役所広司と本木雅弘は良い演技をしていましたが、ちょっと浮いていた役者もいましたね。役所広司の自殺場面が長くて、「ひょっとして思いとどまるのか?」と思ってしまいました。 【Banjojo】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-11-22 21:08:25) 11.《ネタバレ》 スリリングな会話劇は原田眞人監督が得意とするジャンルですから、その点での面白味はよく出ていたと思います。 岡本喜八版には無かった、陸軍大臣の生活を描く事、昭和天皇の思いを描く事によって、そこに生きた日本人の心を映そうとしているのでしょう。 だけど、ここに登場するのは仕方なく戦争をしていた、戦争をやめる事に苦労する優しい日本人達ばかりなんですよね。なんだか時代の渦に巻き込まれちゃった被害者としての日本人。 他界した父は徴兵で満州に渡り、ソ連に抑留され、終戦よりかなり遅れて復員した経験を持つのですが、そんな父がよく口にしていたのが「軍の上の連中はみんなキチガイみたいになってた。露助の方がよっぽどまともだった。」という話。 あの戦争に存在していた狂気、人を狂わせたもの、この映画はそこから完全に逃げちゃいましたね。無条件降伏に納得できず、クーデターを起こそうとする陸軍の兵士、そこにあった狂気こそがあの戦争の狂気を反映しているのではないかと思うのですが、そこはほぼスッポリと抜けちゃってるんですね。信念とか意志とか、そういう常識の範囲の話になっていて。でも、あの戦争を考え方や立場の違いだけで語られてしまうと、あの時代を生きた人達や死んでいった人達に対して失礼なんじゃないかなぁ。決してスケープゴートを描いとけって訳じゃないですけど。 岡本版はスプラッターホラーみたいになっちゃってるところもあって、アレはアレでちょっと、って思ったりもするのですが、少なくともその狂気がビリビリと伝わってくるのですね。それに対してこの作品は明らかに控えめに、優しく、ヌルくなっていて、それが一体どういう方向に気を遣っているのかいな、って考えるとどうもヤな感じがしちゃうんですよね。 あの戦争に存在した明確な狂気、その狂気がもたらした明確な結果、そこから目を逸らしてあの戦争を描く事にどれだけの意味があるのでしょう? 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 5点(2015-09-25 21:03:56)(良:2票) 10.《ネタバレ》 今改めて知るべきこと、知っていること、知らないこと。この映画で、多くの人が関心を持つことに意義があるように思う。自分もこの映画を見てから、いろいろな記事や書籍を読むきっかけとなった。人間ドラマを盛り込んだことで、感情移入して見ることができた。もちろん、脚色も多々あるだろう。ぜひ岡本版も見たい。 【ハクリキコ】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-09-20 09:58:33) 9.空襲や原爆によって都市が破壊され何もできない状態でありながら、なお戦争をやめることは簡単ではない。 【東京ロッキー】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-09-06 15:19:42) 8.《ネタバレ》 特に意識した訳でもなく、たまたま8月15日に鑑賞。同監督・同主演の「あさま山荘事件」の時にも思いましたが、全体としてドキュメントタッチにしたいのか(それにしては事実が飛び飛びで精緻でない)、それともヒューマンドラマにしたいのか(それにしては淡々としすぎて物語性が足りない)、位置づけが中途半端だと思いました。元々原作の半藤氏からして、史料を広く渉猟している点では学者にも劣りませんが、若干思い込みが激しく結論ありきの印象もある方でして、本作でも阿南陸相の自決を良く描きすぎの感はあります。ただ全体としては右にも左にも傾かず、淡々と語られています(そこがドキュメント風で中途半端さを感じる原因でもありますが)。昭和天皇の描かれ方は、ロシアの「太陽」に較べるとまだ踏み込みが足りない気もします(本人役は一瞬しか登場しない「終戦のエンペラー」の方がある意味多角的に描かれていました)が、終戦過程にさほど詳しくない方に見せる分には十分かもしれません。キャスティングは重厚で文句ありませんが、終戦工作のキーマンの1人である迫水書記官長の扱いが若干軽すぎて、鈴木首相の書生のような感じに見えてしまいました。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 5点(2015-09-06 12:32:27) 7.《ネタバレ》 役所広司、山本五十六に続き阿南役も好演しています。日本の軍人役といえば役所広司。渡辺謙を上回りつつあります。 しかし、映画としては前作の岡本版の方が戦争の狂気がびしびし伝わって、上ですね。1億総玉砕とか 2千万人特攻とか本土決戦とかもはや正気とは思えない状況が前作の方が伝わってきました。 国民がいなくなったら国も何もなくなるということすら分からなくなる。国民不在のほとんど軍部(陸軍)の メンツと意地だけで多くの人が犠牲になったのはやりきれませんね。もう1年早く終戦しておればと考えてしまいます。 ただ、今回の方が作品としてはきれいにまとまって根回しとか人の使い方とか幕引きの仕方とかなるほどと 組織の勉強にはなりましたが。 【SHOGO】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-08-22 23:36:55) 6.監督がこの映画公開にあたってのインタビューで、昭和天皇のことを 「監督という最高権力者でも宣伝部が作るポスターに口出しできないのと同じなんですよ」 と言っていて驚愕した。 命の生死を判断する国家権力者と、映画監督と、同じ土俵に上げるのは、戦争で亡くなった方々への冒涜行為だと思う。 「若い世代は戦争を学ぶ事を放棄している部分がある」とも言っていたが、それで作ったのが、ハーバート・ビックスの『昭和天皇』に対しての反論映画というわけで、自慰映画というふうにしか見えなかった。 本気で若い世代に戦争を学ぶことを放棄させないために映画を作るなら、天皇養護論の映画を作るのではなく、もっと戦時中に、食糧が日本から供給されず外地で戦友を食べないと生き残れないほどの状況になったガダルカナル島の映画や、食糧を女子供に食べられて減らないように女子供に自殺を強要したトラック諸島の映画、あるいは兵士が沖縄人の隠れていた壕を奪って沖縄人を追い出したり壕の中で赤ちゃんが泣くと米兵に気づかれるので親に赤ちゃんを殺害させたり、13歳からの少年たちをゲリラ兵として強制徴兵したり、現地の女子供や年寄りには爆弾を背負わせてヤリだけもたせてアメリカの戦車の下にもぐりこむ”斬り込み”という名の特攻を強要していた…そんな沖縄戦といった、本当の戦争の真実を描いてみたらどうなんだと思う。 天皇を国民の好感度の高い本木氏にやらせたのもあざとく、作品全体に「監督の自己満足」の一言に尽きる映画。 【フィンセント】さん [映画館(邦画)] 1点(2015-08-18 20:12:22)(良:2票) 5.この作品をリメイクしてくれた事に感謝。その上で岡本版との比較になってしまうが、岡本版はあの日にスポットライトをあて、群像劇のように描いていたのに対し、この作品はあの日という事実を背景として阿南陸相、昭和天皇、鈴木首相、陸軍将校ら主要人物の人間ドラマを描いている。構成の上手さや緊迫感は岡本版の方があり、作品としての面白さでは向こうに軍配があがるが、人物に興味を持たせられるのはこっちの方かもしれない。改めて昭和天皇がいてくれてよかった。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-08-18 11:04:41) 4.《ネタバレ》 この監督は多くの登場人物を実に手際よく捌き、細かいカットの積み重ねからモザイクのように核心が見えてくるテクニックが以前から素晴らしいと思っていた。 この作品においてもその腕前は、現在の日本映画で稀有な存在だと思う。 それゆえに、社会派監督というイメージもついてしまったのかもしれないが、この監督の作品の登場人物は表層的で単純化された「キャラクター」ではなく、人間の多面性を感じさせる。 他の作品でも感じたことだが、この監督は「事件」に対してイデオロギーを語らず、あくまで、その渦中にいる人間のドラマを描いていると思う。監督自身が戦後世代なのだから今回も当然のことだと思う。 今回は天皇さえも他の登場人物と対等な描写(登場人物の中で浮いていない)で、一人の人間として描いていることは、この国の映画で初の快挙だと思う。 海外での経験に長けているこの監督独特の客観的視点があり、海外にも理解されやすいと思うし、自分を含めた戦争を知らない世代にも理解しやすい。 映画で描かれるのは緊迫感のある部分だけではなく、生活をしている人間ならば誰しもあるささいなやりとりや、外から見れば滑稽なやりとりなど、建前だけでは生きていられない人間の描写に注目する。 阿南陸相が自決前に飲酒している姿など、どんな立場の人間でも、伝聞で作られた「キャラクター」ではなく、「人間」として描かれていることに注目したい。 実際に被害を受けている民衆の描写が少ないことは、この映画の主旨では無いと思われるので自分はあまり気にならず(そういう映画は山ほどあるのでそれを見ればよい)、むしろそういう描写が少ないことで、大本営の密室性が出ていると思うし、現代に通じるこの密室性こそ危険なのだと思う。危急存亡の事態に延々議論を重ね、互いのメンツに配慮しつついちいち手順を踏んでいる描写は滑稽に感じる。 これは原発事故の際も電力会社の中で同じだったように想像できる。 また、この映画で初めて認識したのだが、時期を外せば国家が分断され朝鮮半島のようになっていたかもしれないというのは衝撃であった。(事実、北方の島は分断されている)終戦が数日遅れれば今現在の日本とは全く違った社会になっていたかもしれない。 こういう客観的視点が、過去のいわゆる戦争映画と一線を画しているように思う。 【どっぐす】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-08-18 00:41:14) 3.《ネタバレ》 太平洋戦争終結に向けて動いた人々の、ラスト4ヶ月を追った重厚なドキュメント。終戦前日となる8月14日は分刻みにて展開。役所広司が阿南陸軍大臣、本木雅弘が昭和天皇を好演。なかでも高齢で難聴ながらも戦争を終わらせるために就いた鈴木首相を山崎努が怪演。実力派キャストによる見事な競演。終戦間近の動乱をよくまとめているが、重苦しすぎて良作には届かず。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-08-17 23:11:49) 2.“彼ら”は、あの大戦中、何を信じていたのか、そして何を信じさせられていたのか。 あの日、あの時、この国の上層に座位していた幾人かによる喧々諤々の日々のその同日に、一体何万人の人々が命を落とし続けていたのか。 そう考えると、この作品で描かれるドラマの総てが、甚だ滑稽で、愚かしく思えてならない。 戦争を始めた人たちが、取り返しのつかない余りに悲劇的な代償を経て、戦争を終わらせようとする。 まったく、馬鹿馬鹿しい。 当事者の内の一体何人が、己の愚かしさを感じていたのだろうか。 この映画に登場する人物たちの対峙と葛藤が熱を帯びていくほどに、その同じ瞬間に失われていった膨大な命の数を思い、虚無感に襲われた。 この映画は、終戦までの四ヶ月間を描いている。つまりは、既に大戦の勝敗は決し、各地の戦闘は悲劇的に激化し、民間人も含め最も多くの命が失われた期間であろう。 にも関わらず、今作では戦争自体の描写や、実際に命が失われていることに対しての描写が、極めて希薄だ。 オリジナル作品を観ていないので、これが本来の狙い通りなのかどうか分からないが、“この日々”が戦争の真っ只中であることを、この映画の製作者も、この映画の登場人物たちも忘れてしまっているように見え、違和感を覚えた。 色々なことを考えさせられる映画であったことは間違いない。戦後70年のタイミングで今作がリメイクされた意味は確実にあったと思う。ただし、映画作品としての出来栄えとしては、岡本喜八版のオリジナル作品を観てみなければ何とも言えないように思う。 描き方そのものの是非は一旦置いておいて、今作の演者たちは皆素晴らしかったと思う。 特に昭和天皇を演じた本木雅弘は、非常に難しい役どころを真摯に演じきっている。 昭和天皇の存在感が際立つことがまた是非の対象になるのだろうけれど、本木雅弘の演技自体は賞賛されるべきものだったと思える。 その一方で、もう少し脇役や端役に存在感を与えて欲しかった。 宮廷侍従や女中、放送技師たちの“声”をしっかりと描くことが出来ていれば、もっと深い味わいが生まれていたと思う。 日本陸軍は、戦争を始め、それを遂行し、最後まで止めようとしなかった“暴走者”として描かれる。 実際、陸軍の愚かな暴走が、戦争という悲劇を無闇に拡大させていったことは間違いなく、その罪は大きい。 しかし、戦争という“大罪”における罪悪のすべてを陸軍を筆頭とする当時の日本の中枢に押し付けることも違うのではないかと思う。 妄信的に何かを信じ、戦争を始めてしまったのは、日本という国そのものだ。 “彼ら”という代名詞は、あの時代この国に生きた総ての人達を含んでいるのだと思う。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-08-17 16:53:14) 1.《ネタバレ》 『投入せよ!「あさま山荘」事件』なり、『金融腐蝕列島』なりで 監督の立ち位置は明白だし、何よりもこの製作委員会でのシネコン仕様なのだから その批評精神の生ぬるさは推して知るべしである。 原田眞人は「彼らを狂気の存在にしたくなかった。」という。(映画パンフレット) その為に、原作や岡本版にはある首相私邸放火の顛末などは都合よく省略した ということか。ならばフェアではない。 あるいは松竹路線に倣った訳でもなかろうが、「家族のドラマ」を描きたかった、ともいう。 公人の、良き家庭人である一面を弁明的に盛り込めばそれは印象操作も簡単だろう。 彼らもプライベートでは実にイイ人でした。 『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(2011)などと同じ、常套的な方式である。 そんな姑息なやり口で公人の戦争責任を免罪でもしようとする気かと。 後半ではドラマの流れすら阻害しているだろう。 だから上野昂志氏にも某旬報で書かれてしまうのである。「戦後七十年にして、これかよ!」と。 英語題が示すように、長く表象タブーであった昭和天皇を中心に『日本のいちばん長い日』を映画化する。 これも今回の主眼なのだろうが、 その一方で岡本版でもよく指摘された(が、実際は決してそうではない)「民衆不在」はさらに徹底している。 広島の原爆はキノコ雲のあからさまなCG画面のみ。長崎の原爆は単に台詞のみだ。 ナレーションとはいえ、お仕着せ大作のしがらみの中で学徒兵や民間人犠牲者の姿をしっかり映し出し、 大戦の犠牲者数をラストで大書して「殺される側」のこだわりを示した岡本版の目線との何という相違か。 監督がどこを向いて仕事をしているか、よくわかる。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 4点(2015-08-16 21:45:37)
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