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羅生門(1950)

Rashomon
1950年【日】 上映時間:88分
ドラマ法廷もの時代劇モノクロ映画犯罪ものミステリー小説の映画化
[ラショウモン]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-07-05)【イニシャルK】さん


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監督黒澤明
助監督加藤泰
田中徳三
若杉光夫
キャスト三船敏郎(男優)多襄丸
京マチ子(女優)真砂
森雅之(男優)金沢武弘
志村喬(男優)杣売
加東大介(男優)旅免
千秋実(男優)旅法師
上田吉二郎(男優)下人
本間文子(女優)巫女
原作芥川龍之介「藪の中」/「羅生門」
脚本黒澤明
橋本忍
音楽早坂文雄
撮影宮川一夫
企画本木荘二郎
配給大映
美術松山崇
太田誠一(美術助手)
ヘアメイク花井りつ(結髪)
編集西田重雄
録音大谷巖
林土太郎(録音助手)
照明岡本健一[照明]
中岡源権(照明助手)
その他野上照代(記録)
あらすじ
モノクロ映画の時代に今でさえ「現代的」と感じられるテーマを採り上げ、日本よりも欧米に衝撃を与えた作品。カンヌ映画祭グランプリ受賞。朽ちかけた羅生門の下で雨が止むのを待つ木こりと旅僧が殺人と強姦という陰惨な事件についてつれづれなるままに語り合い、第一発見者、殺された夫の妻で強姦の被害にあった女、犯人として捕らえられた盗賊の三人の各々の供述の違い、そして検非違使に召喚されたその他の証人の証言について論じる。時代を中世に設定し人間の普遍的な本質に迫る。

かわまり】さん(2004-02-05)
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【クチコミ・感想】

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143.《ネタバレ》 日本語なのに字幕がほしいと思ったのはアタシだけ?? まあしばらくしたら耳が慣れてきたけど。 ストーリーは予想以上に面白くって引き込まれちゃったわ。 羅生門のシーンで「サッパリわからん」とか「こんな不思議な話は聞いたことない」とか、えらくハードルあげるから心配になっちゃったけど…確かに不可解な話よね。 同じ出来事を語っても人間は自分の都合のいいように脚色したり嘘ついたりするからねえ。 しかもそれが無意識だったりするからタチが悪いっていうか。 まあでもオトコの嘘はタカが知れてるけど、オンナの嘘はえげつないわよー。 京マチ子の嘘なんて、あの麻呂みたいな眉毛もあいまって不気味以外のナニモノでもないわ。 不気味さで言えば巫女もキョーレツだったけど。 …賛否両論のエンディングからするとこの映画のテーマは「性善説・性悪説」なんでしょうけど、戦後まもなく作られた純日本産の法廷モノとして見るとこれまたけっこう感慨深いっていうか…貴重な映画よね。 梅桃さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-03-31 16:12:25)

142.《ネタバレ》 ん?と思ったのち ぞくぞくして、戦慄して、凄い!と唸った映画。役者と台詞だけでこんなに切り口が変わるんだ。圧巻なのは湿度の高いべったりした雨と黒々した不吉な門。志村喬の朴訥さにはほっとした。 2014/1 原作読了。わあ、この脚本凄いんだなあ。人間が嘘をつく行為はすなわち何を大事にしているかがつぶさに分かって面白さが倍増。多襄丸はその“悪名高き大悪党”のカッコ良いイメージを落としたくない。まさかあの多襄丸が女にどやされて、へっぴり腰でどたばた乱闘劇をやらかしただなんて絶対知られたくなかったのね。プライド高い侍の男は妻に裏切られ、自害をとげた悲劇の主人公像に死んでもこだわり、女は哀れな純被害者を言い通してか弱き高潔さを世間に示したい。いやはや。三者の言い分をすべてひっくり返す樵の目撃談を考えつくって、いや天才か、と驚いた次第であります。当時の時代考証の精密さといい、山中の木々の濃い影や土の匂い、玉の汗に見る蒸し暑さ。女どもの妖しさ。いろんな要素が心に刻み込まれるこの堂々たる日本映画、やっぱり10点にしますね。 tottokoさん [ビデオ(邦画)] 10点(2012-02-15 23:22:23)(良:1票)

141.映像の良さとかは私にはよくわかりませんでしたが、確かに話の内容は面白くて惹き付けられます。それぞれの証言者がなぜそのような嘘をついたのか、考えれば考えるほど、よく出来た話だなあと思いました。 もんでんどんさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-02-14 14:02:43)

140.《ネタバレ》 ストーリーとしては、原作にかなわないですね。これはやはり、真相がわからないから面白いのであって、目撃者がいたのでは興ざめ。しかもそこから、なにやら教訓めいた結論を出しているのもよくなかった。原作にないため、付け足しという感じが強いです。監督としてはこれが言いたかったのでしょうが、どうも俗っぽいという気がします。
逆に映像の方は、すばらしかったと思います。どちらかというと、映像を鑑賞する映画ではないでしょうか。海外で高く評価されたのもうなずけます。早坂文雄もあいかわらずいい仕事をしています。それだけに、強引に(と思える)「いいお話」に持っていったのが残念でした。 アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-17 20:33:46)

139.羅生門。 いい!!  まず伴奏、そして映像、そして各人の台詞の応酬。 気づいてみれば、テレビの前のテーブルに広げたジグソーパズルをやり始めようとしてた矢先、その手がずっと止まってしまっていたようだ。 結果、〝終〟の文字が派手な伴奏と共に映しだされた時にはパズルの四隅、ほんの4ピースほどしか埋まっていなかった。 夢中になってしまってましたね 森の中での三船敏郎・森雅之・京マチ子の三者三様に、羅生門のほうに。 尺的にも調度良かったでござれ。また見直してみたい 少し間を空けて。 3737さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-20 23:33:24)

138.三船敏郎の豪快かつ虚無的な“馬鹿笑い”が脳裏に焼き付くようだった。
彼をはじめとする、往年の日本人俳優の圧倒的な“エネルギー”を改めて感じる作品だった。

黒澤明監督の「羅生門」という作品の存在は、当然ながら随分前から知っていた。
海外でも殊更に評価の高く、名作名高い映画であることも知っていたが、個人的には敬遠していた節があった。
それは、「羅生門」という芥川龍之介の原作からイメージされる文芸色の強さに対して、あまり魅力を感じることが出来なかったからだ。
高校時代の国語の教科書に芥川龍之介の「羅生門」が掲載されていたが、“ニキビを気にする下人と薄汚い老婆が屍の上で押問答を繰り広げる短編”という印象が強く、その世界観が映画としてどのように展開しているのかが甚だ懐疑的だった。

ただ実際は、同じく芥川龍之介の短編「薮の中」を映画化し、人間のエゴイズムを如実に表した“裁判劇”だった。

うだるような暑さの山間で巻き起こった強姦と殺人。一つの事件が、当事者らの証言によって紡がれる。
自己の保身と美化によって、自分たちの都合の良いように繰り広げられる証言。三者三様の言い分が食い違っていく様が、人間の愚かさを印象的に映し出していく。

照りつける太陽の下で繰り広げられる「事件」の描写と、天をひっくり返したような豪雨の羅生門で繰り広げられる事件に対する「考察」の描写が、人間そのものの浅ましさと無様さをあざけ笑うかのように表現され、黒澤明という絶対的名匠の存在性を改めて感じた。

個人的にはラストにもうひと捻りが欲しかったところだけれど、そこには、人間の愚かしさを延々と描いた作品だけに、最後の最後には“一筋の光”を入れずにはいられなかった巨匠の「希望」が垣間見えた。 鉄腕麗人さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-13 11:20:18)

137.グリシャムの原作がけっこう映画化されてた頃、はじめてこの作品を観まして「この時代にこれだけ見られる裁判劇が日本にもあったんだ!」と感心したことを覚えています。また、それまでタブーとされていたらしい「太陽にカメラを向ける」ことで強烈な木漏れ日のイメージができていたことを強く印象に残しています。たしか、役者に枝葉の陰を落としたりしながら撮影してあった気もします。『情景』づくりに労することの大切さを感じる作品でした。『暴行』という西部劇にリメイクされてもいます。 だみおさん [地上波(邦画)] 6点(2011-12-05 23:48:13)

136.《ネタバレ》 黒澤は『虎の尾を…』から『夢』まで屋外でのドラマを好んだが、とりわけ本作は徹底していて、おそらく屋根の下に座っているはずの取調べ役人は姿を見せず、調べの庭のみを映していく(このときの塀ぎわに控えている証人たちの姿の美的正確さ)。あとは森の中。屋内の停滞している空気を本質的に嫌ったのだろう。流動している空気と一緒に呼吸していたい気持ち。そういう空気の流れの中に多襄丸も侍も妻も投げ込まれ、それぞれの証言を演じさせられる。ちょっとした気流の違いで、証言は大きく変わっていく、屋外にいるとはそういうことなのだ。それまでに映画の起承転結の文法はいくつかの型を生み出していて、いわばソナタ形式のような定型が生まれていた。黒澤はそこに変奏曲形式を付け加えた。同じテーマが変奏されていく面白味。もちろんアイデアを生んだのは芥川だが、それを映画に持ち込めると判断したのは監督だ。本来記録する装置だったフィルム、無意識に信頼を寄せていたフィルムだからこそ生じる変奏の面白さは格別である。うるさいぐらい音楽が鳴り続けるのも、その4つの変奏を強調したかったんだろう(4つめは音楽抜きでかえって印象深い)。大きな門というモチーフも忘れてはならない。監督は繰り返し映画に大きな門を登場させ、そこを人が通過する物語を描いた(『赤ひげ』ではそこに青年が入るまでの、『影武者』や『乱』ではそこを老人が追放されるまでの、『隠し砦の…』ではそこを突破するまでの)。これもラスト、子を抱いた志村喬がその非情の大門を通り抜けたようにも見えるのだ。おそらく封切り当時、捨て子や通りすがりの強姦はもっと生々しく受け止められるモチーフだったろう。黒澤の作品の中では理知的で異色作だが、彼の表現様式が十全に提示された名作だと思う。 なんのかんのさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-05 10:19:01)

135.黒澤監督の「7人の侍」「用心棒」が良かったので、観てみたのですが、正直あまり面白くなかったです。自分の都合の良いように事実を歪曲するのがそんなに恐ろしいことでしょうか?人間を信じられなくなったら地獄ですか?結局理解できませんでした。 おやじのバイクさん [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-10-01 20:57:41)

134.《ネタバレ》 「わからん、さっぱりわからん。恐ろしいことだ」と言いながら、実は一部始終を見ている。私にしたら「何がわからんのか、何がおそろしいことなのか」と思っていたら、一緒に見ていた妻が「皆がなぜ嘘を言うのかがわからないと言ったのでしょ」と明快な答、なるほどと納得。人間のエゴがおそろしいのか。
グランプリ作品らしいが、私の好みではない。 ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-29 21:02:05)

133.芥川龍之介の原作。つまんなそうだなと思ったら、物の見事に引っ張られた。
黒沢監督って、昔からこんな手法を使っていたのか。
あくまで実験的作品といったような作りだが、「市民ケーン」を鑑賞した時のような、
当時としての斬新さは確かに感じた。ラストはていよくまとめられてしまった感があるけど、
終盤までは大変面白く、役者陣に関しても安心して見ていられた。 MAHITOさん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-25 08:35:44)

132.《ネタバレ》 期待して観たんですが結局はただの殺人事件でしたね。さすがに黒澤監督だけあってカメラアングルや構成など巧かったですが内容が少し無かったです。 アフロさん [DVD(邦画)] 6点(2011-06-15 15:18:52)

131.《ネタバレ》 黒澤を「世界のクロサワ」に押し上げた記念碑的作品。尺も90分以下というコンパクトさ。印象としては、音の聞き取りにくさはあるものの、画は現在でも十分に勝負できるものだと思った。

■カメラワーク、構図の取り方がうまい。そして実は細かな工夫をいろいろしている。例えば雨が見えるようにするために、あの雨には実は色が付けてある(墨を溶かしたと聞いた)とか。

■ストーリーは、各人のエゴによって真実が「藪の中」にされていく過程が描き出される。各人が何を守りたく、そのためにどういう物語を語るかというのは、きちんと考えてみるとなかなか面白い。各人の話の中では、皆語り手が「(仕方なく)殺した」と、殺人の役は引き受けているところがまた興味深い。

■個人的には、最後に真実らしいものを志村が語ってしまうところと、最後に希望を見出してしまうところとが若干残念。こういう流れなら最後の最後まで真相は「藪の中」にするような構図にしてほしかったし、志村が短刀を盗んだとはいえ善人、というポジションはなんか息詰まる展開をラストで抜いてしまっている。志村を最後で超悪人のようにしてしまってもいいし、そうでないなら三人の言い争いをもっと引っ張ってもいいと思った。 θさん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-05 00:24:40)(良:1票)

130.《ネタバレ》  黒澤監督の技量がいかんなく発揮された歴史的名作。場面展開やカメラアングル、映像にグイグイ引き込まれていく。

 ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞が物語るとおり「映画」としてすごい、というのは素人の私でもなんとなくわかる。

 黒澤監督の技量で一気に見てしまったが、後で考えると、脚本を強引にまとめてしまった感が否めない。「わからない、わからない」から始まって一貫して「わからない」と言っているけど、よくよく考えると、何がそんなに「わからない」のかわからない。私自身が劇中の下人みたいに俗物だからか?(^^;



 また、人間の身勝手さ、嘘、欲深さに対する問題提起を、黒澤監督映像マジックで一気に見せているのが斬新といえば斬新なのだが、最後に若干の救いを与えたのは個人的には生ぬるく思う。志村喬がやっぱり悪人でしたという終わり方でも良かったかも。

 黒澤監督の凄さを感じ、色々考えさせられる映画ではあるのだが、「娯楽」がほしい人向きではないかもしれない。 nobo7さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-18 18:19:59)

129.やはり88分でも面白い映画は撮れる。 Balrogさん [DVD(邦画)] 7点(2010-11-15 23:31:26)

128.で、どれが正解だったのかな?それは闇の中ってことですか・・・いや「藪の中」でした。構成としては面白いけど、面白い映画ではない気がする。撮影と演技は光るものがある。 きーとんさん [ビデオ(邦画)] 6点(2010-08-01 13:17:12)


127.爆笑問題の太田さんが「羅生門はちょっと難しい」みたいな事言ってたと思いますが、残念ながら同じ感想になってしまった。 リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-05-26 20:38:31)

126.どのシーンを切り取っても絵になるような素晴らしいカメラワークが印象に残る。ただでさえ重苦しい題材が力強く、かつ泥臭く撮られているので、鑑賞後に「引きずる」タイプの作品のような気がする。 woodさん [映画館(邦画)] 8点(2010-05-08 17:20:01)

125.羅生門っていうから、いつ老婆が出てくるのかと思っていたのですが、全然違うんですね。こういう多視点のストーリーは好きなので、面白かったです。大げさに泣いたり笑ったり、大声を上げる演技が多い気がするのですが、もう少し淡々としていていいのでは、と思います。 色鉛筆さん [地上波(邦画)] 6点(2010-04-11 22:49:25)

124.1950年製作ということを考えると凄い作品だと改めて思った。

人間が自ら弁護・主張する際の歪曲誇張(なにか隣の某国のようだ)、それが三人三様違うとしたら私も恐ろしくなってしまいます。しかし、それぞれのエゴあれこそが真実でもあるようにおもう。

ストーリーの妙が出色、大きな羅生門のセット・雨などの美術も出色、宮川のカメラワーク(志村喬が山道を歩く様子を回り込んで撮るシーン、疾走するシーン 等々)も出色、そして、三船敏郎・京マチ子・森雅之が場面によっては正反対の性格を演ずるのですがその演技も出色、場面場面で雨・汗・風を使う独特の表現も○と、この1950年の作品としてかなりのアイディアと完成度が詰まっていると思いました。

ただ、巫女が登場するシーンが異様に不気味。怖い!巫女の声は森雅之でしょうか(笑)淡白なセットが余計拍車をかけています。

京マチ子を馬上に乗せ、護衛一人だとそりゃ襲われるでしょ?
とか、幾つかのツッコミは野暮っすね。

映画技術・演出が素晴らしいだけではなく、人間の本質にも迫る内容をも併せ持った作品ではないでしょうか。 サーファローザさん [映画館(邦画)] 9点(2010-04-07 17:28:19)

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【点数情報】

Review人数 183人
平均点数 7.33点
000.00% line
110.55% line
221.09% line
321.09% line
442.19% line
5126.56% line
63016.39% line
74524.59% line
84222.95% line
92714.75% line
10189.84% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.83点 Review12人
2 ストーリー評価 6.87点 Review16人
3 鑑賞後の後味 5.87点 Review16人
4 音楽評価 6.18点 Review11人
5 感泣評価 4.85点 Review7人

【アカデミー賞 情報】

1952年 25回
美術賞(白黒)松山崇候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞名誉賞

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