みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
82.《ネタバレ》 淡々としていながら、どこか人の心に響いてくる作品がある。ヴィースラーの触れたのもそうしたものだったのだろう。彼は盗聴により初めて「人」に触れた。彼は電波を通じてしか聞こえてこないグロスマンらの生きざまに共感し、心を動かされていく。 ■彼は誰に評価されることもないが、まさに「グロスマン・クリスタを助けたい」がために虚偽の報告を繰り返し、最終的には不遇の地位に追いやられる。最後まで報われることはないが、しかし彼は「善き人」になれた。ドイツ統一後も日陰に追いやられ、ラストで「これは僕のための本だから」というのはそういうことなのではないだろうか。 ■クリスタはああやってみてしまうと夫を売った悪人にも見えるが、あれが「生きるために誰もが取っていたこと」であったのだろう。共産主義体制は「人が人として生きられなくしてしまう」そういう状況であったのだ、この映画はそう訴えている。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-17 01:36:31) 81.どうも終始息苦しくて重い映画でした。 【doctor T】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2010-09-03 23:33:47) 80.序盤は重くて淡々と進むがラストが良くて見応えのある作品。 【BOW】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-08-29 06:50:15) 79.東ドイツって、不自然なほどスポーツが強い(オリンピックでは)イメージがあったけど国内の実情は物騒だったんだな~。いずれにしても行きすぎた国家権力って恐ろしい。重苦しい内容の作品ですが、ラストがとてもいい。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-30 23:20:57) 78.社会主義の中、国家と良心(愛情?友情?)に悩まされるヴィースラーの哀愁が素晴しい。 重い雰囲気だが、映像&音楽が非常に美しく素晴らしい映画。 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-03-13 23:05:25) ★77.冒頭、ヴィースラーが舞台上のクリスタに恋をするシーンから、僕はこの作品の魅力に嵌ってしまった。 盗聴を通じて彼女を知っていくという卑猥さ、ファンとして彼女に道徳的なアドバイスを送る誠実さ、自らを犠牲にしてまで彼女を救おうとした献身。 なんとも言えない哀愁が後に残ります。 こんなにも切ない片想いを描いたラブストーリーがこんなにも重たいテーマの中で語られるという奇跡的なシナリオに敬意を払いたいと思います。 壁の崩壊ですらヴィースラーの中にある空虚のようなものを癒すことはできなかったようだけど、レジでの彼が少し笑顔だったように感じられたのがせめてもの救いです。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-01-06 13:59:30)(良:3票) 76.ラストシーンでの「これは僕のための本だから」と言うただ一言のセリフのために、ストーリーが進むそんな映画ですね。 最初は秘密警察の将校らしいヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)がクリスタ(マルティナ・ゲデック)とドライマン(セバスチャン・コッホ)と盗聴により接することにより、だんだんと人間味がにじみ出てくるところを上手に描いており素晴らしい。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-16 23:41:22) 75.じわじわ来ますね,この映画.ラストシーンが非常に温かく印象的です. 【noji】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-07-26 07:11:36) 74.グッバイ・レーニンもそうだったが何で東ドイツを扱った映画ってのはこんなに面白いのか。「東の優等生」らしくある程度西側に近い生活は担保されていて居るにもかかわらずやはり理不尽な統制がされたプライバシーもへったくれもない市民生活のシニカルさとシュールさ。政治的にもソ連のような粛清の連鎖ということもないため重くはなく(失脚も日本のような島流し的な罰が多い)どこか無能さが滑稽で、そして最終的に壁崩壊という救いがあるからだろうか、単純に面白いと思える。あの悪名高き国民監視組織シュタージの実態をエモーショナルな脚本で描き出した優れた社会派作品。 最近北朝鮮から脱北した人が韓国社会に適用するための教育(地下鉄の乗り方など)のニュースを見たが、まさに現在これと同じことが起こっている朝鮮半島の正常化を祈る。それが果たされたときまた同じような作品が書かれるのだろうか…革命のためにも…正男!!しっかりしなさい!! 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-06-04 06:23:01)(良:1票) 73.《ネタバレ》 理不尽なことの連続、残酷で絶望的な場面多数なのですが、美しい映像と音楽、加えて、主演・国家保安局シュタージのヴィースラー大尉役ウルリッヒミューエの、重みのある演技が素晴しくて心揺さぶられます。ラストシーン、ジワジワきてたものが一気に噴出し涙が出ました。こんな静かにさわやかに感動を与えてくれるとは。 秀逸な作品です。 【ぷっきぃ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-15 03:08:16) 72.《ネタバレ》 どんな時代のいかなる体制のいかなる社会の中にも娼婦というのはいるものだ。それはさておき、あの中年の太った娼婦が「30分後に違う人の予約が入っている。今度はロングで予約してね」と言っていたが、原題を知った後にあのシーンを思い起こすと、すべての人にとって、人の人生はまさに「他人の人生」なのかなという思いが頭をよぎる。 随所に脚本のよさがにじみ出ていた。クリスタが恋人を売った女で終わってしまうのがなんとももの悲しい。けれども、彼女の存在こそが体制や社会の仕組みに翻弄されながらも自分の人生を生きようとした人間そのもの、主人公のゲオルクにとっては、「他人の人生」の象徴なのかもしれない。 人間は、体制や社会に翻弄される生き物なのだけど、われわれも知らないところで知らない人に救われているのかもしれない。 【MARTEL1906】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-12 03:39:31)(良:1票) 71.《ネタバレ》 冷血漢に見えるヴィースラー大尉、それも無口でほとんどしゃべらない人にもかかわらず、その心情がありありと分かる。 そしてこちらが、大尉にすっかり感情移入してしまう。 映画だからこそありえる手法だを使い、難しい表現を丁寧に描いていることも素晴らしい。 この作品の質の高さには、舌を巻きました。 社会主義の時代を生き抜いた実感を、上手く表現しています。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-03-29 22:45:24) 70.《ネタバレ》 レーニンがベートーヴェンの「熱情ソナタ」に対し「これを聴くと革命が達成できない。この曲を本気で聴いた者は悪人になれない」と言ったというエピソードが紹介される。芸術家を監視する、国家に従属する男の心の変化の伏線となっている。冒頭の尋問シーンや講義シーンからもわかるように主人公はそんじょそこらのことで動揺するようなタイプではない。だから監視される男女の思いやりや苦悩を見たからといって国家に背くはずなどあり得ない。やっぱりそこには真の芸術家が奏でる「善き人のためのソナタ」を聴いてしまったがための変化ととらえていいのではないだろうか。本物の芸術に触れた者はその芸術を守ろうとする。あるいは本物の芸術に触れた者はその芸術を葬り去ろうとする者が許せない。芸術を理解する者としない者に線を引き理解する者の側に近寄ってゆく。しかしここで大きな不満がある。監視者は「善き人のためのソナタ」で涙を流すが監視者を監視する我々には響いてこない。ここはオリジナルもいいが既存のクラッシック曲でも良かったかもしれない。そして何よりも重要なのはその曲をまるごと聴かせることだ。『トウキョウソナタ』のように。『夜顔』のように。我々が本物の芸術を感じないことにはどうにもならないと思うのだが。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-25 13:34:19)(良:2票) 69.主人公の心の移り変わりをもう少し丁寧に描いてくれたら、もっと主人公に感情移入できたと思う。 主人公と作家が最後まで顔を合わせない演出はとても良かった。 途中いいシーンがいくつもあったが、オチが自分の読み通りだったため、 大きな感動は得られなかった。 映画の雰囲気自体はとても好み。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-25 03:23:52) 68.《ネタバレ》 よかった。最初は女優に惚れているだけなのかと思ったがそうではなく、温かいまなざしだとわかった時に、善き人という意味がただの偏見ではないとわかりました。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-26 22:18:07) 67.《ネタバレ》 ど真ん中直球の感動系だと思って見てみたらそうでもなく、むしろ脚本の構成の巧妙さに驚かされました。最後の最後で2人の主人公が結びつくわけですが、そこに至るまでのタネの使い方が見事。言論統制の横暴ぶりとか、板ばさみに合う監視人の苦悩の表現にはもう少しメリハリが欲しかったかも。でもラストは心温まります。 【QUIZ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-02-18 19:00:45) 66.《ネタバレ》 一見、ドイツの象徴のような、冷徹さの塊に見えるヴィースラー大尉ですが、実はとても感情に流されるタイプ。とても人間らしい人でした。夜の営みを盗聴してたら、興奮してデリヘルを呼んじゃったり。展開は緩やかで、淡々としている映画ですが、グイグイ惹きつけるものがあります。ドイツ統一以前の情勢は全然知りませんが、それでも十分に面白い映画でした。ラストで、ドライマンによる粋な計らいが、この映画を好きにさせてくれました。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-10 19:32:26)(良:1票) 65.いかなる社会であれ、模範的であるということはその社会体制に迎合し、それになじめない人々を迫害することでもあります。それは民主主義においても同様です。正義や権利を盾に他人を追求することに生きがいを感じて暮らす人たちがそうした自分の生き方に疑問を感じ始めたとき、私たちは真の意味で自分自身の魂を取り戻すことができるのかもしれません。話は変わりますが、「グッバイ・レーニン」ではこの映画と同じ時代を庶民の側の目で描いています。 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-05 06:37:17) 64.《ネタバレ》 出だしでは精神的に数十時間も寝かさずに尋問する冷徹な主人公が、徐々に善い人に変わってきて、結局盗聴してた芸術家の執筆に目をつぶる。心が移り変わるきっかけは盗聴先のあの曲にもあるでしょうが、むしろ一連のドライマン(盗聴されてた芸術家)の周辺の事情や彼の信念に基づいた行動に触れたからではないでしょうか? 印象的だったのは、エレベーターで乗り合わせたボールを持った子供が主人公に「シュタージ(国家保安局)は悪い人だ」と言う所。それに対して「誰にそう教わった?」と聞き返すと少年は「パパに」と答える。そこで「名前は?」と聞かれると、子供ながらに父親を守りたい気持ちから「僕の名前?」ととぼける。そこで少し間を置き「その持ってるボールの名前は?」と言う。あの段階で既に彼はすっかり善い人になってたんだな思いました。 ヴィースラー大尉、ドライマン、ドライマンの奥さん役の人、皆すばらしい演技でした。当時の東ドイツが置かれていた監視社会の実像を目の当たりにしてみて、改めてこの国の自由さにありがたみを感じました。悲しいけれどあそこで奥さんが犠牲になった事で、ドライマンもヴィースラー大尉も助かりましたね。そして皆さん仰るように最後が素敵。「これは僕のための本だから」。ドライマンが直接お礼を言うのではなく、作家らしく本にお礼をしたためた辺りがいい。 最後に救われる映画です。8点の評価内容そのまんま「見た後、率直に面白かったぁ・・」って言える作品です。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-02-01 22:42:18)(良:3票) 63.うまい言葉が思いつきませんが、最後まで見た人の心に必ず何かを残しえる作品です。もう最近こんな映画無いんじゃないでしょうか?見てよかった本当に。こんな時に表現する言葉が出てこない自分を恨めしく思う。そんな作品です。 【マキーナ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-30 00:19:48)(良:1票)
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