みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★5.《ネタバレ》 伝記映画と見せかけつつ、自国の利益のためであれば他国の主権を平気で侵害している80年代当時のアメリカを批判した作品。オリバー・ストーン監督の『サルバドル/遥かなる日々』と同一のテーマを扱った作品ではあるものの、『サルバドル』が強力なドラマ性によって時代に囚われない価値を有していることと比較すると、本作は今見ると古臭さを感じさせられました。 主人公・ウィリアム・ウォーカーは代表的なフィリバスターであり、作品は彼が私設の兵を用いて勝手にソノラ共和国を作った後に国軍により鎮圧される場面から始まります。独特の真っ赤な血糊やスローモーションの使い方がサム・ペキンパーっぽいなぁと思っていたのですが、後から調べてみるとアレックス・コックスはペキンパーの大ファンということでした。 その後、本国で裁判にかけられるも無罪となり、また彼の履歴に注目した富豪から、運河が通ると噂されているニカラグアの政権を取ってこいとの話を受けるウォーカー。彼を引き留めていた聾唖の婚約者もコレラで亡くなり、ウォーカーは再び中米に戻ることを決意します。この通り、序盤の段階でまぁいろいろ起こるわけですが、ここまでドラマ性ゼロ。監督は話を前に進めることのみに専念しており、ウォーカーの心情に触れようという気はビタ一文ないわけです。ソノラ共和国の挫折からウォーカーはどうやって立ち直ったのか、また婚約者の言葉を彼はどう消化していたのか、そもそも彼はなぜ他国への軍事介入をライフワークとしているのかなど気になる点は多いのですが、そこにまったく触れてくれないのでドラマに入り込めませんでした。 中盤以降もウォーカーの心情にはほぼ触れられず総合的には失敗した映画だと思うのですが、他方で司祭のような黒服を着て、銃撃戦の最中でも気にせず大通りのド真ん中をズンズン歩いていくウォーカーの、自殺願望があるんだか神の使いか何かだと勘違いしてんだかよく分からない姿などは妙に印象に残りました。どちらにしてもウォーカーはイっちゃってる人ではあるのですが、これにエド・ハリスが実によくはまっています。常にまっすぐ前を向いてはいるものの、どこに焦点を合わせているのかはよく分からない視線の動かし方や、ほとんど中身のないことを自信タップリに話す様など、信念を持ったキ〇ガイ演技がなかなか堂に入っているのです。 傀儡政権がどうも言うことを聞かなくなったということでこれを処刑して自ら大統領に就任したり、部下の反対にも耳を貸さずに奴隷制を復活させたりと問題行動が目立つようになったことから、ウォーカーは最終的にアメリカ政府からも富豪からも切られるのですが、ウォーカーの人となりは冒頭から何ひとつ変わってはおらず、問題が大きくなるまではこんな異常者を重宝していたアメリカの政府や財界こそがおかしかったのではないかという結論で映画は締めくくられます。時代劇でありながらリムジンやヘリを登場させる場面には、これが現在のアメリカの物語であることを示すための演出意図があったとのことですが、これらの演出がどうにもあざとすぎるように感じました。また、制作時点から30年以上経った今となると、これらのメッセージも古臭く感じられました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-05-08 19:02:51) 4.オリヴァー・ストーンが題材にした「サルバドル/遥かなる日々」と同じようなもんかと思ってたがこんなにも異色だとは予想外でした。普通に作ってれば残酷さが満載で社会派ドラマになってただろうとは思うけど普通の映画を作らないアレックス・コックスの手にかかればブラックさが溢れるコメディ?うーん、皮肉さたっぷりで不意を突かれまくりました。実際の人物をモデルにしたとはいえエド・ハリスの演技がハマりすぎて面白すぎです。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-10 02:02:53) 3.《ネタバレ》 アメリカの黒歴史を描きつつ、「今も全く変わってねえじゃねえか!」とアメリカに痛烈な批判を浴びせかける非常にパンクな映画です。 エド・ハリスのイカレぶりがハマリすぎて怖いくらいです・・・・。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-06-29 22:09:43) 2.題材の重みがゲームっぽくふざけた感じに打ち消されてる。 【モチキチ】さん 5点(2005-02-27 23:55:42) 1.《ネタバレ》 アメリカの外交官ウィリアム・ウォーカーがニカラグアの自由主義国誕生を大義に軍部を掌握、反対派を虐殺、そしてついには大統領にまでなるという実際にあった話。ウォーカーの背後には運河を利用したいアメリカ運輸会社がおり、一見国家ではなくウォーカー個人の暴走にも見えるが、ネイティブアメリカンから土地を奪い今日まで侵略者であり続けるアメリカの一部であることは間違いない。実際この頃、中米の内紛には情報操作により戦犯も問われない大国アメリカとイギリスが大いに関与していたことは紛れもない事実。今作では国の介在がほとんど示されていない事に不満が残る。一見、愛する人の死がウォーカーを暴走させたようにも見えるが、それならそれでもっとその辺りを掘り下げてほしい。大量の鮮やかな赤の血のりもアクション映画っぽくて不満。興味のある題材であるのでそこそこ面白いとは思う。 【R&A】さん 6点(2004-02-09 11:48:12)
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