みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
6.《ネタバレ》 年に一度の“パージ”の一夜、その12時間だけはどんな悪事をはたらいても罪に問われない、ということなのですが、どの行為が正確に何時何分に行われたのか、アウトなのかセーフなのか、後から確定できる訳もなく、このルールはアカンでしょ、と思ってたら案の定、ルールが形骸化しちゃった、というこの第5作。モラル維持のために導入された劇薬とも言うべきパージ法が、かえってモラルの低下を招き、というかモラルを壊滅させ、パージ信奉者たちが終了時刻を過ぎてもパージを継続。収集がつかなくなったアメリカを後にして、隣国への国境を目指すサバイバルが描かれます。トランプ大統領の訴える「国境の壁」の、裏返し。 もともと、アメリカ社会の分断を描いていたのがこのパージ・シリーズですが、とうとう分断もここに極まって、今回描かれるのは、「危機からの脱出」どころか、「アメリカからの脱出」。もはや、諦めの境地、のような。 社会の分断を、ここまで徹底して二陣営間の対立として描くと、結局は、作品の賛否がそのまま社会の分断に輪をかけるだけ、だったりしないか、ちょっと心配になります。昨今、えてして、「私の主張とあわない作品なので、これは“駄作”である」、「一方的な描き方なので、“駄作”である」、「主人公の言動にも問題があるので“駄作”である」みたいな、謎の言説が横行するものだし。見たいもの、知りたいことだけ受け入れ、それ以外は駄作だとか偏向だとか言って拒絶する今の社会に、この作品は一石を投じることになるのか、それとも分断を批判することで分断を深める、自己撞着に陥るのか? ちなみに、私もこれまで、“駄作”なる言葉を全然使わなかったとは言いませんが、極力、使わないようにしています。ただ、思ったこと感じたことを書きはするけれど、ある映画が駄作かどうかを判断する力が自分にあるとは、思っていないので。 それはともかく。この作品では、パージが終わらない世界が、描かれます。パージの一夜が明けてもそれは本当の夜明けではない、もはや真の夜明けがやってくることのない世界。 昼間が舞台になり、メキシコ国境近くの荒野なども舞台になってくるのが、新趣向。閉塞感みたいなものはちょっと希薄。多彩な登場人物が織りなす逃亡劇、だけではなく、集団抗争劇っぽい内容にもなっています。長回し(あるいは長回し風?)の演出もあったりして、緊迫感も充分。 先住民の長老っぽい人物も出てきたりして、西部劇の世界を逆サイドから描いたような要素も。 結局、アメリカを突き放すように終わってしまいましたが、トランプ政権が復活した今、パージシリーズも、復活するのか、どうか。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-04-26 19:14:03)★《新規》★ 5.《ネタバレ》 「ゾンビの出ないゾンビ映画」とは言いえて妙ですね~。まさにそんな雰囲気の映画です。 パージが始まる前の独特の緊張感健在です。パージファンとしては、この雰囲気が感じられるだけでも嬉しくなります。 そしていよいよパージが始まってからの惨劇・・・・が起きない。 まさかの、何も起こらず終了のサイレン。これは今までになかったパターン。ちょっと意外。 ところがところが、パージは終わったはずなのに、街には何やら不穏な空気が・・・。 パージが終わったはずなのに、いったい何が起ころうとしているの~?という不謹慎なワクワクが止まらない。この辺までは良かったのですよ。 問題はこっから。 「フォーエバー・パージ」ってそーゆー意味かーい。 てっきり、廃止になったパージが復活して、『パージは、永遠に不滅です!』みたいな意味かと思ったら、全然違う。 いや、それはど~なの~?あのルールありきでやるからスリリングなんじゃないの~? 法治国家の法がなくなる恐怖。昨日まで家族だったり隣人だったりした人の内に秘めたる狂気。 そーいったものを見せてくれるのが、このシリーズの醍醐味だったように思うのですが~。 ほらほら、警察や軍が鎮圧に動き出しちゃってるじゃない。 「もし現代で内戦が起こったら?」のサバイバルアクションになっちゃいましたね~。 それはそれで、この映画よくできていますので、最後まで楽しんで見られるのですが。 パージ的サスペンス、パージ的風情を求めると、裏切られちゃうかもしれないですね。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-04-26 14:53:19)(良:1票) 4.《ネタバレ》 パージシリーズ未見で最初に見たのがよりによってこれって言うね。 もうパージとかどうでも良くなっちゃってんじゃん。 メキシコ移民問題絡めたいんだろうなぁって思いながら見ちゃうとダメだね。 エンタメと思って見るべきでした。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 5点(2024-02-28 15:52:56) ★3.面白かった。暴動中の市内を移動してる時の長回しはかなり気合入ってたね。メキシコ人は皆戦闘力が高くてカッコよかった! 【センブリーヌ】さん [インターネット(吹替)] 7点(2023-04-15 00:56:55) 2.《ネタバレ》 法治国家が法治を放棄して放置する(ねずっちです!)ご存じ『パージ』からタイムリミットを取り払ったのが『フォーエバー・パージ』でした。フォーエバーは『ヤマトよ永遠に』のような観念的な用法ではなく“永遠に続く”を意味しました。勿論おかしな表現。喩えるならリミテッドエディション好評につきレギュラー販売へ。あるいは年中開催している閉店セールとか、時限目的税がいつの間にか恒久普通税になんて話と同じ。いずれにせよ詐欺の類ですが、割とよくある話です。それだけ“時間制限”が人々の心を惑わす魅力的なギミックである証拠と言えましょう。ですから物語前半のうちにシリーズサスペンスのセールスポイントを捨てた事が不思議でしたが、すぐさま新たな時間制限が付されました。6時間限定で国境開放。生き延びたければ国を捨てろ。なるほどそういう趣向かと納得していたところ、なんとこちらの条件も反故にするという驚きの展開が待っていました。一度ならず二度までも。このある種の“契約違反”が意味するのは何でしょう。“絶対に諦めるな”ですか“約束なんて信じるな”ですか。冒頭の駄洒落に戻りますが、法治国家が一時的にでも法治を放棄した時点で国家と国民との信頼関係は失われていたのかもしれません。通貨が価値を持つのも平穏な日常も、国家が国民と約束した信用の上に成り立つ状態。日常に戻らないパージは単なる暴動に違いなく、信用を無くした社会は地獄に他なりません。本作はまるでゾンビの出ないゾンビ映画のようでした。 『パージ』の中二病的世界は穴だらけの設定ですが、言い訳不要で刺激には事欠かない優れたアイデアでした。しかし本作でシリーズの枠組みを無視した禁じ手を採用した以上、もう続編は厳しいでしょう。商売的に潮時と判断しての焼き畑だったかもしれません。それでも続編を制作するなら同一時間軸でのアナザーストーリーでしょうか。パージを利用した復讐劇とか、現金強奪作戦とか。パージから逃げ惑う人々を描くのではなく、パージ制度を利用(悪用)する側からのサスペンスなら観てみたいです。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 5点(2023-02-17 18:52:38)(良:1票) 1.《ネタバレ》 パージシリーズはあらかた見ていると思います。見落としもあるかもしれないが、そこまで固執してないシリーズなので。 パージを見ていつも思うのは「これだけ血みどろの殺し合いをした後で元の生活に戻れるわけないじゃん」と言う物。この作品はその積年の疑問に答えるものでした。12時間のパージが終わった後も殺戮が止まずに暴動に発展してアメリカは崩壊していく。そりゃそうだろと思うが、おかげで普通の暴動映画になっちゃいました。ただ、あの牧場主の「地獄に落ちろ!」は刺さりましたね。それなりに見応えはありました。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 6点(2022-05-30 21:36:49)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS