みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★3.《ネタバレ》 小さな貝の目線で見た世界。人間の世界に生きる貝という設定だけれど、決して人間の世界を悪く表現はしていなくて、寧ろその便利さを自分たちなりに活かして生活している貝たち。かと言って人間の世界への憧れやオマージュもなくて、そこにあるのは全てが上手く溶け合った世界とでも言いましょうか。上も下も優も劣もないです。 そもそもマルセルは自らを「貝」だと言っているから「貝」なのであって、ディーンとの関係性を見れば明らかなように所謂「貝」ではなくて「人間の隣に居る人間ではない存在」なのでしょう。少なくとも「巻貝」じゃないし。だって貝殻の中に住んでる訳じゃなくて貝殻と本体は一体化してますしね。よくよく仲間たちを見てみれば全然「貝」じゃないのもいますし。いや、そんなこと観察することはこの作品の鑑賞にあたっては全く意味がないですね。 同じ世界に住む異なる存在。彼らが助け合い認め合い共存している姿。そこに住む者は皆自分たちなりに自由。ひとつの理想郷ですね。シンプルにその在り方を描いた作品。どう解釈しようとそれは観る者の自由でしょう。実写とストップモーションの組み合わせで創り上げられた世界。それを際立たせる声の演出。少なくとも私は温かな気持ちになることが出来ました。間違いなく良作ですね。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 8点(2025-03-21 23:38:29)★《新規》★ 2.《ネタバレ》 「皆さん、はじめまして。僕の名前はマルセル。君たち人間からしたらとっても小さな存在だと思うけど、ちゃんとここに居るよ。見ての通り、僕の身体は貝殻。でも、ちゃんと靴は履いてる。僕が住んでるこの家には、僕の仲間の貝殻たちが20匹もいたんだ。でも、色々あって今はもう2匹しかいない。僕とお祖母ちゃんのコニー。もちろん寂しいけど、何とか暮らしてる。でもね、やっぱり僕は家族のことが心配なんだ」――。短期滞在型のゲストハウスに越してきたアマチュア映画作家のディーンは、そんな小さな貝殻であるマルセルと出会う。こいつはなんてユニークなんだと彼の映像を動画に撮り、ネットにアップしてみると案の定、彼の存在は瞬く間に評判を呼び、再生回数はうなぎ上り。マルセルは一躍人気者となるのだった。テレビや雑誌から取材依頼が殺到、彼を一目見ようと遠くからたくさんの人たちがやってくることに。でも、マルセルはやっぱり居なくなった仲間のことが心配で仕方ない。彼は、前住人の荷物に紛れて連れ去られてしまった仲間たちを捜しに行こうとディーンに提案する。そんな折、お祖母ちゃんが棚から落ちて大怪我をしてしまい……。靴を履いた小さな貝殻であるマルセルの日常と冒険を、実写とストップモーションを組み合わせて描いたアニメーション。とにかくこのユニークな発想となんとも言えないほのぼのとした雰囲気が終始心地良い作品でしたね、これ。まぁNHKのEテレなんかでよくある5分程度のパペットアニメを引き延ばして映画にしただけという気がしなくもないですが、自分はこーゆー独自の世界観、嫌いじゃない。なにより主人公であるマルセルの声が良いんですよね~。声変わり間近の男の子って感じのこのたどたどしい喋り方がなんとも愛らしくて、思わずぎゅっとしたくなってしまいます(実際にしたらぶちゅっと潰れるだろうけど!笑)。また、終始ほのぼのしてるだけじゃなくて、この貝殻から見た人間世界がどこか歪んでるのもシニカルで大変グッド。マルセルが家族を捜したいって訴えてるのに動画を見た視聴者はただ面白がって家に押しかけて不法侵入するだけだったり、人間カップルが常に怒鳴り合いの大喧嘩してたり離婚調停中だったりと現実的なのがこのふわふわとした物語に深みを与えている。そして、怪我が原因で体調を崩してしまったお祖母ちゃん貝殻。彼女が孫のマルセルの為に必死に元気な姿を装おうとするとこなんかジーンときちゃいますね(多少あざとさは感じるけども!笑)。そして最後は見つかった20匹の様々な貝殻たちとパーティーして大団円。さすがにこんなに動く貝殻が居ると気持ち悪……、いや感動的でした。うん、なかなか個性的で面白かった! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-09-11 13:41:41) 1.《ネタバレ》 アマプラで観ました。 昨年上映されて、各賞にノミネートされるなどちょっと話題になってたりはしており、ただ海外のアニメ作品って上映館が少ない上に、面白そうと思ったらもう地元では終わってたり、まだ上映してても第2週目から朝一上映に切り替わったりで仕事帰りに観に行こうとしても夜にはやってなかったりで(対象年齢が子供とかだったりするのもあって)、わざわざ視聴のために県外の大都市圏に行くのも交通費だけでとんでもないとかあって、観ること自体が著しく困難だったりして先送りにしてしまうことがよくあります。逆にアマプラ等の動画配信サイトで割と早めに出てきたりするので気が付いたら観たりします。 アニメと言っても、非常に多様な表現があって、加えて海外ものだと日本の主流からするとかけ離れた様式のものが多々あるので実際観てみないと全然わからないことがよくありますが、本作はモーションキャプチャーのアニメーションに、普通のリアルな人間もいっしょに登場するという独特の表現をしており、人間どころかリアルの動物や虫なんかも登場して、虫に一体どういう演技をさせるのか!? という驚愕の表現などもされてて表現としてかなり面白かったです。自然にあるものや現実の人の家にあるものを、ちっぽけな貝の視点で見直してみると人から見えるものとは別世界が切り拓かれて非常に面白かった。スケートのシーンとか良かったです。 キャラクターの方も、タイトルの通り小さな巻貝にちょこんと2本足と手を2本をくっつけただけの簡素なもので、映像がしばしば人間スケールだったりするので大きな画面の中で、虫のようにごく小さなマルセルとおばあちゃんがチマチマ動くだけで、最初は昔の教育番組なんかでやる人形を出してやるすごいレトロな表現に近くてアニメ表現としては古めかしいあまり新しさのないものかと思ったんですけど、巻貝の穴の部分に目がついて、口のところが切れ込みが入って細かく動き、手足も表情豊かに実に繊細に動いて、加えて主人公のマルセルの声が実にかわいらしくしゃべって(吹替え版で観ました)、終わってみたらあの小さくチマチマ動く手足のついた貝たちが可愛くいとおしく見えてくるという、昔アバターっていう映画で非人間的な異星の種族たちが観てるうちにどんどん魅力的に見えてくるようになるという、同じような感覚を本作品でも味わいました。 ストーリー的にはとにかく主人公のマルセルとおばあちゃんのやりとりが終始ほほえましく、特に終盤の、大事な孫のマルセルのためにやる数々の行いに心を震わされて、ぐぐぐぐってなってしまいました。本映画は作業中に、ながら見であまり集中してみようとしたものではなかったんですけど、思わずぐっと引き込まれてしまって、これは他ごとしながら観るようなものじゃなくて、ちゃんと観た方が良いですよと書き残しておきます。 【sim】さん [インターネット(吹替)] 8点(2024-06-09 12:40:43)(良:1票)
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